[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ 索引 ]


10 プリンタ固有の情報

この章は,特定のプリンタでDCPSを使用する場合の管理に関する情報を提供します。 一般ユーザに有用なプリンタ固有の情報は, このマニュアルではなく 『日本語DECprint Supervisor for OpenVMSユーザーズ・ガイド』で提供されています。 また, 『日本語DECprint Supervisor Version 1.6 for OpenVMSリリース・ノート』にも, プリンタ固有の情報が記載されています。

10.1 Apple LaserWriter Plusプリンタ

10.1.1 LPS$PERSISTENT_RESOURCESの未サポート

デスクトップ・プリンタ用の,PostScriptサーバ・ループの外側でLPS$PERSISTENT_RESOURCES モジュールをロードするDCPS機能は,LaserWriter Plusではサポートされていません。

10.2 DIGITAL Colorwriter LSR 2000プリンタ

10.2.1 raw TCP/IPでは動作しないNIC

NICがraw TCP/IP通信をサポートしないため, DCPSはraw TCP/IP接続経由でColorwriter LSR 2000 NIC と通信することができません。

DCPSがColorwriter LSR 2000と通信することができるネットワーク・プロトコルはAppleTalk のみです。

10.3 DIGITAL DECcolorwriter 1000プリンタ

10.3.1 プリンタ固有のセットアップ・ファイル

次の表に示すファイルを使用してプリンタの状態を永続的に変更した場合, それ以降,プリンタの電源を切断して再度投入するまでの間, 使用中のシステムあるいはネットワーク上の別のシステムからプリンタが受信するすべてのジョブに影響を与えます。 これらのファイルは, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]ディレクトリに置かれています。

セットアップ・ファイル 説明
DCW1000_CONFIG.PS プリンタの時間切れの値を設定します。
DCW1000_DEVPARAM.PS シリアル・ポートの構成を変更します。
DCW1000_STARTPG.PS スタート・ページを有効にします。
DCW1000_NOSTRTPG.PS スタート・ページを無効にします。
DCW1000_PRNTCNFG.PS ソフトウェアが選択する情報ページを有効にします。
DCW1000_PSCRIPT.PS PostScriptへのポートを変更し,すべてのポートを省略時の設定にします。

注意

10.4 DIGITAL DEClaser 3500プリンタ

10.4.1 ジョブが"Starting"状態のままとなること

DCPSをDEClaser 3500プリンタのオプションのシリアル・ポートで使用する場合, ジョブが"Starting"状態のままとなる可能性があります。この場合,次のオプションのいずれか1 つを選択する必要があります。

  1. プリンタをPostScriptモードにロックします(フロント・パネルでSerial, Printer Type = STD PostScript に設定します)。 DCPS$queuename_NO_SYNC論理名を使用してはなりません。このモードでは, プリンタがPJLシーケンスに応答しないので,ネイティブPCLを使用することはできません。PCL 4 トランスレータを強制的に使用するには,第10.5.1項に説明されている対処法を使用する必要があります。

  2. シリアル・ポートの言語識別モードをAutomaticに設定し(フロント・ パネルで,Serial,Printer Type = PS/PCL Sensingに設定し), DCPS$queuename_NO_SYNC論理名を定義します。このモードでは, プリンタはPJL シーケンスに応答し,データ・ストリームに示されるとおりにネイティブPCL 5 またはPostScriptに切り換えます。

10.4.2 通信プロトコルとネイティブPCLサポートとの相互関係

オプションのネットワーク・カードは,ネイティブPCLへの切り換えをサポートしますが, プロトコルを自動識別に設定する必要があります。

10.4.3 raw TCP/IPで動作しないNIC

NICが双方向TCP/IP通信をサポートしていないため,DCPSはraw TCP/IP接続経由でプリンタと通信することができません。

代わりに,プリンタをプリント・サーバ(たとえば,Rapidprint 500)またはターミナル・ サーバに接続し,LAT接続を使用することが可能です。

10.5 DIGITAL DEClaser 5100プリンタ

10.5.1 NIC上でEtherTalkプロトコルが利用できないネイティブPCL

ネットワーク・インタフェース・カード(NIC)の問題により,DCPSはEtherTalk の使用時にプリンタをネイティブPCLに切り換えることができません。 この場合,次のエラーが表示されます。
%DCPS-W-UNDEF, undefined: Name not known - offending command is <1B>
%DCPS-E-FLUSHING, Rest of Job (to EOJ) will be ignored
部分的な解決策は,DCPS$STARTUP.COMにキューを作成する場合に, PAGE_LIMIT=999999 という省略時のプリント・ジョブ・パラメータを指定することです。 このパラメータにより,すべてのPCLファイルが強制的にPCL トランスレータを経由して印刷されます。ただし,PCLトランスレータはPCL 5 ではなくPCL 4です。

