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V7.3-1
GALAXY システムで新しい SCACP SET や SHOW PORT あるいは CIRCUIT コマンドを使用する場合,コマンドは適切に実行されますが,PBAn(SMCI)デバイスのデバイス・オフライン・エラーも報告される場合があります。この報告は,対象の PBA デバイスが,実際の PBA デバイスの「クローン」元の「テンプレート」である場合に報告されます。テンプレート内の PBA デバイスは,それ自身が PBA デバイスであることを I/O サブシステムに報告しません。このため,SCACP によって PBA デバイスが検出されると,このデバイスに関する管理要求が発行されます。これらの要求は,デバイスがオフライン状態にあることを示して失敗します。
この動作の例を次に示します。
SCACP> SHOW CIRCUIT LARRY/PORT=PBA0 %SCACP-E-DEV_OFFLINE, Port PBA0 is offline SCACP> SHOW CIRCUIT MOE Circuit data for CURLY at 03-MAY 11:30:26.39 Remote LPort Circuit Priority Load RPort RPort Node Name State Cur Mgt Class Number Type -------- -------- -------- ---- ---- -------- ------------ -------- MOE PEA0 Open 0 0 30000 DD NI MOE PNA0 Open 0 0 140 19 CIPCA MOE PBA1 Open 0 0 32767 SMCI %SCACP-E-DEV_OFFLINE, Port PBA0 is offline |
このデバイス・オフライン・エラーは,OpenVMS の次のリリースで修正される予定です。
4.8 システム・ディスクごとに 1 つのアーキテクチャ
V7.3-1
各システム・ディスクと各システム・ディスク・ブート・ブロックでサポートされるアーキテクチャは 1 つだけです。現在,ディスク・ブート・ブロックに含まれる複数のブートストラップ・ポインタを使用することが可能ですが,複数のアーキテクチャに対応した複数の OpenVMS オペレーティング・システム・バイナリを 1 つのシステム・ディスクに格納してブートすることはできません。
4.9 ファームウェア・リビジョンと Alpha Station XP1000 のブート
V7.3-1
Alpha Station XP1000 のブート中,SYSBOOT によって次の警告が表示されます。
%SYSBOOT-W-FIRMREV, Firmware rev. 5.9 is below the recommended minimum of 6.2. Please update your firmware to the recommended revision, which can be found on the firmware CD labeled: Alpha AXP Systems Firmware Update 6.2. |
この警告メッセージは無視してください。ファームウェア・リビジョン 5.9 は,このシステムの最新リリースです。Version 6.2 Firmware Update CD にはリビジョン 6.2 のファームウェアは含まれていません。
4.10 DECdtm サービス
ここでは,DECdtm サービスに関する問題と制限について説明します。
4.10.1 Oracle 8i と 9i での DECdtm/XA(Alpha のみ)
V7.3-1
DECdtm/XA で XOpen/XA 規格に準拠したアプリケーションを作成するための新機能を使用するには,XA インタフェースにリソース・マネージャ(RM)をバインドする必要があります。Oracle の共有ライブラリ(Oracle 8i と 9i)では,Oracle の動的登録方法(XA switch xaoswd)が機能しないので,静的な登録方法(XA switch xaosw)を使用してください。OpenVMS のリリースに組み込まれている,DECdtm V2.0 で使用可能な XA Gateway は,単一ノード専用です。
4.10.2 IPC-E-BCKTRNSFAIL エラー・メッセージ
V7.3
ここでは,ACMS ユーザ,場合によっては Rdb ユーザ,および DECdtm を呼び出して,次の特徴を持つリモート・システムとの分散トランザクションに参加するユーザ作成アプリケーションを実行しているユーザに関する注意事項を説明します。
DECnet によって返される,次のようなエラーが発生することがあります。
IPC-E-BCKTRNSFAIL, failure on the back translate address request |
