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この章は,特定のプリンタでDCPSを使用する場合の管理に関する情報を提供します。
一般ユーザに有用なプリンタ固有の情報は,
このマニュアルではなく
『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSユーザーズ・ガイド』で提供されています。
また,
『日本語DECprint Supervisor Version 1.6 for OpenVMSリリース・ノート』にも,
プリンタ固有の情報が記載されています。
デスクトップ・プリンタ用の,PostScriptサーバ・ループの外側でLPS$PERSISTENT_RESOURCES
モジュールをロードするDCPS機能は,LaserWriter
Plusではサポートされていません。
NICがraw TCP/IP通信をサポートしないため,
DCPSはraw TCP/IP接続経由でColorwriter LSR 2000 NIC
と通信することができません。
DCPSがColorwriter LSR 2000と通信することができるネットワーク・プロトコルはAppleTalk
のみです。
次の表に示すファイルを使用してプリンタの状態を永続的に変更した場合,
それ以降,プリンタの電源を切断して再度投入するまでの間,
使用中のシステムあるいはネットワーク上の別のシステムからプリンタが受信するすべてのジョブに影響を与えます。
これらのファイルは,
SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]ディレクトリに置かれています。
セットアップ・ファイル | 説明 |
DCW1000_CONFIG.PS | プリンタの時間切れの値を設定します。
|
DCW1000_DEVPARAM.PS |
シリアル・ポートの構成を変更します。
|
DCW1000_STARTPG.PS |
スタート・ページを有効にします。 |
DCW1000_NOSTRTPG.PS | スタート・ページを無効にします。
|
DCW1000_PRNTCNFG.PS | ソフトウェアが選択する情報ページを有効にします。
|
DCW1000_PSCRIPT.PS |
PostScriptへのポートを変更し,すべてのポートを省略時の設定にします。
|
注意
- DCW1000_DEVPARAM.PSファイルをプリンタに送信すると,通信設定が変更されてキューがハングします。
キューに対してSTOP/RESETコマンドを実行し,
プリンタが接続されているDECserverまたはその他のLAT装置での対応する設定を変更しなければなりません。
また,プリンタがPostScriptモードであることを確認してください。
- 省略時の設定では,プリンタの背面のDIPスイッチが下の位置に設定されています。
これは,シリアル・インタフェースが調整であること,および色補正が設定されていないことを示します。
工場出荷時の省略時の設定は,9600
ボー,8ビット,パリティなしです。セットアップ・ファイルとDIP
スイッチとの相互関係についての詳細は,DECcolorwriter 1000のドキュメントを参照してください。
- プリンタの現在の構成を確認するには,DIPスイッチ4の位置を下から上に切り換え,
続いて下に切り換えます(他の3つのDIPスイッチは下の位置のままとします)
。プリンタが構成ページを印刷します。プリンタがPostScript
モードで稼動していることを確認してください。
DCPSをDEClaser 3500プリンタのオプションのシリアル・ポートで使用する場合,
ジョブが"Starting"状態のままとなる可能性があります。この場合,次のオプションのいずれか1
つを選択する必要があります。
- プリンタをPostScriptモードにロックします(フロント・パネルでSerial, Printer Type = STD PostScript
に設定します)。
DCPS$queuename_NO_SYNC論理名を使用してはなりません。このモードでは,
プリンタがPJLシーケンスに応答しないので,ネイティブPCLを使用することはできません。PCL 4
トランスレータを強制的に使用するには,第10.5.1項に説明されている対処法を使用する必要があります。
- シリアル・ポートの言語識別モードをAutomaticに設定し(フロント・
パネルで,Serial,Printer Type = PS/PCL Sensingに設定し),
DCPS$queuename_NO_SYNC論理名を定義します。このモードでは,
プリンタはPJL
シーケンスに応答し,データ・ストリームに示されるとおりにネイティブPCL 5
またはPostScriptに切り換えます。
オプションのネットワーク・カードは,ネイティブPCLへの切り換えをサポートしますが,
プロトコルを自動識別に設定する必要があります。
NICが双方向TCP/IP通信をサポートしていないため,DCPSはraw TCP/IP接続経由でプリンタと通信することができません。
代わりに,プリンタをプリント・サーバ(たとえば,Rapidprint 500)またはターミナル・
サーバに接続し,LAT接続を使用することが可能です。
ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)の問題により,DCPSはEtherTalk
