[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]
本章では,OpenVMSオペレーティング・システム・ソフトウェアとレイヤード製品のインストールとアップグレード, アップデートに関連する事項について説明します。 ソフトウェアのインストールとアップグレードに関しては,POLYCENTER Software Installation ユーティリティおよびVMSINSTAL.COM コマンド・プロシージャの2つの方法が使用できます。
OpenVMS VAXまたはOpenVMS Alphaオペレーティング・システムのインストールまたはアップグレードには, 最新の『Upgrade and Installation manual』を参照してください。
レイヤード製品のインストールまたはアップグレードには, POLYCENTER Software Installation ユーティリティまたはVMSINSTAL.COM コマンド・プロシージャのいずれかを使用します。 レイヤード製品は,使用する方法ごとに別々にパッケージングされています。 どちらの方法を使用するかは,レイヤード製品のドキュメントを参照してください。
この章では,次の作業について説明します。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
レイヤード製品ソフトウェアのインストール | 第3.2節 |
VMSINSTAL.COMを使用したレイヤード・ソフトウェアのインストール | 第3.3節から 第3.6節 |
POLYCENTER Software Installationユーティリティの使用 | 第3.7節から第3.10節 |
さらに,次の項目について説明します。
項目 | 参照箇所 |
---|---|
VMSINSTAL.COM | 第3.3節 |
POLYCENTER Software Installationユーティリティ | 第3.7節 |
ソフトウェアのインストールには,完全なインストール,アップグレード, アップデートがあります。この用語の意味は,次の通りです。
インストール | オペレーティング・ システムの完全に新しいバージョンをインストールする。 |
アップグレード | オペレーティング・ システムの既存のバージョンに大幅な変更を加える。 |
アップデート | オペレーティング・システムの既存のバージョンに小さな変更を加える。 |
OpenVMSオペレーティング・システムをインストール,またはアップグレードする手順について詳しくは次のドキュメントを参照ください。
レイヤード製品をインストールおよびアップグレードするには, ソフトウェア・インストレーション・コマンド・プロシージャのSYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM またはPOLYCENTER Software Installationユーティリティを使用します。各レイヤード製品のインストレーション・ マニュアルには,使用すべきプロシージャが書いてあります。
AlphaまたはVAXシステム上でレイヤード製品をインストールまたはアップグレードするには, 次の手順に従ってください。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
VMSINSTAL.COM実行にあたってのシステムの準備 | 第3.3 節 |
VMSINSTAL.COMの実行 | 第3.4節 |
システム障害からの復旧 | 第3.5節 |
VMSINSTAL.COMのオプションの選択 | 第3.6節 |
これらの節で,具体的にVMSINSTAL.COMの使用手順を説明することはない。 紹介している例は,説明のためだけのものである。個々の製品のインストール手順については, それぞれの製品 のインストレーション・ マニュアルを参照。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
POLYCENTER Software Installation ユーティリティの使用 | 第3.7節 |
ソフトウェアのインストール | 第3.8 節 |
インストールされたソフトウェアでの実行操作 | 第3.9 節 |
インストールしたソフトウェアの削除 | 第3.10節 |
この節では,VMSINSTAL.COMを使用するにあたってシステムで準備すべきガイドラインを提供します。 すべてのソフトウェア製品が,次に挙げるガイドラインのすべてを満たさなければならないというわけではありません。
VMSINSTAL.COMを使用するためには,次の処理を行っておく必要があります( 任意の順序で構いません)。
VMSINSTAL.COMは製品の古いバージョンを削除してから,新しいバージョンをインストールする。 インストール中にシステム障害が発生した場合は, システム・ディスクの作業用コピーを新たに作成して,プロシージャを再起動しなければならないことがある。
$ SET LOGINS/INTERACTIVE=0
パラメータ値を変更する必要がある場合は,MODEPARAMS.DATに"ADD_ パラメータ名"シンボルを書き加え,パラメータ値を増やす(第14.5.1.1項参照)。
AUTOGENにフィードバック指定して,正しい大きさにシステム資源を設定する( 第14.4.1項参照)。
上限値を調べるためには,AUTHORIZEユーティリティを使用して, SYSTEMアカウントのユーザ登録ファイルの現在の上限値を表示する。
