[ 前のページ ] [ 次のページ ] [ 目次 ] [ 索引 ]
この章で説明する一部のコマンドでは,特権が必要です。
SHOW ENTRYコマンドはすべての自分のプリント・ジョブを表示します。別のユーザのプリント・ ジョブの状態を表示するには,SHOW ENTRYコマンドにジョブ番号を指定しなければなりません。 あるいは,/USER修飾子を使用してユーザを指定しなければなりません。 ジョブ番号は,PRINTコマンドを入力したときに送信されるメッセージに表示されます。 次に示すように,SHOW QUEUE/ALLコマンドを使用すれば,指定したキューに登録されているすべてのプリント・ ジョブのジョブ番号を表示できます。
$ SHOW QUEUE/ALL PS40$A12
Printer queue PS40$A12, busy, on LEVEL::PS40, mounted form DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT) Entry Jobname Username Blocks Status ----- ------- -------- ------ ------ 304 MEMO MSMITH 5 Printing特定のプリント・ジョブに関する情報を表示するには,SHOW ENTRY/FULLコマンドを使用します。 次の例を参照してください。
$ SHOW ENTRY 304/FULL
Entry Jobname Username Blocks Status ----- ------- -------- ------ ------ 304 MEMO MSMITH 5 Printing On busy printer queue PS40$A12 Submitted 14-OCT-1999 10:41 /FORM=DCPS$DEFAULT (stock=DEFAULT) /NOTIFY /PRIORITY=100 File: _$1$DUA10:[MSMITH]MEMO.TXT;1 (printing)
DELETE/ENTRYコマンドは引数としてプリント・ジョブ番号を受け付けます。 次の例を参照してください。
$ DELETE/ENTRY=569このコマンドでは,プリント・ジョブ569が削除されます。プリント・ジョブが正しく削除されると, そのことを示すメッセージが出力されます。
プリント・ジョブが終了する方法は,DELETE/ENTRYコマンドを入力したときにプリント・ ジョブがどの状態であったかに応じて異なります。
DELETE/ENTRYコマンドを入力したときの状態 | DECprint Supervisorソフトウェアの動作 |
---|---|
プリント・ジョブが印刷を実行している場合 | 数秒後にプリント・ジョブは停止する。 プリンタはバッファに格納されているデータを印刷し, 要求されたジョブ・トレーラ・ページとジョブ・ログ・ページも印刷する。 この時点で,SHOW QUEUEコマンドはジョブの状態をAborting(強制終了)として表示する。 |
ネットワーク・プリンタとの接続を確立する前 | 印刷はまったく実行されない。 |
接続が確立された後 | ジョブ・トレーラ・ページが印刷され, プリント・ジョブを削除したことを示すメッセージも表示される。 |
ジョブ・バースト・ページまたはジョブ・フラグ・ページを印刷する前 | ジョブ・バースト・ページまたはジョブ・フラグ・ページは印刷されない。 しかし, ジョブ・トレーラ・ページとジョブ・ログ・ページを印刷するようにキューを設定した場合には, これらのページは印刷される。 |
プリント・ジョブの保留を解除し,印刷を実行するには,SET ENTRY/RELEASE コマンドを使用します。SET ENTRYコマンドにはジョブ番号を指定しなければなりません。 自分でキューに登録したプリント・ジョブの保留を解除する場合には, このコマンドを実行するために特権は必要ありません。他のユーザのプリント・ ジョブの保留を解除するには,特権が必要です。
次の例を参照してください。
$ SET ENTRY/RELEASE 569この例では,保留状態に設定されているプリント・ジョブ569が,印刷のために保留解除されます。
$ SET ENTRY/REQUEUE=POSTSCRIPT$DUPLEX 596このコマンドはジョブ596のプリント・キューを変更します。プリント・ ジョブはPOSTSCRIPT$DUPLEX キューに送信されます。
$ STOP/QUEUE/REQUEUE=POSTSCRIPT$DUPLEX POSTSCRIPT$SIMPLEXこの例では,POSTSCRIPT$SIMPLEXキューで現在印刷中のプリント・ジョブが停止され,POSTSCRIPT$DUPLEX に移動されます。POSTSCRIPT$SIMPLEXキューは停止されず, キューに登録されている次のジョブの印刷を継続します。
$ STOP/QUEUE/NEXT PRINTER$NOTABLE $ STOP/QUEUE/REQUEUE=PRINTER$ABLE PRINTER$NOTABLE $ ASSIGN/MERGE PRINTER$ABLE PRINTER$NOTABLE
$ SET ENTRY 596/PARAMETERS=PAGE_ORIENTATION=LANDSCAPEこの例は,ポートレート(縦長)方向の印刷からランドスケープ(横長)方向の印刷に印刷の方向を変更するときに役立ちます。 元のプリント・ジョブにPRINT パラメータが定義されていた場合には,SET ENTRY/PARAMETERSコマンドを使用してPRINT パラメータを変更するときに,もともと定義されていたパラメータを指定しなければなりません。PRINT パラメータを再度指定しなかった場合には,SET ENTRY コマンドに指定されていないパラメータ値に対しては, プリント・ジョブを印刷するときに省略時のパラメータ値が使用されます。
