前へ | 次へ | 目次 | 索引 |
基本的な OpenVMS Registry データベース・ファイルを, SYS$REGISTRY論理名で指定される場所に作成します。このコマンドは空のデータベースを作成し,定義済みキーをロードします。このコマンドを入力したときに,データベース・ファイルがすでに存在する場合は,既存のファイルに上書きされません。ファイルがすでに存在することを示す警告が表示されます。新しい OpenVMS Registry データベースを作成する場合は,最初にデータベース・ファイルの以前のすべてのバージョンを削除しなければなりません。 OpenVMS Registry データベース・ファイルを削除すると, OpenVMS Registry に格納されているすべてのキー,サブキー,値が失われます。
このコマンドを使用するには,SYSPRV 特権が必要です。
次の表は OpenVMS Registry データベースのファイルを示しています。
ファイル 説明 REGISTRY$ROOT.DAT データベースのルート REGISTRY$USERS.REG HKEY_USERS ツリー REGISTRY$LOCAL_MACHINE.REG HKEY_LOCAL_MACHINE ツリー REGISTRY$MASTER.RLG マスタ・コミット・ログ・ファイル REGISTRY$REPLY.RLG OpenVMS Registry データベースに対する変更要求を追跡するログ・ファイル
CREATE DATABASE
なし
なし
REG> CREATE DATABASE
データベース・ファイルが消失したり,削除されたときに,基本の OpenVMS Registry データベース・ファイルを再作成します。
1 つ以上のキーを OpenVMS Registry データベースに作成します。このコマンドを使用するには,SYSPRV 特権または REG$UPDATEライト識別子が必要です。
CREATE KEY key-name [,...]
key-name[,...]
作成するキーの名前を指定します。キーをカンマで区切って指定すると,複数のキーを作成できます。
/WRITEBEHIND
キー情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。/NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を行うことを指定します。
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)/VOLATILE=level
新しいキーが揮発性であるかどうかを指定します。 OpenVMS Registry をスタンドアロン OpenVMS システムで実行している場合は,システムのリブート時に揮発性キーは失われます。 OpenVMS Registry を OpenVMS クラスタで実行してる場合は,クラスタ内のすべてのノードがリブートされるときに,揮発性キーは失われます。
/NONVOLATILE (デフォルト)level の値は次のとおりです。
- NONE (/NONVOLATILE と同じ)
- CLUSTER
/CACHE_ACTION=value
新しいキーのキャッシュ属性を指定します。value は WRITEBEHIND (デフォルト) または WRITETHRU (ディスクに直ちに書き込む) のいずれかです。/CLASS_NAME=string
キーのクラス名を指定します。/SECPOLICY=policy
キーのセキュリティ・ポリシーを定義します。現在使用できるポリシーは NT_40だけです。/LINK=(TYPE=value, NAME=key-name)
キーを別のキーへのリンクとして定義します。リンク値は次のいずれかでなければなりません。
- SYMBOLICLINK
- NONE
リンクを削除するには,次のように入力します。
/LINK=(TYPE=NONE,NAME="")
REG> CREATE KEY/CACHE_ACTION=WRITEBEHIND HKEY_USERS\GUEST, HKEY_USERS\SYSTEM
GUESTキーと SYSTEMキーを HKEY_USERSエントリ・ポイントの下に作成します。キーはライトバック属性で作成されます。
OpenVMS Registry データベースのスナップショットを作成します。つまり,キャッシュされているすべての OpenVMS Registry キーまたは値がディスクに書き込まれ, OpenVMS Registry データベース・ファイルのコピーが作成されます。このコマンドを使用するには,SYSPRV 特権が必要です。
CREATE SNAPSHOT
なし
/DESTINATION=file-spec
スナップショット・ファイルを書き込むかどうかを制御します。デフォルト設定では,スナップショットは SYS$REGISTRY論理名によって指定される場所に作成されます。/DESTINATION 修飾子に有効なディレクトリを指定しなかった場合は,スナップショット・ファイルは OpenVMS Registry サーバを起動したディレクトリに作成されます。
/VERSIONS=number
保存するスナップショット・ファイルのバージョン数を指定します。
REG> CREATE SNAPSHOT/DESTINATION=SYS$REGISTRY/VERSION=3
OpenVMS Registry データベースのスナップショットを SYS$REGISTRYディレクトリに作成します。 OpenVMS Registry データベースのスナップショット・ファイルのバージョン数が 3 より多くなる場合は,最も古いバージョンが削除されます ( purge/keep=3コマンドと同じ)。
指定されたキーのデータ・コンポーネントを指定します。値が存在しない場合は,値が作成されます。このコマンドを使用するには,SYSPRV 特権または REG$UPDATEライト識別子が必要です。
CREATE VALUE key-name
key-name
値を設定するキーの名前を指定します。
/FLAGS=flag
データ・フラグ値を指定します。これはアプリケーションに依存する 64 ビット・フラグであり,10 進数の場合は 0x, 16 進数の場合は %X を先頭に付けて指定します。/WRITEBEHIND
値をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。 /NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)/DATA=value
