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V7.3
OpenVMS Alpha Version 7.2 で Extended File Support が追加されたことにより,OpenVMS Alpha Version 7.2 またはそれ以降での I/O 実行時診断メッセージおよび RMS 特殊レジスタの処理が変わりました。特に,Version 7.2 より前のバージョンの OpenVMS では,長いファイル名により RMS$_FNM が発生しましたが,OpenVMS Alpha Version 7.2 またはそれ以降のバージョンでは RMS$_CRE が発生するようになりました。この違いは,I/O 実行時診断メッセージと RMS 特殊レジスタにも反映されています。これらの RMS に関する違いをサポートするために,新しい ODS-5 サポートを使用する必要はありません。
2.8 DECdfs
ここでは,DECdfs for OpenVMS に関するリリース・ノートをまとめます。
2.8.1 OpenVMS Alpha Version 7.3-1 では DECdfs Version 2.3-2 が必要
V7.3-1
DECdfs for OpenVMS を OpenVMS Alpha Version 7.3-1 で実行するには,Version 2.3-2 をインストールしなければなりません。以前のバージョンの DECdfs を OpenVMS Alpha Version 7.3-1 にインストールすると,システム障害が発生します。DECdfs for OpenVMS Version 2.3-2 は,OpenVMS Version 7.3-1 に同梱されています。
OpenVMS Version 7.3 では DECdfs Version 2.3-1 またはそれ以降のバージョンを実行する必要があります。以前のバージョンの OpenVMS でも DECdfs Version 2.3-1 またはそれ以降を実行することをお勧めします(
第 2.8.2 項 を参照)。
2.8.2 DECnet-Plus for OpenVMS を実行する他のバージョンのシステムでの DECdfs Version 2.3-1 またはそれ以降のバージョンの推奨
V7.3
DECdfs Version 2.3-1 またはそれ以降には,DECnet-Plus を実行しているシステム,特に複数のネットワーク・サーキットを持つシステムで実行する場合に発生する,接続に関連した多数の問題に対応するための修正が含まれています。このため,DECnet/OSI または DECnet-Plus を実行している,サポートされているシステムでは,できるだけ DECdfs Version 2.3-1 またはそれ以降を使用してください。
さらに,DECdfs Version 2.3-1 には,IP を介した DECnet 接続のサポートも追加されています。詳細については,この製品のインストール後に SYS$HELP に保存されるリリース・ノートを参照してください。
2.9 Availability Manager と DECamds の新バージョン
V7.3-1
OpenVMS Alpha Version 7.3-1 ノードを監視するには,次のいずれかを使用します。
これらのソフトウェアの新バージョンは,OpenVMS Alpha Version 7.3-1 ソフトウェア・キットに含まれています。
次のソフトウェア・バージョンでは,OpenVMS Alpha Version 7.3-1 ノードが監視できません。
2.10 Compaq DECforms Web Connector Version 3.0
V7.3-1
Compaq DECforms Web Connector V3.0 を OpenVMS Version 7.3-1 で実行するには,次のタスクを実行します。
$ @sys$common:[JAVA$122.COM]JAVA$122_SETUP.COM |
上記の行は,FORMS$INSTALL_AREA ディレクトリの次のコマンド・プロシージャに含まれています。
ここでは,DECram に関するリリース・ノートをまとめます。
2.11.1 DECram コマンドとエラー
V7.3-1
すべてのエラーがユーザ・インタフェースで返されるわけではないので,DECram コマンドの実行後は,ディスク・エラーのチェックを必ず実行してください。デバイスに固有のエラーは,システムのエラー・ログに送信されます。DCL プロンプトで SHOW DEVICE MD と入力し,DECram コマンドの実行結果としてデバイスにエラーが発生していないかを確認します。エラーを究明するには,エラー・ログ分析ツールを使用する必要があります。エラー・ログは,ASCII ファイル形式で記録されるため,SYS$SYSROOT:[SYSERR]ERRLOG.SYS ファイルで MD-E-FAILURE という接頭辞を使用してエラーを探すことができます。
2.11.2 DECram とボリューム・シャドウイング
V7.3-1
