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DCPSは,多くの PostScriptプリンタで使用することができます。 DECprint Supervisor ソフトウェアがサポートするプリンタのリストについては,SPDを参照してください。 SPDに記載されていないプリンタについても,サポートなしの形態でDCPSを使用できる可能性があります( 第 7.12 節 を参照してください)。
サードパーティのプリンタを使用する前に,次の手順を行います。
リーガル・サイズの用紙への印刷,または両面印刷には,基本構成より多くのメモリが必要です。最小限の必要条件については,プリンタのマニュアルを参照してください。
2.1.3.2 プリンタの時間切れの値の設定
プリンタは,指定された一定時間データを受信しないと,強制終了することがあります。できるだけ時間切れの値を0に変更して,タイムアウトしないようにしてください。
時間切れの値は,プリンタのオペレーターズ・ガイドに記載されているように,フロント・パネルによって設定できる場合もあります。
また,PostScriptオペレータsetdefaulttimeouts で時間切れの値を変更することもできます。標準ファイル, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]LPS$SET_TIMEOUT.PS を修正して,時間切れの値を0に変更します。 DATA_TYPE=POSTSCRIPTパラメータを使用してこのファイルを印刷し,プリンタの不揮発性メモリを0に変更し,これにより,プリンタの時間切れ条件を回避します。
ファイルをPostScriptジョブとして印刷するようキューに登録するには,次のコマンドを使用します。
$ PRINT/QUEUE=queuename/PARAMETER=(DATA_TYPE=POSTSCRIPT) LPS$SET_TIMEOUT.PS |
プリント・ジョブが処理されると,ページが印刷されて,時間切れの値が正しく変更されたことが示されます。
2.1.3.3 プリンタ・パスワードの変更
PostScriptプリンタには,一定の機能へのアクセスを制約するためのパスワードがあります。プリンタのパスワードは,省略時の値から変更することができます。シリアル・プリンタの場合は,現在のパスワードと新しいパスワードが入ったプリント・ジョブをキューに登録します。プリンタのパスワードを変更する方法についての詳細は,『 PostScript Printers Programmer's Supplement 』を参照してください。
ScriptPrinterの省略時のパスワードは(LN03R)で,これには括弧が必要です。 DEClaserプリンタの省略時のパスワードは0 (数字のゼロ)で,括弧は付きません。プリンタのパスワードを省略時の値から変更すると,プリンタ・パスワードをANSIファイルとセパレータ・ページの PostScriptプロローグに持続的にロードする必要があるので,プリント・ジョブを印刷するのに時間がかかることがあります。
2.1.3.4 プリンタ名の設定
一部のシステム・メッセージには,プリンタ名が入っています。一意のプリンタ名を設定していない場合,これらのメッセージに,省略時のプリンタ名が表示されます。ScriptPrinterプリンタの省略時のプリンタ名はLN03Rです。DEClaserプリンタの省略時のプリンタ名は,DEClaserです。たとえば,名前を変更していないDEClaserプリンタでは,次のメッセージに省略時のプリンタ名が反映されます。
%DCPS-I-TRAYSUBST, Output will be delivered to the only tray on DEClaser |
DEClaserプリンタの名前をSNUFFYに変更すると,同じエラー・メッセージに新しい一意のプリンタ名が反映されます。
%DCPS-I-TRAYSUBST, Output will be delivered to the only tray on SNUFFY |
PrintServer以外のプリンタでは,プリンタ名がプリンタの不揮発性メモリに格納されています。プリンタ名を設定するには, SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]にあるファイル LPS$SET_PRINTER_NAME.PSのコピーを編集して,名前とパスワードを書き入れます。プリンタ名は31文字以下です。
次に,このファイルをPostScriptジョブとして印刷するようキューに登録します。
$ PRINT/QUEUE=queuename /PARAMETER=(DATA_TYPE=POSTSCRIPT) - LPS$SET_PRINTER_NAME.PS |
一意の名前が必要なそれぞれのプリンタについて, LPS$SET_PRINTER_NAME.PSのコピーを編集し,キューに登録します。
2.2 DIGITAL PrintServerプリンタ
DIGITAL PrintServerプリンタはネットワーク・プリンタです。これらを DECprint Supervisor が動作している OpenVMSシステムで作動させるには, OpenVMS DECnet, Compaq TCP/IP Services for OpenVMS, Process Software MultiNet for OpenVMS または Process Software TCPware for OpenVMS ソフトウェアが必要です。
DECprint Supervisor を開始する前に, PrintServerプリンタ上でPrintServerソフトウェアが実行されていることを確認します。 |