特定のキューを表示する場合はキュー名を指定します。すべてのキューを表示する場合は,SHOW QUEUE コマンドでキュー名を省略します。キューに関する情報を表示するには, 表 5-1に示すコマンドを使用します。
表示の対象 | 入力するコマンド |
---|---|
すべてのプリント・キューとバッチ・キューの名前と説明 | SHOW QUEUE |
すべてのプリント・キューの名前 | SHOW QUEUE/DEVICE=PRINTER |
すべてのキューに登録されているすべてのジョブ | SHOW QUEUE/ALL |
指定したキューに登録されているすべてのジョブ | SHOW QUEUE/ALL queue-name |
すべてのキューの属性 | SHOW QUEUE/FULL |
特定のキューの属性 | SHOW QUEUE/FULL queue-name |
STOP/QUEUE/NEXTコマンドを使用すれば,現在のプリント・ジョブが終了した後でキューを一時停止できます。 このコマンドを使用すれば,キューを一時停止する前に現在印刷中のジョブを終了できます。 次の例を参照してください。
$ STOP/QUEUE/NEXT PS$A4このコマンドは現在のジョブが印刷を終了した後,PS$A4キューを一時停止します。
現在のジョブが終了するのを待たずにキューを一時停止しなければならない場合には,STOP/QUEUE/RESET コマンドを使用します。次の例を参照してください。
$ STOP/QUEUE/RESET PS$A4このコマンドはPS$A4キューを一時停止し,印刷をただちに中止します。
STOP/QUEUE
/RESET
コマンドを実行した直後には,その装置が開放されない場合があります。
STOP/QUEUE修飾子につての詳細は,付録 A を参照してください。
たとえば,プリント・キューPS40$A15を再起動するには,次のコマンドを使用します。
$ START/QUEUE PS40$A15キューを停止したときに印刷されていたプリント・ジョブが中断された場合には, キューを再起動することにより,そのプリント・ジョブが再起動されます。
論理名DCPS$queuename_PIDは,シンビオントの起動時に定義されます。 これによりシステム管理者はどのシンビオントが特定のキューに割り当てられているかを判定することができ, 特にマルチストリーム・シンビオントを使用する場合に有用です。 第3.4.1項を参照してください。
SET QUEUEコマンドに指定できる修飾子は付録 A に示すとおりです。一部のプリント・キュー属性はSET QUEUEコマンドでは設定できません。
次のコマンドはPS$DRAFTキューに登録するプリント・ジョブを,1000ブロック以下のジョブに制限します。
$ SET QUEUE PS$DRAFT/BLOCK_LIMIT=1000SET QUEUEコマンドを実行するには,特権が必要です。また,キュー名と適切な修飾子も指定しなければなりません。
$ SET QUEUE/CLOSE PS$A4このコマンドを入力した後,PS$A4キューはクローズされ,ユーザはプリント・ ジョブをこのキューに登録できなくなります。ただし,キューに現在登録されているプリント・ ジョブは正しく実行されます。クローズしたプリント・ キューは次のコマンドを使用してオープンできます。
$ SET QUEUE/OPEN PS$A4
$ DELETE/QUEUE PS$A4
PRINTERSTALLED, Printer printer-name is stalled"Stalled"状態となる時間切れの値は次の論理名に割り当てることができます。
$ DEFINE/SYSTEM/EXECUTIVE DCPS$queuename_STALL_TIME "0 hh:mm:ss.00"ここでhh:mm:ss.00は,時間切れとなる時間を指定するOpneVMSのデルタ時間です。
ストール状態となる時間切れの値は4分に設定されています。この値は変更しないでください。
プリンタが"Stalled"状態になったことを示すメッセージを受信した場合には, 処置が必要かどうかを判断しなければなりません。"Stalled"状態を示すメッセージがネットワーク接続されたプリンタ( たとえばPrintServerプリンタ) から送信された場合には,"Stalled"状態メッセージはおそらく,ネットワーク通信が終了してから次の通信が開始されるまで長い時間が経過したことを示す可能性が高く, したがって"Stalled"状態を示すメッセージは無視してもかまいません。
しかし,"Stalled"状態を示すメッセージの後に他のプリンタ関連メッセージを受信した場合には, このように長い時間が経過する理由として別の理由が考えられます。 プリンタで紙切れが発生したか,または紙詰まりが発生した可能性があります。 したがって,プリント・キューが"Stalled"状態となった場合には,OPCOM メッセージを調べ,プリンタの状態がその前に報告されていないかどうかを確認しなければなりません。 詳細は,第11章を参照してください。
DCPSは,キューが"Stalled"状態となった理由を示す,システム全体で有効な論理名を一時的に定義することも可能です。 この論理名を調べるには,実行キューが稼動しているシステムで次のコマンドを実行します。 キューがVMScluster 上にある場合は,適当なクラスタ・メンバを使用してください。
$ SHOW LOGICAL DCPS$queuename_STALLED
キュー・マネージャは次のコマンドを使用して停止できます。
$ STOP/QUEUE/MANAGER/CLUSTERキュー・マネージャを起動できる状態になった場合には,次のコマンドを入力してください。
$ START/QUEUE/MANAGER