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eSNMP (Extensible Simple Network Management Protocol)では,ネットワーク管理者は,MIB (Management Information Bases) というデータベースを活用することで, すべてのネットワークやベンダにまたがる多種多様の装置を管理することができます。 基本的に,情報はマスタ・ エージェントとサブエージェントの間でやり取りされます。 マスタ・エージェントとサブエージェントは管理対象のネットワーク上にあるルータやサーバなどの装置であり, また,マネージャ は管理が行われるネットワーク上にある装置のことです。
この付録では,Compaq Server MIBとCompaq Cluster MIBについて説明します。
Compaq Server MIB (DSM)は,次のような2つの拡張部分またはサブエージェントから構成されています。
拡張部分 | 説明 |
---|---|
システム | 標準MIBでは定義されていない,Alphaシステム情報への管理インタフェース |
管理 | 整数変数に対するしきい値を検出し,監視する機能を含む,コンパック拡張エージェントにある機器 |
標準のSMI (Structure of Managed Information)規定に含まれるDSMの表記は, 次のとおりです。
iso(1) org(3) dod(6) internet(1) private(4) enterprises(1) 36
バージョン7.1-1H1以降のOpenVMS Alphaは,AlphaServer 800,1000, 4000,4100,8200,8400の各システムにおいて DSMサブエージェントを実装しています。DSM サブエージェントがあると,次のような重要な情報をリモートから決定し, 管理することができるようになります。
DSMサブエージェントにアクセスするには,次のソフトウェアを使用します。
これ以降の項では,DSMサブエージェントと,システムでのその設定方法を説明します。
DSMサブエージェントは,DSM オブジェクト -ネットワーク管理者が関わるデータ項目- または,トラップ -状態の変更についての情報- に対するSNMP要求に応答します。サブエージェントは,このようなオブジェクトやトラップに関連するデータの報告や保守を担当します。
DSMシステム・サブエージェントは,表 C-1 にあるオブジェクトを実装しています。 オブジェクトは,それぞれ, OpenVMS Alphaネットワーキングに関連する基本システムや環境情報のグループに対応しています。 ネットワーク管理者はこれらに対してServerWORKS Manager 経由でアクセスできます。
オブジェクト | データ型 | アクセス | 説明 |
---|---|---|---|
MIB情報グループ | |||
svrSysMibMajorRev | Integer | 読み込み専用 | svrSystem MIBのこの実装におけるメジャー・ リビジョン番号。現在は1。 |
svrSysMibMinorRev | Integer | 読み込み専用 | svrSystem MIBのこの実装におけるマイナー・ リビジョン番号。現在は0。 |
基本システム記述グループ | |||
svrSystemModel | DisplayString | 読み込み専用 | システム名とモデル名。 例えば,AlphaServer 2100。 |
svrSystemDescr | DisplayString | 読み込み専用 | システム・タイプの汎用テキスト記述。 |
svrSystemBoardFruIndex | Integer | 読み込み専用 | ボードのシリアル番号およびその他の資産情報を説明している FRU (Field Replaceable Unit)テーブル内のFRUのインデックス。未知の場合は0 。 |
svrSystemBootedOS | Integer | 読み込み専用 | 現在ブートされているオペレーティング・ システム。 |
svrSystemShutdownReason | DisplayString | 読み込み専用 | システム・ シャットダウンについての理由。 |
svrFirmwareIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・システムに固有なインデックス値。 |
svrFirmwareDescr | DisplayString | 読み込み専用 | SRM コンソール,ARCコンソール,システムBIOSなどの項目に対する説明用テキスト。 |
svrFirmwareRev | DisplayString | 読み込み専用 | バージョン番号。Vx.yまたはVx.y-zの形式が多い。 |
svrFwSymbolName | DisplayString | 読み込み専用 | コンソール上で表示可能なシンボル名。 |
svrFwSymbolValue | Octet string | 読み込み専用 | シンボルの値。なにもない, またはわからない場合は空(Null)。 |
システム・プロセッサ・グループ | |||
svrCpuIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・システムに固有なCPU エントリ用のインデックス値。 |
svrCpuManufacturer | DisplayString | 読み込み専用 | プロセッサの製造業者。 |