10.5.2 raw TCP/IPで動作しないNIC

NICが双方向TCP/IP通信をサポートしていないため,DCPSはraw TCP/IP接続経由でプリンタと通信することができません。

代わりに,プリンタをプリント・サーバ(たとえば,Rapidprint 500)またはターミナル・ サーバに接続し,LAT接続を使用することが可能です。

10.5.3 フォントのダウンロードと削除

DEClaser 5100 printerのオプションのハード・ドライブからのフォントのダウンロード, またはフォントの削除を行うことができます。これには,付録 C で説明するFONT_DOWNLOADER.COMプロシージャを使用します。

10.5.4 エラー・ページ機能

DEClaser 5100プリンタには,PostScriptインタプリタでエラーが発生した場合に, 現在の用紙を排紙してからPostScriptエラー情報用紙を印刷する機能があります。 この機能はPostScriptの問題を解析するための強力な手段ですが, 次の理由から日常的に使用することは推奨できません。 DCPSでプリント・キューを起動する前に,DEClaser 5100のフロント・パネルで, "Print Errors"という機能を無効にする必要があります。この機能は, PostScriptの問題を解析する場合にのみ有効としてください。

"Limitcheck"エラーのためにジョブが印刷に失敗した場合, エラー・メッセージの一部に"page protection required" と表示されていないかどうかを確認してください。 このエラー表示は,バンディング障害によりジョブが異常終了したことを意味します。

10.6 DIGITAL Laser Printer LN15+

DIGITAL Laser Printer LN15+は,DIGITAL Laser Printer LN15のアップグレード機種です。DCPS ドキュメントのDIGITAL Laser Printer LN15に関する記述は,DIGITAL Laser Printer LN15+ についても適用されます。

10.6.1 raw TCP/IPのポート番号

raw TCP/IPプロトコルを使用して,LN15のためのDCPSキューを作成する場合, ポート番号3001を使用します。

10.6.2 プリンタ構成の設定

DCPSでは,LN15+属性を特定の値に設定する必要があります。表 10-1 で説明する値に設定されていない場合,DPCS のジョブは"Starting"状態のままになり,印刷されません。

表 10-1 LN15の構成の設定

設定 設定方法 ドキュメント
PERSONALITY PS プラインタ・コンソールのCONFIGメニュー 『LN15 User Manual』
NPAP MODE OFF プリンタ・コンソールのPARALLELメニュー 『LN15 User Manual』
PORT 1 BITRONICS ENABLED Ethernetカード管理 『RapidPrint 600 Print Server Installation Guide』

10.7 DIGITAL Laser Printer LN17+ps

DIGITAL Laser Printer LN17+psは,LN17psプリンタのアップグレード機種です。DCPS ドキュメントのDIGITAL Laser Printer LN17psについての記述はDIGITAL Laser Printer LN17+ps についても適用されます。

10.7.1 ジョブが"Starting"状態のままとなること

raw TCP/IPまたはLAT接続のLN17+psプリンタでDCPSを使用する場合,対応するDCPS プリント・ジョブが"Starting"状態のままとなる可能性があります。

Ethernetポートを設定してPostScript言語を使用し,自動言語識別機能を無効にするか, 対応するキュー用にDCPS$queuename_NO_SYNCシステム論理名を定義しなければなりません。

10.7.2 raw TCP/IPのポート番号

raw TCP/IPプロトコルを使用してLN17+psのためのDCPSキューを作成する場合, ポート番号2501を指定します。

10.7.3 不正な用紙枚数

LN17+psプリンタの制限のため,ジョブ・トレーラ・ページとOpenVMSアカウンティング・ ファイルで報告される用紙の枚数が数枚少ない場合があります。 現在のところ対処方は報告されていません。

10.7.4 フォントのダウンロードと削除

LN17+psのオプションのハード・ドライブからのフォントのダウンロードまたはフォントの削除を行うことができます。 これには,付録 Cで説明するFONT_DOWNLOADER.COM プロシージャを使用します。

10.7.5 色の違うセパレータ・ページとトレイの切り換え

LN17+psは,指定されたトレイが空になったときに,給紙トレイを切り換えることができます。 省略時には,トレイの切り換えは無効になっています。現在,DCPS$ queuename_SEPARATOR_PAGE論理名を使用して色の違うセパレータ・ ページを指定している場合,トレイの切り換えが無効になっていることを確認した方がよいでしょう。

トレイの切り換えを無効にするには,プリンタ・コンソールのPostScriptメニューを使用します。 詳細については,『LN17ps User Guide』を参照してください。