ユーザは,次の手続きにより,TCP/IPおよびDECnet経由で, DIGITAL PrintServerプリンタと通信することができます。
2.2.1 PrintServer TCP/IPネットワーク・ノードの定義
TCP/IP経由でDIGITAL PrintServerプリンタと通信を行うには,その前にプリンタにIPアドレスを割り当てる必要があります。また,アドレスに名前を関連づけることもできます。
プリンタのIPアドレスの設定についての詳細は, PrintServerのドキュメントを参照してください。 OpenVMSシステムのTCP/IP環境についての詳細は, Compaq TCP/IP Services for OpenVMS, Process Software MultiNet for OpenVMS または Process Software TCPware for OpenVMS のドキュメントを参照してください。
2.2.2 PrintServer DECnetネットワーク・ノードの定義
DECnet経由でDIGITAL PrintServerプリンタと通信を行うには,その前にプリンタに DECnetアドレスを割り当てる必要があります。また,アドレスに名前を関連づけることもできます。
プリンタのDECnetアドレスの設定についての詳細は,PrintServerのドキュメントを参照してください。
プリンタのDECnetアドレスに関連づけるには, DECnetフェーズIVソフトウェアを実行している場合にはNCPコマンドを, DECnet-Plus (以前のDECnet/OSI)を実行している場合にはDECNET_REGISTERコマンドを使用します。ノード名およびこれらのコマンドについての詳細は, OpenVMS DECnetドキュメントを参照してください。
2.2.3 PrintServerクライアント・セットアップ・ファイルの削除
既存のLPS$STARTUP.COMファイルがもしあれば,それは今後使用することはなく, DECprint Supervisor とも互換性がありません。このファイルは,DCPS$STARTUP.COMを編集した後削除します。このファイルを削除するには,次の手続きに従います。
実行キューを削除する前に,ジェネリック・キューをすべて削除します。 |
この章では,プリンティング・システムの起動およびテストについて説明します。
キューを作成する前に,システム・キュー・マネージャが起動していることを確認してください。 |
初めてインストレーションを行う場合は,スタートアップ・テンプレート・ファイルを使用してキューを設定するようにします。次のようにプリンタ・スタートアップ・テンプレート・ファイルをコピーしてください。
$ COPY SYS$COMMON:[SYS$STARTUP]DCPS$STARTUP.TEMPLATE - $_ SYS$COMMON:[SYS$STARTUP].COM |
3.2 DECprintプリンティング・サービス・ソフトウェア (CPS) からのアップグレードの場合
DECprint プリンティング・サービス (CPS) は,DECprint Supervisor (DCPS) に先行するソフトウェアです。 CPS から DCPS へアップグレードしている場合は,詳細について 付録 D.2 節 を参照してください。
3.3 実行キューの設定
各PostScriptプリンタに対して実行キューを作成しなければなりません。実行キューはジョブの処理をスケジューリングし,プリンタにプリント・ジョブの実行を要求します。実行キューは特定のプリンタに対応しています。
実行キューを作成する場合は,キュー名および省略時のパラメータ値などキューについての情報を入力します。 例 3-1 に,raw TCP/IP プリンタの実行キューの作成例を示します。 例 3-2 に,PrintServer プリンタの実行キューの作成例を示します。これらのコマンドは,DCPS$STARTUP.COM に記述されます。
例 3-1 raw TCP/IPプリンタの実行キュー・エントリの作成 |
---|
$ @SYS$STARTUP:DCPS$EXECUTION_QUEUE - 2UP - ! P1 - Execution queue name "IP_RAWTCP/lnm40.my.com" - ! P2 - Interconnect protocol/device name DCPS_LIB - ! P3 - Logical name for library(ies) "NUMBER_UP=2" - ! P4 - Default queue parameters "/DEFAULT=(FLAG,FORM=MYFORM)" - ! P5 - Default queue qualifiers "" - ! P6 - Communication speed (serial only) "" - ! P7 - Device characteristics "" ! P8 - Verify on/off |
このキューは 2UP という名前で,lnm40.my.com という名前のプリンタに対して raw TCP/IPを使用します。このキューから印刷されるジョブは,1 枚の用紙に 2 ページ印刷され,フラグ・ページが付けられて,フォーム MYFORM のコードが組み込まれます。
例 3-2 PrintServer プリンタの実行キュー・エントリの作成 |
---|
