OpenVMS Alpha
V7.3-2 リリース・ノート【翻訳版】


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6.16 RZnn ディスク・ドライブの考慮事項

ここでは,各種の RZ ディスク・ドライブのリリース・ノートをまとめます。

6.16.1 RZ25M と RZ26N ディスク・ドライブ: 推奨事項

V7.1

DWZZA とロング・ディファレンシャル SCSI バスを含む構成を使用して,弊社がサポートする SCSI ディスク・ドライブをテストしたところ, 2 台のドライブ (RZ25M と RZ26N) でバス・フェーズに関する問題が検出されました。そのため,DWZZA を接続するディファレンシャル・バスの長さが 20 メートル以上の構成では,これらのドライブを使用しないでください。

この勧告は RZ25M および RZ26N ドライブにのみ適用されます。 OpenVMS SPD に,サポートされるドライブとしてリストされている他のすべてのディスク・ドライブは, SCSI-2 仕様の上限のバスの長さまで使用できます。

6.16.2 RZ26N および RZ28M ディスク: 推奨ファームウェア・サポート

V6.2-1H3

RZ26N および RZ28M ディスクを使用する場合には,ファームウェアのリビジョン・レベルは 0568 以上をお勧めします。

これらのディスクで最新のファームウェア・リビジョン・レベルが使用されていない場合には,問題が発生する可能性があります。

6.16.3 RZ26L および RZ28 ディスク: マルチホストで使用するために必要なファームウェア

V6.2

OpenVMS Cluster のマルチホスト SCSI バスに RZ26L または RZ28 ディスクを取り付ける場合,ディスクに必要なファームウェア・リビジョンは,最低でも 442 です。

ここでは,一部の RZ26L および RZ28 ドライブでファームウェアを更新するために使用する手順について説明します。この手順を使用できるのは,ドライブがホスト・システムの SCSI アダプタに直接接続されている場合だけです。インテリジェント・コントローラ (HSZ40 や KZPSC など) を介して接続されているドライブは,この手順では更新できません。ファームウェアの別の更新手順があるかどうかについては,インテリジェント・コントローラのドキュメントを参照してください。

重要

ファームウェア・リビジョン・レベル 442 に安全にアップグレードできるのは,特定の RZ26L および RZ28 ファームウェア・リビジョンだけです。使用中のディスクをファームウェア・リビジョン・レベル 442 にアップグレードできるかどうか判断するには, 第 6.16.3.1 項 を参照してください。ディスクがファームウェア・リビジョン・レベル 442 をサポートできる場合は, 第 6.16.3.2 項 で説明している RZTOOLS ユーティリティを使用して,ディスクのファームウェアを更新します。

6.16.3.1 ファームウェア・リビジョン・レベル 442 の必要条件

ファームウェア・リビジョン・レベル 442 に安全にアップグレードできるのは, 表 6-4 に示したディスク・ドライブとファームウェア・リビジョン・レベルの組み合わせだけです。他の組み合わせで更新手順を実行すると,ディスクを永久に破損する可能性があります。

表 6-4 リビジョン・レベル 442 ファームウェアの互換性
ディスク・ドライブ ファームウェア・リビジョン ディスク・ファイル名
RZ26L 440C RZ26L_442D_DEC.FUP
RZ28 441C または D41C
435 または 436
RZ28_442D_DEC2104.FUP
RZ28P4_442C_DEC.FUP

6.16.3.2 ファームウェア・リビジョン・レベル 442 のインストール手順

使用しているディスクでリビジョン・レベル 442 ファームウェアが必要かどうか,安全にアップグレードできるかどうかを判断した後,次の手順を実行してファームウェアを更新します ( アップグレードするディスクのファイル名については, 表 6-4 を参照してください )。


$ RZTOOLS_ALPHA :== $SYS$ETC:RZTOOLS_ALPHA 
$ RZTOOLS_ALPHA DKB500 /LOAD=SYS$ETC:filename.FUP 
  Read in 262144 bytes. 
  Current FW version - X440C 
  Upgrading to       - DEC0 
  Loading code  ...... 
  New code has been sent to the drive. 