このエラーは,リモート・ノード名が DECnet-Plus によって変換されない場合に,論理接続障害によって表示されます。リモート・システムの DECnet-Plus ノード名がローカルな DECnet-Plus データベースに定義されておらず,リモート・ノードの TCP/IP ネーム・サーバで ALIAS としてのみ定義される場合に,このエラーが発生することがあります。たとえば,ノード XXYZZY は,次のように定義することができます。
20.43.136.54 XXYZZY.ABC.DEF.COM, XXYZZY |
この状況を回避するには,ノード名をローカルな DECnet-Plus データベースに定義するか,または論理名 SYS$DECDTM_NODE_NAME を次のいずれかと等しくなるように定義します。
他の必要条件や制限事項については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』の DECdtm Services の管理についての説明を参照してください。
4.11 ECP Data Collector と Performance Analyzer V5.4B
V7.3-1
OpenVMS Alpha Version 7.3-1 向けの Enterprise Capacity and Performance(ECP)の最小バージョンはバージョン 5.4B です。ECP Data Collector と ECP Performance Analyzer はどちらも OpenVMS Version 6.2 またはそれ以降のバージョンと下位互換性があります。
4.12 VMS$COMMON.DIR ファイル: 復元の問題
OpenVMS システム・ディスクの [SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルは,[000000]VMS$COMMON.DIR ファイルの別名のディレクトリです。どちらのファイルも同じファイル・ヘッダを参照します。OpenVMS VAX Version 5.5-2 より前のバージョンおよび OpenVMS Alpha Version 1.5 より前のバージョンは,アルファベット順にファイルを処理するため,BACKUP を実行した場合に VMS$COMMON.DIR ファイルと別名の [SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルの関係を正しく復元することができませんでした。この問題はシステム・ディスクには影響しませんが,DIGITAL Command Language(DCL)のレキシカル関数を使用した場合にエラーが発生することがあります。
OpenVMS VAX Version 5.5-2 と OpenVMS Alpha Version 1.5 では,この問題が修正されていますが,旧バージョンの OpenVMS で作成したイメージのバックアップを復元すると,問題が発生することがあります。
VMS$COMMON.DIR ファイルと別名の [SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルの関係が正しいかどうかを確認するには,保存したセットとシステム・ディスクの両方を検査します。
[SYSx]SYSCOMMON.DIR の下に表示されるファイルを削除した場合は,保存したセットからシステム・ディスクを復元し,システム・ディスクの検査 で説明するように,VMS$COMMON.DIR ファイルと別名の [SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルの関係が正しいことを確認する必要があります。 |
保存したセットで VMS$COMMON.DIR ファイルと別名の [SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルの関係が正しいかどうかを確認するには,BACKUP/LIST コマンドを入力して,保存したセット内の VMS$COMMON ディレクトリに含まれるファイルの情報を表示します。この部分に関係する BACKUP/LIST コマンド出力例は,次のとおりです。
. . . [000000]VOLSET.SYS;1 0 24-SEP-1994 19:31 []000000.DIR;1 1 24-SEP-1994 19:31 []SYSCOMMON.DIR;1 2 24-SEP-1994 19:31 []SYSLIB.DIR;1 18 24-SEP-1994 19:31 []SYSTEST.DIR;1 1 24-SEP-1994 19:31 []SYSMAINT.DIR;1 1 24-SEP-1994 19:31 []SYSMGR.DIR;1 6 24-SEP-1994 19:31 []SYSHLP.DIR;1 6 24-SEP-1994 19:31 []EXAMPLES.DIR;1 1 24-SEP-1994 19:31 []SYSUPD.DIR;1 4 24-SEP-1994 19:31 []SYSMSG.DIR;1 3 24-SEP-1994 19:31 . . . []SECURITY_AUDIT.AUDIT 2 3-FEB-1995 15:23 []SECURITY_AUDIT.AUDIT 11 3-FEB-1995 15:23 []BACKUP.EXE;33 273 4-FEB-1995 09:37 []STABACKUP.EXE;9 486 4-FEB-1995 09:38 |
