OpenVMS Alpha
V7.3-2 リリース・ノート【翻訳版】


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5.19 SORT32 ユーティリティ

ここでは,SORT32 ユーティリティの注意事項をまとめます。 Hypersort で修正されていない問題に対応する場合,または Hypersort に実装されていない機能を使用する場合に SORT32 を使用することをお勧めします。

SORT32 は,OpenVMS Alpha Version 7.3-2 向けに更新されています。 SORT32 の新しいバージョンは V07-006 です。

5.19.1 VFC ファイルが正しく書き込まれるようになった

V7.3-2

OpenVMS Alpha Version 7.3 および 7.3-1 と一緒に出荷されたバージョンの SORT32 は,指定ファイルが使用された場合, VFC 情報を VFC 出力ファイルに正しく書き込みませんでした。この問題は,修正されました。

5.19.2 SORT32 が一時作業ファイルを削除しないことがある

V7.3-2

SORT32 は,一時作業ファイルを削除しないことがあります。 SYS$SCRATCH や, SORT32 の作業ファイルを置いている場所を定期的にチェックし,削除されていない作業ファイルを削除してディスク・スペースを空けることができないかを調べてください。

5.19.3 SORT/SPECIFICATION と複合条件の制限事項

V7.3-1

SORT32 では,次のようにかっこで囲まれていないキー指定ファイルの複合条件を診断できません。


/Condition=(Name=Test1, 
      TEST=(Field2 EQ "X") AND (Field3 EQ "A")) 

この条件は,次のように指定する必要があります。


/Condition=(Name=Test1, 
      TEST=((Field2 EQ "X") AND (Field3 EQ "A"))) 

5.19.4 SORT32 と Hypersort の性能: ワーキング・セットとページ・ファイル・クォータ

V7.3-1

SORT32 と Hypersort では,それぞれのソート・アルゴリズムと作業ファイル・アルゴリズムが異なります。それぞれのソート・ユーティリティの処理速度は入力ファイルとメモリ/ディスク/CPUの構成に依存します。 SORT32 と Hypersort のどちらでも,ワーキング・セット・エクステントが,最大でもページ・ファイル・クォータの 3 分の 1 になるようにしてください。

5.19.5 可変長レコードでの SORT32 と Hypersort の性能

V7.3-1

SORT32 と Hypersort では,ソート作業ファイル内の最大レコード長 (LRL) に基づいて固定長のスロットが割り当てられます。ソート性能を向上させるには,実際の最大レコード長に最も近い LRL 情報をファイルに設定します。初期性能が低い場合は,C プログラムによって作成されたファイルをソートしており,LRL が必要以上に (32767 まで) 設定されていることが原因と考えられます。

5.19.6 SORT32 作業ファイル・ディレクトリの制限事項

V7.3

SORT32 の作業ファイルは,要求した作業ファイル数を処理できる複数のファイル・バージョンを格納できるディレクトリにリダイレクトする必要があります。この制限は,Hypersort にも適用されます。

5.20 システム・サービス: SYS$ACM(W) の変更

V7.3-2

ここで説明する SYS$ACM[W] の機能変更は, OpenVMS Version 7.3-2 で盛り込まれました。ここで,非特権プロセスは, SECURITY 特権のないユーザ・モードで実行されるプロセスを指します。

詳細は,『OpenVMS System Services Reference Manual』の SYS$ACM[W] システム・サービスの説明を参照してください。

5.21 タイマ・キュー・エントリ (TQE)

V7.3-1

OpenVMS Alpha Version 7.3-1 では,タイマ・キュー・エントリの管理方法が変更され,多くの TQE を使用するシステムの性能が大きく向上しました。この変更は,非特権アプリケーションにとっては無関係です。

また,特権コードで TQE を直接操作することはできません。特に TQE キュー・ヘッダ (TQE$L_TQFL/TQE$L_TQBL) 内のポインタに直接アクセスすると,通常はアクセス違反になります。ただし,特権コードで内部ルーチン exe_std$instimq/exe$instimq と exe_std$rmvtimq/exe$rmvtimq を使用して,タイマ・キュー・エントリを入力または削除することは可能です。


第 6 章
ハードウェアに関するリリース・ノート

この章では,以下のハードウェア製品についての情報を示します。

デバイス・ドライバの使用についてのリリース・ノートも,この章の最後にまとめてあります。

6.1 ALPHAbook 1

V7.3-2

OpenVMS Alpha Version 7.3-2 以降では,ALPHAbook 1 ノートブック・コンピュータは,サポートされなくなりました。

6.2 AlphaServer 1000A

ここでは,AlphaServer 1000A コンピュータに関するリリース・ノートをまとめます。

6.2.1 BUS_PROBE_ALGORITHM のデフォルトの設定

V7.1

AlphaServer 1000A コンピュータでコンソール変数 BUS_PROBE_ALGORITHM を OLD に設定することはできません。デフォルトの設定は NEW です。 BUS_PROBE_ALGORITHM を OLD にリセットすると, OpenVMS システムは正しくブートされません。

