日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS
システム・マネージャーズ・ガイド


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付録 B
DCPSで使用する論理名

この付録では,DECprint Supervisor for OpenVMSソフトウェアで使用する OpenVMSの論理名について説明します。

論理名を使用するためのガイドラインは,次のとおりです。

次の表は,DCPSが使用する論理名,有効な値,およびその意味についての簡単な説明です。その論理名の詳細についての参照先(本書の他の節,または他のドキュメント)も示します。

注意

次の表で,qnはキュー名の短縮形です。

表 B-1 DCPSの論理名
論理名 有効な値 意味と参照先
DCPSに情報を提供する論理名
DCPS_LIB 2 検索リスト DCPSセットアップ・ライブラリとそのデータ型のリスト。 第 7.4.2 項 を参照。
DCPS$DEFAULT_TRANSLATOR <トランスレータ群> 1 システム単位の省略時のテキスト・データ型。 第 4.2.2 項 を参照。
DCPS$ qn_DEFAULT_
TRANSLATOR
<トランスレータ群> 1 キュー固有の省略時のテキスト・データ型。 第 4.2.2 項 を参照。
DCPS$DEVCTL_CACHE TRUE システム単位のデバイス制御キャッシングを有効にします。 第 7.11 節 を参照。
DCPS$ qn_DEVCTL_CACHE TRUE キュー固有のデバイス制御キャッシングを有効にします。 第 7.11 節 を参照。
DCPS$ qn_DEVICE_NAME 4 文字列 名前がINITIALIZE/QUEUE/ON識別子には長すぎる場合に,キューに関連付けられる実際のデバイス名 (また,SHOW QUEUE/FULLは,そのデバイスの代わりに"DCPS$"をリストします)。 第 3.3.2 項 を参照。
DCPS$_IGNORE_UNKNOWN_USER TRUE ユーザ名がUAFに見つからないときに,user unknownエラーを無効にします。 第 3.4.5 項 を参照。
DCPS$ qn_IGNORE_UNKNOWN_USER TRUE ユーザ名がUAFに見つからないときに,キューのuser unknownエラーを無効にします。 第 3.4.5 項 を参照。
DCPS$ qn_INTERRUPT_WHEN_BUSY TRUE シリアル・プリンタの待ち状態を無効にして,"not busy"にします。 第 3.4.2 項 を参照。
DCPS$LAYUP 3 検索リスト レイアップ・ファイルが格納されているディレクトリ。『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS インストレーション・ガイド』を参照。
DCPS$MAX_STREAMS 0..32 DCPSシンビオント・プロセスあたりのキューの数。 第 3.4.1 項 を参照。
DCPS$ qn_NO_SYNC TRUE PrintServerプリンタ以外のプリンタで,通常の同期化を無効にします。 第 3.4.3 項 を参照。
DCPS$ qn_OLD_ANSI_PAGE_SIZES TRUE ANSIトランスレータで,旧版(V1.1aより前)のA4サイズ用垂直スペーシングを使用します。 第 3.4.6 項 を参照。
DCPS$ qn_PARAMETER 4 文字列 省略時のキュー・パラメータ。 第 3.3.4 項 を参照。
DCPS$PURGE_TIME デルタ時間 ワーキング・セットをパージするまでの待ち時間。 第 3.4.4 項 を参照。
DCPS$ qn_SEPARATOR_TRAY 数値 バースト・ページおよびフラグ・ページのジョブを実行するトレイ番号。 第 6.2.3 項 を参照。
DCPS$ qn_STALL_TIME デルタ時間 プリンタがストールしたことを宣言するまでの待ち時間。 第 5.12 節 を参照。
DCPS$ qn_SUPPRESS_JOBTRAILER TRUE ジョブ・トレーラの印刷を無効にします。 第 6.2.2 項 を参照。
PSM$ANNOUNCE 文字列 セパレータ・ページに印刷する文字列。 第 6.4 節 を参照。
DCPSから情報を返す論理名
DCPS$ qn_PID   キューを制御するDCPSシンビオントのプロセスID。 第 5.8 節 を参照。
DCPS$ qn_STALLED   キューがストールしている理由。 第 5.12 節 を参照。
DCPS$VERSION   システムで実行している DCPS ソフトウェアのバージョン。 DCPS のバージョン を参照。


1 <トランスレータ群> = ANSI,AUTOMATIC, LIST,PCL,POSTSCRIPT,REGIS,TEK4014など。
2 DCPS$STARTUP.COMにある省略時の値で定義されます。
3 DCPSインストレーション時に供給した情報を使用して, DCPS$REQUIRED.COMによって定義されます。
4 DCPS$EXECUTION_QUEUE.COMによって定義されます。