Volume Shadowing for OpenVMS を使用する DECram Version 3.1 では,DECram ディスクを物理ディスクにシャドウできます。ただし,最新の Volume Shadowing for OpenVMS では,物理ディスクがないと,揮発性ディスクに書き込まれるので注意してください。Volume Shadowing for OpenVMS の今後のリリースでは,物理ディスクが存在しない場合に「書き込みを中止」する機能を組み込む予定です。
2.11.3 旧バージョンの DECram
V7.3-1
DECram Version 3.1 は,OpenVMS Alpha Version 7.2-1H1 またはそれ以降を実行している OpenVMS Alpha システム(Galaxy 構成を含む)で実行されます。DECram Version 3.1 とサポート用マニュアルは,Software Products Library CD-ROM と Online Documentation Library CD-ROM に収録されています。
DECram Version 2.5 は,VAX と Alpha の両方の OpenVMS システムのすべてのバージョン(Version 7.3-1 を含む)で実行されます。Version 3.1 と同様,Version 2.5 でも IOPOST_LOCAL 後処理を使用し,リソース・アフィニティ・ドメイン(Resource Affinity Domain: RAD)間にメモリを割り当てます。
Version 2.3 では,デバイス・ドライバの最新の修正が反映されていません。
次の表に,DECram 各バージョンに対する OpenVMS サポートの概要を示します。
DECram バージョン |
OpenVMS Alpha バージョン のサポート |
OpenVMS VAX バージョンの サポート |
---|---|---|
V3.1 | V7.2-1H1 またはそれ以降 | なし |
V2.5 | すべて | すべて |
V2.4 | V7.2-1 | V6.2〜V7.3 |
V2.3 | V6.2-1H3 | V5.5-2 |
2.12 Lightweight Directory Access Protocol(LDAP)API
次の項には,LDAP API のリリース・ノートをまとめています。
2.12.1 ID が NULL の場合の ldap_get_option ルーチンからのエラー戻り値(-1)
V7.3
ldap_get_options()の呼び出しでldパラメータに NULL 値を使用すると,グローバル・デフォルト・データ・セットではなく,エラー戻り値 -1 が返ります。
2.12.2 ber_flatten()が中括弧の不一致を検出しない
V7.3
ber_flatten()ルーチンでは,BerElement 内の '{' および '}' 形式修飾子が一致しない場合が正しく検出されません。
2.13 DECwindows Motif
ここでは,Compaq DECwindows Motif for OpenVMS レイヤード・プロダクトに関するリリース・ノートをまとめます。
2.13.1 インストールに必要なシステム・パラメータ値
V7.3-1
設定したシステム・パラメータ GBLPAGES,FREE_GBLPAGES,および CLISYMTBL の値が小さすぎると,DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2-6 のインストール・プロシージャが失敗することがあります。
インストールが失敗すると,次のエラー・メッセージが表示されます。
%SYSTEM-W-NOSUCHFILE, no such file \sys$library:decw$xlibshr.exe\ |
インストールが失敗した場合には,これらのパラメータを,次の表に示す値以上に設定し,製品を再インストールします。
GBLPAGES | FREE_GBLPAGES | CLISYMTBL | |
---|---|---|---|
Alpha | 150000 | 92000 | 512 |
VAX | 62000 | 47000 | 265 |
2.13.2 ユーザが作成したトランスポートは Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Alpha の今後のリリースでサポートされない
V7.3-1
ユーザが作成したネットワーク・トランスポートのサポートは,DECwindows Motif for OpenVMS Alpha の次のリリースから廃止されます。Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Alpha Version 1.3 では,マルチスレッドと,Inter-Client Exchange(ICE)プロトコル,フォント・サーバ,入力メソッド・サーバの通信ニーズをサポートするために,トランスポート・インタフェースに大幅な改良が行われる予定です。
既存のトランスポート(DECNET,TCPIP,および LOCAL)はそのまま利用しても問題なく機能しますが,更新されたトランスポート・インタフェースに基づいてユーザが作成したトランスポートの設計および実装に対するサポートは今後行われません。その結果,『VMS DECwindows Transport Manual』はアーカイブされ,新しいライブラリのドキュメント化や公開は予定されていません。
