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ASSIGN/MERGEコマンドを使用すれば,特定のキューに登録されているすべてのプリント・ジョブと,そのキューに後で登録されたプリント・ジョブを別のキューに送信することを指定できます。ASSIGN/MERGEコマンドを実行するには,特権が必要です。元のキュー名と新しいキュー名をどちらも指定しなければなりません。次の例を参照してください。
$ STOP/QUEUE/NEXT PRINTER$NOTABLE $ STOP/QUEUE/REQUEUE=PRINTER$ABLE PRINTER$NOTABLE $ ASSIGN/MERGE PRINTER$ABLE PRINTER$NOTABLE |
SET ENTRYコマンドを使用すれば,ユーザは待ち状態のプリント・ジョブの属性を変更できます。すでに印刷を開始したプリント・ジョブを変更することはできません。特権がある場合には,他のユーザがキューに登録したプリント・ジョブの属性も変更できます。SET ENTRYコマンドにはジョブ番号を指定しなければならず,また, 1つ以上のPRINTコマンド修飾子を指定できます。 付録 A を参照してください。次の例を参照してください。
$ SET ENTRY 596/PARAMETERS=PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPE |
この例は,ポートレート(縦長)方向の印刷からランドスケープ(横長)方向の印刷に印刷の方向を変更するときに役立ちます。元のプリント・ジョブにPRINTパラメータが定義されていた場合には,SET ENTRY/PARAMETERSコマンドを使用してPRINTパラメータを変更するときに,もともと定義されていたパラメータを指定しなければなりません。 PRINTパラメータを再度指定しなかった場合には,SET ENTRYコマンドに指定されていないパラメータ値に対しては,プリント・ジョブを印刷するときに省略時のパラメータ値が使用されます。
5.6 キューの表示
SHOW QUEUEコマンドを使用すれば,プリント・キューを表示できます。そのとき,キューの状態,属性,およびキューに登録されているプリント・ジョブも表示できます。キューのセキュリティ情報あるいは別のユーザのプリント・ジョブを表示しない場合は,このコマンドを実行するための特権は必要ありません。
特定のキューを表示する場合はキュー名を指定します。すべてのキューを表示する場合は,SHOW QUEUEコマンドでキュー名を省略します。キューに関する情報を表示するには, 表 5-1 に示すコマンドを使用します。
表示の対象 | 入力するコマンド |
---|---|
すべてのプリント・キューとバッチ・キューの名前と説明 | SHOW QUEUE |
すべてのプリント・キューの名前 | SHOW QUEUE/DEVICE=PRINTER |
すべてのキューに登録されているすべてのジョブ | SHOW QUEUE/ALL |
指定したキューに登録されているすべてのジョブ | SHOW QUEUE/ALL queue-name |
すべてのキューの属性 | SHOW QUEUE/FULL |
特定のキューの属性 | SHOW QUEUE/FULL queue-name |
キューを一時停止するには,STOP/QUEUEコマンドを使用します。STOP/QUEUEコマンドを使用するには,特権が必要であり,キュー名を指定しなければなりません。
STOP/QUEUE/NEXTコマンドを使用すれば,現在のプリント・ジョブが終了した後でキューを一時停止できます。このコマンドを使用すれば,キューを一時停止する前に現在印刷中のジョブを終了できます。次の例を参照してください。
$ STOP/QUEUE/NEXT PS$A4 |
このコマンドは現在のジョブが印刷を終了した後,PS$A4キューを一時停止します。
現在のジョブが終了するのを待たずにキューを一時停止しなければならない場合には, STOP/QUEUE/RESETコマンドを使用します。次の例を参照してください。
$ STOP/QUEUE/RESET PS$A4 |
このコマンドはPS$A4キューを一時停止し,印刷をただちに中止します。
シリアル接続あるいは raw TCP/IP 接続で通信に問題が発生した場合,シンビオントはプリンタとの接続を切断する前に最大 4 秒応答を待ちます。したがって, STOP/QUEUE/RESETコマンドを実行した直後には,その装置が開放されない場合があります。 |
STOP/QUEUE 修飾子についての詳細は, 付録 A を参照してください。
5.8 キューの起動
