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7 Phoneユーティリティ:他のユーザとの会話

OpenVMSのPhoneユーティリティ(PHONE)は,ターミナル,コンピュータ, またはコンピュータ・ネットワークを介して,ユーザがお互いに「会話」するための通信プログラムです。 本章では,次のことについて説明します。

本章で説明するコマンドについての説明は,オンライン・ヘルプを参照してください。

7.1 Phoneの使用方法

Phoneユーティリティ(PHONE機能として参照されることもある)は,保留ボタン, 会議通話,電話帳など,実際の電話による通信と同じような機能を持っています。 Phone を使用すると,同じシステムのユーザ,またはDECnet for OpenVMS ネットワークによって接続されたシステムのユーザとの間で会話することができます。

Phoneを起動するには,DCLプロンプトに対してPHONEと入力してからReturn を押します。会話したいユーザの名前は, Phoneユーティリティを起動する前でも後でも指定できます。 Phone ユーティリティを起動すると,Phone がターミナルを制御し, Phoneビューポートを表示します。

次の図は,Phoneビューポートを示しています。

     $ PHONE   【1】

                     OpenVMS Phone Facility         11-DEC-1996

     % 【2】

     ---------------------------------------------------------
                        TAURUS::SMITH  【3】



     ----------------------------------------------------------
                       GEMINI::PETERS  【4】




     ----------------------------------------------------------

ビューポート上のフィールドは次のとおりです。

【1】
Phoneユーティリティに入るために使用するコマンド
【2】
PHONEプロンプト。スイッチフックともいう。 Phoneのコマンドを入力する場所である。 ユーザの会話中に,スイッチフック(%)文字を押すと, Phone コマンド行が必ず表示される。スイッチフック文字はパーセント記号(%) である。
【3】
ビューポートの上部には,ユーザが入力する会話文が表示される。
【4】
ビューポートの下部には, 他の参加者が入力する会話文が表示される。Phoneの会話には最高6名が参加できる。

ビューポートには,ユーザ名,会話文,各種の状態(誰が保留になっているかなど) が表示されます。一度に画面に表示できるビューポートは6つなので, 保留状態になっているユーザ名があれば,一時的にそのユーザのビューポートを画面から消去し, 新たに会話に参加したいユーザのためのビューポートを開くことができます。

7.1.1 Phoneのヘルプ

DCLプロンプトに対してHELPコマンドを入力すると, Phoneについての情報を得ることができます。

     $ HELP
     Topic? PHONE

HELPは,スイッチフック(%) プロンプトに対して HELPコマンドを入力すればPhone ユーティリティ内からも入力できます。

7.2 Phoneのコマンドの入力方法

Phoneのコマンドを入力する場合には,最初にスイッチフック文字(%)を入力します。 Phone ユーティリティを実行していても,会話に参加していない場合には, コマンドと会話をはっきりと区別できるので,スイッチフック文字を省略してもかまいません。

会話中にCtrl/Wを押すと,画面を消去できます。

DIAL,DIRECTORY,MAIL,およびPHONEコマンドには,パラメータとして論理名を指定できます。 これらのコマンドに対するパラメータが論理名として処理されないようにする場合には, パラメータにアンダスコアの接頭辞を付けます。

会話中,入力する文字は会話の一部としてみなされ,話し相手に送信されます。 唯一の例外はパーセント記号(%)です。この文字を入力した後には,Phone ユーティリティ・コマンドを入力できます。使用できるPhoneコマンドについては, 第7.4節を参照してください。

7.3 Phoneビューポートのカスタマイズ

DCLのPhoneコマンドの入力時に,次の修飾子を使用すると, Phoneの特性をさらに詳しく指定できます。

/SCROLL ビューポートが一杯になった場合, 新しいテキスト行をどのように表示するかを決定する。
/SWITCH_HOOK スイッチフック・プロンプトで使用する文字を指定する。 会話中は,スイッチフック文字を入力してからでないと, Phone ユーティリティ・コマンドを入力できない。
/VIEWPORT_SIZE ビューポートの最大行数を指定する。 見出し行と最下行も含む。

これらの修飾子についての詳しい説明が必要な場合には, DCLプロンプトに対してHELP PHONE を入力してください。

7.4 Phoneのコマンドの要約

次に,Phoneのコマンドの一覧を記します。この表に示すコマンドには, 修飾子を指定できません。

コマンド 説明
ANSWER 呼び出しに応答する。
DIAL 別のユーザを呼び出す。
DIRECTORY 会話可能なユーザのリストを表示する。
EXIT Phone ユーティリティを終了する。
FACSIMILE ファイルの内容を会話にいれる。
HANGUP 電話を切る。現在の会話,送信相手, 受信相手を含む現在のリンクをすべて切断する。
HELP Phoneユーティリティについてのオンライン情報を得る。
HOLD 現在会話中の他のユーザを保留にする。
MAIL 短いメッセージを別の相手に送信する。
PHONE DIALコマンドと同じ。
REJECT Phone の使用中,別のユーザからの呼び出しを拒否する。
UNHOLD 保留を解除する。

各コマンドについての詳しい説明が必要な場合には,Phoneを起動してHELP コマンドを入力してください。


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