次のコマンドを入力して,まずAUTHORIZEユーティリティを実行する。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN AUTHORIZE
そして,UAFプロンプト(UAF>)に対して,次のコマンドを入力する。
UAF> SHOW SYSTEM
詳細は第6.1.2項を参照。
たとえば,DIOLM上限値を100に増やす場合は,次のコマンドを入力する。
UAF> MODIFY SYSTEM/DIOLM=100
詳細は第6.1.2項を参照。
ライセンスとは,製品に必要な使用権を意味します。ライセンス管理機能(LMF) を使用すると,ソフトウェア・ライセンスオンラインで登録, 管理,および記録することができます。
PAK (製品登録キー)は,多くの弊社製品に関する情報が含まれているキーです。PAK に提供されているデータを使い,システムのライセンス・ データベースにソフトウェア・ライセンスを登録することができます。
OpenVMSオペレーティング・システムのインストール中にオペレーティング・ システムのライセンスを登録もロードもしなかった場合は,ソフトウェア製品をインストールする前に, この作業を行う必要があります。また, 必要であれば別のライセンスの登録も行います。
ローカル・ノードにのみPAKをロードする。
クラスタ全体にPAKをロードする(SYSMAN LICENSEコマンドはLMFコマンドのサブセットである) 。
VMSINSTAL.COMを使用するには,ローカル・ノードにのみライセンスをロードする必要がある。
ライセンスのロード方法については,『OpenVMS License Management Utility Manual 』を参照してください。
LICENSE MODIFYコマンドに/NO_SHARE修飾子を指定すると,ライセンス・ データベース(LDB)に登録されているPAKに NO_SHAREオプションを追加することができます。 NO_SHARE のPAKは,OpenVMS Clusterシステム内の単一ノードに割り当てられます。NO_SHARE PAK を他のOpenVMS Clusterのノードと共用することはできません。
この修飾子を使用すると,LDB内に他のPAKが既に存在するソフトウェア製品で, このPAKを使用しようとする時に生じる問題を回避できます。PAK は,同じソフトウェア製品の他のPAKとは結合しないため,LICENSE-W- NOCOMB警告メッセージが表示されます。ほとんどの場合,ライセンスは, ロードしたいノードにはロードされません。
この問題を回避するためには,次の操作を行います。
VMSINSTAL.COMを実行するにあたっては,次の事項に注意してください。
VMSINSTAL.COMを実行するには,次の形式でコマンドを入力します。
@SYS$UPDATE:VMSINSTAL product-list source: [OPTIONS option- list] [destination] [qualifiers]
$ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL CALENDAR020 MUA0:
この例はMUA0:ドライブの磁気テープに入っているCALENDAR020という名のセーブ・ セット製品CALENDARをインストールしている例です。オプションなし, 修飾子なしの最も単純なコマンドの例です。
以降の項では,VMSINSTAL.COMコマンド行で使用できる必須およびオプションのパラメータについて説明します。
パラメータ | 参照箇所 |
---|---|
製品リスト | 第3.4.1項 |
ソース | 第3.4.2項 |
オプション | 第3.4.3項 |
出力先 | 第3.4.4項 |
BACKUPコマンドの修飾子 | 第3.4.5項,第3.6.3.3項 |
インストールの終了方法については,第3.4.6項で説明します。
製品は,セーブ・セットという,複数のファイルを格納するため特別にフォーマットされたファイルに格納されています。 インストールやアップグレードでは, セーブ・セットに含まれるファイルがシステム・ ディスクに移動されます。
製品リスト・パラメータは,これからインストールする製品のリストです。 このパラメータは,レイヤード製品をインストールしたり,オペレーティング・ システムをアップデートしたりするときに使用します(アップグレード・ プロシージャを実行する場合,製品VMSnnnは1つしかリストできません) 。
製品リスト・パラメータに複数の項目を指定する場合は,それぞれの項目をコンマで区切ります。 その際,スペースを間にいれないでください。 製品リストを指定するには,次のフォーマットを使用します。
facvvu
表 3-1に,このfacvvuの形式の意味を示します。 この形式を使用すると,複数のバージョンとアップデートが入ったディストリビューション・ メディアから,その製品の特定のバージョンとアップデートをインストールすることができます。 バージョンやアップデート番号を指定しない場合は, 指定された製品のすべてのバージョンとアップデートがアルファベット順にインストールされます。
fac | 製品名コード(1文字から36 文字の英数字) |
vv | メジャー・バージョン番号(2桁) |
u | マイナー・バージョン番号(アップデート番号とも呼ばれる) (1 桁) |