VMS$COMMON ディレクトリ内の紛失ファイルが表示されている場合(空のディレクトリは [] で表されます),保存したセット内のシステム・ディスク情報はこの問題による影響があります。この保存したセットを使用してシステムを復元するたびに,問題の修正 の手順を実行して問題を修正する必要があります。
このセットを保存したシステムにアクセスできる場合は,システム・ディスクの検査 の手順を実行して,システムに問題がないかを確認してください。問題がある場合は,問題の修正 の手順を実行してください。
システム・ディスクで VMS$COMMON.DIR ファイルと別名の [SYSx]SYSCOMMON.DIR ファイルの関係を検査するには,次の例のように DUMP/HEADER コマンドを入力します。
$ DUMP/HEAD/BLOCK=COUNT:0 DR301:[000000]VMS$COMMON.DIR;1 Dump of file $4$DKA301:[000000]VMS$COMMON.DIR;1 on 14-FEB-2002 09:59:14.94 File ID(15,1,0) End of file block 3 / Allocated 9 File Header Header area Identification area offset: 40 . . . Identification area File name: VMS$COMMON.DIR;1 . . . |
「File name:」フィールドに表示される名前がこの例のように VMS$COMMON.DIR;1 である場合,2 つのファイル名の関係は正しく設定されているので,その他の操作は必要ありません。
ただし,「File name:」フィールドに表示される名前が SYSCOMMON.DIR;1 の場合,2 つのファイル名の関係が誤っているので, 問題の修正 の手順を実行して問題を修正する必要があります。
VMS$COMMON を正しい状態に復元するには,次のコマンドを入力します。
$ SET DEFAULT DISK:[000000] $ SET FILE/ENTER=SYSCOMMON.DIR VMS$COMMON.DIR $ SET FILE/REMOVE VMS$COMMON.DIR; $ RENAME SYSCOMMON.DIR VMS$COMMON.DIR |
ここでは,Kerberos の使用に関する既知の問題と制限事項について説明します。
4.13.1 Kerberos と小文字のユーザ名
V7.3-1
Kerberos がシステムのユーザ認証ファイル(UAF)のユーザ名を使用する場合,デフォルトでは,ユーザ名の大文字と小文字を変更しません。OpenVMS のユーザ名はすべて大文字で表されます。
小文字のユーザ名を使用するには(UNIX のユーザ名は通常小文字),論理名 KRB$LOWERCASE_UAF_USERNAME を定義します。KRB$LOWERCASE_UAF_USERNAME を使用すると,UAF ファイルのユーザ名を小文字で検索できます。この論理名を使用しない場合は,ユーザ名は変更されません。
4.13.2 クラスタを認識しない Kerberos
V7.3-1
Kerberos Version 1.0 for OpenVMS ではクラスタが認識されません。Kerberos のチケットは,セキュリティ機能によって発信ノード名でコード化されます。クラスタ内の 1 つのノードから取得したチケット保証チケット(TGT)は,要求が作成されたノードだけに有効です。追加のチケットは,チケット保証チケット(TGT)要求を発信したノードから発信する必要があります。チケット・キャッシュはクラスタ内の他のノードからも表示できますが,Kerberos KDC では,チケットにコード化されているノード以外で TGT を使用することを許可しません。
4.13.3 Kerberos オンライン・ヘルプ
OpenVMS Kerberos は,幅広いセキュリティ製品(RLOGIN,TELNET,FTP など)の認証を許可する認証セキュリティ製品です。
Kerberos はこれまでレイヤード・プロダクトとして提供されていましたが,現在は Version 7.3-1 オペレーティング・システムに統合されています。Version 7.3-1 にアップグレードする前に Kerberos をシステムにインストールした場合は,Kerberos のオンライン・ヘルプを利用できます。ただし,このヘルプ・ファイルの,/USER 修飾子に関する記述には間違いがあります。この修飾子はサポートされていない不要な修飾子です。/ADMIN 修飾子を指定していない場合,KERBEROS コマンドを入力すると,Kerberos ユーザ・ユーティリティが自動的にアクティブになります。
Kerberos を初めて使用する場合,このリリースのオペレーティング・システムのオンライン・ヘルプは確認できません。次のコマンドと修飾子に関する説明を参照してください。このコマンドの形式は次のとおりです。
KERBEROS [qualifers] |
デフォルトでは,KERBEROS コマンドを入力すると,Kerberos>プロンプトで Kerberos ユーザ・ユーティリティをアクティブにできます。Kerberos 管理ユーティリティをアクティブにするには,/ADMIN 修飾子を指定する必要があります。
