Compaq OpenVMS Alpha
V7.3-1 リリース・ノート【翻訳版】


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1.12 BAP システム・パラメータの調整

V7.3-1

OpenVMS Alpha Version 7.1 またはそれ以降のバージョンには,BAP(bus-addressable pool)を操作するためのシステム・パラメータが用意されています。システム・アダプタでBAP を使用するには,オペレーティング・システムのインストール後に BAP システム・パラメータを調整する必要があります。ただし,ユーザが操作する必要はありません。インストールまたはアップグレードの過程で AUTOGEN によりこれらのパラメータが自動的に正しく設定されます。

論理パーティション・パラメータ(lp で始まる Alpha コンソール環境変数)を変更する場合,または,別の論理パーティションで構成されたシステム・ディスクの 1 つの論理パーティションでブートする場合は,BAP システム・パラメータを明示的に設定する必要があります。BAP パラメータの設定については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

注意

Version 7.2 より前の OpenVMS Alpha システムでは,NPAG_BAP_MIN_PA パラメータと NPAG_BAP_MAX_PA パラメータの値をバイト単位で指定します。OpenVMS Alpha Version 7.2 またはそれ以降では,これらのパラメータをメガバイト単位で指定します。

通常,これらのパラメータは,アップグレード過程で正しい単位に変更されますが,NPAG_BAP_MIN_PA パラメータと NPAG_BAP_MAX_PA パラメータを手動で指定する場合は,各値を正しい単位で指定してください。単位を誤ると,ブート中またはブート直後にシステムが停止します。

1.13 OpenVMS のインストールに関連する他の製品

この後の節では,OpenVMS オペレーティング・システムのインストールに影響を与える関連(レイヤード)製品について説明します。

1.14 DECwindows のインストールとグローバル・セクションのエラー

V7.3

Compaq DECwindows と特定の関連製品(レイヤード・プロダクト)を同時にインストールする場合,DECwindows では起動用のグローバル・セクションが正しく計算されません。そのため,DECwindows のリブート後に初めてシステムを起動すると,起動に失敗することがあります。その場合,コンソールに次のようなメッセージが表示されます。


%DECW-W-BADVALUE, Free GBLSECTIONS is 251, should be at least 280 

次のメッセージで,DECwindows により AUTOGEN を実行するかどうかを選択できます。


Do you want the system to run AUTOGEN for you [YES]? 

ただし,この場合,手動で調整する必要があるため,「 NO 」と入力します。(DECwindows を起動するためにシステム・パラメータの一部をリセットする必要があります。「 YES 」と入力すると,AUTOGEN によりこれらのパラメータが変更され,システムがリブートされますが,DECwindows は起動しません。「NO」と入力すると,AUTOGEN が実行されないのでリブートも発生しません。そのため,ログインして,DECwindows が起動されるようにシステム・パラメータを手動で調整できます。)

DECwindows を起動させるには,次の手順を実行します。

  1. 次の質問に「NO」と入力します。


    Do you want the system to run AUTOGEN for you [YES]? 
    

  2. システムの起動が完了した後で,コンソールにログインします。

  3. グローバル・セクションのサイズを増やすために SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT を手動で変更します。例えば,次の行を SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DAT に追加します。


    MIN_GBLSECTIONS = 700 
    

  4. AUTOGEN を実行して,システム・パラメータを修正します。


    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA TESTFILES NOFEEDBACK 
     
    

  5. 次のコマンド・プロシージャを実行して,現在の値で DECwindows を実行できるかどうかを確認します。


    $ @SYS$MANAGER:DECW$GETPARAMS.COM 
    

  6. AUTOGEN を再実行します。


    $ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GENPARAMS REBOOT NOFEEDBACK 
    

1.15 PATHWORKS および Advanced Server for OpenVMS

V7.3-1

ここでは,PATHWORKS と Advanced Server for OpenVMS について説明します。また,これらの製品を実行する OpenVMS システムのインストールやアップグレードについても説明します。