の使用時にプリンタをネイティブPCLに切り換えることができません。
この場合,次のエラーが表示されます。
%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is <1B>
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored
部分的な解決策は,DCPS$STARTUP.COMにキューを作成する場合に,
PAGE_LIMIT=999999
という省略時のプリント・ジョブ・パラメータを指定することです。
このパラメータにより,すべてのPCLファイルが強制的にPCL
トランスレータを経由して印刷されます。ただし,PCLトランスレータはPCL 5
ではなくPCL 4です。
NICが双方向TCP/IP通信をサポートしていないため,DCPSはraw TCP/IP接続経由でプリンタと通信することができません。
代わりに,プリンタをプリント・サーバ(たとえば,Rapidprint 500)またはターミナル・
サーバに接続し,LAT接続を使用することが可能です。
DEClaser 5100 printerのオプションのハード・ドライブからのフォントのダウンロード,
またはフォントの削除を行うことができます。これには,付録 C
で説明するFONT_DOWNLOADER.COMプロシージャを使用します。
DEClaser 5100プリンタには,PostScriptインタプリタでエラーが発生した場合に,
現在の用紙を排紙してからPostScriptエラー情報用紙を印刷する機能があります。
この機能はPostScriptの問題を解析するための強力な手段ですが,
次の理由から日常的に使用することは推奨できません。
- ユーザがプリント・ジョブを強制終了するために
DELETE
/ENTRY
を入力すると,PostScriptエラー・ページが印刷されます。
- プリンタがレディ状態でないうちに,ジョブをシリアル・ポート経由でキューに登録すると,
給紙あるいは紙詰まりなどを解消した後にレディ状態となった場合,PostScript
エラー・ページが印刷されます。
DCPSでプリント・キューを起動する前に,DEClaser 5100のフロント・パネルで,
"Print Errors"という機能を無効にする必要があります。この機能は,
PostScriptの問題を解析する場合にのみ有効としてください。
"Limitcheck"エラーのためにジョブが印刷に失敗した場合,
エラー・メッセージの一部に"page protection required"
と表示されていないかどうかを確認してください。
このエラー表示は,バンディング障害によりジョブが異常終了したことを意味します。
DIGITAL Laser Printer LN15+は,DIGITAL Laser Printer LN15のアップグレード機種です。DCPS
ドキュメントのDIGITAL Laser Printer LN15に関する記述は,DIGITAL Laser Printer LN15+
についても適用されます。
raw TCP/IPプロトコルを使用して,LN15のためのDCPSキューを作成する場合,
ポート番号3001を使用します。
DCPSでは,LN15+属性を特定の値に設定する必要があります。表 10-1
で説明する値に設定されていない場合,DPCS
のジョブは"Starting"状態のままになり,印刷されません。
設定 | 値 | 設定方法 |
ドキュメント |
PERSONALITY |
PS | プラインタ・コンソールのCONFIGメニュー
| 『LN15 User Manual』 |
NPAP MODE |
OFF | プリンタ・コンソールのPARALLELメニュー |
『LN15 User Manual』 |
PORT 1 BITRONICS | ENABLED | Ethernetカード管理 |
『RapidPrint 600 Print Server Installation Guide』 |
DIGITAL Laser Printer LN17+psは,LN17psプリンタのアップグレード機種です。DCPS
ドキュメントのDIGITAL Laser Printer LN17psについての記述はDIGITAL Laser Printer LN17+ps
についても適用されます。
raw TCP/IPまたはLAT接続のLN17+psプリンタでDCPSを使用する場合,対応するDCPS
プリント・ジョブが"Starting"状態のままとなる可能性があります。
Ethernetポートを設定してPostScript言語を使用し,自動言語識別機能を無効にするか,
対応するキュー用にDCPS$queuename_NO_SYNCシステム論理名を定義しなければなりません。
- プリンタがEthernetポートから受け取るプリント・ジョブが,すべてDCPS
からのジョブである場合(たとえば,プリンタのネイティブなPCL 5eインタプリタを使用するPCL
ジョブである場合),次の操作を実行します。
プリンタのEthernetポートのシステム言語をPostScriptにし,言語識別機能を無効にします。
これらの設定は,『LN17ps User Guide』で説明されているように,
