Compq OpenVMS
システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル


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H.4.2.16 STATES クラス・レコード

STATES クラス・レコードは,各スケジューラ状態にあるプロセスの数を示すデータです。STATES クラス・レコードのレコード・タイプは 1,サイズは 69 バイトです。

次の図にSTATES クラス・レコードの形式を示します。

図 H-23 STATES クラス・レコードの形式


次の表にSTATES クラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Collided
Page Wait
MNR_STA$L_COLPG 競合ページ待ち状態にあるプロセスの数 (ロングワード,L)
Misc
Resource Wait
MNR_STA$L_MWAIT その他の資源待ち状態にあるプロセスの数 (ロングワード,L)
Common Event
Flag Wait
MNR_STA$L_CEF 共通イベント・フラグ待ち状態にあるプロセスの数 (ロングワード,L)
Page Fault
Wait
MNR_STA$L_PFW ページ・フォルト待ち状態にあるプロセスの数 (ロングワード,L)
Local Event Flag,
Inswapped
MNR_STA$L_LEF ローカル・イベント・フラグ待ち状態にある,スワップ・インされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Local Event Flag,
Outswapped
MNR_STA$L_LEFO ローカル・イベント・フラグ待ち状態にある,スワップ・アウトされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Hibernate
Inswapped
MNR_STA$L_HIB ハイバネート待ち状態にある,スワップ・インされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Hibernate
Outswapped
MNR_STA$L_HIBO ハイバネート待ち状態にある,スワップ・アウトされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Suspended
Inswapped
MNR_STA$L_SUSP 中断待ち状態にある,スワップ・インされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Suspended
Outswapped
MNR_STA$L_SUSPO 中断待ち状態にある,スワップ・アウトされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Free Page
Wait
MNR_STA$L_FPG 解放待ち状態にあるプロセスの数 (ロングワード,L)
Compute State
Inswapped
MNR_STA$L_COM 演算状態にある,スワップ・インされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Compute State
Outswapped
MNR_STA$L_COMO 演算状態にある,スワップ・アウトされたプロセスの数 (ロングワード,L)
Current MNR_STA$L_CUR 現在のプロセスの数 (ロングワード,L)

H.4.2.17 SYSTEM クラス・レコード

SYSTEM クラス・レコードは,システムの主要構成要素である CPU,メモリ,入出力機構の全体的動作を示すデータです。 SYSTEM クラス・レコードのレコード・タイプは 17,サイズは 49 バイトです。SYSTEM クラスを記録すると,明示的に指定していない場合でも,PROCESSES,STATES,MODES の各クラスもともに記録されます。

次の図にSYSTEM クラス・レコードの形式を示します。

図 H-24 SYSTEM クラス・レコードの形式


次の表にSYSTEM クラス・レコードのデータ・ブロック・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
CPU Busy MNR_SYS$L_BUSY システムをブートしてからすべての CPU モードで使用した 10 ミリ秒単位によるクロック・ティック数 (ロングワード,C)
Other States MNR_SYS$L_OTHSTAT LEF,LEFO,HIB,HIBO,COM,COMO,PFW,MWAIT 以外の状態にあるプロセスの数 (ロングワード,L)
Process Count MNR_SYS$L_PROCS システム内のプロセスの数 (ロングワード,L)
Page Faults MNR_SYS$L_FAULTS すべてのワーキング・セットのページ・フォルト数 (ロングワード,C)
Read I/Os MNR_SYS$L_PREADIO ディスク・ページ・フォルトの結果行われた読み込み動作の数 (ロングワード,C)
Free Page Count MNR_SYS$L_FREECNT 現在空きページリストにあるページ数 (ロングワード,L)
Modified Page Count MNR_SYS$L_MFYCNT 現在変更済みページ・リストにあるページ数 (ロングワード,L)
Direct I/Os MNR_SYS$L_DIRIO 直接入出力動作の数 (ロングワード,C)
Buffered I/Os MNR_SYS$L_BUFIO バッファード入出力動作の数 (ロングワード,C)

H.4.2.18 TIMER クラス・レコード

TIMER クラス・レコードは, OpenVMS エグゼクティブがタイマ・キュー・エントリ (TQE) を監視する際に便利なデータです。 TIMER クラス・レコードのレコード・タイプは 26,サイズは 29 バイトです。