6.17 ZLX グラフィック・ボードのサポート

永続的な制限事項

次のグラフィック・ボード・ファミリをサポートするには, Open3D for OpenVMS Alpha をインストールしなければなりません。

Open3D for OpenVMS Alpha の最新バージョンは,V4.9B です。最新バージョンの Open3D for OpenVMS Alpha を入手するには,次の URL の Software Products Library を参照してください。


http://www1.aclabs.com 

左側のサイドバーの [SPL master index] をクリックしてください。そして,[Current Software Products Library] の下の [OpenVMS Alpha] の日付をクリックし,リストの中から [Compaq Open3D] を探します。

6.18 OpenVMS デバイス・ドライバの再コンパイルと再リンク

ここでは,OpenVMS デバイス・ドライバの再コンパイルと再リンクに関するリリース・ノートをまとめます。

6.18.1 Alpha および VAX の SCSI デバイス・ドライバ

V7.3-1

OpenVMS の以前のバージョンのすべての OpenVMS Alpha SCSI デバイス・ドライバが OpenVMS Version 7.3-1 以降で正しく動作するには,再コンパイルと再リンクが必要です。

OpenVMS Alpha Version 7.0 より前のバージョンからアップグレードしている OpenVMS Alpha SCSI ドライバがある場合は, 第 6.18.2 項 を参照してください。

OpenVMS Version 7.1 では,すべての OpenVMS VAX SCSI デバイス・ドライバの再コンパイルと再リンクが必要でした。OpenVMS Version 7.1 で実行できるように再コンパイルと再リンクされた OpenVMS VAX デバイス・ドライバは,OpenVMS Version 7.3 以降でも正しく動作します。

6.18.2 OpenVMS Alpha デバイス・ドライバ

V7.1

OpenVMS Alpha Version 7.0 で実行できるように再コンパイルおよび再リンクされたデバイス・ドライバは,OpenVMS Alpha Version 7.1 以降で実行できるようにするためにソース・コードを変更したり,再コンパイルや再リンクしたりする必要がありません (ただし,Alpha SCSI ドライバについては,再コンパイルと再リンクが必要です。 第 6.18.1 項 を参照してください)。

OpenVMS Alpha Version 7.0 より前のリリースのデバイス・ドライバのうち,OpenVMS Alpha Version 7.0 に対応するよう再コンパイルおよび再リンクされていないデバイス・ドライバを OpenVMS Alpha Version 7.1 以降で実行するには,再コンパイルと再リンクが必要です。

OpenVMS Alpha Version 7.0 では,OpenVMS Alpha 特権インタフェースと構造体が大幅に変更されました。これらの変更の結果,OpenVMS Alpha Version 7.0 より前のリリースのデバイス・ドライバでは,OpenVMS Alpha Version 7.0 以降で正しく動作するように,ソース・コードを変更する必要があります。カスタマが作成したドライバのソースの変更が必要となる OpenVMS Alpha Version 7.0 の変更点の詳細については,『OpenVMS Alpha Guide to Upgrading Privileged-Code Applications』を参照してください。

6.19 MON バージョンのデバイス・ドライバの処理

V7.3

OpenVMS Version 7.3 では,SYSTEM_CHECK を有効化すると, SYS$nnDRIVER_MON.EXE という形式の名前を持つデバイス・ドライバ・イメージがシステム・ローダによって自動的に読み込まれます。対応する _MON バージョンが存在しない場合は,デフォルトのイメージ名 SYS$nnDRIVER.EXE が使用されます。

6.20 スレッド単位のセキュリティが Alpha デバイス・ドライバに与える影響

V7.2

スレッド単位のセキュリティが OpenVMS Alpha デバイス・ドライバに与える影響については, 第 5.16.1 項 を参照してください。

6.21 OpenVMS Alpha ドライバのデバイス IPL の設定

V6.2

PCI,EISA,ISA バスをサポートする Alpha ハードウェア・プラットフォームでは,20 または 21 という異なる IPL で I/O デバイスへの割り込みが発生します。デバイスへの割り込みが発生する IPL は,デバイスをプラットフォーム間で移動したときに変わる可能性があります。ドライバがデバイス IPL を20 であると宣言した後,I/O デバイスへの割り込みが IPL 21 で発生するマシンでそのドライバを実行すると,問題が発生します。

この問題に対する最も簡単な対処法は,PCI,EISA,ISA のデバイス・ドライバで IPL 21 を使用することです。この方法は, I/O デバイスへの割り込みが IPL 20 で発生するプラットフォームでも, I/O デバイスへの割り込みが IPL 21 で発生するプラットフォームでも,正しく動作します。