プリンタ・コンソールのインタフェース・メニューで変更することができます。
- プリンタがEthernetポートから受け取るプリント・ジョブのいずれにもPostScript
データが含まれておらず(たとえば,PCLまたはASCIIデータが入っていて),
DCPSから送信されたデータでない場合は,次の操作を実行します。
プリンタの言語識別機能を有効にします。第3.4.3項で説明されているように,
対応するキュー用にDCPS$
queuename_NO_SYNCシステム論理名を定義します。
raw TCP/IPプロトコルを使用してLN17+psのためのDCPSキューを作成する場合,
ポート番号2501を指定します。
LN17+psプリンタの制限のため,ジョブ・トレーラ・ページとOpenVMSアカウンティング・
ファイルで報告される用紙の枚数が数枚少ない場合があります。
現在のところ対処方は報告されていません。
LN17+psのオプションのハード・ドライブからのフォントのダウンロードまたはフォントの削除を行うことができます。
これには,付録 Cで説明するFONT_DOWNLOADER.COM
プロシージャを使用します。
LN17+psは,指定されたトレイが空になったときに,給紙トレイを切り換えることができます。
省略時には,トレイの切り換えは無効になっています。現在,DCPS$
queuename_SEPARATOR_PAGE論理名を使用して色の違うセパレータ・
ページを指定している場合,トレイの切り換えが無効になっていることを確認した方がよいでしょう。
トレイの切り換えを無効にするには,プリンタ・コンソールのPostScriptメニューを使用します。
詳細については,『LN17ps User Guide』を参照してください。
DCPS$queuename_SEPARATOR_PAGE論理名の値には,次のPostScriptトレイ番号のいずれかを使用します。
0 |
メイン・トレイ |
1 |
フロント・トレイ |
2 |
下段トレイ1 |
3 |
下段トレイ2 |
raw TCP/IPプロトコルを使用して,LN20またはLN40のためのDCPSキューを作成する場合,
ポート番号6869を使用します。この双方向のポートは,プリンタ・
コンソールによって構成される単方向のポートとは異なります。
LN20およびLN40プリンタの制限のため,ジョブ・トレーラ・ページとOpenVMS
アカウンティング・ファイルで報告される用紙の枚数が誤っていることがあります。
現在のところ対処法は報告されていませんが,LN20とLN40はプリンタの使用状況を追跡するために使用できるアカウンティング機能を持っています。
DCPSのraw TCP/IPプロトコルでDIGITAL Laser Printer LNC02を使用するには,
プリンタがファームウエア・バージョンSystem Release 1.1.1,
Revision 3.11以上を使用する必要があります。このファームウェアのバージョン番号は,
プリンタのスタートアップ・ページに表示されます。
LNC02がこれより古いバージョンのファームウェアを使用している場合は,
DIGITALのプリンタ関連Webサイトから新しいバージョンをダウンロードしてください。
http://www.digital.com/printers/sofwar/prt_sofwar.html
LNC02についてのWebページからオンライン・ヘルプを使用して,
更新版のファームウェアがある場所に移動することもできます。
raw TCP/IPプロトコルを使用して,LNC20のためのDCPSキューを作成する場合,
ポート番号6869を使用します。この双方向のポートは,プリンタ・コンソールによって構成される単方向のポートとは異なります。
LNC20プリンタの制限のため,ジョブ・トレーラ・ページとOpenVMSアカウンティング・
ファイルで報告される用紙の枚数が誤っていることがあります。
現在のところ対処法は報告されていませんが,LNC20はプリンタの使用状況を追跡するために使用できるアカウンティング機能を持っています。
PrintServerソフトウェア,バージョン5.0は,PrintServer 17シリーズのプリンタに,
給紙トレイのフェイルオーバ機能を追加します。この機能により,
プリンタは,指定されたトレイが空になったときに,同じサイズのメディアが入っている別の給紙トレイに自動的に切り換えることができます。
この機能は,
省略時に有効に設定されています。
現在,色の違うフラグ・ページを使用している場合は,この機能を無効にした方がよいでしょう。
給紙トレイのフェイルオーバを無効にするには,次の操作を実行します。
LPS$SUPPORT:LPSDEFAULTS.<printer name>
を編集します。
- /TraySwitchパラメタを検索します。
/TraySwitch true % 給紙トレイのフェイルオーバを制御します。
% false = 無効
% true = 有効
- TraySwitchパラメータの値を,"true"から"false"に変更します。
PostScriptは大文字小文字を区別します。有効な値は"true"または"false"のみです。
/TraySwitch false % 給紙トレイのフェイルオーバを制御します。
% false = 無効
% true = 有効
- リモート・コンソール機能でRECONFIGUREコマンドを入力して,
