日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS

日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS

インストレーション/ コンフィギュレーション・ガイド

AA--QUL7E--TE


2001 年 5 月

本書は,日本語Compaq TCP/IP for OpenVMS 製品を OpenVMS ホストにインストールしコンフィギュレーションする方法について説明します。

改訂情報: 本書は改訂版です。

オペレーティング・システム: 日本語 OpenVMS Alpha V7.1,V7.2-1 日本語 OpenVMS VAX V7.1,V7.2

ソフトウェア・バージョン: 日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS V5.1


2001 年 5 月

© Compaq Computer K.K. 2001 All rights reserved.

COMPAQ, OpenVMS, VAX, VMS, および Compaq ロゴは,米国 Patent and Trademark Office に登録されています。

DECnet,OpenVMS,PATHWORKS,および Tru64 は, Compaq Information Technologies Group, L.P. の商標です。

本書に記載しているその他すべての製品名は,それぞれの会社の商標です。

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まえがき

日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSは, TCP/IPネットワーキング・プロトコル体系とインターネット・サービスを日本語OpenVMS Alphaおよび日本語OpenVMS VAXシステム用に実装した弊社の製品です。

日本語TCP/IP Services は,異種ネットワーク通信とリソース共有のための業界標準プロトコルをサポートする包括的な機能とアプリケーションのセットを提供します。

本書は,日本語OpenVMSシステム環境で,日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS (TCP/IP Services) ネットワーキング・ソフトウェアをインストールおよびコンフィギュレーションする方法について説明しています。本書は,日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMS V5.1 製品のためのインストレーションおよびコンフィギュレーションの手順を反映しています。これらの手順の最終的な変更についての詳細は,『日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS リリース・ノート』を参照してください。

対象読者

本書は経験のある OpenVMS および UNIX のシステム管理者を対象としており, OpenVMS のシステム管理,TCP/IP ネットワークとその用語を理解していることを前提に書かれています。

本書の構成

本書は3つの章と1つの付録で構成されています。

関連資料

表 1 に,日本語 TCP/IP Services で利用できるドキュメントを示します。

表 1 日本語TCP/IP Services のドキュメント
ドキュメント 内容
『 DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS Concepts and Planning 』 このマニュアルでは, BIND (Berkeley Internet Name Domain) サービスおよび NFS (Network File System) の Compaq による実装についての説明を含め,ネットワーキングおよび TCP/IP プロトコルに関する概念的な情報を提供します。このマニュアルは,日本語 TCP/IP Services ソフトウェアを使用するためにシステムのコンフィギュレーションを行う前に考慮すべき一般的な設計上の問題について概要を示しています。

また,このマニュアルでは,ドキュメント・セットのマニュアルについて記述し,日本語 TCP/IP Services ソフトウェア製品で使用されている用語および頭文字の用語集を提供し,ドメインを登録するために InterNIC Registration Service にコンタクトする方法および RFC (Request for Comments)にアクセスする方法についても記述しています。

『日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS リリース・ノート』 リリース・ノートでは,ドキュメント・セットの情報に置き代わるバージョン固有の情報を提供しています。ソフトウェアの本バージョンの機能,制限事項,および訂正事項については,リリース・ノートに記載されています。ソフトウェアをインストールする前には必ずリリース・ノートをお読みください。
『日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS インストレーション/コンフィギュレーション・ガイド』 このマニュアルは,日本語TCP/IP Services 製品のインストレーションとコンフィギュレーションの方法について説明しています。
『日本語 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS 日本語機能の手引き』 このマニュアルは,日本Compaq TCP/IP Services for OpenVMSの日本語機能の概要と,漢字フィルタの使用方法及び,漢字フィルタのプログラミングについて説明しています。
『 DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS User's Guide 』 このマニュアルは,リモート・ファイル操作,電子メール,TELNET,TN3270,ネットワーク印刷など,日本語 TCP/IP Servicesで利用できるアプリケーションの使用方法について説明しています。また,これらのサービスを使って,プライベート・インターネットや世界規模のインターネット上のシステムと通信を行う方法についても説明しています。
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management 』 このマニュアルは,日本語 TCP/IP Services 製品のコンフィギュレーションと管理の方法について説明しています。

