OpenVMS Alpha
V7.3-2 リリース・ノート【翻訳版】


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6.6.4 回避方法の使用停止

V7.3-1

ハード・パーティションとソフト・パーティションでの共通ライセンス・データベースの使用に問題がある OpenVMS では,次のような症状が現れます。

共通ライセンス・データベースで非共有ライセンス PAK を使用してハード・パーティションとソフト・パーティション上の OpenVMS インスタンス間でライセンス・ユニットを共有する場合の制限を回避するために,次の 2 つの方法のうち,いずれかを実行することをお勧めしていました。

これらのいずれかの回避方法を使用した場合は,アップグレード・キットをインストールする前にそれらの回避方法の使用を止める必要があります。

個々のライセンス・データベースを設定している場合

個々のライセンス・データベースを設定している場合は,このキットをインストールする前に,共通ライセンスを作成する必要があります。共通ライセンス・データベースの設定方法については,『OpenVMS License Management Utility Manual』を参照してください。

一時的な PAK をインストールしている場合

共通ライセンス・データベースに一時的な PAK をインストールした場合は,次のライセンスに対して,一時的な PAK を無効にします。

OPENVMS-ALPHA
OPENVMS-ALPHA-USER
OPENVMS-ALPHA-ADL

システムにインストールされている一時的な PAK のリストを参照する場合は,次のコマンドを入力します。


$ LICENSE LIST /FULL /BEFORE /TERMINATION_DATE="-120-" - 
_$ OPENVMS-ALPHA, OPENVMS-ALPHA-USER, OPENVMS-ALPHA-ADL 

このコマンドを実行すると,指定した 3 つのライセンスに対して,次のいずれかの条件を満たすライセンスが表示されます。

LICENSE DISABLE コマンドを使用して,一時的な各 PAK を無効にします。たとえば,次のように入力します。


$ LICENSE DISABLE OPENVMS-ALPHA /AUTHORIZATION=authorization-value 

authorization-value は,ライセンスを識別する値です。この値は,一時的な PAK を検索するために使用した LICENSE LIST コマンドを実行すると表示されます。

6.6.5 ライセンスのインストール

V7.3-1

Version 7.3-1 以降にアップグレードする前に,次の手順を実行して,共通ライセンス・データベースが,ハード・パーティションとソフト・パーティション間でライセンス・ユニットを共有できるようにします。

  1. 必要なユニット数を計算します。

    注意

    OpenVMS 基本ライセンスでは,パーティションではなく物理システムごとに, 1 人の操作ユーザのみを割り当てることができます。ただし,各パーティションの OPA0: からいつでもログインできます。操作ユーザを追加する場合は,追加のライセンス・ユニットが必要です。必要なライセンス・ユニット数については,弊社のサポート担当者にお問い合わせください。

  2. 共通ライセンス・データベースにライセンスを追加します。たとえば,次のように入力します。


    $ LICENSE REGISTER license-name /ISSUER=DEC - 
    _$ /AUTHORIZATION=USA123456 - 
    _$ /PRODUCER=DEC - 
    _$ /UNITS=1050 - 
    _$ /AVAILABLITY=H - 
    _$ /OPTIONS=(NO_SHARE) - 
    _$ /CHECKSUM=2-BGON-IAMA-GNOL-AIKO 
    


    LICENSE REGISTER コマンドで /INCLUDE 修飾子を使用して,ライセンスの NO_SHARE 属性を変更することはできません。

  3. ライセンスを編集して, LICENSE REGISTER /INCLUDE=(node-name-list) コマンドで PAK の NO_SHARE 属性を変更します。たとえば,次のように入力します。


    $ LICENSE MODIFY OPENVMS-ALPHA /INCLUDE=(NODEA, NODEB, NODEC) 
    

  4. 各パーティションで実行している OpenVMS のインスタンスで OpenVMS Alpha のライセンス・ユニットを利用できるようにするために, SRM 環境変数 SYS_SERIAL_NUM が各パーティションで同じであるか確認します。確認するには,次の手順を実行します。

    1. 各パーティションのマスタ・コンソール (通常はコンソール・ライン 0) で, SHOW SYS_SERIAL_NUM コマンドを使用して,システムのシリアル番号を表示します。たとえば,次のように入力します。


      P00>>> 
      P00>>>SHOW SYS_SERIAL_NUM 
      sys_serial_num G2A105 
      


      SYS_SERIAL_NUM の値がブランクの場合は,他の各パーティションのマスタ・コンソールで SHOW SYS_SERIAL_NUM コマンドを使用して,ブランクでないシステム・シリアル番号がないかチェックします。

      注意

      すべてのパーティション・コンソールに SYS_SERIAL_NUM の値がブランクで表示される場合は,0 以外の値を 12 文字以内で作成してください。作成するシステム・シリアル番号が,同じ OpenVMS Cluster の他の AlphaServer GS80/160/320 で使用されていないことを確認してください。