svrCpuRevision | DisplayString | 読み込み専用 | プロセッサ独自の形式によるバージョン情報。 |
svrCpuFruIndex | Integer | 読み込み専用 | プロセッサに含まれる構成要素の資産情報を説明するFRU テーブルにあるFRUエントリのインデックス。 未知の場合は0。 |
svrCpuCacheIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・インデックス値。 |
svrCpuCacheLevel | Integer | 読み込み専用 | レベル1,レベル2,レベル3 またはその他のキャッシュ,あるいは未知。 |
svrCpuCacheType | Integer | 読み込み専用 | キャッシュのタイプ:内部,外部, 内部命令,内部データのいずれか。 |
svrCpuCacheSize | Kbytes | 読み込み専用 | Kバイト単位のキャッシュ・サイズ。 |
svrCpuCacheSpeed | Integer | 読み込み専用 | ナノ秒単位のキャッシュ速度。未知の場合は0 。 |
svrCpuCacheStatus | Integer | 読み込み専用 | キャッシュの現在の状態: 使用可,使用不可,その他,未知。 |
メモリ構成グループ | |||
svrPhysicalMemorySize | Kbytes | 読み込み専用 | オペレーティング・ システムから見える物理メモリの合計量。 |
svrPhysicalMemoryFree | Kbytes | 読み込み専用 | 空き物理メモリの量。 |
svrMemIndex | Integer | 読み込み専用 | このエントリに対する固有インデックス。 |
svrMemSize | Kbytes | 読み込み専用 | メモリ範囲の長さ。 |
svrMemFruIndex | Integer | 読み込み専用 | メモリが存在するFRUテーブルにあるFRU エントリのインデックス。未知の場合は0。 |
svrBusIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・システムに固有なインデックス値。 |
svrBusType | BusTypes | 読み込み専用 | バス・ タイプ。 |
svrLogicalSlotNumber | Integer | 読み込み専用 | 対象のバスに対する固有論理スロット番号。 |
svrLogicalSlotDescr | DisplayString | 読み込み専用 | IDから由来した,またはマネジメント・ ステーションによって設定されたままの装置記述。 |
svrLogicalSlotRevision | DisplayString | 読み込み専用 | スロット内の装置について,ベンダが提供するメジャー・ リビジョンおよびマイナー・リビジョン。 |
物理構成グループ | |||
svrFruIndex | Integer | 読み込み専用 | システムにに固有なインデックス値。 |
svrFruType | Integer | 読み込み専用 | FRUタイプの汎用カテゴリ。 |
svrFruDescr | DisplayString | 読み込み専用 | 既知の場合は,FRUタイプの詳細記述。 |
svrFruVendor | DisplayString | 読み込み専用 | 製造業者の名称またはID 。 |
svrFruPartNumber | DisplayString | 読み込み専用 | このユニットの注文番号。 |
svrFruRevision | DisplayString | 読み込み専用 | ユニットのバージョン番号。図がある場合は,FRU バージョン番号の後に"Artwork: XXX"の形式で示される。 |
svrFruFirmwareRevision | DisplayString | 読み込み専用 | 適用可能な場合は, ファームウェアのリビジョン。それ以外の場合は空(Null) 。 |
svrFruSerialNumber | DisplayString | 読み込み専用 | ユニットのシリアル番号。 |
環境グループ: 温度 | |||
svrThermalSensorCount | Integer | 読み込み専用 | システムに存在し,読み出し可能な温度センサーの数。 |
svrThSensorIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・ システムに固有なインデックス値。 |
svrThSensorReading | Integer | 読み込み専用 | svrThSensorReadingUnitsオブジェクトで記述されるユニットの, センサーで読み出される現在の値。 |
svrThSensorReadingUnits | ThermUnits | 読み込み専用 | 華氏,摂氏または相対値の温度でのセンサーの値。利用できない場合, 値は未知になる。 |
svrThSensorStatus | Integer | 読み込み専用 | センサーの状態値。 |
環境グループ:冷却装置 | |||
svrFanCount | Integer | 読み込み専用 | 状態が検出可能なファンの数。 |
svrFanIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・ システムにに固有なインデックス値。 |
svrFanStatus | Integer | 読み込み専用 | 現在のファンの状態。 |