このマニュアルは,『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management Command Reference 』と併用してください。

『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management Command Reference 』 このマニュアルは,日本語TCP/IP Services の管理コマンドについて説明しています。

このマニュアルは『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management 』と併用してください。

『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management Command Quick Reference Card 』 このリファレンス・カードでは,構成要素ごとに TCP/IP 管理コマンドをリストし,各コマンドの目的を説明しています。
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS UNIX Command Reference Card 』 このリファレンス・カードには,よく実行されるネットワーク管理タスクおよび対応する TCP/IP 管理と Compaq Tru64 UNIX コマンド書式に関する情報が記載されています。
『 DIGITAL TCP/IP Services for OpenVMS ONC RPC Programming 』 このマニュアルは,オープン・ネットワーク・コンピューティングのリモート・プロシージャ・コール(ONC RPC)を使った高水準プログラミングについて概説しています。また,RPCプログラミング・インタフェースや, RPCGENプロトコル・コンパイラを使ったアプリケーションの作成方法についても説明しています。
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Sockets API and System Services Programming 』 このマニュアルは,ソケット APIとOpenVMSシステム・サービスを使って,ネットワーク・アプリケーションを開発する方法について説明しています。
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS SNMP Programming and Reference 』 このマニュアルは,簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP) および SNMPアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API) について説明しています。また,TCP/IP Services で提供されるサブエージェント,サブエージェントの管理のために提供されているユーティリティ,およびユーザ独自のサブエージェントの構築方法についても説明しています。
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Tuning and Troubleshooting 』 このマニュアルでは,ネットワーク問題の原因を切り分ける方法,および最高の性能を引き出すために日本語 TCP/IP Services ソフトウェアをチューニングする方法について説明しています。
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Guide to IPv6 』 このマニュアルでは, IPv6環境,この環境におけるシステムの役割り,異なるIPv6アドレスのタイプと機能,および 6bone ネットワークにアクセスするために日本語 TCP/IP Services をコンフィギュレーションする方法について説明しています。

TCP/IPプロトコル体系全般の概要を知りたい場合には,Douglas Comer著『Internetworking with TCP/IP: Principles, Protocols, and Architecture』が参考になります。

表記法

日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSには,次の両方の製品が含まれます。

UNIX という名称は,Compaq Tru64 UNIX オペレーティング・システムを指します。

本書では,以下の表記法に従っています。また,本書で使用されている IP アドレスは架空のものです。

Ctrl/ x Ctrl/ x のような表記は, Ctrl というラベルの付いたキーを押しながら,別のキーまたはポインティング・デバイスのボタンを押すことを示します。
PF1 x PF1 x のような表記は,まず,PF1 というラベルの付いたキーを押して放し,その後,別のキーまたはポインティング・デバイスのボタンを押すことを示します。
[Return] 例中では,四角で囲まれたキー名は,ユーザがキーボードのキーを押すことを示します (本文中では,キー名は四角で囲まれません)。

本書の HTML 版では,この表記は四角ではなく,カッコになります。

... 例中の水平方向の省略記号は,次のいずれかを示します。
  • 文で追加のオプション引数が省略されている。
  • 前述の項目 (1つまたは複数) が 1回以上繰り返される。
  • 追加のパラメータ,値,または他の情報が入力できる。

