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システムの起動時からマウントする必要があるディスクがある場合は, SYCONFIG.COM に MOUNT コマンドを登録します。たとえば,SYSTARTUP_VMS.COM を実行する前に使用したいファイルが存在するサイトでは操作が必要です。 SYCONFIG.COM については, 第 5.2.4 項 を参照してください。
5.2.7.3 ターミナルとプリンタの特性設定
システムに接続されているターミナルとプリンタの装置特性を設定する場合は, SYSTARTUP_VMS.COM に SET コマンドを登録します。装置の設定用のコマンドについては, 第 8.6.1 項 および 第 8.8.1 項 を参照してください。
システム構成が単純な場合は,SYSTARTUP_VMS.COM にそのまま SET コマンドを登録してください。システム構成上,大量の SET コマンドが必要な場合は,別のコマンド・プロシージャ(たとえば DEVICE_SETUP.COM)にコマンドを登録しておき, SYSTARTUP_VMS.COM からそのコマンド・プロシージャを実行します。装置設定コマンド・プロシージャが終了したら, SYSTARTUP_VMS.COM に制御が戻るようにします。
5.2.7.4 キューの起動とキューの自動起動
SYSTARTUP_VMS.COM に次の作業を行うためのコマンドを登録してください。
システム構成が単純な場合は, SYSTARTUP_VMS.COM にこれらのコマンドを登録してください。大量のキューがあるシステムでは,たとえば STARTQ.COM といった別のコマンド・プロシージャ・ファイルにコマンドを登録し, SYSTARTUP_VMS.COM プロシージャからそのプロシージャを実行します。自動起動機能はキューの起動を簡略化し,より少ないコマンドでキューを起動できるようにします。したがって,可能な場合はいつでも自動起動キューを利用して,キューの起動を簡略化することをおすすめします。自動起動キューについては, 第 14.1.3 項 を参照してください。
システム起動時におけるキューの起動とキュー用自動起動の許可についての詳細は,
第 14.4.1 項 を参照してください。
5.2.7.5 既知イメージのインストール
よく使われるプログラムを既知イメージとしてインストールすると,イメージを起動するときの入出力オーバヘッドを抑えたり,イメージに属性や特権を割り当てたりできます。 INSTALL ユーティリティは,既知イメージのインストールに使用するユーティリティです。既知イメージは,システムをブートするたびに,インストールする必要があります。
STARTUP.COM には,システム・プログラムを既知イメージとしてインストールする INSTALL コマンドが登録されています。システム管理者は, SYSTARTUP_VMS.COM にサイト固有の INSTALL コマンドを登録して,システムのブートのたびに既知イメージをインストールするようにしてください。
既知イメージのインストールについての詳細は, 第 17.9 節 を参照してください。
次の例は既知イメージを追加インストールする INSTALL コマンドの例です。SYSTARTUP_VMS.COM で使用することができます。
$ INSTALL ADD/OPEN/SHARED/HEADER_RESIDENT BASIC ADD/OPEN/SHARED/HEADER_RESIDENT FORTRAN EXIT |
5.2.7.6 常駐イメージのインストール (Alpha のみ)
常駐イメージはシステム・ブートのたびにインストールされなければなりません。 SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを追加することによって,システム・ブートのたびにこの作業を自動的に実行することができます。 第 17.9.6 項 に,インストール・ユーティリティ (INSTALL) を使った Alpha システムへの常駐イメージのインストール方法を説明します。
5.2.7.7 OpenVMS InfoServer Client ソフトウェアの設定
InfoServer システムを使用すれば, SYSTARTUP_VMS.COM 中でいくつかのセットアップ作業を行えます。たとえば,SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを追加して次のようなことが行えます。
第 25 章 に,InfoServer システムとその使用法について説明しています。
5.2.7.8 システム・ダンプ・アナライザの実行
システムをブートするたびに, SDA ユーティリティを実行して,前回システムの動作に失敗したときのシステム・クラッシュ・ダンプの内容を解析することができます。これを行う場合は, SYSTARTUP_VMS.COM にコマンドを追加します。
システム・ダンプ・アナライザについての詳細は, 第 16.11 節 および『System Dump Analyzer Utility Manual』を参照してください。
