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RADEON 7500 カードを使用している場合,特定のヘッド上のすべてのウィンドウは,同じビット深度でなければなりません。 RADEON 7500 カードは,それぞれのグラフィック・ヘッドで, 8,16,および 24 ビット/ピクセルのビット深度をサポートしています。しかし,DECwindows サーバが特定のヘッド上で一旦ビット深度を確立すると,そのビット深度のウィンドウやビジュアルだけが作成可能となります。
6.9.10 読み取り/書き込みカラー・マップのピクセル深度
デフォルトでは,RADEON 7500 には,読み取り専用の TrueColor カラー・マップが 1 つある 24 プレーンのピクセル深度が用意されています。 DECwindows Paint などの一部のアプリケーションでは,読み取り/書き込みのカラー・マップが必要です。 Paint は,読み取り専用カラー・マップで実行されると,次のエラー・メッセージを出力して失敗します。
Error: Visual Not Supported Supported Visuals are {PseudoColor, GrayScale, StaticGray} |
読み取り/書き込みのカラー・マップを使用するには SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイル (このファイルが存在しない場合は, SYS$MANAGER:DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.TEMPLATE から作成します) を編集して,次の論理名定義を追加します。
$ DEFINE/EXECUTIVE/SYSTEM/NOLOG DECW$SERVER_PIXEL_DEPTH 8,8,8,8,8,8,8,8 |
そして,次のコマンドを使用して DECwindows を再起動します。
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTUP RESTART |
この変更により, (マルチ・カード構成が可能な,最大 8 枚のグラフィック・カードに) ピクセル深度として 8 プレーンが設定され,サーバが PseudoColor ビジュアルを提供できるようになります。
6.9.11 backing store と save unders は 3D ウィンドウをサポートしていない
RADEON 7500 X サーバの backing store と save unders の実装では, 3D ウィンドウをサポートしていません。
6.9.12 スレッドの制限事項
OpenVMS 用 RADEON 7500 OpenGL ライブラリは,スレッド・セーフではありません。ただし, OpenGL の使用がプログラム内の単一のスレッドに限定されている場合は, OpenGL をマルチスレッド・プログラムで使用することができます。
6.9.13 シングル・バッファ・ビジュアルがサポートされていない
RADEON 7500 DECwindows サーバは,ダブル・バッファ・ビジュアルだけをサポートしています。シングル・バッファリングを行うには,ダブル・バッファ・ビジュアルを選択して,アプリケーション内で
glDrawBuffer (GL_FRONT_BUFFER)を呼び出さなければなりません。
6.9.14 カラー・インデックス・モードでの 3D がサポートされていない
DECwindows サーバが 8 ビット深度で起動された場合, 8 ビット・ビジュアルが 2D 操作でサポートされますが, OpenGL レンダリングは,8 ビット・ビジュアルではサポートされません。
6.9.15 タイマ・メカニズム
環境によっては,プロセスがハードウェア・ロックを所有している間に,そのプロセスに割り込みが発生することがあります。その結果,DECwindows サーバがハングアップしているように見えることがあります。
このような状況を検出し,一時停止中のプロセス内でイメージを強制的に一時停止から抜け出させるか,場合によってはプロセスを削除してこのような状況から回復させるために,タイマ・メカニズムが実装されました。
タイマ・メカニズムは,次の 2 つの論理名を使用して構成できます。これらの論理名は, DECW$PRIVATE_SERVER_SETUP.COM ファイルで指定しなければなりません。
デフォルト値は,グラフィック・アプリケーションの性能にタイマが与える影響を最小限にするように選択されています。 DECwindows サーバが応答を再開するまでの時間を短くしたい場合は, DECW$DRM_TIMER_PERIOD の値を小さくします。
次のいずれかの状況では,ハードウェア・ロックの保持中に,プロセスに割り込みが発生することがあります。
どちらの状況も発生しないと思われる構成では,時間間隔にゼロを設定して,タイマ・メカニズムを完全に無効にすることができます。
$ DEFINE/SYSTEM DECW$DRM_TIMER_PERIOD 0 |
ECW$DRM_TIMER_PERIOD の値を変更するたびに, DECwindows サーバを再起動するか,システムをリブートして,変更内容を有効にしなければなりません。 DECwindows サーバを再起動するには,次のコマンドを使用します。
$ @SYS$STARTUP:DECW$STARTUP RESTART |
6.10 DECwindows X11 ディスプレイ・サーバ
ここでは,OpenVMS Alpha システムに対応した DECwindows X11 ディスプレイ・サーバのリリース・ノートをまとめます。
6.10.1 S3 マルチヘッド・グラフィック
永続的な制限事項
S3 Trio32 または Trio64 グラフィック・カードを装備している Alpha コンピュータでは,シングル・スクリーン・ディスプレイだけがサポートされます。マルチへッド・グラフィックはサポートされません。
6.10.2 グラフィック・ボードのサポート
V7.3-2