OpenVMS Alpha の将来のリリースでは,ドライバがデバイス IPL を動的に判断するための,プラットフォームに依存しない機能が提供される予定です。

6.22 CRCTX ルーチンの機能の強化

V7.1-2

Counted Resource Context Block (CRCTX) 構造体の管理に使用できるシステム・ルーチンが強化されました。次のルーチンが,CRCTX 構造体のステータス (CRCTX$V_ITEM_VALID) を設定およびチェックするようになりました。

これらのルーチンは次のように変更されました。

有効な CRCTX ステータス (CRCTX$V_ITEM_VALID を 1 に設定 ) で IOC$DEALLOC_CRCTX を呼び出すと,サービスは不正なステータスを返します。 SYSBOOT パラメータ SYSTEM_CHECK が設定されている場合には,システム障害が発生します。このため,割り当てが解除されていない有効なリソースがあるときに,ユーザが CRCTX の割り当てを誤って解除することを防止できます。

IOC$ALLOC_CNT_RES は,無効な CRCTX ステータス (CRCTX$V_ITEM_VALID を 0 に設定) で呼び出さなければなりません。有効なステータスでこのルーチンを呼び出すと,OpenVMS はこの CRCTX によってマップされたリソースをユーザが手放すものと解釈します。 OpenVMS は新しいリソースを割り当てず,不正なステータスを返します。 SYSTEM_CHECK が設定されている場合には,システム障害が発生します。 IOC$ALLOC_CNT_RES は有効ビットを設定してから戻ります。

IOC$DEALLOC_CNT_RES は,有効な CRCTX ステータス (CRCTX$V_ITEM_VALID を 1 に設定) で呼び出さなければなりません。無効な CRCTX で IOC$DEALLOC_CNT_RES を呼び出すと, OpenVMS は他のパラメータが有効でないものと解釈し,不正ステータスを返します。 SYSTEM_CHECK がセットされている場合には,システム障害が発生します。 IOC$DEALLOC_CNT_RES は有効ビットをクリアしてから戻ります。

IOC$LOAD_MAP は有効な CRCTX で呼び出さなければなりません。無効な CRCTX (CRCTX$V_ITEM_VALID を 0 に設定) で呼び出すと,他のパラメータも無効であると解釈され,不正ステータスが返されます。 SYSBOOT パラメータ SYSTEM_CHECK がセットされている場合には,システム障害が発生します。

これらの変更により,デバイス・サポート・アプリケーションや特権付きコード・アプリケーションの開発者は,OpenVMS で汎用リソースとして取り扱われる scatter gather レジスタの割り当てを解除する必要があるかどうか判断できます。 CRCTX$V_ITEM_VALID ビットがセットされている場合は, IOC$DEALLOC_CNT_RES を呼び出さなければなりません。


付録 A
リタイア製品情報

この付録では,すでにサポートが中止された OpenVMS 製品およびサポートの中止が予定されている OpenVMS 製品についてお知らせします。また,アーカイブされたマニュアルを検索する方法についても説明します。

フリーウェア

製品のサポートが中止されると,弊社はそれらの製品に対する問題に関する報告を受け付けず,またそのような報告への対処も行いません。しかし,独自の開発やサポートを目的に,以前の製品のソース・コードを必要とされるお客様に対しては,多くの製品のソース・コードを次の形態でフリーウェアとして提供しています。

A.1 Attunity Connect の "On Platform" パッケージ

V7.3-2

OpenVMS e-Business Infrastructure CD-ROM に含まれている, Attunity Connect の "On Platform" パッケージは, 2004 年 5 月 31 日までしかサポートされません。

Attunity Connect は今後も, Attunity for OpenVMS VAX and Alpha から直接入手できます。詳細は,Attunity の Web サイトを参照してください。


http://www.attunity.com/ 

A.2 ISA_CONFIG.DAT のサポートの将来のリリースでの中止

V7.1

SYS$MANAGER:ISA_CONFIG.DAT ファイルを使用して ISA デバイスを構成する機能は, OpenVMS Alpha の将来のリリースではサポートされなくなります。このファイルを使用している場合は,コンソールから ISACFG ユーティリティと,デバイス・ドライバをロードするための新しいファイル・ベースの自動構成方式を使用するように変換しなければなりません (『Writing OpenVMS Alpha Device Drivers in C』を参照)。