6.2.2 DEFPA アダプタでのインストールの障害

V7.1

DEFPA アダプタを使用している AlphaServer 1000A コンピュータで OpenVMS オペレーティング・システムをインストールしようとすると,インストールは失敗し, KERNEL STACK NOT VALID HALTエラー・メッセージが出力されることがあります。このエラーが発生した場合は,システムの電源をいったんオフにした後,オンにして,インストールを再開してください。

6.3 AlphaServer 2100

ここでは,AlphaServer 2100 シリーズのコンピュータ固有の情報をまとめます。

6.3.1 コンソール表示

V7.2

AlphaServer 2100 システムと 2100A システムで表示される次のようなコンソール表示は正常であり,システム・エラーを示しているわけではありません。


P00>>>SET CONSOLE SERIAL 
P00>>>INIT 
 
VMS PALcode X5.48-112, OSF PALcode X1.35-81 
 
starting console on CPU 0 
initialized idle PCB 
initializing semaphores 
initializing heap 
initial heap 1c0c0 
memory low limit = 132000 
heap = 1c0c0, 13fc0 
. 
. 
. 
probing hose 0, PCI 
probing PCI-to-EISA bridge, bus 1 
probing PCI-to-PCI bridge, bus 2 
*** unable to assign PCI base address 
*** bus 2, slot 7, function 0, size 00001000 (16 bit I/O) 
bus 1, slot 1 -- fra -- DEFEA 
bus 1, slot 2 -- vga -- Compaq Qvision 
bus 1, slot 3 -- pua -- KFESA 
bus 2, slot 1 -- pka -- NCR 53C810 
bus 2, slot 6 -- pkb -- NCR 53C810 
bus 2, slot 7 -- pkc -- DEC KZPSA 
bus 0, slot 7 -- ewa -- DECchip 21041-AA 
initializing keyboard 
Memory Testing and Configuration Status 
Module   Size    Base Addr   Intlv Mode  Intlv Unit  Status 
------   -----   ---------   ----------  ----------  ------ 
  0       64MB   00000000      1-Way         0       Passed 
Total Bad Pages 0 
Testing the System 
Testing the Disks (read only) 
Testing the Network 
econfig:            20041 99 
econfig:            20042 04 
econfig:            20043 00 
AlphaServer 2100A Console V4.3-130, built on Oct 26 1996 at 19:44:57 
P00>>>P 

この表示では,KZPSA アダプタは正しくインストールされていますが,次のエラー・メッセージが表示されます。


*** unable to assign PCI base address 
*** bus 2, slot 7, function 0, size 00001000 (16 bit I/O) 

6.3.2 SCSI コントローラの制限事項

V6.2

1 GB 以上のメモリを装備した AlphaServer 2100 システムでは, Adaptec 1740/1742 SCSI コントローラ (PB2HA--SA) はサポートされていません。コントローラがこのようなシステムに接続されていると,次のメッセージがオペレータのコンソールに表示されます。


%PKJDRVR-E- The direct DMA window does not map all of memory. 
Port is going OFFLINE. 

6.4 AlphaServer 8200/8400: FRU テーブル・エラー

V7.2

エラー・ログ・バッファのサイズはシステム・パラメータ ERLBUFFERPAGES で制御され,最大値は 32 ページレットです。 AlphaServer 8200/8400 または 4100 システムで, OpenVMS Alpha オペレーティング・システムのブート時に FRU (Field Replaceable Unit) テーブルがこの上限を超える場合には,エントリはエラー・ログ・ファイルに書き込まれません。

6.5 AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システム

ここでは, AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムに関するリリース・ノートをまとめます。

6.5.1 Firmware Version 6.6 の推奨

V7.3-2

OpenVMS では, AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムのファームウェア・リビジョン・レベルとして, Version 6.6 をお勧めします。このファームウェアをインストールするまで,ブート時に次の情報メッセージが表示されます。


%SYSBOOT-W-FIRMREV, Firmware rev. 6.5 is below the recommended minimum of 6.6. 
                   Please update your firmware to the recommended revision, 
                   which can be found on the firmware CD labeled: 
                   Alpha systems firmware update 6.5. 

Version 6.6 のファームウェアは,次の AlphaServer Web サイトから入手できます (URL は,大文字と小文字が区別されます)。


ftp://ftp.digital.com/pub/Digital/Alpha/firmware/index.html 

6.5.2 SYSGEN パラメータ PHYSICAL_MEMORY の設定

V7.3-2

AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムのハードウェア構成要件上,システム・パラメータ PHYSICAL_MEMORY の設定を,デフォルトの -1 から変更することはお勧めできません。メモリ量を人為的に減らすと,システムで予期しない状況が発生することがあります。

6.5.3 RAD のサポート

V7.3-2

OpenVMS でのリソース・アフィニティ・ドメイン (RAD) のサポート (NUMA サポートまたは NUMA 対応とも言います) は, AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システム用の OpenVMS Alpha Version 7.3-2 ではテストされていません。 RAD サポートについての詳細は,『OpenVMS Alpha パーティショニングおよび Galaxy ガイド』を参照してください。