ディストリビューション・キットからインストールを行う場合は,ディストリビューション・ メディアに入っている製品リストはキット内容表に記述されています。 製品リストがない場合は,DIRECTORYコマンドで確認してください。DIRECTORY コマンドを入力すると,ディストリビューション・ メディアに入っている製品が表示されます。
製品リストを表示する場合は,次の形式でコマンドを入力します。
MOUNT/OVERRIDE=ID装置:
DIRECTORY装置:[0,0]
ただし,装置はディストリビューション・メディアが装着されているドライブです。
ディスク・ディレクトリからインストールを行う場合は,次の形式のDIRECTORY コマンドでディスク・ディレクトリを指定することによって, 製品リストを表示することができます。
DIRECTORY node::device:[directory]
$ MOUNT/OVERRIDE=ID MUA0: %MOUNT-I-MOUNTED, VMS071 mounted on _MUA0: $ DIRECTORY MUA0:[0,0]
MUA0:ドライブに入っている製品を表示するDIRECTORYコマンドの例です。 表示例を次に示します。
Directory MUA0:[000,000] 000000.DIR;1 BACKUP.SYS;1 BADBLK.SYS;1 BADLOG.SYS;1 BITMAP.SYS;1 CONTIN.SYS;1 CORIMG.SYS;1 DECW071.C;1 DECW071.D;1 DECW071.E;1 DECW071.F;1 INDEXF.SYS;1 ISL_SCRIPT.ESS;1 SECURITY.SYS;1 SYS0.DIR;1 VMS071.A;1 VMS071.B;1 VMS071.C;1 VMS071.D;1 VMS071.E;1 VMS071.F;1 VOLSET.SYS;1 Total of 22 files.
$ DIRECTORY BRAVO::DUA1:[0,0]
このDIRECTORYコマンドは,ノードBRAVOのDUA1:ドライブに存在する製品を表示します。
ソース・パラメータはインストールするソフトウェア製品のソースを示し, 次のうちのいずれか1つを指定することができます。
たとえば,TK50ドライブをMUA0:ドライブとして指定することができる。
Get Save Setオプションを選択した場合は,ソースとしてディスク・ ディレクトリを指定する。このオプションについては,第3.6.3項で詳しく説明する。
ソースとして論理名を指定することもできます。ソースが省略された場合,VMSINSTAL.COM は次のプロンプトを出して,指定を求めます。
* Where will the distribution volumes be mounted:
VMSINSTAL.COMには,6つのオプションを使用することができます。表 3-2 に,この6つのオプションを示します。 各オプションについては,第3.6 節でさらに詳しく説明します。
オプション文字 | オプション名 | 説明 |
---|---|---|
A | Autoanswer | アップグレード後の製品の再インストールを簡略化するオプション。 再インストール中の問い合わせとプロンプトに対して応答する。 レイヤード製品のインストールにのみ使用。 |
AWD= | Alternate Working Device | 一時作業ディレクトリの代替作業ディレクトリの指定。レイヤード製品のインストールまたはアップデートの実行にのみ使用。 |
G | Get Save Set | 磁気テープまたはディスク・ ディレクトリへの一時的な製品セーブ・セットの格納。 時間の節約になる。レイヤード製品のインストールにのみ使用。 |
L | File Log | インストール中のファイルの動作をターミナルに記録する。 |
N | Release Notes | レイヤード製品に含まれるオンライン・リリース・ ノート・ファイルの表示またはプリント。 |
R | Alternate Root | 使用中のシステム以外のシステム・ ディスクへの製品のインストール。 |
各オプションは,VMSINSTAL.COMコマンドにおいてOPTIONSキーワードの後に指定します。OPTIONS キーワードは省略することができます。しかし, リスト形式でオプションを指定する場合は,リストの前に必ずOPTIONSを入力する必要があります。OPTIONS キーワードを入力せずにリスト形式を指定すると,VMSINSTAL.COM はエラー・メッセージを表示してインストールを中止します。 オプション・リスト・パラメータとは,必要なオプションのリストのことです。
次に,各オプションを指定する手順を示します。
複数のオプションを指定する場合は,それぞれのオプションをコンマで区切ります。 スペースを間に入れないでください。
$ @VMSINSTAL.COM NEWAID021 MTA0: OPTIONS A,N
出力先パラメータは省略することができます。省略時の設定では, システム・ディスクのシステム共通ディレクトリSYS$COMMONと見なされます。 ただし,次の2つの場合,出力先パラメータは必ず指定する必要があります。
製品は,ターゲット・システムが動作しているディスク以外のシステム・ ディスクにインストールされる。代替システム・ルートは,次の形式で指定する。
装置: [SYSn.]