ユーザが作成したトランスポートを実装し,そのトランスポートを Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Alpha Version 1.3 環境に移行する場合は,移行戦略の作成方法について Compaq カスタマ・サービスにお問い合わせください。
2.13.3 一部のバージョンで使用できない DECwindows 言語バリアント
V7.3
言語バリアントによっては,Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2-6 で使用できないものがあります。日本語は,日本語 Compaq DECwindows Motif for OpenVMS Version 1.2-6 で使用できます。ドイツ語は,DECwindows Motif Version 1.2-5 で使用でき,ヘブライ語は,DECwindows Motif Version 1.2-4 で使用できます。詳細は,弊社のサポート担当者にお問い合わせください。
2.14 MultiNet Version 4.3
DCE および Process Software MultiNet Version 4.3 以前を使用するユーザは,Process Software から UCXDRIVER-041_a043(以上)ECO をインストールする必要があります。MultiNet Version 4.4 には修正が含まれています。
最新のパッチと使用中のバージョンに対応したパッチは,次の Web サイトからダウンロードするか,Process Software の技術サポートに連絡して入手してください。
http://www.multinet.process.com/eco.html |
2.15 OpenVMS Alpha Version 7.3 への Compaq Open3D のインストール
V7.3
OpenVMS Alpha Version 7.3 またはそれ以降のバージョンに Open3D をインストールすると,以前のバージョンの SYS$LOADABLE_IMAGES:SYS$GYCDRIVER.EXE イメージがインストールされます。OpenVMS Alpha Version 7.3 またはそれ以降に Open3D をインストールする前に,次のいずれかの操作を実行してください。
または
$ RENAME SYS$LOADABLE_IMAGES:SYS$GYCDRIVER.EXE;-1 ;0 |
2.16 Pascal---アップグレード後の Compaq Pascal Version 5.5 のインストール
V7.3
OpenVMS のアップグレード後に Compaq Pascal を再インストールし,アップグレード後のシステムに対応した新バージョンの STARLET.PAS と他の定義ファイルを作成します。
OpenVMS のアップグレード後に Compaq Pascal を再インストールしない場合でも,システムのコンパイラは正しく起動しますが,STARLET.PAS と他の定義ファイルに,OpenVMS のアップグレードで提供される新しい定義または修正後の定義が含まれません。
2.17 OpenVMS での DEC PL/I---RTL のサポート
OpenVMS オペレーティング・システムで配布される PL/I RTL と Kednos Corporation が所有し,配布する新しい PL/I RTL の間には,互換性がありません。OpenVMS オペレーティングシステムと同時に配布された旧バージョンが,より新しいバージョンを上書きしてしまいます。該当するイメージは,SYS$LIBRARY:DPLI$RTLSHR.EXE です。
OpenVMS では,ANALYZE/IMAGE コマンドで次のように表示されるバージョンのファイルが配布されます。
Image Identification Information image name: "DPLI$RTLSHR" image file identification: "V4.0-6" |
OpenVMS Version 7.3 またはそれ以降にアップグレードする前に ANALYZE/IMAGE コマンドを実行し,より新しいバージョンの DPLI$RTLSHR.EXE が存在する場合,コピーしておき,アップグレード後に復元するか,後で PL/I キットを再インストールしてください。
2.18 ソケットと Java 2 Fast VM を使用したマルチスレッド・アプリケーション
V7.3-1
OpenVMS Alpha 7.2-1 またはそれ以降のすべてのバージョンでは,Web-Based Enterprise Services(WEBES)4.0 のプロセスで,インストール中または最新の Service Pack を適用する前の操作中に,スタック・オーバフローまたはバグ・チェックで障害が発生することがあります。OpenVMS Alpha Version 7.3-1 では,この問題は発生しません。ただし,ソケットと Java 2 Fast VM を使用する他のマルチスレッド・アプリケーションでも同様の障害が発生することがあります。
この環境で WEBES Version 4.0 の Service Pack 1,2,または 3 を実行しようとすると,次のスタック・オーバフローとバグ・チェックに関するメッセージが表示されます。WEBES Version 4.0 の Service Pack 4 では,この問題は発生しません。