1.15.1 Compaq Advanced Server for OpenVMS

OpenVMS Alpha Version 7.3-1 システムでは,Compaq Advanced Server for OpenVMS Version 7.3 がサポートされます。Advanced Server for OpenVMS Versions 7.2 および 7.2A を使用するサーバは,アップグレードする必要があります。Advanced Server for OpenVMS サーバのアップグレードについては,第 1.15.6 項 を参照してください。

1.15.2 Compaq PATHWORKS for OpenVMS(Advanced Server)

OpenVMS Alpha Version 7.3-1 システムでは,Compaq PATHWORKS Version 6.1 for OpenVMS(Advanced Server)がサポートされます。PATHWORKS for OpenVMS の旧バージョンを使用するサーバは,アップグレードする必要があります。旧バージョンの PATHWORKS のアップグレードについては,第 1.15.5 項 を参照してください。

1.15.3 PATHWORKS V5 for OpenVMS(LAN Manager)のサポートの中止

OpenVMS Version 7.3-1 では,PATHWORKS V5 for OpenVMS(LAN Manager)がサポートされません。

PATHWORKS V5 for OpenVMS(LAN Manager)を実行し,OpenVMS Version 7.3-1 のインストール後にファイル・サービスや印刷サービスを使用する場合には,ファイル・サーバまたは印刷サーバを PATHWORKS V6.1 for OpenVMS(Advanced Server)にアップグレードしてから OpenVMS Version 7.3-1 をインストールしてください。

PATHWORKS V5 for OpenVMS(LAN Manager)から Advanced Server V7.3 for OpenVMS に直接アップグレードすることはできません。PATHWORKS V5 for OpenVMS(LAN Manager)から PATHWORKS V6.x for OpenVMS(Advanced Server)へのアップグレードについては,キット・マニュアルの『PATHWORKS for OpenVMS(Advanced Server)Server Installation and Configuration Guide』を参照してください。旧バージョンの PATHWORKS for OpenVMS(Advanced Server)から PATHWORKS V6.1 for OpenVMS(Advanced Server)へのアップグレードについては,第 1.15.5 項 を参照してください。

1.15.4 PATHWORKS Version 6.x または Advanced Server Version 7.2x for OpenVMS を実行するシステムのアップグレード

OpenVMS システムでは,OpenVMS Version 7.3-1 と同時に配布される PATHWORKS Version 6.1 for OpenVMS(Advanced Server)と Advanced Server Version 7.3 for OpenVMS によって,ファイル・サービスや印刷サービスが提供されます。

OpenVMS Version 7.3-1 では,Version 6.1 より前の PATHWORKS サーバと Version 7.3 より前の Advanced Server for OpenVMS サーバはサポートされません。OpenVMS Version 7.3-1 を実行するには,まず PATHWORKS サーバと Advanced Server for OpenVMS サーバを正しいバージョンにアップグレードします。

PATHWORKS Version 6.x サーバと Advanced Server Version 7.2x サーバの詳細については,第 1.15.5 項第 1.15.6 項 を参照してください。

1.15.5 V6.1 より前の PATHWORKS(Advanced Server)を実行するシステムのアップグレード

V7.3

Version 6.1 より前の PATHWORKS for OpenVMS(Advanced Server)を実行している OpenVMS システムをアップグレードするには,次の手順を実行します。

  1. PATHWORKS for OpenVMS(Advanced Server)を Version 6.1 にアップグレードします。

  2. OpenVMS システムを OpenVMS Version 7.3-1 にアップグレードします。

  3. この段階では,PATHWORKS for OpenVMS(Advanced Server)を Advanced Server V7.3 for OpenVMS にアップグレードすることもできます。

1.15.6 Advanced Server Version 7.2x for OpenVMS のアップグレード

Advanced Server for OpenVMS サーバをアップグレードするには,次の手順に従います。

  1. Advanced Server V7.2/7.2A for OpenVMS サーバを Advanced Server V7.3 for OpenVMS にアップグレードします。

  2. OpenVMS Alpha システムを OpenVMS Version 7.3-1 にアップグレードします。

注意

OpenVMS レジストリ・プロトコルが変更されたため,同じクラスタ内の OpenVMS Alpha Version 7.3-1 システムと Version 7.2-2 より前のバージョンの OpenVMS Alpha システムでは,Advanced Server for OpenVMS ソフトウェアを実行できません。

