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ACL エディタでは,キーパッド編集だけではなく,他のキーボード・キーやキー・シーケンスを利用して編集機能を実行することができます。それらの編集キーとキー・シーケンスを, 表 A-2 に示します。括弧内のキーは,LK201 シリーズのキーボードにおけるキーです。
キーまたはシーケンス | キーまたはシーケンスを押したときの動作 |
---|---|
↓ | 1 行下の文字にカーソルを直接移動する。カーソルが位置している ACE が新しい ACE である場合, ACL エディタは,カーソルを移動する前にこの ACE を処理する。エントリが不完全であるか形式がまちがっている場合はエラーとなり,カーソルは移動しない。 |
← | 1 文字左にカーソルを移動する。左マージンにカーソルが位置している場合,1 行上の右端の文字にカーソルを移動する。 |
→ | 1 文字右にカーソルを移動する。右マージンにカーソルが位置している場合,1 行下の左端の文字にカーソルを移動する。 |
↑ | 1 行上の文字にカーソルを直接移動する。カーソルが位置している ACE が新しい ACE である場合, ACL エディタは,カーソルを移動する前にこの ACE を処理する。エントリが不完全であるか形式がまちがっている場合はエラーとなり,カーソルは移動しない。 |
GOLD- ← | 表示ウィンドウ内のテキストを 8 文字左に移行する。 |
GOLD- → | 表示ウィンドウ内のテキストを 8 文字右に移行する。 |
バックスペース (F12) | 現在の行の先頭にカーソルを移動する。 |
Ctrl/A | 挿入モードから上書きモードに,または上書きモードから挿入モードに,現在のモードを変更する。省略時のモードである挿入モードでは,現在の文字の左に文字を挿入する。上書きモードでは,現在の文字が置換される。 |
Ctrl/D | TPU コマンドを 1 つ実行する。 |
Ctrl/H | 行の先頭にカーソルを移動する。バックスペース・キーと同じ機能である。 |
Ctrl/J | カーソルからワードの先頭までのテキストを削除する。Linefeed キーと同じ機能である。 |
Ctrl/R | 画面表示をリフレッシュする。画面をクリアして再描画する。編集している ACL の一部ではない,外部からの文字やメッセージが表示されている場合,それらをすべて削除する。Ctrl/W と同じ機能である。 |
GOLD-Ctrl/R | ACL エディタを始動する前の状態に ACL を戻す。GOLD-Ctrl/W と同じ機能である。 |
Ctrl/U | カーソルから行の先頭までのテキストを削除する。 |
GOLD-Ctrl/U | 削除行バッファの内容を,現在の位置の行に挿入する。行は自動的にラップする場合がある。 |
Ctrl/W | Ctrl/R を参照。 |
GOLD-Ctrl/W | GOLD Ctrl/R を参照。 |
Ctrl/Z | 編集セッションを終了し,ACL を更新する。原則として,回復ファイルとジャーナル・ファイルは,すべて削除される。 |
GOLD-Ctrl/Z | ACL に行った変更内容をセーブしないまま編集セッションを終了する。原則として,回復ファイルとジャーナル・ファイルは,すべて削除される。 |
Delete (< X|) | カーソルの左の文字を削除する。 |
Linefeed (F13) | カーソルからワードの先頭までのテキストを削除する。カーソルがワードの先頭文字に位置している場合,直前のワードの先頭まで削除する。 |
Tab | カーソルの右にあるテキストを次のタブ・ストップまで移動する。 |
A.3 補助キーパッドの ACL 編集キー(LK201 シリーズ ・ キーボード)
LK201 シリーズ・キーボードの補助キーパッドを使用すれば, 1 つの ACL 内のある部分から別の部分にテキストの一部を移動することができます。ただし,Insert Here,Remove,Select などの補助編集キーでは,省略時には許可されない PASTE バッファが必要です。現在の編集セッションで PASTE バッファを許可する方法は,次のとおりです。
TPU command: ACLEDIT$X_PASTE_BUFFER:=1 |
TPU command: ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY:=0 |
ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY 変数の値に 0 を設定すると,変更可能な ACE が存在するかどうかを ACL はチェックしません。この PASTE のサポートと変更可能 ACE のチェックという 2 つの機能は,互いに互換性がありません。
すべての ACL 編集セッションに対して PASTE バッファを許可するには, ACL エディタ・セクション・ファイルの ACLEDIT$X_PASTE_BUFFER と ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY の変数値を変更し,このファイルを再コンパイルします。 付録 B を参照してください。
表 A-3 は,ACL エディタで使用できる補助キーパッド・キーの一覧です。
キーまたは キー・シーケンス |
説明 |
---|---|