    2. システムのシリアル番号が決まったら,各パーティションのマスタ・コンソールで SET SYS_SERIAL_NUM コマンドを使用して, SYS_SERIAL_NUM の値を適切な値に変更します。たとえば,次のように変更します。


      P00>>> 
      P00>>>SET SYS_SERIAL_NUM G2A105 
      


      この手順は,すべてのハード・パーティションとソフト・パーティションで実行する必要があります。

  5. OpenVMS Cluster ライセンス・データベースを正しく更新するために,すべての OpenVMS Cluster 共通ノードをシャットダウンしてからリブートすることをお勧めします。ローリング・アップグレード・タイプのブートでは,共通ライセンス・データベースは適切に更新されません。

注意

システムが,共通ライセンス・データベースを共有する OpenVMS Cluster の一部である場合,AlphaServer GS80/160/320 のハード・パーティションとソフト・パーティションの数を再構成する際には,必ずすべてのパーティションの SYS_SERIAL_NUM を同じ値にしてください。

パーティション間で NO_SHARE ライセンスを共有しているパーティション化可能なマシンでは,システムのブート時に次のエラー・テキストが表示される場合があります。


%LICENSE-E-NOAUTH, DEC OPENVMS-ALPHA use is not authorized on this node 
-LICENSE-F-EXCEEDED, attempted usage exceeds active license limits 
-LICENSE-I-SYSMGR, please see your system manager 
Startup processing continuing... 

このエラー・テキストは無視して構いません。このテキストは,OPENVMS-ALPHA PAK を共有しているシステムにユーザがログインして,使用中になった場合に表示されます。この問題は今後のリリースで修正される予定です。

6.6.6 AlphaServer GS140 システム: ブートの問題の修正

V7.3-2

Fibre Channel HSG80 システム・ディスクで Alpha Firmware Version 5.7 を使用して AlphaServer GS140 システムをブートすると,システムが自動的にブートするよう設定されている場合には,このシステムはリブートに失敗します。次のコマンドを入力すると,システムが自動的にブートするよう設定されているかどうかが表示されます。


SHOW AUTO_ACTION 

この問題は,Alpha Firmware Version 6.4 で修正されました。

Alpha Firmware Version 6.4 以降がなく,電源の入れ直しまたは INIT によるブート起動に失敗した場合,コンソールから BOOT コマンドを入力し,Return キーを押します。 OpenVMS はシャットダウンされ,リブート・コマンドが期待どおり実行されます。

6.6.7 AlphaServer GS60/GS60E/GS140 複数 I/O ポート・モジュール構成の制限事項

V7.2-1

複数の I/O ポート・モジュール (KFTHA-AA または KFTIA-AA) がある AlphaServer GS60/GS60E/GS140 構成では,システム障害が発生することがあります。

GS60/GS60E/GS140 システムの複数 I/O ポート・モジュールを持つ OpenVMS Galaxy および非 Galaxy の AlphaServer 8200/8400 構成をアップグレードするときには, Compaq Action Blitz # TD 2632 に記載されているように,最低でもリビジョン B02 KN7CG-AB EV6 CPU (E2063-DA/DB rev D01) のモジュールを 1 つインストールしなければなりません。

この制限事項と解決方法についての詳細は,Compaq Action Blitz # TD 2632 を参照してください。

6.7 AlphaStation 200/400: ISA_CONFIG.DAT の変更が必要

V7.1

AlphaStation 200/400 ファミリ・システムで ISA 装置を構成する場合には,各デバイスのノード情報が各デバイス記述ブロックの最後に格納されるように, SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT ファイルを変更しなければなりません。

重要

OpenVMS Version 6.2 または7.0 システムからアップグレードする場合は,アップグレード手順を開始する前に,この変更を行なわなければなりません。

表 6-1 に,デバイス記述ブロックの変更点を示します。

表 6-1 デバイス記述ブロックの変更点
Version 7.1 より前 Version 7.1 以降
[AUA0] [AUA0]
NAME=AU NAME=AU
NODE=3 DRIVE=SYS$MSBDRIVER
DRIVER=SYS$MSBDRIVER IRQ=9
IRQ=9 DMA=(0,1)
DMA=(0,1) PORT=(388:4,530:8)
PORT=(388:4.530:8) NODE=3

SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT ファイルを使用している場合には, 付録 A.2 節 を参照してください。

6.8 AlphaStation 255: PCI 構成の制限事項

V7.1

AlphaStation 255 シリーズ・システムの OpenVMS Alpha オペレティング・システムでは, PCI スロット 0 に PCI オプション・カードを構成することはできません。

