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NTP サーバの階層の上限は 15 です。 15 以上の階層を報告するタイム・サーバとは同期を行いません。このため,(「local-master」コマンドで)「自由実行」として指定されている UCX NTP サーバを実行しているサーバとの同期を試みると問題が生じることがあります。このような場合に正常に実行させるためには,「local-master」指定を 14 以下の階層で指定する必要があります。
3.13 エラー・メッセージ
一部のエラー・メッセージには余分な空行が含まれていることがあります。
$ FTP host-name %TCPIP-E-FTP_HSTINF, cannot get host information for host-name from database -RMS-E-RNF, record not found $ |
本節では,FTP の問題点と制限事項について説明します。
3.14.1 GET/FDL コマンド
OpenVMS を実行していないシステムに接続した場合,次のコマンドは失敗します。
FTP> GET/FDL a/b/c.d |
FTP は誤ってファイル /FDL を返そうと試みます。
この問題を回避するには,次のシーケンスを使ってコマンドを入力します。
FTP> cd a/b/ FTP> GET/FDL c.d |
3.14.2 混在オペレーティング・システム環境におけるExtended File Specifications
FTP では,ファイル名はターゲット・オペレーティング・システム上で有効でなければなりません。この要件は,Extended File Specification 名の文脈で,ファイル名の中の特定の文字をどのような場合にエスケープしなくてはならないかを説明するとわかりやすいでしょう。
たとえば,ファイル A^;b.Dat;3は,最初のセミコロンの前にカレット・エスケープを必要とします。このファイル名を,プロセスの解析スタイルが EXTENDED に設定されており, ODS5 ディスクを参照している,OpenVMS V7.2 を実行するシステム間で転送して,表示すると,予期した動作が得られます。ファイルは A^;b.Dat;3と表示され,次のコマンドはローカル・システム上にファイル A^;b.Dat;を作成します。
FTP> get A^;b.Dat |
最後のセミコロンの右側の数字は,ディレクトリの中に,その名前を持つ既存のファイルがある場合はそのバージョンによって変わります。
OpenVMS システムと,OpenVMS を実行していないシステムとの間で動作するとき, FTP サーバはファイルを A^;b.Dat.3と表示します (;3 ではなく .3)。
たとえば,UNIX システムからファイル A;b.Datの GET コマンドを入力するときには,出力指定でカレットを指定する必要があります。
FTP> GET A;b.Dat A^;b.Dat |
次のコマンドを入力すると,ファイル指定エラーが発生します。
FTP> GET A;b.Dat |
PUT コマンドを入力するときには,出力指定からカレット・エスケープを手動で削除する必要があります。
FTP> PUT A^;b.Dat A;b.Dat |
このバージョンの DHCP には,以下の問題または制約があります。
# Network Netmask 192.1.1.0 255.255.255.224 192.1.1.96 255.255.255.240 |
TCPIP> SET HOST host/ADDRESS=IP_address |
以降の各項では,PPP および SLIP サービスの問題について説明します。
3.16.1 OpenVMS V7.1 上での PPP の実行
OpenVMS V7.1 上で PPP を実行している場合には, ASNDRIVER の修正キットをインストールしている必要があります。このキットがなければ,PPP はシステム・クラッシュを引き起こす可能性があります。このキットには ASNDRIVER とその他の修正が含まれています。詳細については,キットのカバー・レターを参照してください。
このキットとカバー・レターは,次の場所でアクセスすることができます。
ftp://ftp.service.digital.com/public/vms/axp/v7.1/alppppd01_071.A-DCX_AXPEXE ftp://ftp.service.digital.com/public/vms/axp/v7.1/alppppd01_071.CVRLET_TXT |
3.16.2 PPPD CONNECT が引き起こすシステム障害
本バージョンの日本語 TCP/IP Services を起動し,シャットダウンして,再起動したのちに,リモート・ユーザがダイアル・インして PPPD CONNECT コマンドを発行すると,システム障害が発生します。この問題は,SYS$PPPDRIVER の修正キットで解決されています。
3.17 ホストのダイアルアップ・プロバイダとしてのコンフィギュレーション
TCP/IP Services 製品では,ネットワーク・インタフェースを作成するときに一意の IP アドレスを使用する必要があります。誤って,すでに他のインタフェースに割り当てられている IP アドレスを割り当てた場合, PPP コネクションは動作しますが,終了時に,コネクションがアクティブになっていた他のすべてのアプリケーションがハングします。
これが起こった場合には,TCP/IP Services を再起動する必要があります。
3.18 RCP の問題点と制限事項
RCP には以下の問題点があります。
$ SET DEFAULT DISK:[USER] $ RCP A.DAT XYZ:A.DAT |
次のコマンドは,(RCP に対して) 明示的なディレクトリ指定が正しく行われていることを示しています。