STOP/QUEUEコマンドを使用して一時停止したプリント・キューを再起動するには, START/QUEUEコマンドを使用します。 DCPS$STARTUP.COMでプリント・キューを変更した場合には, 第 3.6 節 の説明に従って,DCPS$STARTUP.COMファイルを実行することにより,キューを再起動しなければなりません。
たとえば,プリント・キューPS40$A15を再起動するには,次のコマンドを使用します。
$ START/QUEUE PS40$A15 |
キューを停止したときに印刷されていたプリント・ジョブが中断された場合には,キューを再起動することにより,そのプリント・ジョブが再起動されます。
論理名 DCPS$queuename_PID は,シンビオントの起動時に定義されます。これによりシステム管理者はどのシンビオントが特定のキューに割り当てられているかを判定することができ,特にマルチストリーム・シンビオントを使用する場合に有用です。 第 3.4.1 項 を参照してください。
DCPS キューが起動する場合,キューが起動しない可能性を低くするために,シンビオントは直ちにプリンタに接続しません。これはシステムのブート時にキューを起動する際に,ブート・プロセスの遅延あるいはエラーを避けるために特に重要です。 DCPS がキューのジョブの処理を開始するまで, DCPS はプリンタの状態およびその接続状態を判定しません。 |
プリント・キューの属性はSET QUEUEコマンドを使用して変更できます。このコマンドを使用してキュー属性を変更する場合には,DCPS$STARTUP.COMファイルを変更し,変更結果を永久的に設定しなければなりません。この操作を実行しなかった場合には,プリンティング・システムを再起動したときに,SET QUEUEコマンドによって設定したキュー属性は失われ,DCPS$STARTUP.COMに定義されているキュー属性が有効になります。
SET QUEUEコマンドに指定できる修飾子は 付録 A に示すとおりです。一部のプリント・キュー属性はSET QUEUEコマンドでは設定できません。
次のコマンドはPS$DRAFTキューに登録するプリント・ジョブを,1000ブロック以下のジョブに制限します。
$ SET QUEUE PS$DRAFT/BLOCK_LIMIT=1000 |
SET QUEUEコマンドを実行するには,特権が必要です。また,キュー名と適切な修飾子も指定しなければなりません。
5.10 キューのクローズとオープン
ユーザがプリント・ジョブをキューに登録することを禁止しなければならない場合には,SET QUEUE/CLOSEコマンドを使用してキューをクローズします。このコマンドを実行するには特権が必要であり,キュー名を指定しなければなりません。次の例を参照してください。
$ SET QUEUE/CLOSE PS$A4 |
このコマンドを入力した後,PS$A4キューはクローズされ,ユーザはプリント・ジョブをこのキューに登録できなくなります。ただし,キューに現在登録されているプリント・ジョブは正しく実行されます。クローズしたプリント・キューは次のコマンドを使用してオープンできます。
$ SET QUEUE/OPEN PS$A4 |
プリント・キューはDELETE/QUEUEコマンドを使用して削除できます。このコマンドを使用するには,特権が必要です。 DECprint Supervisor キューを削除するには,次の操作を実行します。
$ DELETE/QUEUE PS$A4 |
キューを永久に削除するには,DCPS$STARTUP.COMファイルも変更しなければなりません。この操作を実行しなかった場合には,プリンティング・システムを再起動するときに,削除したプリント・キューが再び定義されます。
5.12 "Stalled" 状態のキューへの応答
DECprint Supervisor が,指定された時間内にプリンタから情報を受信しなかった場合には,プリンタは "Stalled" 状態として報告されます。 "Stalled" 状態になるまでの時間切れの値を超えると,次のメッセージが表示されます。
PRINTERSTALLED, Printer printer-name is stalled |
"Stalled" 状態となる時間切れの値は次の論理名に割り当てることができます。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$queuename_STALL_TIME "0 hh:mm:ss.00" |
ここで hh:mm:ss.00 は,時間切れとなる時間を指定する OpneVMS のデルタ時間です。
ストール状態となる時間切れの値は4分に設定されています。この値は変更しないでください。
