日本語 hp DECwindows Motif for hp OpenVMS Alpha
リリース・ノート


前へ 次へ 目次 索引


2.4.3.5 漢字端末エミュレータ・ウィンドウが縮む問題

V1.2--5

XUI ウィンドウ・マネージャの使用時に, [端末の自動サイズ変更] をオンにしているときに,マウスを使用して漢字端末エミュレータ・ウィンドウをサイズ変更すると,漢字端末エミュレータ・ウィンドウが縮んでしまいます。この問題を回避するには,漢字端末エミュレータのリソース・ファイル DECW$TERMINAL_DEFAULT.DAT あるいは DECW$TERMINAL_DEFAULT_JA_JP.DAT ファイルに次の行を追加します。


DECW$TERMINAL.main.terminal.useWMHints: false 

この変更を行うと,ウィンドウ・マネージャが文字数でなくピクセル値で漢字端末エミュレータ・ウィンドウのサイズを表示するようになることに注意してください。また,漢字端末エミュレータ・ウィンドウを最大化すると,正常に元のサイズに戻らない場合があるかもしれませんが,縮んでしまうことはなくなります。

2.4.3.6 漢字端末エミュレータのリソース・ファイル名

V1.2--4

現在は,ディスプレイのロケールを使用して,漢字端末エミュレータのリソース・ファイル名を作成します。たとえば,ロケールが「ja_JP」に設定されている場合は,デフォルトのリソース・ファイル名はDECW$TERMINAL_DEFAULT_JA_JP.DATになります。

ただし,ユーザが特定のロケールで1回以上「保存」オプションを選択するまで,漢字端末エミュレータでは古いリソース・ファイル名を使用します。漢字端末エミュレータのデフォルトのリソース・ファイル名はロケールが次のいずれかに該当する場合,継続して DECW$TERMINAL_DEFAULT.DAT となります。

2.4.3.7 漢字端末エミュレータのウィンドウ数の上限

V1.2--4

漢字端末エミュレータのコントローラは,漢字端末エミュレータのウィンドウを最高23枚まで作成できます。これは,使用する各ウィンドウについてイベント・フラグ1個が必要で,漢字端末エミュレータは23個までイベント・フラグを使用できるためです。イベント・フラグ0とイベント・フラグ24〜32は,漢字端末エミュレータでは使用することができません。

ウィンドウを24枚以上必要とする場合は,新しいコントローラを作成する必要があります。新しいコントローラを作成するには,次のコマンドを入力してください。


$ MCR DECW$TERMINAL

このコマンドは最後のウィンドウが閉じるまで戻らないため,このコマンドを実行するウィンドウはこれ以外の用途には使用できないことに注意してください。この方法でコントローラを起動した後は, DCLコマンドのCREATE/TERMINALで新たに23枚のウィンドウを作成することができます。

2.4.3.8 端末のサイズ変更

V1.2--3

[端末ウィンドウの自動サイズ変更] オプションを有効にして漢字端末エミュレータ・ウィンドウを最大化すると,最も近いセル境界までウィンドウが拡大しますが,必ずしも全画面に拡大されるわけではありません。 [元のサイズに戻す] オプションの機能は従来どおりです。

2.4.3.9 漢字端末エミュレータ・ウィンドウ・サイズの報告

V1.2--3

ウィンドウ・マネージャの [ワークスペース・オプション] ダイアログ・ボックスで [フィードバックを表示] オプションを有効にして,漢字端末エミュレータ・ウィンドウのサイズを変更すると,ピクセル値ではなく文字数でウィンドウ・サイズが報告されます。

2.4.3.10 オート・リピート設定の変更

V1.2--3

漢字端末エミュレータの[キーボード・オプション]ダイアログ・ボックスでは, [オート・リピート]設定を変更することはできません。設定を変更する場合は,セッション・マネージャ ( 従来の DECwindows Desktop ) あるいはスタイル・マネージャ ( New Desktop ) の [キーボード]ダイアログ・ボックスを使用してください。

2.4.3.11 漢字端末エミュレータ・ウィンドウの配置

V1.2--3

DECW$TERMINAL.x と DECW$TERMINAL.y リソースで指定されている場所に,漢字端末エミュレータ・ウィンドウが表示されないことがあります。従来の DECwindows Desktop では, Mwm*clientAutoPlaceリソースに True が設定されている場合,漢字端末エミュレータ・ウィンドウが誤った位置に表示されます。回避策としては,このリソースに False を設定して,MWM を再起動してください。

New Desktop のワークスペース・マネージャ DTWM を使用している場合は,対応するリソースは Dtwm*clientAutoPlaceです。このリソースに False を設定して,ワークスペース・マネージャを再起動してください。