図 H-25 に TIMER クラス・レコードの形式を示します。

図 H-25 TIMER クラス・レコードの形式


次の表に TIMER クラス・レコード・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Total TQEs MNR_TMR$L_TQE_TOTAL 1 秒間に処理された全 TQE の数
SYSUB TQEs MNR_TMR$L_TQE_SYSUB 1 秒間に処理された SYSUB TQE の数
Timer TQEs MNR_TMR$L_TQE_TIMER 1 秒間にユーザから発行されたタイマ要求の数
Wakeup TQEs MNR_TMR$L_TQE_WAKEUP 1 秒間にユーザから発行されたウェイクアップ・タイマ要求の数

H.4.2.19 TRANSACTION クラス・レコード

TRANSACTION クラス・レコードは,DECdtm トランザクション・マネージャの動作を示すデータです。 TRANSACTION クラス・レコードのレコード・タイプは 22,サイズは 69 バイトです。

次の図にTRANSACTION クラス・レコードの形式を示します。

図 H-26 TRANSACTION クラス・レコードの形式


次の表にTRANSACTIONクラス・レコード・フィールドの説明を示します。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
Starts MNR_TRA$L_STARTS 始動したトランザクション動作の数。システム・サービス $START_TRANS が正常終了した回数 (ロングワード,C)
Prepares MNR_TRA$L_PREPARES 作成されたトランザクションの数 (ロングワード,C)
One Phase Commits MNR_TRA$L_ONE_PHASE 1 フェーズのコミット・イベントを呼び出した回数 (ロングワード,C)
Commits MNR_TRA$L_COMMITS コミットしたトランザクションの数。1 フェーズ・コミットと 2 フェーズ・コミットの合計 (ロングワード,C)
Aborts MNR_TRA$L_ABORTS アボートしたトランザクションの数。計画アボートと非計画アボートの合計 (ロングワード,C)
Ends MNR_TRA$L_ENDS 終了したトランザクションの数。 $END_TRANS が正常終了した回数 (ロングワード,C)
Branches MNR_TRA$L_BRANCHS 遠隔の親に対する遠隔始動ブランチ動作の数 (ロングワード,C)
Adds MNR_TRA$L_ADDS 遠隔の下位の親に対する遠隔追加ブランチ動作の数 (ロングワード,C)
0-1 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS1 1 秒未満のトランザクションの数 (ロングワード,C)
1-2 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS2 1 〜 2 (1.99) 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
2-3 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS3 2 〜 3 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
3-4 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS4 3 〜 4 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
4-5 Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS5 4 〜 5 秒のトランザクションの数 (ロングワード,C)
5+ Transactions MNR_TRA$L_BUCKETS6 5 秒を超えるトランザクションの数 (ロングワード,C)

H.4.2.20 VBS クラス・レコード (VAXのみ)

VAXシステムにおいて,VBSクラス・レコードには仮想バランス・スロット(VBS)機構の操作に関する統計情報が格納されます。 VBSクラス・レコードは,レコード・タイプが24で,サイズは21バイトです。

次の図はVBSクラス・レコードの形式を示しています。

図 H-27 VBSクラス・レコードの形式 (VAX のみ)


次の表はVBSクラス・レコードのデータ・ブロックのフィールドを示しています。

フィールド シンボリック・オフセット 内容
VBS Faults MNR_VBS$L_VRBS_TRAN 仮想バランス・スロットから実バランス・スロットへのフォルトの数(ロングワード,C)
VBS Clock Ticks MNR_VBS$L_VCPUTICKS 仮想バランス・スロット・クロック・ティックの数 (10ミリ秒単位) (ロングワード,C)

H.4.2.21 VECTOR クラス・レコード

VECTOR クラス・レコードは,ベクタ機能付きプロセッサにベクタ使用プロセスがスケジューリングされた時間を示すデータです。 VECTOR クラス・レコードのレコード・タイプは 23 であり,サイズは,システム内のアクティブ・プロセッサの数によって異なります。すべてのプロセッサがアクティブであると仮定した場合,レコードに格納されるクラス・ヘッダ,クラス接頭辞およびデータ・ブロックを次の式で加算してサイズを求めます。


        13 + (5 * MNR_SYI$B_VPCPUS) 

次の図にVECTOR クラス・レコードの形式を示しています。

図 H-28 VECTOR クラス・レコードの形式


次の表にVECTORクラス・レコード・フィールドの説明を示します。 \VECTOR_FIELD_TAB)

