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V1.2--5
DECwindows に DECwrite プログラムは含まれていませんが, New Desktop には DECwriteアイコンがあらかじめ用意されています。 DECwrite製品をインストールしていない場合, DECwriteアイコンをクリックすると,次のエラー・メッセージが表示されます。
> RCV'D (pid 000000CA): %DCL-W-IVVERB, unrecognized command verb - check validity and spelling -> RCV'D (pid 000000CA): \DECWRITE\ -> RCV'D (pid 000000CA): TESTER logged out at 29-JUL-1998 17:56:44.63 |
DECwrite製品をインストールしているにもかかわらずこのエラーが発生する場合は, SYSTARTUP_VMS.COM 内で DECwrite を起動しているかどうかを確認してください。
2.3.7 TPU ウィンドウをオープンしたままでセッションを終了したときの遅延
V1.2--4
セッション終了時またはホーム・セッション保存時に, DECwindows テキスト・プロセッシング・ユーティリティ (TPU) のウィンドウが表示されるまでに 1 分間の遅延が発生します。
TPU (EVE エディタ) の DECwindows インタフェースは,状態を保存する必要があるかどうかの通知を必要としますが,セッション・マネージャから送信される通知には応答しません。セッション・マネージャは, 1 分間だけ応答を待ってから処理を継続します。このために遅延が発生します。
2.3.8 dximageview による TIFファイルの参照
V1.2--4
dximageviewを使用して, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.C.GRAPHICS] ディレクトリからTIFフォーマットのファイルを表示しようとした場合,次の警告メッセージが表示されます。
TIFFOpen: Warning, unknown field with tag 34209 (0x85a1) ignored. TIFFOpen: XResolution: Rational with zero denominator (num = 200). |
このエラーは, CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[APPCONFIG.HELP.C.GRAPHICS] ディレクトリ内にあるTIFファイルが対象の場合にのみ発生します。これは単なる警告メッセージで,ファイルはイメージ・ビューアによって正しく表示されます。
2.3.9 テキスト・エディタの制限事項
V1.2--4
New Desktop に組み込まれているテキスト・エディタについては,『共通デスクトップ環境: ユーザーズ・ガイド』の第 10 章で説明しています。現在,次の問題と制限事項があります。
V1.2--4
アプリケーション・マネージャの [検索] ダイアログ・ボックスおよびヘルプ・ビューアによって報告されるエラー・メッセージは,ファイル名がOpenVMS標準形式でなくUNIX形式で表示されます。たとえば,SYS$SYSROOT:[SYSMGR]LOGIN.COMは, /sys$sysroot/sysmgr/login.comと表示されます。
2.3.11 フロントパネルの時計はアイコンのみ
New Desktop のフロントパネルの時計は,アナログ時計表示でシステムの現時刻を表示するアイコンです。このアイコンにはその他の機能はなく,このアイコンをクリックまたはダブル・クリックしても何も起こりません。
2.3.12 ToolTalkアクションの未サポート
『共通デスクトップ環境: 上級ユーザー及びシステム管理者ガイド』の説明にある,アクション定義ファイル(*.dt)へのToolTalk アクションの定義は,サポートされていません。本バージョンでインストールされているアクション定義ファイルには, ToolTalkアクションの一部が入っていますが,これらのアクションの変更はサポートされていません。このため,変更した場合には New Desktop の一部の機能が動作しなくなる可能性があります。
2.3.13 セッション・マネージャの保存および復元の制約
New Desktop に装備されているセッション・マネージャは,ブックリーダ,漢字端末エミュレータ,カレンダの各 DECwindows Motif アプリケーションについて, WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートしています。
このセッション・マネージャ・アプリケーションは, DECwindows Motif V1.3 システムで利用でき, X11R6.6 に組み込まれているセッション・マネージャ・プロトコルとは異なります。 |
このプロトコルを活用するよう作成されたアプリケーションでは,次の処理が可能です。
New Desktop の各アプリケーションは保存および復元機能をサポートしていますが,既存の DECwindows Motif アプリケーションの多くは, WM_SAVE_YOURSELFプロトコルをサポートするように変更されていません。