DCPS$queuename_SEPARATOR_PAGE論理名の値には,次のPostScriptトレイ番号のいずれかを使用します。

0 メイン・トレイ
1 フロント・トレイ
2 下段トレイ1
3 下段トレイ2

10.8 DIGITAL Laser Printer LN20およびLN40

10.8.1 raw TCP/IPポート番号

raw TCP/IPプロトコルを使用して,LN20またはLN40のためのDCPSキューを作成する場合, ポート番号6869を使用します。この双方向のポートは,プリンタ・ コンソールによって構成される単方向のポートとは異なります。

10.8.2 不正な用紙枚数

LN20およびLN40プリンタの制限のため,ジョブ・トレーラ・ページとOpenVMS アカウンティング・ファイルで報告される用紙の枚数が誤っていることがあります。 現在のところ対処法は報告されていませんが,LN20とLN40はプリンタの使用状況を追跡するために使用できるアカウンティング機能を持っています。

10.9 DIGITAL Laser Printer LNC02

10.9.1 最小のファームウェア・バージョン

DCPSのraw TCP/IPプロトコルでDIGITAL Laser Printer LNC02を使用するには, プリンタがファームウエア・バージョンSystem Release 1.1.1, Revision 3.11以上を使用する必要があります。このファームウェアのバージョン番号は, プリンタのスタートアップ・ページに表示されます。

LNC02がこれより古いバージョンのファームウェアを使用している場合は, DIGITALのプリンタ関連Webサイトから新しいバージョンをダウンロードしてください。

http://www.digital.com/printers/sofwar/prt_sofwar.html

LNC02についてのWebページからオンライン・ヘルプを使用して, 更新版のファームウェアがある場所に移動することもできます。

10.9.2 raw TCP/IPのポート番号

raw TCP/IPプロトコルを使用して,LNC20のためのDCPSキューを作成する場合, ポート番号6869を使用します。この双方向のポートは,プリンタ・コンソールによって構成される単方向のポートとは異なります。

10.9.3 不正な用紙枚数

LNC20プリンタの制限のため,ジョブ・トレーラ・ページとOpenVMSアカウンティング・ ファイルで報告される用紙の枚数が誤っていることがあります。 現在のところ対処法は報告されていませんが,LNC20はプリンタの使用状況を追跡するために使用できるアカウンティング機能を持っています。

10.10 DIGITAL PrintServer 17プリンタ

10.10.1 色の違うセパレータ・ページとトレイの切り換え

PrintServerソフトウェア,バージョン5.0は,PrintServer 17シリーズのプリンタに, 給紙トレイのフェイルオーバ機能を追加します。この機能により, プリンタは,指定されたトレイが空になったときに,同じサイズのメディアが入っている別の給紙トレイに自動的に切り換えることができます。 この機能は, 省略時に有効に設定されています。

現在,色の違うフラグ・ページを使用している場合は,この機能を無効にした方がよいでしょう。 給紙トレイのフェイルオーバを無効にするには,次の操作を実行します。

  1. LPS$SUPPORT:LPSDEFAULTS.<printer name>を編集します。

  2. /TraySwitchパラメタを検索します。
    /TraySwitch true  % 給紙トレイのフェイルオーバを制御します。
                      % false = 無効
                      % true = 有効
    

  3. TraySwitchパラメータの値を,"true"から"false"に変更します。 PostScriptは大文字小文字を区別します。有効な値は"true"または"false"のみです。
    /TraySwitch false % 給紙トレイのフェイルオーバを制御します。
                      % false = 無効
                      % true = 有効
    

  4. リモート・コンソール機能でRECONFIGUREコマンドを入力して, 変更内容を有効にします。
    $ MCR LPS$CONSOLE <printer name>
    LPS> PRIV
    Password: <password>
    LPS> RECONFIG
    LPS> EXIT
    
詳細については,『DEC PrintServer Supporting Host Software for OpenVMS Management Guide』を参照してください。

10.11 Hewlett-Packard LaserJet IIIDプリンタ

10.11.1 ジョブが"Starting"状態のままとなること

論理名DCPS$queuename_NO_SYNCHPを使用することにより,PostScript レベル2カートリッジを使用してHewlett-Packard LaserJet IIIDプリンタに印刷する際の, 報告されている問題を解決することができます。このカートリッジには, ホストに送信する状態メッセージを破壊するという既知の問題があります。 これにより,DCPSが同期シーケンスを使用しようとすると, ジョブが"Starting"状態で停止してしまうことがあります。詳細については, 第3.4.3項を参照してください。

