日本語 hp DECwindows Motif for hp OpenVMS Alpha
リリース・ノート


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第 2 章
一般ユーザ向けリリース・ノート

この章では, DECwindows Motif V1.3 に関する一般ユーザ向けの情報について説明します。

2.1 OpenVMS ディスプレイ・デバイスとレイヤード・プロダクトのインタフェース

この節は,OpenVMS ディスプレイ・デバイス (SET DISPLAY) と DECwindows Motif レイヤード・プロダクトのインタフェースに関するリリース・ノートです。

2.1.1 OpenVMS ディスプレイ・デバイス (SET DISPLAY)

この項は,SET DISPLAY コマンドと SHOW DISPLAY コマンドを使用して作成および管理される OpenVMS ディスプレイ・デバイスに関するリリース・ノートです。

2.1.1.1 誤解を招きやすい SET DISPLAY/REVOKE のエラー・メッセージ

V1.3

タイムアウトによるクッキーの無効化に関するエラー・メッセージは,誤解を招きやすいものとなっています。このエラー・メッセージ %SYSTEM-F-BADPARAM は,不正なパラメータ値があることを示しています。これはエラーの本質を示すものではありません。

2.1.1.2 Kerberos が有効な場合に SET DISPLAY/GENERATE が失敗する問題

V1.3

Kerberos 認証プロトコルを使用している場合,次のコマンドは機能しません。


$ SET DISPLAY/GENERATE=(PROTOCOL=MIT-KERBEROS-5) 

この問題の回避方法はありません。

2.1.1.3 SET DISPLAY/REVOKE 使用時に入出力エラーが表示される問題

V1.3

SET DISPLAY/REVOKE コマンドを使用して,生成されたトラステッド・クッキーを破棄すると,次のような入出力エラーが発生することがあります。


XIO:  fatal IO error 65535 (connection aborted) on X server ":0.0" 
      after 10 requests (8 known processed) with 0 events remaining. 

このエラーは,SET DISPLAY/REVOKE コマンドがサーバへ接続するときに使用していたクッキーが原因で発生します。このクッキーを破棄すると,ディスプレイ・サーバへの接続が中断されます。

このエラーは致命的に見えますが,取り消し操作は実際には正常に完了しています。

2.1.1.4 SET DISPLAY/REVOKE で X サーバがクラッシュする問題

V1.3

次のようなコマンドを実行すると, X サーバがクラッシュする場合があります。


$ SET DISPLAY/CREATE/TRANSPORT=DECNET/GENERATE=(TRUSTED) 
$ SET DISPLAY/REVOKE 

この問題は,DECNET の代わりに TCPIP を指定した場合にも発生します。

この問題を回避するためには,以下のいずれかの操作を行います。

2.1.1.5 終了時にディスプレイ・デバイスが削除されない問題

V1.2

DCL SET DISPLAY コマンドでユーザ・モードのディスプレイ・デバイスを作成する際に, DECwindows Motif からログ・アウトしたときに,未使用デバイスが削除されないことがあります。 SET DISPLAY で作成されたディスプレイ・デバイスは, X クライアント・アプリケーションが使用するまで恒久的デバイスと見なされるため,終了時に破壊されません。

この問題を回避するには,スーパバイザ・モードのディスプレイ・デバイスを作成してください。

2.1.2 デバッガ

この項は,OpenVMS デバッガの DECwindows Motif インタフェースに関するリリース・ノートです。

2.1.2.1 OpenVMS デバッガの DECwindows Motif インタフェースが正しく動作しない問題

V1.3

OpenVMS Alpha V7.3--1 デバッガの DECwindows Motif インタフェースは, DECwindows Motif V1.3 では正しく機能しません。この問題を修正する,OpenVMS Alpha デバッガ用のアップデート・キットが用意されています。この問題に対応する TIMA kit for OpenVMS Alpha V7.3--1 の入手については,弊社のカスタマ・サポート担当者にご連絡ください。

2.1.3 DECTPU

この項は,DECTPU の DECwindows Motif インタフェースに関するリリース・ノートです。

2.1.3.1 小さなディスプレイ・モニタと DECTPU

V1.0

小さなディスプレイ・モニタ上で DECTPU for DECwindows Motif を実行している場合,メイン・ウィンドウが完全には表示されないことがあります。