環境グループ:電源装置 | |||
svrPowerSupplyCount | Integer | 読み込み専用 | svrPowerSupplyTableオブジェクトにあるエントリを反映している, 検出可能な電源装置の数。 |
svrPowerSupplyIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・ システムにに固有なインデックス値。 |
svrPowerSupplyStatus | Integer | 読み込み専用 | 現在の電源装置の状態。 |
DSM管理サブエージェントは,表 C-2にあるオブジェクトと, 表 C-3にあるトラップを実装しています。
オブジェクトとトラップは,それぞれ,OpenVMS Alphaネットワーキングに関連する管理領域のグループに対応しています。 ネットワーク管理者はこれらに対してServerWORKS Manager 経由でアクセスできます。
オブジェクト | データ型 | アクセス | 説明 |
---|---|---|---|
MIB情報グループ | |||
svrMgtMibMajorRev | Integer | 読み込み専用 | svrMgt MIBのこの実装におけるメジャー・ リビジョン番号。現在は1。 |
svrMgtMibMinorRev | Integer | 読み込み専用 | svrMgt MIBのこの実装におけるマイナー・ リビジョン番号。現在は0。 |
アラーム・グループ | |||
svrAlarmNextThrIndex | Integer | 読み込み専用 | svrThrEntryオブジェクトを作成するために次に利用できるインデックス。 値が-1の場合,しきい値の最大値に到達している。 現在のしきい値記録を削除しないと,しきい値記録は作成できない。 |
svrAlarmEnableTraps | Boolean | 読み込み /書き込み | 真の場合, トラップは起動された各アラームに送信される。 |
svrThresholdTable | Sequence of SvrThresholdEntry | アクセス不能 | アラームの設定および再設定のための条件を記述するしきい値テーブル。
エージェントは例外のためにこのテーブルをチェックする。
アラームは,絶対値(サンプルにされた変数の現在の整数値など)またはデルタ値( 現在の値と最後の値の差など)に設定できる。アラームはよりも大きい 例外アラーム,よりも小さい例外アラーム,と等しい 例外アラームなどにできる(svrThrAlarmTypeオブジェクトの説明を参照) 。 ヒステリシス(0から1に変わったときと,1から0に変わったときに別々のしきい値を示す, ある種のバイナリ装置の傾向)は,アラーム状態の設定および再設定の両方に対してしきい値を提供することによって導入される。 その結果,アラームの起動の際に送信されるトラップの数は制限される。 エージェントが再ブートしても持続するようなアラームは作成できるが, これは動的テーブル変数には使用しない方がよい。 アラームの起動は状態変数の概念的な列を変更し,また,トラップの送信やイベントのローカルなログ取得も起動できる。 |
svrThresholdEntry | SvrThresholdEntry | アクセス不能 | 整数変数に設定されたしきい値アラーム。
アラーム・エントリは,管理コンソールによって作成され, svrAlarmNextThrIndexの現在の値を使用して列変数のインスタンスに名前を付け,svrThrStatus をunderCreationに設定する。初めてしきい値エントリを作成するときには,svrThrStatus に対して設定要求を発行すること。 残りの列変数については,同じ操作で設定することも,あるいは,一連の操作で設定することもできる。 値を設定されないものは,示されている省略値を保持する。 アラーム・グループにある次に示すオブジェクトには, 変数値を設定してからアラームを有効にする必要がある。
|
svrThrIndex | Integer | 読み込み専用 | ローカル・ システムに固有なインデックス値。作成時に,svrAlarmNextThrIndexの値に設定される。 |
svrThrStatus | Integer | 読み込み /書き込み | 列の状態を記述する。
初期設定付きで列が作成されるときには,svrThrStatusをunderCreation に設定する必要がある。管理コンソールは,列設定を完了した後,この変数をrowEnabled に設定する。列内の変数は,svrThrStatusが初期のunderCreation 状態になっているか,または,rowDisabledに設定されている場合にだけ書き込み可能になる。 列を削除するには,状態をrowInvalidにする。変数ポーリングとしきい値チェックでの修正できないエラーが, 列状態をrowErrorに変更させることに注意すること。 エージェントが状態をrowErrorに設定してしまうと, エージェントはその状態を再設定することはない。その代わり, 管理コンソールが,svrThrErrorValueとともに戻された情報または他の理由に基づいて状態を再設定する必要がある。 |
svrThrVariableName | Object identifier | 読み込み /書き込み | しきい値に対してテストされる予定の整数変数のオブジェクト識別子(OID) 。列作成時には,この変数は値0.0 であり,整数変数のOIDに設定してからアラームを有効にする必要がある。 |