変更内容を有効にします。
$ MCR LPS$CONSOLE <printer name>
LPS> PRIV
Password: <password>
LPS> RECONFIG
LPS> EXIT
詳細については,『DEC PrintServer
Supporting Host Software for OpenVMS Management Guide』を参照してください。
論理名DCPS$queuename_NO_SYNCHPを使用することにより,PostScript
レベル2カートリッジを使用してHewlett-Packard LaserJet IIIDプリンタに印刷する際の,
報告されている問題を解決することができます。このカートリッジには,
ホストに送信する状態メッセージを破壊するという既知の問題があります。
これにより,DCPSが同期シーケンスを使用しようとすると,
ジョブが"Starting"状態で停止してしまうことがあります。詳細については,
第3.4.3項を参照してください。
Hewlett-Packard LaserJet IIID,その他いくつかのHewlett-Packard
LaserJetプリンタは,内部的に物理シートを数えるのではなく,イメージ処理されたページを数えます。
したがって,トレーラ・ページの"Sheets printed"
のデータは,処理されたイメージの数を反映します。
たとえば,バースト・ページとトレーラ・ページが有効で,
/PARAMETERS=(SIDES=2)
を指定した6ページのプリント・ジョブは,5
ページしか印刷されていない場合でも"Sheets printed"は8ページと表示されます。
Hewlett-Packard LaserJet IIISiプリンタは,ネイティブなPCLファイルの印刷時に用紙の枚数を数えません。
トレーラ・ページとOpenVMSアカウンティング・
システムのいずれにおいても,ジョブの終わりに報告される枚数は,ジョブ・
セパレータ・ページのように,PostScriptモードで印刷された用紙のみです。
現在のところ対処法は報告されていません。
The Hewlett-Packard LaserJet IIISiプリンタは,用紙の枚数について,
第10.11.2項と同じように動作します。
The Hewlett-Packard LaserJet 4SiMXプリンタは,用紙の枚数について,
第10.11.2項と同じように動作します。
DCPSは,Hewlett-Packard LaserJet 5Mについて,INPUT_
TRAY
パラメータの明示的な値を無視して,他の給紙トレイの用紙を使用することがあります。DCPS
はまた,tray 1が空の場合,それが標準トレイであってもTRAY_1
が利用可能でないと報告することがあります。
これらの問題はともに,対象のトレイが空かそれ以外の理由で利用できない場合に,
プリンタが他の給紙トレイを選択しようと試みることに関連しています。
これらの問題を回避するには,HP 5Mコンソールを使用して,tray 1
が"カセット"であることを指定し,利用可能な給紙トレイのうち,1
つを除く他のトレイを全部ロックアウトします。詳細については,プリンタのユーザ・
マニュアルを参照してください。
Hewlett-Packard LaserJet 5Mプリンタは,用紙の枚数について,第10.11.2項と同じように動作します。
ネットワーク管理者が,プリンタに付属の管理ソフトウェアを使用して,
メールボックス・
トレイを"ジョブ・セパレータ・モード"にすると,DCPSジョブ・
ログ・ページおよびトレーラ・ページは,ジョブの他の部分とは別に,
次のトレイに印刷されます。
現在のメモリ構成では印刷することができない用紙サイズが給紙トレイに装着された場合,DCPS
はトレイが利用不能であると報告します(メモリの必要条件については,HP5SiMX
のユーザーズ・ガイドを参照してください)。
現在のメモリ構成では両面印刷することができない用紙サイズが給紙トレイに装着された場合,DCPS
は両面印刷がサポートされていないと報告します(メモリの必要条件については,HP5SiMX
のユーザーズ・ガイドを参照してください)
。
Hewlett-Packard LaserJet 5SiMXプリンタは,用紙の枚数について,第10.11.2項と同じように動作します。
XL300プリンタが,XL300プリンタに印刷されるファイルに,クイック・サクセションから返された複数のユーザ・
データ・メッセージが含まれている場合,
メッセージの一部が失われたり,誤って返されたりするることがあります。
また,ときによっては,DECprint Supervisorが返すメッセージが誤って伝達されることがあります。
これにより,ユーザの端末に誤ったメッセージが返されます(/NOTIFY
が設定されている場合)。そうでない場合,ジョブは正しく印刷されます。
プリンタ・コンソールによってトレイのリンクが有効になっている場合,
リンクされたトレイは,INPUT_TRAY
パラメータを使用して個別に選択することができません。INPUT_TRAY
パラメータでリンクされたトレイを指定すると,
それ自体のアルゴリズムに従って,リンクされたトレイのいずれかが選択されます。
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