オプションの 2 つの修飾子の内容は次のとおりです。
Kerberos 管理ユーティリティをアクティブにします。KerberosAdmin>プロンプトが表示されますが,コマンドを実行する前に Kerberos ユーティリティにログインする必要があります。
使用できる場合は,要求された表示インタフェースをアクティブにします。指定できる値は次の 2 つです。
/INTERFACE=CHARACTER_CELL(デフォルト)
/INTERFACE=DECWINDOWS
/INTERFACE=DECWINDOWS を指定しないと,デフォルト表示のキャラクタセル端末が使用されます。
Kerberos ユーティリティの使用に関する詳細については,
Kerberos>または
KerberosAdmin>プロンプトで「HELP」と入力します。Documentation CD-ROM に収録されている『Kerberos for OpenVMS Release Notes』を参照することもできます。このドキュメントには,他の Kerberos マニュアルへのリンクがいくつか含まれています。
4.14 外部認証
V7.2
ここでは,外部認証に関するリリース・ノートをまとめます。外部認証は OpenVMS Version 7.1 で導入されたオプションの機能であり,この機能を利用すると,OpenVMS システムは外部のユーザ ID とパスワードを使用して,指定されたユーザを認証できます。
OpenVMS Version 7.2 またはそれ以降で DECwindows を稼動しているときに DECwindows ユーザを外部認証する場合は,DECwindows Version 1.2-4 またはそれ以降と,Advanced Server for OpenVMS または PATHWORKS for OpenVMS(Advanced Server)を実行しなければならず,各サーバの『Installation and Configuration Guide』に示した必要条件を満たさなければなりません。外部認証の使用の詳細については,このマニュアルと『OpenVMS Guide to System Security』を参照してください。
4.14.1 POP サーバでの接続が失敗する
V7.2
Post Office Protocol(POP)サーバは,外部認証を使用して OpenVMS システムでの接続を認証しません。このため,次のいずれかの状況では,接続の試みは失敗します。
4.14.2 DECterm 端末セッションでの SET PASSWORD の動作
V7.2
DECterm 端末セッションでは,ログインで使用する外部ユーザ名にアクセスすることができず,SET PASSWORD 操作で外部ユーザ名を入力しなければなりません。外部ユーザ名のデフォルトは,プロセスのOpenVMS ユーザ名です。デフォルトが適切でない場合(つまり,外部ユーザ名とマッピングされた OpenVMS ユーザ名が異なる場合),正しい外部ユーザ名を入力しなければなりません。
次の例に,外部ユーザ名が JOHN_DOE であるユーザが開始したSET PASSWORD 操作を示します。マッピングされた OpenVMS ユーザ名は JOHNDOE であり,これは SET PASSWORD 操作で使用されるデフォルトです。この場合,デフォルトは正しくないので,実際の外部ユーザ名がユーザによって指定されています。
$ set password External user name not known; Specify one(Y/N)[Y]? Y External user name [JOHNDOE]: JOHN_DOE Old password: New password: Verification: %SET-I-SNDEXTAUTH, Sending password request to external authenticator %SET-I-TRYPWDSYNCH, Attempting password synchronization $ |
4.14.3 Compaq DECnet-Plus の必要条件
V7.2-1
SYSUAF アカウント・レコードで EXTAUTH ビットがセットされているユーザは,外部認証パスワードがすべて大文字の場合を除き,Compaq DECnet-Plus を実行しているシステムで明示的なアクセス制御文字列を使用できません。
たとえば,次のコマンドを入力した場合について考えてみましょう。
$ DIRECTORY nodename"username password":: |
nodename は DECnet-Plus を実行しているシステム,username は EXTAUTH アカウントです。DECnet-Plus は,password という文字列が外部認証エージェント(PATHWORKS または NT ドメイン・コントローラ)に渡される前に,これを大文字に変換します。
この問題には,次の 2 つの回避方法があります。
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