装置 | 代替ルートが存在する装置 |
SYSn. | 代替システム・ ルートのトップ・レベルのディレクトリ |
定義済み論理名を代替ルートに使用することもできる。
出力先ディレクトリは,次の形式で指定する。
装置:[ディレクトリ]
装置 | 出力先のディスク・ドライブ |
ディレクトリ | 通常は, 指定したディスク上の製品セーブ・セットの保管専用ディレクトリ |
VMSINSTAL.COMコマンド・プロシージャには,セーブ・セットを出力先ディレクトリにコピーするBACKUP コマンドが含まれています。このため, VMSINSTAL.COMのGet Save SetオプションにBACKUP修飾子を指定すると, コピー操作のチェック,ログ表示,確認を行うことができます。詳細は第3.6.3項を参照してください。
インストールが終了すると,VMSINSTAL.COMは,インストールした製品の要求に従って, 次のいずれかの処理を行います。
製品のインストール終了後,アップデートしたシステム・ディスクのバックアップを取ってください。 バックアップの方法については,第10.17節で詳しく説明します。
アップデートまたはオプションのソフトウェア製品のインストール中にシステム障害が発生した場合,VMSINSTAL.COM は,システムの再ブートを行ってインストールを続行しようとします。 システム障害の発生時期によって, 次のいずれかの操作を行います。
VMSINSTAL.COMは,インストールをやり直すように指示する。
VMSINSTAL.COMは,システム・ディスクまたは破損したライブラリをバックアップ・ コピーから復元して,インストールをやり直すように指示する。
プロシージャがインストール処理の大部分を実行する。さらに,ユーザが行うべき作業が存在する場合は,VMSINSTAL.COM が指示を出す。
コマンド・プロシージャVMSINSTAL.COMは,表 3-2 で簡単に説明した6つのオプションを選択するかどうか尋ねます。 以降の節では,それら6つのオプションについて詳しく説明します。
Autoanswerオプションは,再インストール中,VMSINSTAL.COMの問い合わせとプロンプトに対して応答し, アップグレード後の再インストールを簡略化します。 アップグレード後,製品を再インストールする場合には,このオプションを利用してください。
初めて製品をインストールするときにAutoanswerオプションを使用すると,SYS$UPDATE ディレクトリにproduct.ANSの形式で応答ファイル が作成されます。ここでのproductとは,VMSINSTAL.COMの起動時に指定する製品名パラメータです。
応答ファイルには,VMSINSTAL.COMからの問い合わせとプロンプトに対する応答が記録されます。 たとえば,Autoanswerオプションを選択して,NEWAID010 という製品をインストールしたときの応答ファイル名はNEWAID010.ANS です。
製品を再インストールするときにAutoanswerオプションを選択すると, VMSINSTAL.COMは問い合わせをせずに応答ファイルを読み込みます。 Autoanswerオプションは,一般的に,オペレーティング・システムのアップグレード後に使用します。
製品を再インストールするときに新しい応答ファイルを作成する場合は, すでにある応答ファイルを削除します。
Autoanswerオプションを使用するには,次のコマンドを指定します。
$ SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM NEW$PRODUCT010 CSA1: OPTIONS A
その後,次のコマンドを実行すると,ファイルの内容を確認することができます。
$ TYPE SYS$COMMON:[SYSUPD]NEW$PRODUCT010.ANS;1 * Do you want to install the entire kit [Y]? \ * Are these selections correct [Y]? \ * Does this product have an authorization key registered and loaded? \Y * Will you allow a system shutdown after this product is installed [YES]? \ * How many minutes for system shutdown [0]: \ * Do you want to do an automatic system reboot [YES]? \ $
Alternate Working Deviceオプションを使用すると,一時作業ディレクトリ用の代替作業ディレクトリ( 論理名:VMI$KWD)を指定することができます。 代替作業ディレクトリが存在すると,通常システム・ディスクに必要とされる未使用ブロック数より少ないブロック数でも, インストールを行うことができます。
このオプションが指定されなかった場合,VMSINSTAL.COMは次の場所に一時作業ディレクトリを作成します。