フィールド シンボリック・オフセット 内容
CPU ID MNR_VEC$B_CPUID データの収集元であるプロセッサの ID (1 バイト)
Ticks MNR_VEC$L_TICKS ベクタ使用プロセスがプロセッサにスケジューリングされた 10 ミリ秒単位のクロック・ティック数 (1 ロングワード)

VECTOR クラスをサポートするため,システム情報レコードの MNR_SYI$B_VPCPUS と MNR_SYI$L_VPCONF が使用されます。これらの項目の詳細については, 付録 H.3.2 項 の表を参照してください。


付録 I
SHOW CLUSTER キーパッド・コマンド

SHOW CLUSTER には,コマンドの入力に利用できるキーパッドが用意されています。ウィンドウの追加,削除,位置変更,スクロールのほか,表示の更新間隔の変更を行えます。さらに,個々のキーの省略時の機能を再定義することにより,キーパッドをカスタマイズすることができます。

I.1 キーパッドの使用方法

省略時のキーパッドは, 図 I-1 のように定義されます。

図 I-1 SHOW CLUSTER の省略時のキーパッド


陰が付いているキーパッド・コマンドは,GOLD キーを押してからキーパッド・キーを押します。

次の表は,Show Cluster ユーティリティ (SHOW CLUSTER)で使用できるキーパッド・コマンドの一覧です。KPn は,番号 n が付いたキーパッド・キーを指します。たとえば,KP2 は,2 の番号が付いたキーパッド・キーです。キーパッド・コマンドについては, 第 19 章 のコマンドの解説でも説明しています。

コマンド キーまたは
キー・シーケンス
説明
ADD KP4 ADD コマンドで指定したフィールドまたはクラスを現在の表示に含めることによって,現在の表示を変更する。
DESELECT GOLD-ピリオド ウィンドウの選択を解除する。
GOLD PF1 続けて押すキーパッド・キーの代替機能 (キーパッド図で下側に示されている機能) を指定する。
HELP PF2 編集キーパッドの使用方法に関する情報を表示する。
INIT PF4 フィールド名,クラス名,フィールド幅に元の省略時の値を使用して表示を再設定する。
REFRESH PF3 画面表示をリフレッシュする。画面をクリアして再描画し,SHOW CLUSTER 表示の一部ではない,外部からの文字やメッセージを削除する。Ctrl/W と同じ機能。
REMOVE KP5 REMOVE コマンドで指定したフィールドまたはクラスを削除することによって,現在の表示を変更する。
SAVE KP2 現在の表示をスタートアップ初期化ファイルまたはコマンド・プロシージャにセーブする。このファイルやプロシージャを実行すれば,同じ表示を復元できる。
SELECT ピリオド スクロール対象または移動対象のウィンドウを指定する。
SET KP1 表示するカラム数,秒単位による更新間隔,矢印キーの機能,ウィンドウの自動位置決定,フィールドの特性などのオプションを変更する。
SET AUTO_POS OFF KP6 画面上におけるウィンドウの自動位置決定を禁止する。
SET AUTO_POS ON GOLD-KP6 画面上におけるウィンドウの自動位置決定を許可する。省略時の設定値。
SET FUNCTION
EDIT
ハイフン 矢印キーを再定義して行モード編集を復元する。
SET FUNCTION
MOVE
KP9 矢印キーを再定義して,ウィンドウを画面上の指定位置に移動できるようにする。たとえば,↑を MOVE UP 1,↓を MOVE DOWN 1,→を MOVE RIGHT 1,←を MOVE LEFT 1 に再定義する。
SET FUNCTION
PAN
KP7 矢印キーを再定義して,表示を視点移動できるようにする。たとえば,↑を PAN UP 1,↓を PAN DOWN 1,→を PAN RIGHT 1,←を PAN LEFT 1 に再定義する。
SET FUNCTION
SCROLL
KP8 矢印キーを再定義して,画面表示をスクロールできるようにする。たとえば,↑を SCROLL UP 1,↓を SCROLL DOWN 1,→を SCROLL RIGHT 1,←を SCROLL LEFT 1 に再定義する。
WRITE KP3 指定したファイル名または省略時の出力ファイル名 SHOW_CLUSTER.LIS に,現在の表示を出力する。


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