複合バージョンのクラスタでシステムをアップグレードする方法については,第 1.9 節 を参照してください。

1.16 OpenVMS Version 7.3 またはそれ以降における Compaq SDK 1.2.2-1 との非互換について

V7.3-1

Compaq OpenVMS e-Business Infrastructure Package Version 1.3 CD-ROM には,Compaq Software Development Kit(SDK)for the OpenVMS Operating System(Javatm プラットフォーム用)v 1.3.1-3 が現在のバージョンとして収録されています。

Adobe Systems Incorporated との契約に基づき,Compaq DECwindows Motif for OpenVMS V1.2-6 ソフトウェアから Display PostScript ファイルとライブラリが削除されました。そのため,OpenVMS Alpha Version 7.3 またはそれ以降には,SDK v 1.2.2-1 を使用して Javatm GUI アプリケーションを実行するためのファイルは含まれません。

この制限は,SDK v 1.2.2-1 リリースだけに関するものです。Java Development Kit(JDK)Version 1.1,および SDK v 1.2.2-1 より新しい SDK のすべてのリリースは,Adobe Display PostScript ソフトウェアまたはそのライブラリに依存していません。


第 2 章
OpenVMS の関連製品に関するリリース・ノート

この章では,OpenVMS 関連製品について説明します。

コンパイラ,リンカ,実行時ライブラリ・ルーチンの使用に関する注意事項については,第 5 章 を参照してください。

2.1 レイヤード・プロダクトのサポート

レイヤード・プロダクトのサポートに関する詳細は,Web 上の『Public Rollout Reports for OpenVMS』を参照してください。Software Public Rollout Reports for OpenVMS には,Software Products Library Kits(CD-ROM コンソリデーション)for OpenVMS Alpha および OpenVMS VAX で提供されている Compaq のソフトウェア製品の情報が記載されています。

レポートには製品名とバージョン,製品をサポートするのに必要なオペレーティング・システムのバージョン,製品のボリューム出荷日が示されています。レポートの情報は今後も追加され,変更される可能性があります。レポートは公開され,毎月更新されます。レポートの情報はたえず変化するので,リリース・ノートには含まれません。

これらのレポートは Web のOpenVMS ホーム・ページの OpenVMS Products セクションから入手できます。OpenVMS Software Public Rollout Reports for OpenVMS にアクセスするには,次の web サイトを参照してください。


    http://www.openvms.compaq.com/openvms/os/swroll/index.html    

インターネットにアクセスできない場合は,四半期ごとに提供される Software Products Libraries からオペレーティング・システム・サポート情報を検索できます。このライブラリは,次のディレクトリにあります。


[README]SW_COMPAT_MATRIX.PS(.TXT)

また,Software Public Rollout Reports は弊社のサポート担当者から入手することもできます。

2.2 ファイル名の大文字小文字の区別の使用

V7.3-1

OpenVMS Alpha では,大文字小文字を区別したファイル名の検索オプションがサポートされるようになりました。大文字小文字を区別しないファイル名の検索はデフォルトの動作で,OpenVMS の以前のバージョンの動作です。

この機能は,OpenVMS の動作における非常に大きな変更点であるため,既存のアプリケーションで問題が発生する可能性があります。大文字小文字を区別したファイル名の検索を有効にすると,既存のアプリケーションが中断する可能性があります。大文字小文字を区別したファイル名の検索を無効にすると,以前の動作が復元されます。しかし,大文字小文字を区別した操作は,大文字小文字の区別を要求または依存する一部のアプリケーション(通常は UNIX のアプリケーション)を移植する際に重要な場合があります。

大文字小文字を区別した操作は,大文字小文字が保存されない場合には適切に実行されません。OpenVMS ODS-2 ボリュームでは,ファイル名の大文字小文字の保存がサポートされません。DCL では,プロセス属性 PARSE_STYLE が EXTENDED に設定されていない場合,すべてのコマンド行パラメータが大文字に変換されます。DECC 実行時ライブラリでは,DECC$EFS_CASE_PRESERVE パラメータが設定されていない場合,ファイル名の大文字小文字が変換されます。