SYS$SPECIFIC:[SYSUPD.facvvu]
facvvuについては,表 3-1を参照してください。
Alternate Working Deviceオプションは,次の形式で指定します。
AWD=装置: [ディレクトリ]
装置 | 代替作業装置 |
ディレクトリ | facvvuを作成するディレクトリ |
ディレクトリは省略することができます。ディレクトリを省略した場合は, 指定した装置上の[000000.facvvu]というディレクトリ指定に作業ディレクトリが作成されます。 ディレクトリを指定した場合は,指定したディレクトリ内のサブディレクトリとして作業ディレクトリが作成されます( たとえば,WORK.facvvu)。指定したディレクトリが存在しない場合は, ディレクトリは作成されません。
次の例では,代替装置DUA2に[INSTALL]という作業ディレクトリを作成しています。
$ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM NEWAID010 CSA1: OPTIONS AWD=DUA2:[INSTALL]
ディストリビューション・テープからインストールしても,コンソール・ メディアからインストールしても,製品を直接システムへインストールするのは時間がかかります。Get Save Set オプションを使用すれば,ユーザが別の作業をしている間に製品セーブ・ セットのコピーを一時的に格納するので, 時間の節約になります。つまり,アップデートなどの作業を,都合のいい時間に, しかも短時間で行うことができます。
どこかのノードに,製品のライセンスを受けたユーザしかアクセスできないディスクを用意しておきます。 このような専用のディスクに製品セーブ・ セットを格納しておけば,ライセンスを受けたユーザは,その製品セーブ・ セットに高速にアクセスできます。
Get Save Setオプションを使ってディスク・ディレクトリに製品セーブ・ セットを保管する場合は,次のコマンド構文でVMSINSTAL.COMを使用します。
@SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM 製品リスト ソース OPTIONS G -
装置: [ディレクトリ]
ディレクトリは既存のものであり,装置はマウントされている必要があります。
Get Save Setオプションしか使用しない場合は,OPTIONS Gパラメータの直後にディスク・ ディレクトリ名を入力します。Gとディスク・ディレクトリ名の間にはスペースを1 つ入れてください。たとえば,コンソール・ ドライブにあるNEWAID010という製品のセーブ・セットをディスク・ディレクトリのUSER1:[PRODUCTS] に保管する場合は,次のコマンドを入力します。
$ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM NEWAID010 CSA1: OPTIONS G USER1:[PRODUCTS]
Get Save Setオプション以外のオプションも使用する場合は,最後のオプションの後にディスク・ ディレクトリ名を入力します。この場合も,最後のオプションとディスク・ ディレクトリ名の間にはスペースを1つ入れます。 たとえば,次のようなコマンドを入力します。
$ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM NEWAID010 CSA1: OPTIONS G,N USER1:[PRODUCTS]
VMSINSTAL.COMは,製品セーブ・セットを保管するためのファイルを指定されたディスク・ ディレクトリに作成します。次に,セーブ・セットのファイル名の形式を示します。
facvvu.x
facvvuの意味については,表 3-1を参照してください。 ファイル名拡張子(x)は次の意味を持ちます。
x | セーブ・セット・ファイルを特定するための文字型ファイル・ タイプ。Aが最初のセーブ・セット,Bが2番目,C が3番目など。 |
システムに製品をインストールするためには,次のコマンド形式でVMSINSTAL.COM を起動します。
@SYS$UPDATE:VMSINSTAL.COM 製品リスト 装置: [ディレクトリ]
次の例では,NEWAID010という製品をインストールしています。
$ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL NEWAID010 USER1:[PRODUCTS]
VMSINSTAL.COMが,システム・ディスクにNEWAID製品をインストールします。
Get Save Setオプションを使用すると,/VERIFY, /LOG, /CONFIRMという3 つのBACKUPコマンド修飾子を指定することができます。修飾子は,Get Save Setオプション(G)のパラメータとして渡されるので,二重引用符で囲みます。VMSINSTAL は,このパラメータをVMSINSTAL内のBACKUPコマンドに渡します。 次の例には,Get Save SetオプションとBACKUP修飾子が含まれています。