%SYSTEM-F-STKOVF, stack overflow, PC=FFFFFFFF804830F8, PS=0000001B %TRACE-F-TRACEBACK, symbolic stack dump follows image module routine line rel PC abs PC 0 0000000000000000 FFFFFFFF804830F8 PTHREAD$RTL 0 00000000000470D0 000000007BC130D0 0 FFFFFFFF800EE4B4 FFFFFFFF800EE4B4 0 0000000000000000 FFFFFFFF80081898 PTHREAD$RTL 0 00000000000470D0 000000007BC130D0 |
PTHREAD$RTL に関する行は,次のとおりです。
%DECthreads bugcheck(version V3.15-267), terminating execution. % Reason: selected a non-ready thread -2(0x0000000000261B40)state blocked % Running on OpenVMS V7.2-1 on AlphaServer 1200 5/533 4MB, 256Mb; 2 CPUs % The bugcheck occurred at 01-AUG-2001 13:39:20.48, running image % PEAKSI$CBL200:[SYS0.SYSCOMMON.COMPAQ.SVCTOOLS.][JRE.122.BIN]JAVA$JAVA.EXE;1 % in process 0000301A(named "_FTA14:"), under username "ISLANDS". AST % delivery is enabled for all modes; no ASTs active. Upcalls are enabled. % Multiple kernel threads are enabled. % The current thread sequence number is -2, at 0x00261B40 % Current thread traceback: % 0: PC 0x7BBEBB38, FP 0x0025F9A0, DESC 0x7BBCDBE8 % 1: PC 0x7BBE9F24, FP 0x0025FA70, DESC 0x7BBCD6A8 % 2: PC 0x7BBE7CDC, FP 0x0025FAE0, DESC 0x7BBCD788 % 3: PC 0x7BC12688, FP 0x0025FB80, DESC 0x7BBD2C10 % 4: PC 0x800EE48C, FP 0x0025FC10, DESC 0x80CC68C0 % 5: PC 0x800DABBC, FP 0x0025FC90, DESC 0x80CC4140 % 6: PC 0x7BC17578, FP 0x0025FCB0, DESC 0x7BBD30E0 % 7: PC 0x7BC0B5A8, FP 0x0025FCD0, DESC 0x7BBD1BB0 % 8: PC 0x7BC0A720, FP 0x0025FD00, DESC 0x7BBD1BE8 % 9: PC 0x7BBFD2FC, FP 0x0025FDA0, DESC 0x7BBD00A8 % 10: PC 0x7BBED504, FP 0x0025FFE0, DESC 0x7BBCE480 % 11: PC 0x00000000, FP 0x7AF73A60, DESC 0x7BBCC4B0 % 12: PC 0x848E3414, FP 0x7AF77B30, DESC 0x848E5CF0 % 13: PC 0x7B04552C, FP 0x7AF77BB0, DESC 0x7B01C330 % Bugcheck output saved to pthread_dump.log. %SYSTEM-F-IMGDMP, dynamic image dump signal at PC=000000007BBEBC98, PS=0000001B |
これらのメッセージは,次のファイルに記録されます。
SVCTOOLS_HOME:[LOGS]DESTA_DIR.LOG |
対処方法
この問題を防ぐには,次の手順を実行します。
$ THREADCP/DISABLE=MULTI SVCTOOLS_HOME:[JRE.122.BIN]JAVA$JAVA.EXE $ PRODUCT REMOVE WEBES |
Do you want to add DESTA$STARTUP and DESTA$SHUTDOWN to system startup and shutdown procedures? [YES] |
この質問にはまだ応答しないでください。
$ THREADCP /DISABLE=MULTI SVCTOOLS_HOME:[JRE.122.BIN]JAVA$JAVA.EXE |
このコマンドでは,WEBES プロセスが 1 つの CPU で実行されるので,障害を防ぐことができます。
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