svrThrValueType | Integer | 読み込み /書き込み | 絶対値またはデルタ値。 列作成時の省略値はabsoluteValueである。deltaValue は現在の値から svtThrLastValue値を減算して計算される。 |
svrThrAlarmType | Integer | 読み込み /書き込み | 値が より大きい,以上
,と等しい,以下,より小さいのいずれかであるしきい値をシグナル通知するアラーム。
列作成時の省略値はより大きい
。
絶対値に対してより大きいまたは以上のしきい値が発生するのは, サンプル値がsvrThrThresholdValue以上になり,かつ,svrThrAlarmState が再設定されたときである。この状態によってsvrThrAlarmState が設定され,また,svrAlarmEnableTrapsが真である場合は,svrThrExceptTrap が送信される。サンプル値がsvrThrResetValue以下になった場合には,SvrThrAlarmState が再設定される。 絶対値に対してより小さいまたは以下のしきい値が発生するのは, サンプル値がsvrThrThresholdValue以下になり,かつ,svrThrAlarmState が再設定されたときである。この状態によってsvrThrAlarmState が設定され,また,svrAlarmEnableTrapsが真である場合は,svrThrExceptTrap が送信される。サンプル値がsvrThrResetValue以上になった場合には,SvrThrAlarmState が再設定される。 絶対値に対してと等しいしきい値が発生するのは,サンプル値がsvrThrThresholdValue と等しく,かつ,svrThrAlarmStateが再設定されたときである。 この状態によってsvrThrAlarmStateが設定され, また,svrAlarmEnableTrapsが真である場合は,svrThrExceptTrap が送信される。サンプル値がsvrThrResetValueと等しくなくなると, SvrThrAlarmStateが再設定される。 絶対値に対するのと同様の状態は,デルタ値にも適用されるが, svrThrThresholdValueとsvrThrResetValueの両方の比較に対しては, サンプル値とsvrThrLastValueとの差分が使用される点が異なる。差分は現在の値からsvrThrLastValue を減算することなので,負のデルタ値になる可能性もあることに注意すること。 |
svrThrSampleInterval | Integer | 読み込み/ 書き込み | しきい値の例外をチェックするためのポーリング間隔( 単位:秒)。列作成時の省略値は30秒である。最小値: 1 。 |
svrThrPersistent | Boolean | 読み込み /書き込み | 真の場合,
しきい値はエージェントが再起動しても値を保持する。列作成時の省略時設定:
偽。
省略時の設定では,保持されたデータを格納するために使用されるファイルは,SYS$SYSTEM:TCPIP$MGT_THRESHOLDS.DAT とSYS$SYSTEM:TCPIP$MGT_ THRESHOLDS.BAKである。これらのファイルをシステム・ディスクから移動するか, または,ファイル名を変更する場合,システム管理者はSYS$MANAGER:SYLOGICALS.COM ファイルの適切な場所で論理名TCPIP$MGT_PERSISTENCE_DAT とTCPIP$MGT_PERSISTENCE_BAKを定義できる。 例えば,これらのファイルを異なる記憶位置にポイントする場合, SYS$MANAGER:SYLOGICALS.COMに次の定義を追加する(サンプルはこの表のカラムの長さに合わせてある) 。 $ DEFINE/SYS - _$ TCPIP$MGT_PERSISTENCE_DAT - _$ DISK2:[SNMP.MIB]PERSIST.DAT; $ DEFINE/SYS - _$ TCPIP$MGT_PERSISTENCE_BAK - _$ DISK2:[SNMP.MIB]PERSIST.BAK; |
svrThrThresholdValue | Integer | 読み込み /書き込み | 現在の値またはデルタ値に比較されるしきい値。 列作成時の省略値: 0。 |
svrThrResetValue | Integer | 読み込み /書き込み | と等しい ものを除いて,svrThrAlarmTypesオブジェクトすべてに対するしきい値を再設定するために使われる値。 列作成時の省略値: 0 。 |
svrThrLastValue | Integer | 読み込み専用 | アラームを起動する場合に評価する, またはしきい値チェック用のデルタ値を評価するために必要な, これまでのサンプル。 |
svrThrAlarmState | Integer | 読み込み専用 | アラームが現在設定されているのか,または再設定されるのかを示す。
ポーリング管理アプリケーションで,しきい値例外状態がアラーム定義を基にして検出されたのかどうかを判断するために使用される。
アラームが使用可能なとき,またはエージェントが再起動されたときには再設定の初期値を持つ。
この値は,svrThrStatusがrowDisabledやrowInvalidに変わると再設定される。 状態変更のガイドラインについては,svrThrAlarmTypeの説明を参照。 |