この状態を解決するには,次の手順に従います。

  1. 次のリソースを DECTPU X リソース・ファイルに追加します。


    Tpu.Tpu$MainWindow.X:                             0 
    Tpu.Tpu$MainWindow.Y:                             0 
    Tpu.Tpu$MainWindow.Rows:                          21 
    Tpu*condensedFont:                                on 
    Tpu*fontSetSelection:                             1 
    

  2. SYS$LIBRARY:EVE.DAT からリソース・ファイルをコピーして,前述の行を追加します。

  3. 論理名 TPU$DEFAULTS を使用して,新しいリソース・ファイルをポイントします。
    次の例では,ログイン・ディレクトリ内の eve_small_window.dat という名前の X リソース・ファイルを使用して EVE DECwindows Motif ユーザ・インタフェースを起動し,LOGIN.COM ファイルを編集します。


    $  DEFINE TPU$DEFAULTS SYS$LOGIN:EVE_SMALL_WINDOW.DAT
    $  EDIT/TPU/INTER=DECWINDOWS LOGIN.COM
    

2.2 一般的な DECwindows Motif 環境

この節は,一般的な DECwindows Motif ユーザ環境に関するリリース・ノートです。ここでは, New Desktop 環境と従来の DECwindows Desktop 環境の両方に共通の修正,制限事項,および既知の問題について説明しています。

2.2.1 Web ブラウザのサポート

V1.3

CSWB (Compaq Secure Web Browser) は, OpenVMS Alpha 用に正式にサポートされている Web ブラウザであり,その使用ライセンスは HP OpenVMS オペレーティング・システムのライセンスに含まれます。 CSWB は,Mozilla Web ブラウザをベースとしており,標準への準拠,性能,および移植性を考慮して設計されています。

CSWB は,次の OpenVMS Web ページから入手できます。


http://www.openvms.compaq.com/openvms/products/ips/apache/cswb.html 

このページには,インストール手順と実行手順の他,ハードウェアとソフトウェアの前提条件,システム・パラメータ,アカウント・クォータ,および障害報告に関する情報が掲載されています。

2.2.2 要求が集中したアプリケーションがクローズ前に一時停止する問題

V1.3

ローカル・ネットワーク・コネクション上で動作していて,要求が集中しているアプリケーションがウィンドウ・マネージャによって強制的にクローズされた場合,多少の遅延が発生することがあります。たとえば,DECW$EXAMPLES:ICO アプリケーションをローカル・ディスプレイからクローズしようとすると,アプリケーション・ウィンドウがクローズするまでに少し時間がかかります。

この現象は,ウィンドウ・マネージャ (DTWM) とサーバ・プロセスの間のリソースの競合によって発生します。この問題を回避するには,サーバ・プロセス (DECW$SERVER_0) のスタートアップ優先順位を 4 に下げます。

2.2.3 アプリケーションの競合状態によってX サーバがクラッシュする問題

V1.2-6

マルチヘッド・システムで複数のクライアント・アプリケーション・プロセスを急激にスワップしたり kill したりすると, X サーバのクラッシュが発生する場合があります。サーバへの接続が完了する前にクライアント・アプリケーションを突然停止させると,サーバ・クラッシュの原因となる競合状態が発生することがあります。

この問題を回避するためには,各アプリケーションのサーバ接続の時間を十分確保した後でアプリケーション・プロセスを停止させてください。

2.2.4 Display PostScript のサポートの終了

V1.2--6

1998年8月1日から, Adobe Display PostScript ソフトウェアはサポートされなくなりました。これは,Adobe Systems 社が Display PostScript のサポートを打ち切ったことに伴う措置です。

この措置により,Adobe Display PostScript ソフトウェアを使用していた DECwindows Motif アプリケーションの動作に及ぼした影響はさまざまです。たとえば,日本語 DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2--6 から,ブックリーダは PostScript フォーマットのグラフィックスを表示することができません。

この措置により個々の DECwindows アプリケーションに及ぼした影響については,次のリリース・ノートを参照してください。

DECwindows Motif 環境用に設計されたユーザ作成のアプリケーションやサード・パーティ製のアプリケーションに及ぼすおそれのある影響については, 第 4.1.5 項 を参照してください。