2.4.3.12 著作権についての注意書きの表示のタイムアウト

V1.2--3

著作権についての注意書きは,端末に表示されてから 10 秒間キーボードまたはマウスの操作がないと,漢字端末エミュレータの画面から消えます。

2.4.3.13 フォントの選択

V1.2

漢字端末エミュレータでは,正しく動作しないフォントもあります。漢字端末エミュレータは文字セル端末をエミュレートしているので,フォントは各文字間隔が同数のピクセルで構成されている等幅のフォントであることを前提にしています。このため,プロポーショナル・フォントを選択することもできますが,その結果を保証することはできません。

さらに,漢字端末エミュレータのフォントは26種の関連するフォント・ファミリとして提供されます。この中には太字,横倍画,縦横倍画,通常,縮小等の種類があります。また,漢字端末エミュレータには,線画文字および弊社技術文字セットなどの特殊文字が含まれています。漢字端末エミュレータのフォント・ファミリは,フォント名の表記法によって識別されます。

関連するすべてのフォント・ファミリ変形文字を持たないフォント,必要な特殊文字を含まないフォント,漢字端末エミュレータのフォント・ファミリの表記法に従わないフォント・ファミリでは,表示その他の面で望まれる結果が期待できない場合があります。

2.4.3.14 漢字端末エミュレータの論理名のサポート

V1.1

表 2-1 には,漢字端末エミュレータがサポートする論理名が記載されています。これらの論理名が LOGIN.COM ファイルで定義されていない場合,コントローラは省略時の値を使用します。

表 2-1 漢字端末エミュレータがサポートする論理名
論理名 説明
DECTERM_DIAG 診断メッセージを可能にします。
DECTERM_SHOW_PARSING 構文解析どおりに文字を表示します。
DECW$DECTERM_OUTPUT 診断出力ファイル名。省略時は SYS$OUTPUT。
DECW$DECTERM_REGIS_CURSOR ReGIS に使用するカーソルを指定します。
DECW$TERMINAL_NODENAME コントローラが別の名前を見つけられないときに使用するノード名。
DECW$DECTERM_CTRL_SSRWAIT コントローラ用の SSRWAIT フラグに 1 を設定します。
DECW$DECTERM_CTRL_PSWAPM コントローラ用の PSWAPM フラグに 1 を設定します。
DECW$DECTERM_CTRL_WSEXTENT コントローラ用に WSEXTENT クォータを設定します。
DECW$DECTERM_CTRL_WSQUOTA コントローラ用に WSQUOTA クォータを設定します。
DECW$DECTERM_DISABLE_QUOTA_CHECKING クォータ・チェックをオフにします。
DECW$DECTERM_MEM_DIAG コントローラのクォータ計算を表示します。

2.4.3.15 接続されたプリンタへの印刷

V1.1

ポート装置への画面印刷サービスを使用するには,そのポート装置に対する読み込みおよび書き込み特権が必要です。コントローラが装置に対するアクセスを必要とするため,装置を割り当てただけでは画面印刷を行うことはできません。その装置を WORLD:RW に設定してください。

たとえば, VAX 3100 のプリンタ・ポートを使用する場合は,特権アカウントから次のコマンドを入力するか,システム・スタートアップ・ファイルに含めておかなければなりません。


$ SET PROTECTION=WORLD:RW TTA3:/DEVICE

2.4.3.16 画面ホールドの応答時間の改善

V1.1

画面ホールド・キーの応答時間が遅すぎる場合には,使用している DECW$TERMINAL_DEFAULT.DAT あるいは DECW$TERMINAL_DEFAULT_JA_JP.DAT ファイルに次の行を追加します。


DECW$TERMINAL.main.terminal.syncFrequency: 1 
DECW$TERMINAL.main.terminal.batchScrollCount: 1 

これらのリソースの使用によって,漢字端末エミュレータ・ウィンドウの性能が影響を受ける場合があります。影響の度合いはサイトによって異なります。スクロールの速度を犠牲にして画面ホールドの反応時間を向上することができます。画面ホールドの反応速度を速めると,スクロールの速度は遅くなります。省略時には,これらのリソースは,それぞれ 10 と 0 に設定されています。

2.4.3.17 漢字端末エミュレータのグラフィックス

V1.1

次は,漢字端末エミュレータのグラフィックスに固有の情報です。

2.4.3.18 漢字端末エミュレータのリソース使用

V1.1

システムのリソースおよびクォータに許可された数よりも多くの端末ウィンドウを作成することはできません。前バージョンの漢字端末エミュレータでは,クォータを超えた場合に漢字端末エミュレータのコントローラ・プロセスがクラッシュし,すべての漢字端末エミュレータ・ウィンドウが消えてしまいました。本バージョンでは,リソースが不足した場合は,ダイアログ・ボックスが表示されて,これ以上は漢字端末エミュレータ・ウィンドウを増やせないことを示すメッセージが通知されます。