大文字小文字の区別は,大文字小文字の保存がサポートされている環境で,大文字小文字の区別がアプリケーションで重要である場合にだけ使用してください。大文字小文字の区別がサポートされているかどうかわからないアプリケーションでは,大文字小文字の区別を使用しないでください。たとえば,ファイル名またはファイル・タイプが大文字小文字を区別しない環境用に開発されたアプリケーションにコード化されると,参照しているファイルの実際の大文字小文字と一致しなくなることがあります。

大文字小文字の区別はファイル操作に適用されます。通常,(DCL,SET PROCESS /CASE,または SYS$SET_PROCESS_PROPERTIESW サービスを使用するアプリケーションで)プロセス属性として有効化されます。この属性は,$CREATE,$OPEN,$SEARCHRMS などの RMS サービスを通じて実行されるファイル・システムの操作に影響します。ACP $QIO インタフェースを使用するファイル操作では,大文字小文字の区別を明示的にコード化する必要があります。

大文字小文字の保存は,ファイル名をファイル・システムに保存する動作に影響します。SET PROCESS/PARSE_STYLE では,DCL によってファイル名を大文字に強制的に変換するか,そのまま保存するかを指定します。同様に,DECC 実行時ライブラリとアプリケーションでは,ファイル名を大文字に変換するか,そのまま保存するかどちらかを選択できます。大文字小文字の保存を有効にすると,ファイル名は入力されたとおりにファイル・システムに保存されます。ただし,大文字小文字を区別しない操作で使用される大文字と小文字が混在するファイル名は,従来の大文字のみのファイル名の動作と同じように動作します。

case=sensitive設定を使用した C プログラムのコンパイル方法については,第 5.6 節 を参照してください。

2.3 ACMS---アプリケーションが起動しない

V7.3-1

ACMS V4.4A アプリケーションが起動せず,「 server died unexpectedly 」というメッセージが表示される場合があります。EXBYTLM エラーが報告された場合,BYTLM の値を大きくしても問題は解決しません。

この問題は,ECO for ACMS V4.4A で次のパッチで修正されています。


    ACMS_U1_044.A    

OpenVMS Alpha Version 7.3-1 のインストール前または後に,OpenVMS Alpha Version 7.3 またはそれ以降のバージョンに ECO パッチをインストールできます。

この問題は,2002 年の第 3 四半期の Software Products Library のコンソリデーテッド・ディストリビューションとしてスケジュールされている ACMS V4.4B でも修正される予定です。

2.4 ACMS---サーバの強制終了による IVP 障害

V7.3-1

OpenVMS Alpha V7.3-1 に ACMS V4.4A をインストールしている場合,Installation Verification Procedure(IVP)が「server died unexpectedly」というメッセージを表示して失敗する場合があります。この状況は,プロセスの EXBYTLM にも影響し,BYTLM の値を大きくしても問題は解決しません。

この問題は,ECO for ACMS V4.4A で次のパッチで修正されています。


    ACMS_U1_044.A    

OpenVMS Alpha V7.3-1 のインストール前または後に,OpenVMS Alpha Version 7.3 またはそれ以降のバージョンに ECO パッチをインストールできます。

この問題は,2002 年の第 3 四半期の Software Products Library のコンソリデーテッド・ディストリビューションとしてスケジュールされている ACMS V4.4B でも修正される予定です。

2.5 FMS---インストール上の問題の修正に必要な ECO

V7.3-1

OpenVMS Alpha で FMS をインストールする場合,サンプル・アプリケーション・プログラムのインストール中に問題が発生します。この問題を修正するには,FMS のインストール後に次の ECO パッチをインストールしてください。


DECFMSECO5024 

2.6 タイム・ゾーンに関する規則の変更

V7.3

OpenVMS Version 7.3 では,タイム・ソーン・データベースが次のように更新されています。


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