ページ・ファイルをクラッシュ・ダンプ・ファイル用に使用している場合は,システムを再ブートしたときに SDA の COPY コマンドを入力して,ページ・ファイルのダンプ内容を解析に適した別のファイルにコピーする必要があります。 このコピーに失敗すると,クラッシュ・ダンプ情報の保存に使用されていたページが解放されず,ページング空間が不足するので,システムがハングすることがあります。詳細は 第 16.13 節 を参照してください。 |
次の例は, SYSTARTUP_VMS.COM から SDA を起動し,クラッシュ・ダンプを保存,解析して,リスト・ファイルを表示している例です。
$ ANALYZE/CRASH_DUMP SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP COPY SYS$SYSTEM:SAVEDUMP.DMP ! Save dump file SET OUTPUT DISK1:SYSDUMP.LIS ! Create listing file READ/EXECUTIVE ! Read in symbols for kernel SHOW CRASH ! Display crash information SHOW STACK ! Show current stack SHOW SUMMARY ! List all active processes SHOW PROCESS/PCB/PHD/REGISTERS ! Display current process EXIT |
システムをブートするたびに,OPERATOR.LOG の新しいバージョンが作成されます。このファイルを定期的に管理する方法を計画しておく必要があります。次のコマンドを,ユーザのSYSTARTUP_VMS.COM コマンド・プロシージャに追加すれば,ブート時にオペレータ・ログ・ファイルの最新の 2 つのバージョン以外のバージョンがパージされます。
$ PURGE/KEEP=2 SYS$MANAGER:OPERATOR.LOG |
オペレータ・ログ・ファイルについての詳細は,
第 20.6.1 項 を参照してください。
5.2.7.10 起動時に実行するバッチ・ジョブのキュー登録
システムの起動時にバッチ・ジョブをキューに登録する場合は, SYSTARTUP_VMS.COM に,次の形式で SUBMIT コマンドを登録します。
$ SUBMIT [/ 修飾子 ,...] SYS$MANAGER: ファイル指定 |
次の例は,システムのブートのたびにコマンド・プロシージャを実行するバッチ・ジョブを登録するコマンドの例です。このジョブには高い優先順位が与えられ,ユーザが登録するどのバッチ・ジョブよりも前に実行されるようになっています。できれば,バッチ・キューを起動する前に,このように高い優先順位で起動時バッチ・ジョブを登録してください。
たとえば,次のように登録します。
$ SUBMIT/PRIORITY=255 SYS$MANAGER:SYSDISK_REBUILD |
ジョブのスケジューリングについては,
第 14.6.5.2 項 を参照してください。SUBMIT コマンドについては,『Compaq OpenVMS DCL ディクショナリ』を参照してください。
5.2.7.11 システム単位の通知の作成
通常,SYSTARTUP_VMS.COM の最後には,次のようなコマンドが入っていて,システムが立ち上り,動作していることをすべてのターミナルに通知します。
$ REPLY/ALL/BELL "OpenVMS Operating System at ANDROMEDA, INC. ready for use." |
サイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャが終了する前に,論理名 SYS$ANNOUNCE か SYS$WELCOM,またはその両方に対して,サイト別の定義を入れておくことができます。すると,ユーザがログインするたびに,SYS$ANNOUNCE または SYS$WELCOM に登録しておいたメッセージがユーザのターミナルの画面に表示されます。
SYS$ANNOUNCE を定義すれば,ユーザがログイン・プロシージャを開始したときに通知メッセージを表示することができます。メッセージが表示されるのは,ダイアルインに成功した直後か, Ctrl/Y またはキャリッジ・リターンを入力した直後です。また LAT ターミナルから CONNECT コマンドを使ってサービスに接続したときにも通知メッセージが表示されます。メッセージの長さは最高 63 文字です。63 文字より多い通知メッセージを表示したい場合は,通知メッセージをファイルに入れ,そのファイルの名前を通知メッセージの代わりに指定します。このとき,ファイル名の前にはアット・マーク (@) を付けます。
たとえば,次のコマンドを,ユーザの SYSTARTUP_VMS.COM に登録することもできます。
$ DEFINE/SYSTEM SYS$ANNOUNCE "SIRIUS OPENVMS CLUSTER AT ANDROMEDA, INC." |
次のコマンドは,ファイルの内容を表示する例です。
$ DEFINE/SYSTEM SYS$ANNOUNCE "@SYS$MANAGER:ANNOUNCE.TXT" |
SYS$ANNOUNCE が定義されていない場合,通知メッセージは表示されません。
機密保護が重要なサイトでは,システム通知で表示する情報量を制限することをおすすめします。 |