$ @SYS$UPDATE:VMSINSTAL TEST042 DUA0:[KITS] OPTIONS G DUB0:[KITS] - _$ "VERIFY/LOG/CONFIRM"
この例に示した修飾子について,次の表で説明します。
修飾子 | 説明 |
---|---|
/VERIFY | 保存,復元,またはコピーの処理が終了した後, 出力指定子の内容を入力指定子の内容と比較する。ファイルが正しく比較できなければ, そのことを通知するエラー・メッセージが表示される。 |
/LOG | 処理された各ファイルのファイル指定を, 操作中にターミナルに表示する。省略時の設定は/NOLOG 。 |
/CONFIRM | 各ファイルを処理する前に,ターミナルにプロンプトを表示する。 ファイルを処理する場合にはYまたはYESを入力してReturnキーを押す。 Returnキーを押すだけというように,他の応答をすると,NOと解釈される。 |
BACKUPコマンドとその修飾子についての詳細は,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。
File Logオプションは,インストール中のファイルのすべての動作をターミナルに記録します。 ファイル関連の活動状況とは,新規ファイルの作成, ライブラリの更新,ファイルの削除などのファイルの処理に関係する動作のことです。
Release Notesオプションは,レイヤード製品とOpenVMSアップデート・プロシージャに添付されているオンライン・ リリース・ノート・ファイルの内容を表示またはプリントします。
リリース・ノート・ファイルで使用できる形式は, facvvu.release_notesです。ここで, facvvuは製品名コード,バージョン,そしてアップデート番号を表します( 表 3-1を参照)。たとえば,NEWAID010.RELEASE_NOTES という形式を使用します。
リリース・ノートが用意されていて,Nオプションが指定された場合, VMSINSTAL.COMは次の問い合わせを行います(大括弧内は省略時の応答です) 。
Release notes included with this kit are always copied to SYS$HELP. Additional Release Notes Options: 1. Display release notes 2. Print release notes 3. Both 1 and 2 4. None of the above. 【1】 *Select option [2]: 【2】 *Queue name [SYS$PRINT]: 【3】 *Do you want to continue the installation [N]:
次に,上記の例の番号の付いたプロンプトについて説明します。
製品にリリース・ノートが用意されていない場合,VMSINSTAL.COMは 2つのエラー・ メッセージを出し,インストールを継続するか,終了するか問い合わせる。
%VMSINSTAL.COM-W-NOFILE, New File facvvu.RELEASE_NOTES does not exist. %VMSINSTAL.COM-W-NORELNOTE, unable to locate release notes. *Do you want to continue the installation [N]:
リリース・ノートの有無に関係なく,インストールを継続したい場合は, Y (YES)を入力してReturnを押す。
Alternate Rootオプションを使用すれば,使用中のシステム以外のシステム・ ディスクに製品をインストールすることができます。これは,システムの現在の動作を中断せずにレイヤード製品をテストしたい場合などに有用です。
代替ルート(Alternate Root)のVMSオペレーティング・システムが完全なものである必要があります。 また動作中のシステムと同じバージョンまたはアップデート・ レベルであることが必要です。製品のインストールで参照されるすべてのファイルとソフトウェア製品が代替ルートに存在する必要があります。
既存のシステム・ディスクの代替ルートに製品をインストールすることはできません。
Rオプションを指定すると,代替ルートに製品がインストールされます。 しかし,代替ルートにアカウントを作成したり,代替ルートからシステムを再ブートしたりすることはできません。
AlphaまたはVAXシステム上で,レイヤード・ソフトウェア製品のインストール, 削除,および管理を行うために,POLYCENTER Software Installationユーティリティを使用します。 システム要件,インストール・オプション,およびインストール中の製品からの問い合わせに対する応答のような, ソフトウェア製品に関する情報も保存できます。
POLYCENTER Software Installationユーティリティの操作は,DCLプロンプトから実行します。 次のコマンド形式で各操作を実行します。
$ PRODUCT サブコマンド 製品名[/修飾子1,...]