Find | FIND 動作の最初のステップとして,プロンプト Search for: を出力する。このプロンプトに対して検索文字列を入力し,Do キーまたは Enter キーを押すと,検索処理が開始する。キーパッド・コマンド FIND と同じ機能である。 |
Insert Here | ACE を挿入する場所を指示する。 PASTE バッファのサポートが許可されている場合,選択した PASTE バッファ内テキストを挿入する行を指示する。 |
Remove | 選択したテキストを PASTE バッファに移動する。Remove キーを押すたびに,ACL エディタは PASTE バッファの以前の内容を削除する。 |
GOLD-Remove (COPY) | 選択したテキストを PASTE バッファにコピーする。COPY コマンドを実行するたびに,ACL エディタは PASTE バッファの以前の内容を削除する。 |
Select | PASTE バッファに移動またはコピーするテキストの先頭にカーソルを移動し,Select キーを押し,テキスト末尾にカーソルを移動する。Remove または GOLD-Remove (COPY) を押すと,移動またはコピーの動作が終了する。 |
Prev Screen | 直前の画面にカーソルを移動する。省略時の画面は,表示行数の 3 分の 2 に相当する。 |
Next Screen | 1 画面前方にカーソルを移動する。省略時の画面は,表示行数の 3 分の 2 に相当する。 |
ACL セクション・ファイル SYS$LIBRARY:ACLEDIT.TPU を変更して再コンパイルすることにより,ACL (アクセス制御リスト) エディタを変更することができます。 SYS$LIBRARY:ACLEDIT.TPU ファイルは,コンパイル済みの ACL セクション・ファイル SYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION.TPU$SECTION のソース・ファイルです。独自の ACL セクション・ファイルを作成することもできます。
セクション・ファイルの作成と処理の詳細については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。
B.1 ACL セクション・ファイルに格納されている変数の変更
表 B-1 は,ACL セクション・ファイルの変数と省略時の値の一覧です。
変数 | 意味 | ||||
---|---|---|---|---|---|
ACLEDIT$X_CHECK_DUPLICATES | 重複 ACE をチェックするかどうかを制御する。次の値を定義できる。
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ACLEDIT$X_CHECK_MODIFY | ACE の変更を許可または禁止する。次の値を定義できる。
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ACLEDIT$X_DIRECTORY_FILE | オブジェクトがディレクトリ・ファイルであるかどうかを示す。次の値を定義できる。
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ACLEDIT$X_PASTE_BUFFER | VT200 シリーズ・ターミナルに対し, PASTE バッファのサポートを許可するかどうかを制御する。次の値を定義できる。
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ACLEDIT$X_PROMPT | 自動テキスト挿入 (プロンプト・モード) を許可するかどうかを制御する。次の値を定義できる。
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ACLEDIT$X_USE_DEFAULT_OPT | DEFAULT オプションをディレクトリ以外の ACE で使用できるかどうかを制御する。次の値を定義できる。
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ACLEDIT$C_WINDOW_SHIFT | 指定方向で編集ウィンドウを移行するカラム数を指定する。左方向の移行には GOLD キーと左向き矢印キー,右方向の移行には GOLD キーと右向き矢印キーを使用する。省略時の値は,8 カラムである。 |
表 B-1 に示されている変数を変更した場合や ACL セクション・ファイルの他の部分を変更した場合,次のコマンドでセクション・ファイルを再コンパイルします。
$ EDIT/TPU/NOSECTION/COMMAND=SYS$LIBRARY:ACLEDIT |
上記のコマンドは,コンパイル済み ACL セクション・ファイル
SYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION を作成するソース・コード・ファイル SYS$LIBRARY:ACLEDIT を直接変更する場合に使用します。既存の ACL セクション・ファイルにプライベート・コマンド・ファイルを追加する場合には,次のコマンドを使用します。
$ EDIT/TPU/SECTION=SYS$LIBRARY:ACLEDT$SECTION/COMMAND=CUSTOM_ACL.TPU |