6.5.4 ライセンス要件

V7.3-2

AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムには,少なくとも 2 つの OpenVMS ソフトウェア・ライセンス (ベース・サポート用と,最初の 2 つのプロセッサのデュアル SMP サポート用) が必要です。この要件は, OpenVMS AlphaServer SMP システムの以前のライセンス付与方法から変更されています。 OpenVMS のデュアル SMP ライセンスは, OpenVMS システムを購入したとき,または OpenVMS システムの追加 CPU モジュールを購入したときに,CPU モジュールに含まれています。

6.5.5 一部の F$GETSYI 項目コードの出力での TKNOVF エラー

V7.3-2

AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムでの一部の F$GETSYI 項目コードの出力は,DCL 最大文字列長を超えることがあります。これにより,DCL から TKNOVF 警告が出力されることがあります。このような警告が表示される項目コードには, GLX_MBR_NAME と GLX_MBR_MEMBER があります。

この問題は,将来のリリースで解決できるように調査されています。

6.5.6 STOP/CPU およびシャットダウン動作

V7.3-2

ハードウェアの制約により,I/O ドロアを装備した AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システム上の CPU は, DCL コマンドの STOP/CPU を使用して停止することができません。一方,I/O ドロアを装備していないシステム上の CPU は,このコマンドで停止できます。

I/O ドロアを装備した ES47/ES80/GS1280 システムでシャットダウン・プロシージャを起動すると,次のようなエラー・メッセージが表示されることがあります。


%SYSTEM-W-WRONGSTATE, CPU 5 is in the wrong state for the requested operation 

このメッセージは無視して構いません。シャットダウンは正常に実行されます。

6.5.7 MBM での時刻の設定

V7.3-2

AlphaServer ES47/ES80/GS1280 システムでは,MBM で正しい時刻と日付を設定しなければなりません。正しく設定しないと,OpenVMS は誤った日時を表示することがあります。

6.5.8 AlphaServer GS1280 システムでは ERLBUFFERPAGES を大きくしなければならない

V7.3-2

一部の AlphaServer システムは,オペレーティング・システムがエラー状態を捕らえられないときに,エラー状態を捕らえます。このようなデータが存在する場合,オペレーティング・システムはそのデータを,次のブート時にエラー・ログに記録します。

AlphaServer GS1280 システムは,デフォルトのエラー・ログ・バッファに格納できないほど大量のデータを収集します。このシステムでは,ERLBUFFERPAGES システム・パラメータに,最大の 128 を設定することをお勧めします。 128 を設定すると,各エラー・ログ・バッファは 64K バイトになります。 ERRORLOGBUFFERS システム・パラメータを小さくして,バッファ数を減らすこともできます。

6.6 AlphaServer GS シリーズ・システム

ここでは, AlphaServer GS シリーズ・システムの大半のユーザに関係するリリース・ノートをまとめます。 第 4.22.5 項 の,関連するリリース・ノートも参照してください。

6.6.1 AlphaServer GS80/160/320 システム: デバイスの制限事項

永続的な制限事項

OpenVMS Alpha Version 7.3 以降では,1 つのパーティションあたり,従来型のバス・アダプタ上のデバイスが 1 セットだけ設定され,サポートされます。このようなデバイスは,次のとおりです。

従来型のバス・アダプタが複数ある場合には,コンソール・ポートを含むアダプタだけが設定され,サポートされます。

6.6.2 OpenVMS Galaxy ライセンスの実行

V7.3

OpenVMS Galaxy のコンピューティング環境では,システム・スタートアップ時やインスタンス間での CPU の再割り当てが発生するつど,OPENVMS-GALAXY ライセンス・ユニットがチェックされます。

CPU を起動しようとしたときに,それをサポートするには,十分な OPENVMS-GALAXY ライセンス・ユニットがないと,CPU はインスタンスの設定されたセットの中に引き続き残りますが,動作は停止します。その後,適切なライセンス・ユニットをロードすれば,停止している CPU を,システムの実行中に起動することができます。これは,CPU が単独の場合でも,複数の場合でも同じです。

6.6.3 ハード・パーティションとソフト・パーティションのライセンス---修正済み

V7.3-1

ハード・パーティションやソフト・パーティションおよび共有のライセンス・データベース (LDB) を持つ一部の OpenVMS Alpha Version 7.2-1H1/Version 7.3 GS80/160/320 AlphaServer システムでは, OpenVMS インスタンス間でライセンス・ユニットを共有するために非共有ライセンス PAK を変更すると,すべてのパーティションが起動されない場合があります。

OpenVMS Version 7.3.2,7.3-1,7.2-2 では,この問題は起こりません。これらのバージョンのいずれかを実行している場合は, 第 6.6.5 項 に進んでください。

次のパッチ・キットを使用すると,この問題を修正できます。

これらのキットをインストールする前に,次の手順を実行してください。

  1. 回避方法をインストールしている場合は,その回避方法を削除します ( 第 6.6.4 項 を参照)。

  2. ライセンスを適切にインストールします ( 第 6.6.5 項 を参照)。


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