.
.
.
垂直方向の省略記号は,コーディング例またはコマンド書式で項目が省略されていることを示します。つまり,説明しているトピックに関して重要でない事項であるため,省略されています。
( ) コマンド書式の説明で,カッコは,複数選択する場合には,選択したものをカッコで囲む必要があることを示します。
[ ] コマンド書式の説明で,大カッコはオプション選択を示します。ユーザは1つまたは複数の項目を選択することも,あるいは選択しないこともできます。コマンド行に大カッコを入力してはなりません。ただし,OpenVMS のディレクトリ指定,または割り当て文の部分列指定の構文では大カッコを含める必要があります。
| コマンド書式の説明では,縦線は大カッコまたは中カッコ内で選択項目を区切ります。大カッコ内では,選択はオプションですが,中カッコ内では,必ず 1つ以上を選択する必要があります。コマンド行に縦線を入力してはなりません。
{ } コマンド書式の説明で,中カッコは必須の選択を示し,リストされている項目から 1 つ以上の項目を選択する必要があります。コマンド行に中カッコを入力してはなりません。
bold text この書体は,新しい用語であることを示します。また,引数の名前,属性,あるいは理由を示します。
italic text 斜体のテキストは,変数を示します。変数には,システム出力 (Internal error number),コマンド行 (/PRODUCER= name),および本文中のコマンド・パラメータ (このとき, dd はデバイス・タイプの事前に定義されたコードを表します) において異なる情報も含まれます。
UPPERCASE TEXT 大文字は,OpenVMS および Compaq TCP/IP Services for OpenVMS のコマンド,オプション,ユーティリティ,ファイル,ディレクトリ,ホスト,およびユーザの名前を示します。
Monospace text この書体は,コーディング例および対話型の画面表示を示します。

また,この書体は UNIX のシステム出力またはユーザ入力,コマンド,オプション,ファイル,ディレクトリ,ユーティリティ,ホスト,およびユーザを示します。

C プログラミング言語では,この書体は次の項目を示します。つまり,キーワード,単独でコンパイルされた外部関数とファイル,構文のまとめ,例中の変数または識別子の参照を示します。

- コマンド書式の説明,コマンド行,コード行の終わりのハイフンは,コマンドまたは文が次の行に継続することを示します。


第 1 章
TCP/IP Servicesのインストレーションとコンフィギュレーションを行う前の準備作業

本章では,日本語Compaq TCP/IP Services for OpenVMSソフトウェアのインストレーションとコンフィギュレーションに必要な準備作業について説明します。

1.1 関連する主な作業の確認

TCP/IP Servicesソフトウェアのインストールは数分で完了します。このソフトウェアは,OpenVMSオペレーティング・システムのインストール手順の一環として同時にインストールすることも,レイヤード・プロダクトとして別個にインストールすることもできます。

TCP/IP Servicesのインストールが終了したら,次の作業として,構成要素を使用可能にし,メニュー方式のTCPIP$CONFIGコンフィギュレーション手順を実行して,コンフィギュレーションの内容を検証します。この作業は,通常15分程度で終了します。

表 1-1 に,TCP/IP Servicesソフトウェアのインストールとコンフィギュレーションに関係する主な作業,およびそれらの作業について説明している箇所を示します。

表 1-1 主な作業:インストールとコンフィギュレーション
手順 作業 参照先
1 インストールとコンフィギュレーションを行う前の準備作業 第 1.2 節 および 第 1.3 節
2 システムで実行されている TCP/IP Services の以前のバージョンのシャットダウン 第 2.1 節
3 TCP/IP Servicesのインストレーション 第 2 章
4 ネットワーク環境に合わせた TCP/IP Servicesのコンフィギュレーション 第 3 章
5 TCP/IP Services の起動 第 3.5 節
6 コンフィギュレーションの内容の検証 第 3.6 節
7 必要に応じて,追加のコンフィギュレーションおよびセットアップ作業を実行 第 3.7 節

1.2 インストール前の作業

表 1-2 に,システムにTCP/IP Servicesをインストールする前に完了しておく必要のある作業と,それらの作業について説明している箇所を示します。

表 1-2 インストール前の作業
手順 作業 参照先
1 配布キットの検査 第 1.2.1 項
2 TCP/IP Servicesリリース・ノートの抽出と一読 第 1.2.2 項
3 システム・ディスクのバックアップ 第 1.2.3 項
4 必要に応じて,OpenVMSオペレーティング・システムのアップグレード 第 1.2.3 項
5 TCP/IP ServicesライセンスPAKの登録 第 1.2.4 項
6 ディスクの空き領域,メモリの容量,およびシステム・パラメータのチェック 第 1.2.5 項第 1.2.7 項
7 必要に応じて,ユーザ識別コード(UIC)の割り当て 第 1.2.8 項
8 コンフィギュレーション情報の収集 第 1.3 節


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