$ RCP DISK:[DIR]A.DAT XYZ.DAT |
次のコマンドでは暗黙のディレクトリ指定が正しくないため,確実には動作しないことがあります。
$ SET DEFAULT DISK:<USER> $ RCP A.DAT XYZ:A.DAT |
誤った論理名と山カッコ形式のディレクトリ指定が RCP に対して (明示的または暗黙に) 同時に指定されると, RCP はメモリ・アクセス違反 (ACCVIO)で終了することがあります。たとえば,次の場合です。
$ DEFINE/JOB/EXEC SYS$LOGIN_DEVICE SYS$LOGIN $ SET DEFAULT SYS$LOGIN_DEVICE:<USER> $ RCP A.DAT XYZ:A.DAT |
この例では,最初のコマンド (DEFINE/JOB/EXEC) はデバイス名の後にコロン (:) が指定されていません。この結果として,RCP コマンドは無効な論理名とディレクトリを指定します。
$ dir/full abc.bin ! note file characteristics $ copy abc.bin abc_copy.bin $ $ ! Cause $RCP to skip file conversion. $ set file/attributes=(rfm:stmlf) abc_copy.bin $ $ rcp abc_copy.bin remote_host:remote_abc.bin $ ! If the remote host is an OpenVMS host $ ! then, on the remote host, restore the file attributes $ ! Say the file abc.bin was really abc.exe $ set file remote_abc.exe/attribute=(rfm:fix, lrl:512) $ ! $backup expects LRL:32256 $ $ ! Done |
3.19 V4.2 から V5.x への移行に際しての REUSEADDR の動作の変更
REUSEADDR ソケット・オプションを使用すると,TCP/IP Services V4.2 と TCP/IP Services V5.x では異なる結果が生じます。
V4.2 では,パッシブ (待機) ソケットを持つ TCP/IP サーバは,同じ IP アドレスとポート番号を持つ複数のプロセスの下で動作することができました。V5.x では,このようなことを行うと,次の致命的エラーが発生します。
Failed to bind socket %SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name |
TCP/IP Services V5.x のポスト・オフィス・プロトコル(POP)サーバには,以下の問題があります。
3.20.1 POPクライアントを日本語環境で使用する場合の注意事項
POPクライアントを日本語環境で使用する場合,以下の点に注意する必要があります。
TCP/IP Services V5.xでは, SMTP制御ファイルが損傷する可能性があります。
SMTPサーバは,特定の制御ファイルで断続的にエラーを発行します。最もよく返されるエラー・メッセージは SYSTEM-F-BADPARAMですが,この問題のためにアクセス違反メッセージ SYSTEM-F-ACCVIOが発生することもあります。ほとんどの場合,シンビオント・プロセスはクラッシュし,ダンプ・ファイルが残されます。制御ファイルの中のクラッシュを引き起こした問い合わせエントリを削除しなければ,そのエントリはクラッシュ後にキューが起動されたときに処理される最初のエントリとなり,キューは再びクラッシュします。ジョブが保留され, TCP/IP管理コマンドSHOW MAIL/FULLが発行されると,SHOW MAILコマンドはエラーを発行するかハングします。
この問題の原因は,SMTP制御ファイルに定期的に起こる損傷であり,メールの処理量が少ないシステムよりも多いシステム(1日に処理される制御ファイル数が 1,000以上)でより頻繁に起こります。
この問題を回避するには,SMTPキュー・ウォッチャ・コマンド・ファイル TCPIP$EXAMPLES:TCPIP$RESTART_SMTPQ.COMを実行します。このファイルのヘッダ・コメントに,ファイルの使用と操作の方法が記述されています。
以下に,その他の問題点と回避方法を示します。
3.21.2 SMTPにおける日本語に関する制限及び注意事項
3.22 RSHおよびREXECコマンド・ファイルから返されるステータス
RSHおよびREXECコマンド・ファイルは,リモート・コマンド実行のステータスではなく,RSHまたはREXECの実行のステータスを返します。INETACPはこのリターン・ステータスを使用して, INETACPエラー・メッセージを追加すべきかどうかを判断します。
実行されたリモート・コマンドは,SYS$OUTPUTまたはSYS$ERRORを通して,自分のエラー・メッセージを返します。
3.23 $QIOプログラミング
関数IO$_WRITEVBLKは,以下の状況でエラーSS$_EXQUOTAを返します。
この状況では,SS$_EXQUOTAエラーが返され,書き込もうとしているデータ全体が伝送用キューに投入されません (データ全体が拒否されます)。
また,このエラーはデータの伝送に使用される send(), sendto(), sendmsg()などの各種のソケット・ルーチンに影響を与えます。C RTLは,現時点では呼び出しの際にエラーを返し,'errno'をEVMSERR (65535)に設定します。また,OpenVMS固有の 'vaxc$errno'には下位のエラーであるSS$_EXQUOTAが格納されます。
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