$ @SYS$STARTUP:DCPS$EXECUTION_QUEUE - LPS20$BULL09 - ! P1 - Execution queue name "DECNET/BULL09" - ! P2 - Interconnect protocol/device name DCPS_LIB - ! P3 - Logical name for library(ies) "SIDES=2" - ! P4 - Default queue parameters "" - ! P5 - Default queue qualifiers "" - ! P6 - Communication speed (serial only) "" - ! P7 - Device characteristics "" ! P8 - Verify on/off |
このキューは LPS20$BULL09 という名前で,BULL09 という名前の PrintServer プリンタに対して DECnet を使用します。このキューから印刷されるジョブはデュプレックス (両面印刷) で印刷されます。
実行キューを起動する前に,必要なソフトウェアが起動されるようにシステムを構成してください。たとえば,ネットワーク・プリンタの場合は,対応する TCP/IP,LAT,DECnet,AppleTalk,PrintServer Supporting Host ソフトウェアが起動していることを確認してください。 直接 DCPS$EXECUTION_QUEUE.COM を起動していて,
|
以降の各項では,DCPS$EXECUTION_QUEUE.COM に記述する情報の各項目について説明し,概略を 表 3-1 に示します。
パラメータ | 値 |
---|---|
P1 (必須) | 実行キューの名前 |
P2 (必須) | 以下のすべてまたは一部を含むプリンタ・デバイスの記述 |
ノード名---OpenVMS Cluster 内にあり, DCPS キューを実行するシステムを指定したい場合 | |
インターコネクト・プロトコル | |
ポート番号---raw TCP/IP プリンタの場合 | |
AppleTalk ゾーン---AppleTalk プリンタの場合,ゾーン名は必須 | |
AppleTalk プリンタ・タイプ -- AppleTalk プリンタの場合,プリンタ・タイプは必須 | |
P3 (必須) | デバイス制御ライブラリを指す論理名 |
P4 (オプション) | 省略時のキューのパラメータ |
P5 (オプション) | 省略時のキューの修飾子 |
P6 (オプション) | 通信速度 (直接接続のシリアル・デバイスの場合のみ) |
P7 (オプション) | デバイス特性 |
P8 (オプション) | デバッグ用の検査設定 |
キュー名は1〜31文字の長さであり,使用できる文字は英字の大文字と小文字,数字,ドル記号 ($),およびアンダースコア (_) です。キュー名では少なくとも 1 文字の英字を使用しなければならず,スペースを使用することはできません。
3.3.2 プリンタ装置名の指定 (P2)
プリンタ装置名には,プリンタにアクセスするために使用する接続方法および装置,ならびにその装置が存在する VMScluster メンバ・ノードを指定します。
次の形式で装置名を指定します。
node::"interconnect/interconnect_specific_device_address" |
プリンタの接続形態 | 指定 | 参照項 |
---|---|---|
raw TCP/IP ソケットで接続したプリンタ | IP_RAWTCP | 第 3.3.2.1 項 |
直接接続あるいは LAT で接続したプリンタ | SERIAL | 第 3.3.2.2 項 |
CPAP プロトコルおよび TCP/IP を使用し,TCP/IP で接続された PrintServer プリンタ | IP_CPAP | 第 3.3.2.4 項 |
CPAP プロトコルおよび DECnet を使用し, DECnet で接続された PrintServer プリンタ | DECNET | 第 3.3.2.3 項 |
EtherTalk および LocalTalk プロトコルで接続したプリンタ | APPLETALK | 第 3.3.2.5 項 |
CPAP (Common Printer Access Protocol),LPD,Telnet を含め, TCP/IP に基づいたその他のプロトコルが存在します。 DCPS は CPAP を使用して DIGITAL PrintServer プリンタと通信します。 DCPS は LPD および Telnet は使用しません。
raw TCP/IP を使用してプリンタと通信するには,プリンタをネットワークに接続するために使用している NIC,プリント・サーバ,ターミナル・サーバが raw TCP/IP ポートを持っている必要があります。さらに,その raw TCP/IP ポートがプリンタと OpenVMS システム間の双方向通信をサポートしている必要があります。 DCPS は単方向ポートでは動作しません。 DEClaser 3500 および 5100 プリンタの NIC,RapidPrint 200 および 500,プリンタと (MIO スロットではなく) XIO スロットを経由してインタフェースを行う HP JetDirect カードなどは単方向ポートです。
デバイス指定構文では,39 文字よりも長いデバイス名を指定することができます。 39 文字より長いデバイス名は,/ON 修飾子の値について "DCPS$" として表示されます。デバイス名は,論理名 DCPS$queuename_DEVICE_NAME に保存されます。 |
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