各漢字端末エミュレータ・ウィンドウのメモリ要求を減らして,新しい端末ウィンドウを作成するには, [表示]ダイアログ・ボックスの[保存行]の数を減らし,各漢字端末エミュレータ・ウィンドウの桁数を減らしてください。

リソースの上限に達した場合は,一旦ホスト・システム上で実行しているすべての漢字端末エミュレータ・ウィンドウからログ・アウトしないかぎり,端末ウィンドウの数を増やすことはできません。

2.4.3.19 診断クラッシュ・ファイルおよびメッセージ

V1.1

致命的な重大度レベルの状態コードが返されると,漢字端末エミュレータは診断ファイルを作成します。漢字端末エミュレータが異常終了した場合は,ファイル DECTERM_ERROR.LOG がログイン・ディレクトリに作成されます。漢字端末エミュレータに問題が発生した場合は,弊社のサービス担当者にログ・ファイルのコピーを提出してください。問題がなくてもログ・ファイルが作成される場合があるので,ログ・ファイルが作成されたからといって問題が発生しているとはかぎりません。したがって,ログ・ファイルだけが単独で作成された場合は,問題が生じたとはいえません。

DECTERM_DIAG という論理名またはシンボルを定義することによって,追加レベルの診断メッセージを使用することができます。これを定義した場合,拡張された診断メッセージが漢字端末エミュレータによって表示されます。このモードは問題の診断にのみ使用してください。このモードでは,セッション・マネージャから新しい漢字端末エミュレータを作成するたびに,セッション・マネージャのメッセージ・ウィンドウが作成されます。

論理名 DECW$DECTERM_OUTPUT をファイルを指すように定義して,通常の漢字端末エミュレータ診断を有効にすることもできます。

2.4.3.20 デバッガの使用

V1.0

デバッガからの出力を漢字端末エミュレータ・ウィンドウにリダイレクトするには,次のコマンドを入力します。


$ CREATE/TERMINAL/NOPROCESS/DEFINE=xxx

このコマンドが生成する漢字端末エミュレータには対応するプロセスはありませんが,端末を指す論理名 "xxx" があります。この手法によって,アプリケーションを実行していない別の漢字端末エミュレータに出力をリダイレクトすることが可能となります。出力をリダイレクトするには次のコマンドを入力します。


$ DEFINE /USER DBG$INPUT xxx:
$ DEFINE /USER DBG$OUTPUT xxx:
$ RUN /DEBUG application.EXE

2.4.3.21 仮想端末のサポート

V1.0

仮想端末を使用するプロセスを作成するには,次のコマンドを入力します。


$ CREATE/TERMINAL/NOPROCESS 

続いて新しく作成した DECterm にフォーカスを設定し, Return キーを押してログインします。 /DEFINE 修飾子は必要でないことに注意してください。

2.4.3.22 VT330 および VT340 端末エミュレータの制限事項

V1.0

漢字端末エミュレータには, ReGIS およびシクセル・グラフィックスなどの VT330 および VT340 シリーズ・ビデオ端末の機能のいくつかが組み込まれました。しかし,漢字端末エミュレータは,完全な VT330 および VT340 端末エミュレーション機能を提供するものではありません。

漢字端末エミュレータには次の制限があります。

2.4.3.23 CREATE/TERMINAL/DETACHED/PROCESS の使用

V1.0

ユーザ名と同一のプロセス名を持つプロセスがシステム上で実行されている場合を除き,修飾子/PROCESS=procnam は,修飾子 /DETACHED とともに使用すると正常に機能しません。

この問題を避けるには,次のコマンド・プロシージャを使用してください。


$! CREATE_TERM_PROC.COM 
$! 
$! Invoke as SPAWN/NOWAIT @CREATE_TERM_PROC procname 
$! 
$ SET NOON 
$! 
$! Set Process name to username 
$! 
$ X = F$CONTEXT("PROCESS", PID, "PRCNAM", "''F$PROCESS()'","EQL") 
$ NAME = F$EDIT(F$GETJPI(X,"USERNAME"),"COLLAPSE") 
$ SET PROCESS/NAME="''NAME'" 
$ CREATE/TERMINAL/DETACHED/PROCESS="''P1'" 
$! 
$! Allow new process to RUN LOGINOUT before exiting subprocess 
$ WAIT 00:00:10 

修飾子 /PROCESS=procnam にすでに使用されているプロセス名を指定した場合,漢字端末エミュレータは作成されますが,漢字端末エミュレータ内部のプロセス作成に失敗します。この場合, DCL コマンドの CREATE/TERMINAL から次のエラー・メッセージが通知されます。


%SYSTEM-F-DUPLNAM, duplicate name 


前へ 次へ 目次 索引