OpenVMS Version 7.3 から,OpenVMS オペレーティング・システムに新たにグラフィック・ボードが統合されています。サポートされる新しいボードは,次のとおりです。
6.11 DIGITAL Modular Computing Components (DMCC)
ここでは,DMCC のリリース・ノートをまとめます。
6.11.1 Alpha 5/366 および 5/433 PICMG SBC の制限事項
永続的な制限事項
KZPDA SCSI コントローラおよび PBXGA グラフィック・カードは,DIGITAL Modular Computing Components (DMCC) Alpha 5/366 および 5/433 PICMG SBC のブリッジの後ろにあるスロットに挿入することはできません。
6.11.2 SRM コンソールの更新
Alpha 4/233 (21064a), 4/266 (21164a), 5/366,5/433 DMCC システムで SRM コンソールを更新するには, SRM コンソールまたは AlphaBIOS セットアップを選択しなければなりません。格納できるコンソールは 1 つだけです。
SRM とAlphaBIOS コンソールの両方を誤って更新すると, AlphaBIOS セットアップ・メニューが表示されます。この後,SRM コンソールに戻るオプションは ありません。 AlphaBIOS セットアップ・メニューを終了し,SRM コンソールに戻るには,次のインターネット・サイトにある Firmware Update ユーティリティを使用しなければなりません。
ftp://ftp.digital.com/pub/Digital/Alpha/firmware/index.html |
6.12 Digital Personal Workstation: OpenVMS V7.3-1 およびそれ以降のブート
V7.3-1
Digital Personal Workstation 433au,500au,および 600au シリーズのシステムを使用するときは,コントローラ・チップが Cypress PCI Peripheral Controller の場合, IDE CD-ROM から OpenVMS Version 7.3-1 以降をブートできます。 Intel Saturn I/O (SIO) 82378 チップが実装されている Digital Personal Workstation au シリーズ・システムでは, IDE CD-ROM から OpenVMS をブートすることはできません。 Intel SIO チップが実装されている場合は, SCSI CD-ROM を使用しなければなりません。
どちらの IDE チップが実装されているか調べるには,次の SRM コンソール・コマンドを入力します。
SHOW CONFIGURATION |
「Cypress PCI Peripheral Controller」と表示された場合は, OpenVMS をブートできます。
「Intel SIO 82378」と表示された場合は, SCSI CD-ROM を使用して CD-ROM からブートする必要があります。
6.13 I/O 負荷が重い場合,LUN が多数あるデュアル・コントローラ HSGnn に障害が発生することがある
V7.3-2
ドライバの性能が改善されたことと,システムの高速化によって,比較的多数の LUN が構成されているデュアル・コントローラ HSGnn ストレージ・アレイで扱うことができる I/O 量の制限が取り払われました。この制限値に達した場合,アレイは,コントローラ間の通常の定期的な同期処理を完了できないほど, I/O 処理がビジーになることがあります。これにより,コントローラのハングアップまたは障害が発生し,手作業でコントローラをリセットするまで,一部またはすべての LUN がホストからアクセスできなくなることがあります。このようなコントローラ障害が発生したときには, HSG に報告される Last Failure Code は,多くの場合 01960186,01942088,および 018600A0 になります。
大半の HSGnn デバイスは,問題なく動作し続けます。負荷が重く,約 24 個以上の LUN が HSG に構成されていて, HSG コントローラのハングアップや障害が発生するサイトでは,コントローラを再構成して,LUN の数を少なくするか, HSG の負荷が重くならないように I/O を分散させると,ハングアップや障害を防止できる可能性があります。
この問題は,弊社の適切なエンジニア・グループで調査を行っています。
6.14 OpenVMS 用の PowerStorm 300/350 PCI グラフィック・サポート
V7.3-2
OpenVMS Alpha を実行している Compaq Workstation での PowerStorm 300/350 PCI グラフィック・コントローラのサポートに関するリリース・ノートについては,『PowerStorm 300/350 OpenVMS Graphics Release Notes Version 2.0』を参照してください。このリリース・ノートは, OpenVMS Documentation CD-ROM の次のディレクトリに格納されています。
ディレクトリ | ファイル名 |
---|---|
[73.DOCUMENTATION.PS_TXT] | P300_350_REL_NOTES.PS,TXT |
[732.DOCUMENTATION.PS_TXT] | P300_350_V2_README.PS,TXT |
これらのドキュメント,リリース・ノート,およびインストール・ガイドは,グラフィック・カードとともに発送されます。
OpenVMS Version 7.3 以降では, PowerStorm 300 および 350 グラフィック・カードに対してパラメータ MAXBOBMEM, MAXBOBS0S1,および MAXBOBS2 を設定できません。
6.15 RFnn DSSI ディスク・デバイスとコントローラ・メモリのエラー
V6.2