既存のアプリケーションと新しいアプリケーションの違いは,次のようなログインおよびログアウト時に見られます。
既存の DECwindows Motif アプリケーションであっても, DECwindows 電子メールなど保存および復元機能をサポートしているものがあります。
2.3.14 ファイル・マネージャのサーチ・リストの制約
ファイル・マネージャ・アプリケーションには, New Desktop 環境でのサーチ・リストについて,次のような制約があります。
2.3.15 [ログイン]画面と[一時停止]画面のテキスト・フィールドの制限
V1.2--4
以降の各項では, [ログイン]画面と[一時停止]画面のテキスト・フィールドについて説明します。
2.3.15.1 ユーザ名入力時に認識されない制御文字
New Desktop は,ログイン・ユーザ名のテキスト・フィールドでの制御文字の入力を受け付けません。制御文字を入力しても破棄されます。これに対して,DECwindowsのログイン・ユーザ名テキスト・フィールドは,次のキー・シーケンスをサポートしています。
New Desktop は,Ctrl/Uをサポートしています。ログインでのパスワード入力時または画面の一時停止の解除時にCtrl/Uを入力すると,その位置までの入力文字がすべて消去されます。
2.3.15.2 RETURNキーを使用した[ログイン]テキスト・フィールド間の移動
New Desktop では,[ユーザ名]テキスト・フィールドと [パスワード]テキスト・フィールドは異なるダイアログ・ボックスであるため, [ユーザ名]から[パスワード] のテキスト・フィールドに移動する場合は, RETURNキーを使用します。 Tabキーでは,次のテキスト・フィールドにカーソルが移動しません。 Tabキーでは,[確認]ボタンが強調表示されるだけです。
2.3.15.3 [一時停止]画面でのパスワード入力時の最初の文字の無視
ワークステーションが一時停止しており, [パスワード]ダイアログ・ボックスが表示されていない場合,入力した最初の文字は無視されます。これに対して,DECwindowsの[一時停止]画面では,入力した文字はすべて受け付けられます。
New Desktop の使用時には,実際の文字を入力しない Shift などのキーを使用するか,あるいはマウスを使用して [一時停止]ダイアログ・ボックスを再表示させてから,パスワードを入力してください。入力した文字が不明な場合には, Ctrl/Uを使用して[パスワード]テキスト・フィールドに入力した文字を消去することができます。
2.3.15.4 最初の画面に文字が表示されない
Xサーバのフォント・パスに100 dpiフォントが入っていない場合,ログイン直後の青い最初の画面に「ようこそ」の文字が表示されません。リモートのXサーバにセッションを表示している場合にも,この問題が発生する可能性があります。
2.3.16 フォント選択の制約
New Desktop では,フォント・サイズを選択するダイアログ・ボックスを表示する機能が備わっています。これで設定した新しいフォント・サイズは New Desktop のアプリケーションにのみ適用され,既存の DECwindows Motif のアプリケーションには適用されません。
2.3.17 省略時のワークスペースの制約
New Desktopでは省略時の4枚のワークスペースに対して省略時の背景が設定されています。ワークスペースの背景は,スタイル・マネージャの [背景] 機能で変更したり, [背景なし] を選択することができます。
[背景なし] を選択すると,デスクトップの背景にアイコンをドラッグしてドロップすることができなくなります。アイコンをドラッグしてボタンを放しても,そのアイコンはファイル・マネージャあるいはアプリケーション・マネージャに戻ってしまいます。
[背景なし] を選択する前に背景にドロップされたアイコンはそのまま残り,正常に機能します。
2.4 アプリケーション
この節は,個々の DECwindows Motif アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.4.1 ブックリーダ
この項は,ブックリーダ・アプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.4.1.1 ライブラリの切り替え時にブックリーダがハングする
V1.2--6
OpenVMS Alpha Version 7.3--1 システムで DECwindows Motif Version 1.2--6 以上を実行している場合,セミコロンまたはバージョン番号で終わるライブラリ・ファイル指定を [ライブラリの切り替え] ダイアログ・ボックスの [選択] フィールドに入力すると,ブックリーダがハングします。
この問題を回避するには,ファイル指定の最後にセミコロンやバージョン番号を指定しないでください。
2.4.1.2 Display PostScriptのサポートの終了
V1.2--6
DECwindows Motif の現在のバージョンでは Display PostScript がサポートされていないため,ブックリーダでは,オンライン・マニュアルの PostScript の図の表示がサポートされていません。ブックリーダが PostScript の図を検出すると,フルサイズの図のウィンドウに大きな "X" を表示するとともに,エラー・メッセージ・ボックスに次のメッセージを表示します。