SYS$WELCOME を定義すれば,ユーザがログインしたときにウェルカム・メッセージを表示することができます。ウェルカム・メッセージが表示されるのは,ユーザから正しいパスワードが入力された直後です。メッセージの長さは最高 63 文字です。 63 文字より多いウェルカム・メッセージを表示したい場合は,ウェルカム・メッセージをファイルに入れ,そのファイルの名前をウェルカム・メッセージの代わりに指定します。このとき,ファイル名の前にはアット・マーク (@) を付けます。
たとえば,次のコマンドを,ユーザの SYSTARTUP_VMS.COM に登録することもできます。
$ DEFINE/SYSTEM SYS$WELCOME "Welcome to Node RANDOM" |
次のコマンドは,ファイルの内容を表示する例です。
$ DEFINE/SYSTEM SYS$WELCOME "@SYS$MANAGER:WELCOME.TXT" |
SYS$WELCOME が定義されていない場合,次のような標準のウェルカム・メッセージがターミナルに表示されます。
Welcome to OpenVMS Version n.n |
論理名 SYS$NODE の変換を含めることにより,このメッセージに DECnet ノード名を追加できます。 DECnet が起動すると,DECnet によって SYS$NODE に論理名が割り当てられます。
ディストリビューション・キットにテンプレートとして提供されている SYSTARTUP_VMS.COM には, SYS$ANNOUNCE と SYS$WELCOME のその他のコマンド例が入っています。
5.2.7.12 LAT プロトコル・ソフトウェアの起動とカスタマイズ
システム・ブートのたびに,ユーザのノードを LAT サービス・ノードとしてセットアップし,ユーザのシステム上で LAT プロトコル・ソフトウェアを起動するには,次の行を SYSTARTUP_VMS.COM に追加してください。
$ @SYS$STARTUP:LAT$STARTUP.COM |
このコマンドが実行されると,LAT$STARTUP.COM が起動します。その後,LAT$STARTUP.COM は,LAT$CONFIG と LAT$SYSTARTUP コマンド・プロシージャをこの順番で起動します。詳細は 第 26.5 節 を参照してください。
5.2.7.13 DECnet または TCP/IP ネットワークの起動
ネットワークを起動する前に,DECnet ライセンスを登録し,ネットワークを構成しておく必要があります。 DECnet ネットワークのセットアップについては, 第 23 章 を参照してください。
使用しているシステムが DECnet ネットワークに属している場合,システムをブートするたびに DECnet ソフトウェアの起動が必要となる場合があります。
$ @SYS$MANAGER:STARTNET.COM |
異なるネットワークを実行している場合は,そのネットワーク・プロトコルに対して適切なスタートアップ・ファイルを実行する必要があります。たとえば,一般的なネット・スタック・スタートアップには,次のようなものがあります。
@SYS$STARTUP:TCPIP$STARTUP | ! TCP/IP SERVICES |
@SYS$STARTUP:NET$STARTUP | ! DECnet-Plus |
@SYS$STARTUP:STARTNET | ! DECnet Phase IV |
DIBOL プログラムを実行するノードでは,それぞれの SYS$STARTUP:SYSTARTUP_VMS.COM の中に SYS$STARTUP:DBLSTRTUP.COM を実行する行がなければなりません。このコマンド・プロシージャは, DIBOL プログラムがメッセージの送信の媒介として使用する DIBOL メッセージ・マネージャを起動します。
SYSTARTUP_VMS.COM は,次のような行を含んでいなければなりません。
$ @SYS$STARTUP:DBLSTRTUP.COM |
省略時の設定では,システムのブート時に,ログインできる会話型ユーザ数は,64 人に制限されています。
一度にシステムにログインできる会話型ユーザ数の省略時の値を変更したい場合は,SYSTARTUP_VMS.COM に,次の形式で STARTUP$INTERACTIVE_LOGINS シンボルを定義します。
STARTUP$INTERACTIVE_LOGINS == n |
n は,一度にログインできる会話型ユーザの最大数です。
会話型ユーザの人数は, VAX または Alpha コンピュータのライセンスが許可している値で決まります。したがって,ライセンスが許可している値より大きな値を設定しても無効です。 |
会話型ユーザの最大数は,LAT ソフトウェアが OpenVMS サービス・ノードに割り当てるサービス率に影響します。LAT ソフトウェアは,最大ユーザ数に対する現在のユーザの率を使用して,サービス率を求めるからです。最大ユーザ数を大きくしすぎると,サービス率が高くなってしまいます。その結果,まるで,OpenVMS ノードのサービスに余裕があるように錯覚してしまいます。LAT ソフトウェアについては, 第 26.1 節 を参照してください。
$ STARTUP$INTERACTIVE_LOGINS == 200 |
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