svrThrLogEvent | Boolean | 読み込み /書き込み | 真の場合, サブエージェント・プロセス・ログ・ファイルにデータを記録する。 例えば,[TCPIP$SNMP]TCPIP$SVRMGT_MIB.LOGに記録する(第C.1.2項参照)。 省略値:偽。 |
svrThrDescr | DisplayString | 読み込み /書き込み | しきい値の種類を記述する。この値は管理コンソールによって設定されるものであり, エージェントは設定しない。 |
svrThrErrorValue | SnmpErrors | 読み込み専用 | svrThrStatus値がrowErrorと同じになったことを示すSNMPが定義したエラー状態である。 有効なのはそのときだけである。 |
svrThrComparisonName | Object identifier | 読み込み /書き込み |
svrThrPersistent値と共に使用される,記述子に対するオブジェクト識別子(OID)
であり,svrThrVariableNameインスタンスが正しいことを検証する。
省略可能。省略値: 0.0。
エージェントが再起動する際,この値は,取り出されて, svrThrComparisonValueと比較される。値が等しくない場合, svrThrVariableNameに対するOIDインスタンス化が誤っている可能性がある。 そのような状態が発生した場合,svrThrStatusがrowErrorに, svrThrErrorValueがbadValueに設定される。 |
svrThrComparisonValue | DisplayString | 読み込み /書き込み | svrThrComparisonNameの日付値。 省略可能。svrThrPersistentが設定されると使用される。この値はエージェント再起動時に現在の値と比較される。 省略時の値: 空(Null)。 |
svrThrSeverity | Severity | 読み込み /書き込み | しきい値の重大度を示す。 列作成時の省略値:情報。 |
トラップ | 変数 | 説明 |
---|---|---|
ローカル・ サーバ制御グループ | ||
svrThrHighExceptTrap | svrThrVariableName svrThrValueType svrThrThresholdValue svrThrLastValue svrThrDescr | 高い重大度のトラップ。アラームを発生させた値は svrThrLastValue に戻される。 |
svrThrMediumExceptTrap | svrThrVariableName svrThrValueType svrThrThresholdValue svrThrLastValue svrThrDescr | 中程度の重大度トラップ。アラームを発生させた値は svrThrLastValue に戻される。 |
svrThrLowExceptTrap | svrThrVariableName svrThrValueType svrThrThresholdValue svrThrLastValue svrThrDescr | 低い重大度のトラップ。アラームを発生させた値は svrThrLastValue に戻される。 |
svrThrInformationalExceptTrap |
svrThrVariableName svrThrValueType svrThrThresholdValue svrThrLastValue svrThrDescr | 情報重大度トラップ。アラームを発生させた値は svrThrLastValue に戻される。 |
システムでSNMPを構成し,マスタ・エージェントがSNMPクライアントからの SET
コマンドを受け付けることを許可するには,次に示すTCP/IP
Services管理コマンドをTCPIP>
プロンプトから実行します。
この操作には,SYSPRV特権または BYPASS特権が必要です。
TCPIP> SET CONFIGURATION SNMP /FLAGS=SETS
ローカルのMIBデータに対するアクセスの種類を許可または禁止するには, 次に示すコマンド,修飾子,オプションを使用します。
TCPIP> SET CONFIGURATION SNMP /[NO]COMMUNITY="名前" - _TCPIP> /[NO]ADDRESS=ホスト・アドレス - _TCPIP> /TYPE=[NO]READ,[NO]TRAP,[NO]WRITE
例えば,次に示すコマンドでは,SNMPを構成し,コミュニティ名とアドレスを指定して, コミュニティのメンバからのSETコマンドをエージェントが受け付けられるように指定し, かつ,マスタ・エージェントがコミュニティのメンバに対してトラップ・ メッセージを送信することを許可します(TRAP またはWRITEを指定すると,READアクセスもあると想定されている) 。
TCPIP> SET CONFIGURATION SNMP /COMMUNITY="public" /ADDRESS=128.45.2.8 - _TCPIP> /TYPE=TRAP,WRITE
管理者のために,次に示すファイルには,DSMサブエージェントの起動, 稼働,シャットダウンを行うエントリのサンプルが含まれています。
必要に応じて,上記のファイル内でSVRSYSTEM_MIBエントリを検索し,変更してください。
また,GOTO
エントリを削除する必要もあります。
このGOTO
文があると,これらのコマンド・プロシージャはすぐに終了してしまいます。