Unable to display PostScript(R) graphic. This feature is no longer available. |
これに対する回避策はありません。
2.4.1.3 マルチバイト文字の制限
V1.2--4
マルチバイト文字 (日本語,中国語,韓国語またはタイ語) が含まれる文書を印刷するには,DECwindows Motif V1.2-3 for OpenVMS の各国語対応製品で提供されているバージョンのブックリーダを使用する必要があります。このブックリーダは,SYS$SYSTEM:DECW$MBOOKREADER.EXE として提供されています。
2.4.1.4 DECW$BOOKSHELFファイルへのコメント文字の追加
DECW$BOOKSHELFファイルの最終行にコメント文字(!または#)を追加した場合,予約オペランド・フォルトでブックリーダは異常終了します。これを避けるために,ファイルの最終行にはコメント文字を追加しないようにしてください。
2.4.2 CDA
この節は, DECwindows Motif の CDA (Compound Document Architecture) ランタイム・サービスおよび CDA ビューア構成要素に関するリリース・ノートです。
2.4.2.1 eXcursion V7.1 による色付きの大きな DDIF ファイルの表示
V1.3
eXcursion X サーバ・セッションから CDA ビューアを実行しているときに,色付きの大きな DDIF ファイルを表示できない場合は,次の手順のいずれかを実行することをお勧めします。
2.4.2.2 Display PostScript のサポートの終了
V1.2--6
DECwindows Motif の現在のバージョンでは Display PostScript がサポートされていないため,CDA は PostScript ソースの表示をサポートしていません。 PostScript オプションは CDA ビューアから削除されています。文字セル・インタフェースの CDA ビューアから PostScript ファイルを表示しようとすると,ビューアは次のようなメッセージを表示します。
%CDA-E-UNSUPFMT, unsupported document format. |
これに対する回避策はありません。
2.4.3 漢字端末エミュレータ
この項は,漢字端末エミュレータのアプリケーションに関するリリース・ノートです。
2.4.3.1 Kerberos が有効な状態で漢字端末エミュレータの起動に失敗する問題
V1.3
Kerberos 認証を使用している場合,漢字端末エミュレータの起動に失敗する場合があります。この問題を回避するためには, SYLOGIN.COM の MODE_OTHER セクション内で Kerberos を起動するようにSYLOGIN.COM を変更します (@SYS$MANAGER:KRB$SYMBOLS.COM)。
2.4.3.2 eXcursion 使用時にユーロ通貨記号が正しく表示されない問題
V1.3
eXcursion と DECwindows Motif でのユーロ記号のサポート方法の違いにより,eXcursion 経由で起動された漢字端末エミュレータ・ウィンドウにはユーロ記号が正しく表示されないことがあります。漢字端末エミュレータは Latin-9 フォントを,同等の Latin-1 フォントに置き換えます。これにより,ユーロ記号の表示で問題が発生します。
フォントの置き換えが起こらないようにするには,eXcursion のフォント・エイリアス・ファイルを,eXcursion のリリース・ノートで説明されているように変更します。このリリース・ノートには,エイリアス・ファイルの編集方法の他,ユーロ通貨記号のサポートに関連するその他の制限事項が説明されています。
2.4.3.3 マルチヘッド・システムでウィンドウ・テキストが正しく表示されない問題
V1.3
XINERAMA 拡張と Powerstorm 4d20 グラフィック・カードを使用するマルチヘッド構成では,漢字端末エミュレータ・ウィンドウにテキストが正しく表示されないことがあります。ただしそれでも,キーボード入力は処理されます。
各ウィンドウ内でXREFRESH ユーティリティを実行して漢字端末エミュレータの再表示を行うことにより,正しく表示できるようになります。 XREFRESH は次のようにして実行できます。
$ RUN DECW$UTILS:XREFRESH |
2.4.3.4 ワイルドカードでAgfa Monotype TrueTypeフォントを指定すると漢字端末エミュレータのロード時にクラッシュが発生する問題
V1.3
ワイルドカードを使用して Agfa Monotype TrueType フォント (DECterm フォントなど)を指定しようとすると,漢字端末エミュレータがクラッシュします。この問題を回避するためには,ワイルドカードを使用せず,フォントの X Logical Font Description (XLFD)名 ( 『hp DECwindows Motif for hp OpenVMS Alpha New Features』 を参照) を使用してフォント指定を行ってください。
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