10.11.2 両面印刷時の不正な用紙枚数

Hewlett-Packard LaserJet IIID,その他いくつかのHewlett-Packard LaserJetプリンタは,内部的に物理シートを数えるのではなく,イメージ処理されたページを数えます。 したがって,トレーラ・ページの"Sheets printed" のデータは,処理されたイメージの数を反映します。 たとえば,バースト・ページとトレーラ・ページが有効で, /PARAMETERS=(SIDES=2)を指定した6ページのプリント・ジョブは,5 ページしか印刷されていない場合でも"Sheets printed"は8ページと表示されます。

10.12 Hewlett-Packard LaserJet IIISiプリンタ

10.12.1 ネイティブなPCLジョブにおける不正な用紙枚数

Hewlett-Packard LaserJet IIISiプリンタは,ネイティブなPCLファイルの印刷時に用紙の枚数を数えません。 トレーラ・ページとOpenVMSアカウンティング・ システムのいずれにおいても,ジョブの終わりに報告される枚数は,ジョブ・ セパレータ・ページのように,PostScriptモードで印刷された用紙のみです。 現在のところ対処法は報告されていません。

10.12.2 両面印刷時の不正な用紙枚数

The Hewlett-Packard LaserJet IIISiプリンタは,用紙の枚数について, 第10.11.2項と同じように動作します。

10.13 Hewlett-Packard LaserJet 4SiMXプリンタ

10.13.1 両面印刷時の不正な用紙枚数

The Hewlett-Packard LaserJet 4SiMXプリンタは,用紙の枚数について, 第10.11.2項と同じように動作します。

10.14 Hewlett-Packard LaserJet 5Mプリンタ

10.14.1 給紙トレイ選択時の問題

DCPSは,Hewlett-Packard LaserJet 5Mについて,INPUT_ TRAYパラメータの明示的な値を無視して,他の給紙トレイの用紙を使用することがあります。DCPS はまた,tray 1が空の場合,それが標準トレイであってもTRAY_1 が利用可能でないと報告することがあります。

これらの問題はともに,対象のトレイが空かそれ以外の理由で利用できない場合に, プリンタが他の給紙トレイを選択しようと試みることに関連しています。 これらの問題を回避するには,HP 5Mコンソールを使用して,tray 1 が"カセット"であることを指定し,利用可能な給紙トレイのうち,1 つを除く他のトレイを全部ロックアウトします。詳細については,プリンタのユーザ・ マニュアルを参照してください。

10.14.2 両面印刷時の不正な用紙枚数

Hewlett-Packard LaserJet 5Mプリンタは,用紙の枚数について,第10.11.2項と同じように動作します。

10.15 Hewlett-Packard LaserJet 5SiMXプリンタ

10.15.1 次のトレイへのジョブ・ トレーラ・ページ印刷

ネットワーク管理者が,プリンタに付属の管理ソフトウェアを使用して, メールボックス・ トレイを"ジョブ・セパレータ・モード"にすると,DCPSジョブ・ ログ・ページおよびトレーラ・ページは,ジョブの他の部分とは別に, 次のトレイに印刷されます。

10.15.2 用紙に対するメモリ不足: 利用不能なトレイ

現在のメモリ構成では印刷することができない用紙サイズが給紙トレイに装着された場合,DCPS はトレイが利用不能であると報告します(メモリの必要条件については,HP5SiMX のユーザーズ・ガイドを参照してください)。

10.15.3 用紙に対するメモリ不足: サポートされない両面印刷

現在のメモリ構成では両面印刷することができない用紙サイズが給紙トレイに装着された場合,DCPS は両面印刷がサポートされていないと報告します(メモリの必要条件については,HP5SiMX のユーザーズ・ガイドを参照してください) 。

10.15.4 両面印刷時の用紙枚数の誤り

Hewlett-Packard LaserJet 5SiMXプリンタは,用紙の枚数について,第10.11.2項と同じように動作します。

10.16 Hewlett-Packard XL300プリンタ

10.16.1 通信に関連する問題

XL300プリンタが,XL300プリンタに印刷されるファイルに,クイック・サクセションから返された複数のユーザ・ データ・メッセージが含まれている場合, メッセージの一部が失われたり,誤って返されたりするることがあります。 また,ときによっては,DECprint Supervisorが返すメッセージが誤って伝達されることがあります。 これにより,ユーザの端末に誤ったメッセージが返されます(/NOTIFY が設定されている場合)。そうでない場合,ジョブは正しく印刷されます。

10.17 Lexmark Optra Rt+プリンタ

10.17.1 トレイのリンクとINPUT_TRAY

プリンタ・コンソールによってトレイのリンクが有効になっている場合, リンクされたトレイは,INPUT_TRAY パラメータを使用して個別に選択することができません。INPUT_TRAY パラメータでリンクされたトレイを指定すると, それ自体のアルゴリズムに従って,リンクされたトレイのいずれかが選択されます。


[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ 索引 ]