コンパイルされた DECtpu ACL セクション・ファイルは,現在のディレクトリに格納されます。このセクション・ファイルを実行するには,次のいずれかの作業を行います。
$ DEFINE ACLEDT$SECTION yourdisk:[yourdir]ACLEDT$SECTION |
コンパイルする前のセクション・ファイル (ソース・ファイル) の省略時のファイル・タイプは TPU であり,コンパイル済みセクション・ファイルの省略時のファイル・タイプは TPU$SECTION です。
DECtpu セクション・ファイルの作成と処理の詳細については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』を参照してください。
B.2 ACL エディタ・ルーチン CALL_USER の使用法
ACL エディタ・ルーチン CALL_USER は,共用可能イメージ
SYS$LIBRARY:ACLEDTSHR.EXE の一部です。このルーチンは,その既存機能コードとともに ACL セクション・ファイルに含めることができます。また,別の機能コードを認識する CALL_USER ルーチンを,新たに作成することもできます。
ACL エディタ・ルーチン CALL_USER は,ACL エディタの DECtpu セクション・ファイルが使用する機能だけを認識します。その他の機能コードは,ユーザが提供する CALL_USER ルーチンに渡されます。ACL エディタ・ファシリティ・コード (10 進値 277 または 16 進値 115) を上位ワードに含んでいる CALL_USER 機能コードは,ACL エディタの CALL_USER ルーチンで処理されます。その他の機能コードの場合,ユーザが提供する CALL_USER ルーチンが使用されます。CALL_USER ルーチンの作成方法については,『DEC Text Processing Utility Reference Manual』の CALL_USER ルーチンの説明を参照してください。
表 B-2 は,ACL エディタがサポートする CALL_USER ルーチンの機能コードの一覧です。
機能 コード |
ニーモニック | 説明 |
---|---|---|
18153473 | ACLEDIT$C_PARSE_ACE | 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーが存在しない場合は解析済み (バイナリ) ACE を戻す。エラーを検出した場合,最初の 2 文字が 0,入力 ACE の中で解析されなかった箇所を 3 文字目以降とする文字列を戻す。 |
18153474 | ACLEDIT$C_CHECK_MODIFY | ユーザが変更できる ACE の場合,文字列 "READ_WRITE" を戻す。変更できない ACE の場合,文字列 "READ_ONLY" を戻す。 |
18153475 | ACLEDIT$C_PROMPT_MODE | プロンプト・モードが指定されている場合,文字列 "PROMPT_MODE" を戻す。プロンプト・モードが指定されていない場合,文字列 "NOPROMPT_MODE" を戻す。 |
18153476 | ACLEDIT$C_CHECK_ACE | 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーが存在しない場合は解析済み (バイナリ) ACE を戻す。エラーを検出した場合,ACE テキストを強調表示し,エラーがある ACE であることを示す DECtpu 変数 ACLEDIT$X_RANGE_x を作成する。 "x" は,1 から始まる通し番号である。 |
18153477 | ACLEDIT$C_CHECK_DIR | 編集対象オブジェクトがディレクトリ・ファイルである場合,文字列 "DIRECTORY_FILE" を戻す。ディレクトリ・ファイルでない場合,文字列 "NODIRECTORY_FILE" を戻す。 |
18153478 | ACLEDIT$C_SET_CANDIDATE | 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーが存在しない場合は文字列 "PARSE_OK" を戻す。エラーを検出した場合,文字列 "PARSE_ERROR" を戻す。解析が正常終了した場合,CALL_USER の ACLEDIT$C_CHECK_DUP 機能が重複 ACE をチェックする。 |
18153479 | ACLEDIT$C_CHECK_DUP | 入力文字列 (ACE) を解析し,エラーを検出した場合は文字列 "PARSE_ERROR" を戻す。エラーが存在しない場合,CALL_USER の ACLEDIT$C_SET_CANDIDATE 機能が設定した候補 ACE と解析済み (バイナリ) ACE とを比較する。 ACE が重複している場合は文字列 "DUPLICATE_ACE" を戻し,重複していない場合は文字列 "UNIQUE_ACE" を戻す。 |
18153482 | ACLEDIT$C_MESSAGE | 入力文字列がシステム・エラー・コードであると仮定し,そのエラー・コードに対応するメッセージ・テキストを ACL エディタのメッセージ・ウィンドウに戻す。 |
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