A.3 POSIX 1003.4a Draft 4 インタフェースのサポート中止

V7.0

Compaq POSIX Threads Library (以前の DECthreads) の POSIX 1003.4a,Draft 4 ("d4") インタフェースは,将来のリリースでサポートされなくなる予定です。 POSIX 1003.4a,Draft 4 インタフェースを使用して作成されたアプリケーションは, POSIX スレッド・ライブラリで提供される新しい POSIX 1003.1c 標準 ("pthread") インタフェースに移行する必要があります。このリリースでは,移行を支援するために,Draft 4 POSIX 1003.4a インタフェース用の互換モードが提供されます。この互換モードは,将来のリリースでは削除されます。

A.4 アーカイブされたマニュアル

V7.3-1

製品の製造が中止され,オペレーティング・システムが進化するにつれて, OpenVMS マニュアルの一部はアーカイブされます。アーカイブされたマニュアルはそれ以降保守されず,OpenVMS ドキュメンテーション・セットには含まれませんが,OpenVMS ドキュメンテーション CD-ROM および次の Web サイトに保管されています。


http://www.hp.com/go/openvms/doc 

A.4.1 Extended File Specifications: ドキュメントの再編成

V7.3-1

以前,『OpenVMS Extended File Specifications の手引き』に記述されていた内容が他のマニュアルへ移り,このマニュアルは廃止されました。

次の表に,アーカイブされたマニュアルから新しいマニュアルへ移行されたトピックの,新しいマニュアルにおける位置を示します。

元のセクション 新しいマニュアル 移動先(章)
第 1 章「Extended File Specifications for OpenVMS の概要
すべて 『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』 第 9 章
第 2 章「OpenVMS システムでの拡張ファイル命名機能の管理
第 2.2.1 項「 RMS の省略時のExtended File Specifications 機能の使用」を除くすべて 『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』 第 9 章と第 10 章
第 2.2.1 項「 RMS の省略時のExtended File Specifications 機能の使用 『Guide to OpenVMS File Applications』 第 6 章
第 3 章「拡張ファイル名の特徴
第 3.5 節「 DCL コマンドおよびユーティリティ 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』 第 5 章
第 3.5 節「 DCL コマンドおよびユーティリティ」を除くすべて 『OpenVMS DCL ディクショナリ』 コマンドによるアルファベット順
第 4 章「OpenVMS アプリケーション開発での拡張ファイル名に関する注意点
すべて 『OpenVMS Programming Concepts Manual, Volume II』 第 29 章
付録 A「ユーザを対象としたExtended File Specifications の注意点
第 A.1 節「 Extended File Specifications の新しい特性 (ODS-5) 『OpenVMS I/O User's Reference Manual』 第 1 章
第 A.4 節「 制限事項 『Guide to OpenVMS File Applications』 第 5 章
第 A.1 節,第 A.4 節を除くすべて 『OpenVMS システム管理者マニュアル (上巻)』 第 10 章
付録 B 「技術情報
第 B.1 節「 システム・サービスの変更点 『OpenVMS System Services Reference Manual』 ルーチンによるアルファベット順
第 B.2 節「 レコード管理サービス(RMS) の変更点 『Guide to OpenVMS File Applications』 以下参照
第 B.2.1 項「 レコード管理サービスの変更点の概要 『Guide to OpenVMS File Applications』 第 5 章
第 B.2.2 項「 構文および意味の変更点」 (第 B.2.2.7 項「 DID による短縮 」と第 B.2.2.8 項「 FID による短縮」を除く) 『Guide to OpenVMS File Applications』 第 5 章
第 B.2.2.7 項「 DID による短縮 『Guide to OpenVMS File Applications』 第 6 章
第 B.2.2.8 項「 FID による短縮 『Guide to OpenVMS File Applications』 第 6 章
第 B.2.3 項「 RMS のデータ構造の変更点 (NAM ブロック) 『OpenVMS Record Management Services Reference Manual』 第 5 章
第 B.2.3 項「 RMS のデータ構造の変更点 (NAML ブロック) 『OpenVMS Record Management Services Reference Manual』 第 6 章
第 B.3 節「 Files-11 XQP の変更点 『OpenVMS I/O User's Reference Manual』 第 1 章
第 B.4 節「 プログラミング・ユーティリティの変更点 『OpenVMS Utility Routines Manual』 第 10 章
第 B.5 節「 実行時ライブラリの変更点 『OpenVMS RTL Library (LIB$) Manual』 ルーチン別のアルファベット順
付録 C 「文字セット
すべて 『OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』 付録 A


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