Compaq Cluster MIB (DCM)は,OpenVMS Clusterシステムに関する管理情報を配布する, プライベートなコンパックの管理情報ベースです。
DCMは,次のような2つの拡張部分またはサブエージェントから構成されています。
拡張部分 | 説明 |
---|---|
システム | 標準MIBでは定義されていない,クラスタ・ システム情報への管理インタフェース |
管理 | 整数変数に対するしきい値を検出し,監視する機能を含む, コンパック拡張エージェントにある機器 |
標準のSMI (Structure of Managed Information)規定に含まれるDCMの表記は, 次のとおりです。
iso(1) org(3) dod(6) internet(1) private(4) enterprises(1) 36
OpenVMS Alphaバージョン7.2はDCMサブエージェントを実装しています。 DCMサブエージェントがあると,次のようなOpenVMS Clusterシステムについての状態情報をリモートから決定することができます。
DCMサブエージェントにアクセスするには,次のソフトウェアを使用します。
これ以降の項では,DCMサブエージェントと,システムでのその設定方法を説明します。
DCMサブエージェントは,DCM オブジェクト -ネットワーク管理者が関わるデータ項目- または,トラップ -状態の変更についての情報- に対するSNMP要求に応答します。サブエージェントは,このようなオブジェクトやトラップに関連するデータの報告や保守を担当します。
DCMサブエージェントは,表 C-4にあるオブジェクトを実装しています。 オブジェクトは,それぞれ,OpenVMS Clusterシステムに関連する情報を戻します。ネットワーク管理者はこれらに対してServerWORKS Manager 経由でアクセスできます。
オブジェクト | データ型 | アクセス | 説明 |
---|---|---|---|
クラスタ情報 | |||
svrCluSoftwareVendor | DisplayString | 読み込み専用 | クラスタ・ソフトウェア・ ベンダ名。現在の値はDigital。 |
svrCluSoftwareVersion | DisplayString | 読み込み専用 | クラスタ・ソフトウェア・バージョン。 これはOpenVMSバージョンの文字列である。 |
svrCluSoftwareStatus | ClusterStatus | 読み込み専用 | クラスタ・ソフトウェアの状態。 可能な値はrunningおよびnot running。 |
svrCluClusterType | ClusterType | 読み込み専用 | 稼働中のクラスタの型。現在の値はOpenVMS 。 |
svrCluExtensionOID | Object Identifier | 読み込み専用 | MIBに対する認可されたID。このような識別子が存在しない場合には, 値{0.0}が戻される。 |
svrCluThisMember | Integer | 読み込み専用 | このノードに対応するメンバ・テーブル(svrCluMemberTable) へのインデックス。 |
SMNPトラップ | |||
svrCluMemberAdded | Trap Packet | 読み込み専用 | クラスタ・メンバが追加されたときに作成される。 |
svrCluMemberDeleted | Trap Packet | 読み込み専用 | クラスタ・ メンバが削除されたときに作成される。 |
ノード固有情報 | |||
svrCluMemberIndex | Integer | 読み込み専用 | エントリに固有なインデックス。 svrCluMemberIndexの値は,少なくとも,管理対象のノードにあるネットワーク管理システムの再ブートまでは一定なままである必要がある。 可能な場合, この値には,システムが本来持っているメンバ識別子を反映すべきである。 |
svrCluMemberName | DisplayString | 読み込み専用 | このクラスタ・メンバのSCSノード名。長さ0の値は,メンバのノード名が未知であることを意味する。 この名前は,必ずしもアドレスに置き換えられるわけではない。 |
svrCluMemberComment | DisplayString | 読み込み専用 | これは,$GETSYIシステム・サービスによって戻される, ノードのハードウェア名である。 |
svrCluMemberStatus | MemberStatus | 読み込み専用 | このメンバの状態。可能な値はnormal とremovedである。 |
svrCluMemberAddressIndex | Integer | 読み込み専用 | このアドレスに対するインデックス。 |
svrCluMemberAddress | IPAddress | 読み込み専用 | このクラスタ・ メンバのIPアドレス。このアドレスは,クラスタには構成されていないノードからは到達できない可能性がある。 |
管理者のために,次に示すファイルには,DCMサブエージェントの起動, 稼働,シャットダウンを行うエントリのサンプルが含まれています。
必要に応じて,上記のファイル内でSVRCLUSTER_MIBエントリを検索し,変更してください。
また,GOTO
エントリを削除する必要もあります。
このGOTO
文があると,これらのコマンド・プロシージャはすぐに終了してしまいます。
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