2.2.5 「テア・オフ」メニューのサポートの制限

V1.2--3

次のアプリケーションは「テア・オフ」メニューをサポートしていません。

2.2.6 "System Menu Bar: Pseudo Mouse Not Available" のメッセージの意味

V1.2--3

"System Menu Bar: Pseudo Mouse not available" は,セッションを実行したときに DECW$USER_DEFAULTS:DECW$SM.LOG ファイルに書き込まれる情報メッセージです。これはエラー・メッセージではありません。このメッセージが書き込まれるのは, OpenVMS セッション・マネージャが,非 OpenVMS サーバに対してリモートで実行されたときです。 OpenVMS サーバでは疑似マウス・モードが提供され,矢印キーを使用してマウス・カーソルを動かすことができます。

2.2.7 OSF/Motif リリース1.1.3に対してリンクされたアプリケーションからの印刷

V1.2

プリント・キューを持たないシステム上で印刷を実行しようとしたとき, OSF/Motifリリース1.1.3にリンクされているアプリケーションが異常終了することがあります。 OSF/Motifリリース 1.1.3のライブラリにリンクされ, DECwindows標準の印刷ダイアログ ([印刷ウィジェット])を使用するレイヤード製品も影響を受けます。

考えられる解決策としては, DECwindows印刷ダイアログを表示しないようにするか,自分のシステムでプリント・キューを定義するようにします。プリント・ジョブを受け付けるだけであれば,プリント・キューがプリンタに接続されている必要はありません。プリント・キューがプリンタに接続されていないことを意味するキューの名前 (例: NULL_PRINTER) を指定してください。

2.3 New Desktop 環境

この節は, New Desktop 環境に関するリリース・ノートです。

2.3.1 完全なファイル指定の DTPAD のバナーへの表示

V1.3

ファイル・マネージャ (DTFILE) からファイルを選択して,DTPAD でオープンして編集するときに,ウィンドウ・バナーに完全なファイル指定 (ノード,ディスク,ディレクトリ,およびファイル名) が表示されなくなりました。ファイル指定のうち,ファイル名の部分だけが表示されます。

2.3.2 マルチヘッド・システムでスタイル・マネージャが誤ったセキュリティ・オプションを表示する問題

V1.3

スクリーン 0 以外のスクリーンから,スタイル・マネージャを使用して [スタイル・マネージャ---セキュリティ] ダイアログ・ボックスにアクセスすると,このダイアログ・ボックスに表示される設定が誤っていることがあります。

この現象を回避するには,[スタイル・マネージャ---セキュリティ] ダイアログ・ボックスを必ずスクリーン 0 から表示します。アプリケーション・マネージャから起動される [デスクトップツール] に含まれている [デフォルト画面の設定] ツールを使用して,スタイル・マネージャを表示するスクリーンを選択します。

この問題は,XINERAMA 無しで構成したマルチヘッド・システムでのみ発生します。 XINERAMA の場合,論理スクリーンは 1 つしかありません。

2.3.3 ホーム・セッションを設定するとデスクトップ・アプリケーションが消える問題

V1.2--6

スタイル・マネージャで [起動] を選択したのちに [ホームセッションを設定] を選択すると,アプリケーション・マネージャを使用して以前に起動したアプリケーションが消えます。これは,アプリケーション・マネージャでこれらのアプリケーションを起動したのち,ホーム・セッションを設定する前にアプリケーション・マネージャをクローズした場合に起こることがあります。

解決策として,[アプリケーション・マネージャ] ウィンドウをオープンしたままにしておいてください。

2.3.4 DTSESSION ログ記録の問題

V1.2--5

ディスクの空き領域がなくなるまで, DTSESSION がログ・ファイルにエラーを記録し続ける場合があります。たとえば, DECW$DISPLAY を不正な値に設定している場合や CDE$SYSTEM_DEFAULTS:[BIN]DTSCREEN.EXE が正常にインストールされていない場合などに,この問題が発生する可能性があります。

New Desktop のセッション・マネージャ (DTSESSION) は,スクリーン・セーバ (DTSCREEN) を起動できない場合,ログ・ファイル device:[user.DT]ERRORLOG にエラーを記録します。 DTSESSION は,スタイル・マネージャの "ロック画面の切り替え時間" パラメータで指定された間隔でこのエラーを書き込みます。この間隔はユーザによる設定が可能です。

この問題を回避するには, "ロック画面の切り替え時間" パラメータの値を大きくして最大値 (120分) にします。あるいは,この問題が発生した場合には,画面をロックする代わりに New Desktop を終了します。

2.3.5 拡張ファイル指定でのファイル・マネージャの問題

V1.2--5


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