付録 C
フォントのダウンロードと削除

SYS$COMMON:[SYSHLP.EXAMPLES.DCPS]FONT_DOWNLOADER.COM コマンド・プロシージャを使用して,プリンタ上のオプションのハード・ドライブにあるフォントをリスト,ダウンロード,および削除することができます。このプロシージャは, DEClaser 5100およびLN17psプリンタで動作することが確認されており,他のプリンタでも動作する可能性があります。

このプロシージャを使用するには,それを起動し,表示されるプロンプトに従います。


付録 D
DECprint Supervisor (DCPS)および DECprint プリンティング・サービス (CPS)

この付録では, DECprint Supervisor for OpenVMS と DECprint プリンティング・サービスの相違点について説明し,共存できる機能についても説明します。"DCPS"は DECprint Supervisor for OpenVMS のことを示しており,"CPS"は DECprint プリンティング・サービスのことを示しています。

D.1 DCPS/CPSの共存

DCPSは,CPS V4.1をインストールしたシステムと同じシステムに共存できます。 DCPSをインスートルすることによって,CPSの構成要素が削除されたり,変更されることはありません。どちらの製品も同じシステムで使用でき,既存のキュー構造をCPSからDCPSに移行することもできます。

D.2 CPS から DCPS へのアップグレード

CPS から DCPS にアップグレードする場合は,次のように CPS$STARTUP.COM ファイルを変換してください。

  1. 次のコマンドを実行します。


    $ @SYS$STARTUP:CPS_TO_DCPS_STARTUP
    

  2. 画面に表示される次のような問い合わせに対して,たとえば次のように入力します。


    Enter filename of CPS startup file to be converted; 
    Default filename is SYS$SYSROOT:[SYS$STARTUP]CPS$STARTUP.COM 
        [default]: 
     
    disk$manager:[cps_conversion]cps$startup.com
     
    Enter filename of DCPS startup file to be created; 
    Default filename is SYS$SYSROOT:[SYS$STARTUP]DCPS$STARTUP.COM [default]:
     
    disk$manager:[cps_conversion]dcps$startup.com
     
    Please read or run DIFFERENCES on the output file, 
            DISK$MANAGER:[CPS_CONVERSION]DCPS$STARTUP.COM, 
    to be sure the new file meets your needs.
     
    

コマンド・プロシージャにより, DECprint Supervisor が識別できるスタートアップ・ファイルが作成されますが,既存のキュー定義は変更されません。新しいキューを追加する必要がある場合は, 第 3.3 節 を参照してください。

DCPS には,自動データ・タイプ検出機能があります。このため,省略時のキュー設定あるいは PRINT コマンド実行時にデータ・タイプを指定する必要がありません。

ジェネリック・キューに省略時のデータ・タイプを定義している場合は, DCPS$STARTUP.COM を編集してその部分を削除してください。

D.3 接頭語DCPS$

DCPSのファイル名,論理名,メッセージはすべて,DCPS$という接頭語から始まります。このため,今後もCPSを使用して一部のキューを駆動し,他のキューを駆動するためにDCPSを追加できます。省略時のOpenVMSフォームはDCPS$DEFAULTです。

しかし,特定のファイルはシステム資源であると解釈され, DCPSとCPS,および他の製品との間で共用されます。これらの共用リソースは次のとおりです。

2 次メッセージ (RMS などの別の機能によって生成され, DCPS 製品に渡されたメッセージ) には,メッセージの原因となった機能のコードが含まれています。

D.4 スタートアップ・ファイル・コンバータ

変換ツールであるCPS_TO_DCPS_STARTUP.COMは,CPSのスタートアップ・ファイルを変換し,DCPSと同じ名前を使用するようにします。このツールについては, 第 3.2 節 を参照してください。

次の表はCPSのファイル名と,それに対応するDCPSのファイル名の変換を示しています。

CPSのファイル名 DCPSのファイル名
CPS$STARTUP DCPS$STARTUP
CPS$EXECUTION_QUEUE DCPS$EXECUTION_QUEUE
CPS$REQUIRED DCPS$REQUIRED
CPS$GENERIC DCPS$GENERIC
CPS_LIB DCPS_LIB
CPS$DEVCTL DCPS$DEVCTL
LPS$ queuename_PARAMETER DCPS$ queuename_PARAMETER
CPS$ queuename_STALL_TIME DCPS$ queuename_STALL_TIME
LPS$LAYUP DCPS$LAYUP
DECprint Printing Services DECprint Supervisor