PCI スロット 0 は,AlphaStation 255 シリーズ・システム上の,最下位の物理 PCI オプション・スロットです。このスロットの割り込みシグナルは,組み込みイーサネット・ポートと共用されます。 OpenVMS Alpha オペレーティング・システムは現在, PCI デバイスが割り込みラインを共用することを許していないため,スロット 0 に PCI デバイスを設置すると,正しく動作しないか,組み込みのイーサネット・ポートでエラーが発生する原因となることがあります。この制限事項があるため,AlphaStation 255 シリーズ・システムがサポートする PCI オプション・カードの数は,最大で 2 枚 (スロット 1 とスロット 2 !! ?YCGBEEYAC?!!) です。

6.9 ATI RADEON 7500 グラフィック

V7.3-2

ここでは,ATI RADEON 7500 グラフィックのリソース要件と制限事項についてのリリース・ノートをまとめます。 OpenVMS Version 7.3-2 でサポートされている新しいグラフィック機能の詳細は,『HP OpenVMS Alpha Version 7.3--2 新機能説明書』を参照してください。また,HP DECwindows Motif for OpenVMS のドキュメント・セット (特に,『Managing DECwindows Motif for OpenVMS Systems』) も参照してください。このドキュメントと,その他のドキュメントは,次の URL から入手できます。


http://www.hp.com/go/openvms/doc 

6.9.1 リソースの要件

RADEON グラフィックのサポートには,次に示す,システム単位のリソースが必要です。

さらに,RADEON カードごとに,次のリソースが必要です。

グローバル・セクションの必要量は GBLSECTIONS システム・リソースに加算され, 16M バイト強のグローバル・メモリは GBLPAGES リソースと GBLPAGFIL リソースに加算されます。

たとえば,1 枚の RADEON カードには,次のリソースが必要です。

これらの数は,次の値に相当します。

GBLSECTIONS     5
GBLPAGES 33376  (GBLPAGES の単位は,512 バイト・ページレット)
GBLPAGFIL  2086  (GBLPAGFIL の単位は,8192 バイトの Alpha ページ)

4 カード構成の場合は,次のリソースが必要です。

これらの数は,次の値に相当します。

GBLSECTIONS     14
GBLPAGES 131728  (GBLPAGES の単位は,512 バイト・ページレット)
GBLPAGFIL   8233  (GBLPAGFIL の単位は,8192 バイト Alpha ページ)

6.9.2 サポートの制限事項

次の機能は,サポートされていません。

6.9.3 AGP カードが見つからない場合のメッセージ

DECwindows サーバは,カードを初期化するときに,AGP カードを最初に探します。 AGP カードが見つからなかった場合, DECwindows サーバは次のメッセージをサーバ・ログ・ファイル (SYS$MANAGER:DECW$SERVER_0_ERROR.LOG) に出力します。


vmsInitDevice: Wrong device driver loaded, expected DVI WS type 57, found 56 
RADEON RV200: AGP device not found.  Trying PCI ... 

このメッセージは,通常の,情報メッセージです。エラーを示すメッセージではありません。

6.9.4 クローン・ビデオはプライマリ・ヘッドに限定される

クローン・ビデオは,プライマリ・ヘッドでのみ動作します。

6.9.5 モニタは初期化時に接続されていなければならない

RADEON 7500 グラフィック・カードは,ビデオ出力ポートを 2 つ (デジタルとアナログ) 備えています。デジタル・インタフェースは,現在サポートされていません。ただし,デジタル・ツー・アナログ・アダプタを使用すると,アナログ・モニタをデジタル・ポートに接続でき,アナログ・ポートと同じ出力を得ることができます。デジタル・ポートを使用する場合,ポートを正しく動作させるためには,システムの電源投入より前にモニタが接続されていなければなりません。

6.9.6 ブート・リセットの推奨

コンソール変数 boot_resetに ON を設定することをお勧めします。

6.9.7 オーバレイ・プレーンなし

ハードウェア・オーバレイ・プレーンはサポートされていません。

6.9.8 シングル・カラーマップ

RADEON 7500 グラフィック・コントローラがサポートするハードウェア・カラーマップは,1 つだけです。デフォルトのビジュアルが PseudoColor の場合, 8 ビット・カラーに変更するときは,このことに留意してください。複数の PseudoColor カラーマップを一度に使用しようとすると,カラーマップがフラッシュします。

注意

3D (OpenGL) レンダリングは, 8 ビットの PseudoColor ビジュアルではサポートされていません。 ( 第 6.9.14 項 も参照してください。)

アプリケーションは,自分でカラーマップのインストールやデインストールを行ってはなりません。これらの動作は,ウィンドウ・マネージャが行います。ただし,アプリケーションは,どのカラーマップをインストールまたはデインストールするかについてのヒントをウィンドウ・マネージャに知らせなければなりません。この情報は,Xlib 関数の XsetWMColormapWindows() を使用して渡します。この関数は,指定されたウィンドウの WM_COLORMAP_WINDOWS プロパティを設定します。


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