値は次のいずれかです。
- 文字列 (たとえば, /DATA=COSMOS)
- カンマで区切り,かっこで囲んだ文字列配列 (たとえば, /DATA=(COSMOS,Noidea)
- 8 進数 (%O),10 進数,16 進数 (%X) のいずれかの形式のロングワード (たとえば, /DATA=%X1A0FCBまたは /DATA=1234)
/NAME=string
新しい値の名前を指定します。/TYPE_CODE=type
新しい値のタイプを指定します。タイプ値は次のいずれかでなければなりません。
- SZ: 最後が Null の Unicode 文字列
- EXPAND_SZ: Unicode 文字列
- MULTI_SZ: SZ 文字列を連結した配列
- DWORD: 32 ビット数値
/LINK=(TYPE=value, NAME=key-name)
キーを別のキーへのリンクとして定義します。リンク値は次のいずれかでなければなりません。
- SYMBOLICLINK
- NONE
リンクを削除するには,次のように入力します。
/LINK=(TYPE=NONE,NAME="")
REG> CREATE VALUE/DATA=COSMOS/TYPE=SZ/NAME=COMPUTERNAME HKEY_LOCAL_MACHINE\NODE
HKEY_LOCAL_MACHINE\NODEキーの値 COMPUTERNAMEを作成し,そのタイプを SZに設定し,データ値を COSMOSに設定します。
指定されたキーを OpenVMS Registry データベースから削除します。キーにサブキーがある場合,そのキーは削除されません。
重要
キーを削除すると,シンボリック・リンクは無効になります。これは,シンボリック・リンクがある場合でも,指定したキーが削除されるからです。
注意
OpenVMS Registry データベースの定義済みキーは予約キーであり,削除することはできません。このようなキーとしては,
HKEY_USER, HKEY_LOCAL_MACHINE, HKEY_CLASSES_ROOTがあります。全キーの一覧については, 第 7.3 節 を参照してください。
このコマンドを使用するには,SYSPRV 特権または REG$UPDATEライト識別子が必要です。
DELETE KEY key-path key-name
key-path
キー・パスを指定します。key-name
削除するキーの名前を指定します。
/WRITEBEHIND
キー情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。 /NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
REG> DELETE KEY HKEY_USERS\NODE GUEST
GUESTというキーを OpenVMS Registry データベースから削除します。
指定されたキーから値を削除します。
重要
値を削除すると,シンボリック・リンクは無効になります。これは,シンボリック・リンクがある場合でも,指定された値が削除されるからです。
このコマンドを使用するには,SYSPRV 特権または REG$UPDATEライト識別子が必要です。
DELETE VALUE key-name value-name
key-name
値を削除するキーの名前を指定します。value-name
削除する値を指定します。
/WRITEBEHIND
情報をディスクに直ちに書き込まなければならないことを指定します。 /NOWRITEBEHIND はライトスルー操作を指定します。
/NOWRITEBEHIND (デフォルト)
REG> DELETE VALUE HKEY_USERS\GUEST PASSWORD
PASSWORDという値を GUESTキーから削除します。
OpenVMS Registry データベースの内容はテキスト形式でエクスポートできます。データベース全体または特定のキーとサブキーだけをエクスポートできます。エクスポートされるファイルの形式は, Windows NT 互換形式または OpenVMS 形式のいずれかとして指定できます。 IMPORT コマンドは Windows NT 4.0 Regedit 形式および OpenVMS Registry 形式の両方をサポートします。
このコマンドを使用するには,REG$LOOKUP ライト識別子が必要です。 REG$LOOKUP ライト識別子が割り当てられていない場合, REG$LOOKUP ライト識別子を必要とするキーをエクスポートするには, SYSPRV 特権が必要です。
EXPORT [DATABASE | KEY [key-name [/[NO]SUBKEYS]]] [/LOG] [/OUTPUT=file-name ] [/FORMAT=[NT | OPENVMS]]
DATABASE
OpenVMS Registry データベース全体をエクスポートします。KEY [key-name [/[NO]SUBKEYS]]
OpenVMS Registry の特定のキーをエクスポートします。そのキーのサブキーもエクスポートできます。NOSUBKEYS がデフォルトです。
/LOG
エクスポートの進行状況を画面に表示します。/OUTPUT=file-name
エクスポートされたファイルの名前を指定します。デフォルトの出力ファイル名は REGISTRY.TXTです。/FORMAT=[NT | OPENVMS]
データベースをファイルに書き込むときの形式を指定します。OPENVMS がデフォルトです。
REG> EXPORT DATABASE/LOG/OUTPUT=TUES_VERSION.TXT/FORMAT=NT
この例の EXPORTコマンドは, OpenVMS Registry データベース全体を Windows NT 4.0 Regedit 形式で TUES_VERSION.TXTファイルに書き込み,エクスポートの進行状況を画面に表示します。
(EXPORT コマンドで作成された) テキスト形式のファイルを OpenVMS Registry データベースにインポートします。また,(「レジストリ」メニューの 「Export Registry File...」 オプションを選択することで) Windows NT 4.0 Regedit によってエクスポートされた Windows NT データも OpenVMS Registry データベースにインポートできます。