この変換ツールでは,キューの名前やキューの構造は変更されません。

D.5 ジェネリック・キューは不要

DCPSはデータ・タイプを自動的に検出できます。したがって,ジェネリック・キューの数を削減でき,まったく不要にすることもできます。自動的なデータ・タイプ検出についての詳しい説明は, 第 4 章 を参照してください。

D.6 ベージの拡大/縮小

DCPSでは,ジョブで次のパラメータを指定した場合,出力用紙におさまるように論理ページ・イメージを拡大/縮小できます。


PAGE_SIZE=p,SHEET_SIZE=s

p s は異なる値です。

ジョブはパラメータ NUMBER_UP=1 を想定しています。 CPSの場合には,ページの拡大/縮小機能を起動するために,NUMBER_UPパラメータも同様に指定しなければなりませんでした。

D.7 PostScript レベル2プリンタに対するレイアップとレイアップの修正

PostScript レベル2ソフトウェアを搭載しているプリンタに接続した場合, DCPSのレイアップ機能は PostScript レベル2オペレータをサポートします。また,複数のレベル1オペレータのサポートを修正したり,機能を拡張しています。

MacintoshおよびPCアプリケーションで作成されたレベル1の PostScript プログラムは一般に,CPSで印刷した場合より,DCPSで印刷した場合の方が印刷品質を向上できます。CorelDrawおよびMacintoshプログラムで発生していた問題は修正されています。

D.8 PRINTコマンド・ラインでのレイアップ・オプション

DCPSでは,LAYUP_DEFINITIONSパラメータにレイアップ・オプションを直接指定でき,また,これらのオプションを .LUPファイルに記録し,その名前をパラメータに指定することもできます。レイアップ・オプションをPRINTコマンドで指定すれば, Distributed Queuing Services製品を介して別のシステムで印刷されるジョブとの間で,これらのオプションを受け渡しすることができます。 CPS V4.1では.LUPファイル・オプションだけしか提供されていません。

レイアップ定義ファイルに記録したレイアップ・オプションの例と, PRINTパラメータとして指定したレイアップ・オプションの例については,『日本語 DECprint Supervisor for OpenVMS ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

D.9 ページ・サイズ

CPS V4.1では,次のページ・サイズは存在しないか,または正しく解釈されていませんでした。DCPSでは,これらのページ・サイズが定義され,正しく解釈されるようになりました。

A6
C
D
7x9
7_envelope
10x14
11x14
PostCard

D.10 代替トレイからのセパレータ・ページの選択

DCPSを使用して代替トレイからジョブ・セパレータ・ページを選択するには,次のシステム論理名を定義します。


$ DEFINE /EXECUTIVE_MODE /SYSTEM DCPS$queuename_SEPARATOR_TRAY number

ただし,number はそのキューによってサービスされるプリンタの正しいトレイ番号であり,プリンタ固有の値です。正しい値については,プリンタのマニュアルを参照してください。

D.11 到達不可能なPrintServerの停止

オペレータがSTOP/QUEUE/RESETを実行したときに,キューが到達不可能な PrintServerプリンタに接続されている場合にも,そのキューは正しく停止されます。しかし,CPS V4.1の場合には,常に正しく停止されるとは限りませんでした。

D.12 1行目の重ね書き

CPS V4.1では,レコードがフォーム・フィードから始まる場合,一番上の行が重ね書きされていました。DCPSでは,この問題はありません。

D.13 ストール時間切れ

CPS V4.1では,直接接続されたシリアル・プリンタに対してストール・タイマが起動されていませんでした。DCPSでは,タイマが起動されます。

CPS V4.1では,ストール・メッセージの時間切れの初期値は1分でした。この初期値を使用した場合,プリンタが処理中で,実際にまったくストールしていないときに,"queue stalled"というメッセージが出力されることがありました。DCPSでは,ストール時間切れは4分です。

D.14 ジョブのキューへの再登録

プリンタに接続しているときにネットワーク・エラーが発生した場合には, CPS V4.1は/HOLD属性を使用してジョブをキューに再登録します。DCPSでは /HOLD属性を使用せずに,ジョブをキューに再登録します。

D.15 ストリーム・ファイルの読み込み

PostScript ファイルのレコード属性がSTREAM,STREAM_LF, STREAM_CRのいずれか場合,このファイルはブロック・モードで読み込まれます。このため,DCPSでは,CPSで印刷できなかった非常に長いストリーム・レコードを印刷できます。このタイプのファイルはPCの通信プログラムで書き込まれることがあります。

D.16 コピーは新しい用紙で開始

/COPIES=n で,n が2以上の場合には, NUMBER_UPやSIDES=2を指定して印刷しても,各コピーは新しい用紙に印刷されます。CPS V4.1で PostScript ジョブを印刷した場合には,このようにはなりません。


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