プリンタが "Stalled" 状態になったことを示すメッセージを受信した場合には,処置が必要かどうかを判断しなければなりません。 "Stalled" 状態を示すメッセージがネットワーク接続されたプリンタ (たとえば PrintServer プリンタ) から送信された場合には, "Stalled" 状態メッセージはおそらく,ネットワーク通信が終了してから次の通信が開始されるまで長い時間が経過したことを示す可能性が高く,したがって "Stalled" 状態を示すメッセージは無視してもかまいません。
しかし, "Stalled" 状態を示すメッセージの後に他のプリンタ関連メッセージを受信した場合には,このように長い時間が経過する理由として別の理由が考えられます。プリンタで紙切れが発生したか,または紙詰まりが発生した可能性があります。したがって,プリント・キューが "Stalled" 状態となった場合には, OPCOMメッセージを調べ,プリンタの状態がその前に報告されていないかどうかを確認しなければなりません。詳細は, 第 11 章 を参照してください。
DCPS は,キューが "Stalled" 状態となった理由を示す,システム全体で有効な論理名を一時的に定義することも可能です。この論理名を調べるには,実行キューが稼動しているシステムで次のコマンドを実行します。キューが VMScluster 上にある場合は,適当なクラスタ・メンバを使用してください。
$ SHOW LOGICAL DCPS$queuename_STALLED |
システムでキューに関するすべての処理を停止および起動するには,キュー・マネージャを停止および起動します。システム・シャットダウン・プロシージャとスタートアップ・プロシージャはこれらの操作を自動的に実行します。キュー・マネージャを停止および起動するためのコマンドでは,特権が必要です。
キュー・マネージャは次のコマンドを使用して停止できます。
$ STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTER |
キュー・マネージャを起動できる状態になった場合には,次のコマンドを入力してください。
$ START/QUEUE/MANAGER |
セパレータ・ページは,プリント・ジョブの先頭および最後に印刷される用紙です。セパレータ・ページには, 次のものがあります。
ジョブ・フラグ・ページはジョブ・バースト・ページに似ていますが,枠が印刷されません。ジョブ・トレーラ・ページはジョブ・フラグ・ページに似ていますが,上部に "END OF JOB" というメッセージとジョブに関する付加的な情報 (たとえば,どのような PRINT 修飾子が使用されたか,および何枚の用紙が印刷されたかなどの情報) が印刷されます。ファイル・セパレータ・ページは類似した形式であることで相互に区別されます。また,ジョブ・セパレータ・ページとは,ファイル固有の情報 (たとえば,ファイル指定,ファイル・サイズ,修正日付) があることによって区別されます。
各ジョブについてセパレータ・ページを有効とすることもできますし,プリント・ジョブ内の各ファイルについてセパレータ・ページを有効とすることもできます。以降の各節でその方法を説明します。
6.2 ジョブ・セパレータ・ページの有効化
ジョブのセパレータ・ページは,各プリント・ジョブを分離します。 図 6-1 にジョブ・セパレータ・ページの 1 つのタイプであるジョブ・バースト・ページを示します。
図 6-1 ジョブ・バースト・ページ
システム管理者は DCPS$STARTUP.COM ファイルを編集することでジョブ・セパレータ・ページを有効あるいは無効とすることができます。一般ユーザはこの設定を無効とすることはできません。
次に示すように,DCPS$STARTUP.COM 内の実行キュー・エントリのパラメータ 5 に /SEPARATE 修飾子を入力します。
@sys$startup:dcps$execution_queue - DCPS_TTB4 - ! P1 - Execution queue name "SERIAL/TTB4" - ! P2 - Device name DCPS_LIB - ! P3 - Logical name for /LIBRARY "" - ! P4 - Default queue parameters "/SEPARATE=(BURST,NOFLAG,TRAILER)" ! P5 - Default queue qualifiers |
注意:
$ SET QUEUE /SEPARATE=(BURST,NOFLAG,TRAILER) queuename |
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