Windows NT バイナリ値の変換
Windows NT バイナリ値 (構成データなど) は,OpenVMS でバイナリ値がサポートされない場合でも, OpenVMS Registry データベースにインポートできます。サポートされないバイナリ値をインポートし,変換した場合は,そのことを示すメッセージが表示されます。
このコマンドを使用するには,REG$UPDATE ライト識別子が必要です。 REG$UPDATE ライト識別子が割り当てられていない場合,REG$LOOKUP または REG$UPDATE ライト識別子を必要とするキーをインポートするには,SYSPRV 特権が必要です。
次の表は,ライト識別子と特権がキーのインポートとエクスポートにどのような影響を与えるかを示しています。
与えられている特権と識別子: Windows NT からエクスポートできる要素: OpenVMS Registry にインポートできる要素: 特権なし
ライト識別子なしHKEY_LOCAL_MACHINE\SECURITY を除き, Advanced Server for OpenVMS で作成されたすべてのキー なし REG$LOOKUP Advanced Server for OpenVMS で作成されたすべてのキー なし REG$UPDATE Advanced Server for OpenVMS で作成されたすべてのキー Advanced Server for OpenVMS で作成されたすべてのキー SYSPRV Advanced Server for OpenVMS で作成されたすべてのキー Advanced Server for OpenVMS で作成されたすべてのキー
IMPORT [/LOG] [/INPUT=file-name ]
なし
/LOG
インポートの進行状況を画面に表示します。/INPUT=file-name
インポートするファイルの名前を指定します。デフォルトの入力ファイル名は REGISTRY.TXTです。
REG> IMPORT/LOG/INPUT=TUES_VERSION.TXT
この例の IMPORTコマンドは, TUES_VERSION.TXTファイルをインポートし,インポートの進行状況を画面に表示します。
指定されたキーの属性を表示します。
注意
シンボリック・リンクはサポートされていません。
このコマンドを使用するには,SYSPRV 特権または REG$LOOKUPライト識別子が必要です。
LIST KEY key-name
key-name
一覧表示するキーの名前を指定します。
/FULL
表示可能なすべての情報,つまり /LAST_WRITE,/CACHE_ACTION, /INFORMATION,/LINK_PATH,/CLASS_NAME 修飾子で表示される情報を表示します。/CACHE_ACTION=value
サブキーのキャッシュ属性を指定します。value は WRITEBEHIND (デフォルト) または WRITETHRU (ディスクに直ちに書き込む) のいずれかです。/CLASS_NAME
サブキーのクラス名を表示します。/INFORMATION
指定されたキーに関する情報 (サブキー番号,値番号,サブキー名の最大サイズなどを表示します)。/LAST_WRITE
サブキーの最終更新日時を表示します。/LINK_PATH
サブキーのリンク先のキー・パスを表示します。/OUTPUT=file-spec
コマンドの出力先を指定します。ファイル名を指定しなかった場合は,デフォルト・ファイル名 REGISTRY.LISが使用されます。
REG> LIST KEY/FULL HKEY_USERS\GUEST Key name: HKEY_USERS\GUEST Security policy: REG$K_POLICY_NT_40 Volatile: REG$K_NONE Cache: REG$K_WRITEBEHIND Class: System Authorization Link Type: REG$K_NONE Last written: 7-AUG-1998 12:42:08.55 Key information: Number of subkeys: 2 Number of values: 0 Max size of subkey name: 40 Max size of class name: 40 Max size of value name: 0 Max size of value data: 0 Subkey(s): Key name: QUOTAS Security policy: REG$K_POLICY_NT_40 Volatile: REG$K_NONE Cache: REG$K_WRITEBEHIND Class: Disk quota Link Type: REG$K_NONE Last written: 7-AUG-1998 12:41:19.21 Key information: Number of subkeys: 0 Number of values: 0 Max size of subkey name: 0 Max size of class name: 0 Max size of value name: 0 Max size of value data: 0 Key name: IDENTIFIER Security policy: REG$K_POLICY_NT_40 Volatile: REG$K_NONE Cache: REG$K_WRITETHRU Class: Disk quota Link Type: REG$K_SYMBOLICLINK Link Path: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\IDENTIFIER\GUEST Last written: 7-AUG-1998 12:42:08.55 Key information: Number of subkeys: 0 Number of values: 0 Max size of subkey name: 0 Max size of class name: 0 Max size of value name: 0 Max size of value data: 0
この例の LIST KEY/FULLコマンドは, GUESTキーの属性と, GUESTのサブキーの名前と属性を表示します。
注意
Max sizes情報には,文字数ではなくバイト数が表示されます (各文字は 4 バイト長です)。
前へ | 次へ | 目次 | 索引 |