RF31T,RF31T+,RF35,RF35+,RF73,RF74 DSSI ディスク・デバイスの以前のバージョンのマイクロコードには問題があります。この問題が原因で,データが失われる可能性があり,これらのデバイスからデータを読み込むときに,デバイスでコントローラ・メモリ・エラー (エラー検出/訂正 (EDC) エラーとも呼ばれる) が発生していた場合,問題が発生することがあります。このエラーは仮想サーキットの閉鎖やハードウェアの障害が原因で発生している可能性があります。
これらのデバイスを使用する場合は,マイクロコードのリビジョン・レベルを確認してください。マイクロコードのリビジョン・レベルが 表 6-2 に示されている値より低い場合は,マイクロコードを更新してください。
RF31T,RF31T+,RF35+ 以外のすべてのモデルのマイクロコードは,最新のOpenVMS バイナリ・ディストリビューション CD-ROM にあります。
DSSI ディスク・デバイスのマイクロコード・リビジョン・レベルを表示するユーティリティ・プログラムである RF_VERS ユーティリティも同じ CD-ROM に格納されています。このユーティリティ・プログラムの使用法とマイクロコードの更新方法については,ここで説明します。
RF31T,RF31T+,RF35+ ディスク・ドライブを使用し,マイクロコードのバージョンがサポートされないバージョンであり ( 表 6-2 を参照),サポート契約を結んでいるお客様の場合には,弊社のサポート担当者にお問い合わせください。サポート契約を結んでいないお客様の場合には,公認代理店にお問い合わせください。 |
DSSI ディスクのマイクロコードのうち, 表 6-2 に示したリビジョン・レベル以上がサポートされます。
デバイス・タイプ | サポートされるマイクロコードの最小リビジョン・レベル |
---|---|
RF31T | T387E |
RF31T+ | T387E |
RF35 | T392D |
RF35+ | T392D |
RF36 | V427P |
RF73 | T392D |
RF74 | V427P |
DSSI ディスク・デバイスのマイクロコード・リビジョン・レベルを表示するには,次の手順を実行します。
$ SET PROCESS /PRIVILEGE=(DIAGNOSE,CMKRNL,SYSPRV) $ SHOW DEVICE FYA0: |
VAX システムで SHOW DEVICE コマンドを実行してエラーが発生した場合には,次のコマンドを入力します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN SYSGEN> CONN FYA0/NOADAP SYSGEN> ^Z |
Alpha システムで SHOW DEVICE コマンドを実行してエラーが発生した場合には,次のコマンドを入力します。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> IO CONNECT FYA0: /NOADAP SYSGEN> ^Z |
次の例に RF_VERS ユーティリティが出力する内容を示します。
Program Name: RF_VERS Revision Level: V1.2s NOTICE: This program does not currently support the RF72 or any HSDxx controllers. See next version for support. DSSI disks currently on this system as seen by RF_VERS Device Node Status Hardware Firmware Name Name Type Version _$22$DIA7: R4JL2I mounted RF73 T387A _$22$DIA6: R4I0BG mounted RF73 T387A _$22$DIA8: R4XLWE mounted RF73 T387A _$22$DIA2: R4FCZK mounted RF73 T387A _$22$DIA3: R4CKCG mounted RF73 T387A _$22$DIA4: R4ZKUE mounted RF73 T387A _$22$DIA9: R4GYYI mounted RF73 T387A _$22$DIA1: R4XRYI mounted RF73 T387A |
デバイスのマイクロコードを更新するには, 表 6-3 でデバイスとプラットフォームに対応するコマンドを確認し,使用します。
マイクロコードを更新する場合は,あらかじめディスクのバックアップを作成してください。 |
デバイス・タイプ | プラットフォーム | コマンド |
---|---|---|
RF35 | Alpha | $RUN SYS$ETC:RF35_T392F_DEC_ALPHA.EXE |
RF35 | VAX | $RUN SYS$ETC:RF35_T392F_DEC.EXE |
RF36 | Alpha | $RUN SYS$ETC:RF36_V427P_DEC_ALPHA.EXE |
RF36 | VAX | $RUN SYS$ETC:RF36_V427P_DEC.EXE |
RF73 | Alpha | $RUN SYS$ETC:RF73_T392F_DEC_ALPHA.EXE |
RF73 | VAX | $RUN SYS$ETC:RF73_T392F_DEC.EXE |
RF74 | Alpha | $RUN SYS$ETC:RF74_V427P_DEC_ALPHA.EXE |
RF74 | VAX | $RUN SYS$ETC:RF74_V427P_DEC.EXE |
SCSI_INFO.EXE,RF_VERS.EXE をはじめ, 表 6-3 に示されているファイルは絶対に削除しないでください。これらのファイルを削除すると, VAX システムでは VMSKITBLD.COM がファイルを検索することができなくなります。同様に,Alpha システムでは AXPVMS$PCSI_INSTALL と AXPVMS$PCSI_INSTALL_MIN での PRODUCT INSTALL コマンドが失敗します。 |
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