たとえば,COBOLのバージョン2.2やFORTRANの最新バージョンをインストールするには, 次のコマンドを入力します。
$ PRODUCT INSTALL COBOL/VERSION=2.2,FORTRAN <Return> The following products have been selected: DEC AXPVMS COBOL V2.2 Layered Product DEC AXPVMS FORTRAN V7.0 Layered Product Do you want to continue? [YES] <Return>
インストールについては,第3.8節で説明します。
PRODUCTコマンドは,DCLプロンプト($)からでも,DCLコマンド・プロシージャでも入力できます。 サブコマンドの構文については,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。
POLYCENTER Software Installationユーティリティをバッチ・ジョブとして実行する方法については, 第3.8.6 項を参照してください。
POLYCENTER Software Installationユーティリティで実行可能なDCLコマンドとその説明を, 表 3-3に示します。
DCLコマンド | 説明 |
---|---|
PRODUCT CONFIGURE | 製品構成ファイル(PCF)を作成する。 |
PRODUCT COPY | ソフトウェア製品キットをコピーする,または他の形式に変換する。 |
PRODUCT EXTRACT FILE | 順編成形式で記録されたソフトウェア製品キットからファイルを取り出す。 |
PRODUCT EXTRACT PDF | 順編成形式で記録されたソフトウェア製品キットから,製品記述ファイル(PDF) を取り出す。 |
PRODUCT EXTRACT PTF | 順編成形式で記録されたソフトウェア製品キットから, 製品テキスト・ファイル(PTF)を取り出す。 |
PRODUCT EXTRACT RELEASE_NOTES | 選択した製品のリリース・ ノートを取り出す。 |
PRODUCT FIND | 指定したディレクトリ内で検出された製品キットの名前を表示する。 |
PRODUCT INSTALL | ソフトウェア製品をインストールし,製品データベースをアップデートする。 |
PRODUCT LIST | 順編成形式で記録された,指定したソフトウェア製品キットに含まれるファイルをリストする。 |
PRODUCT PACKAGE | ソフトウェア製品キットを作成する。 |
PRODUCT RECONFIGURE | インストールされた製品の構成の選択を変更し,製品データベースをアップデートする。 |
PRODUCT REGISTER PRODUCT | 製品データベースに製品情報を記録する。 |
PRODUCT REGISTER VOLUME | インストールされた製品を含むボリュームについて,ボリューム・ ラベルの変更を記録する。 |
PRODUCT REMOVE | システムおよび製品データベースから,製品を削除する。 |
PRODUCT SHOW HISTORY | ソフトウェア製品上で実行された操作について,実行された時間順に表示する。 |
PRODUCT SHOW OBJECT | ソフトウェア製品のインストール時に作成されたオブジェクトに関する情報を表示する。 |
PRODUCT SHOW PRODUCT | インストールされた製品に関する情報を表示する。 |
PRODUCT SHOW UTILITY | POLYCENTERソフトウェア・インストール・ユーティリティに関する情報を表示する。 |
POLYCENTER Software Installationユーティリティで実行する操作の中には, 表 3-4に示すように特定の特権が必要となるものがあります。
操作 | 必要な特権 |
---|---|
COPY,EXTRACT,FIND,LIST,PACKAGE | なし |
CONFIGURE,SHOW | SYSLCK |
REGISTER | SYSLCKおよびSYSPRV (またはシステムUIC) |
INSTALL,RECONFIGURE,REMOVE | SYSLCK, SYSPRV (またはシステムUIC),TMPMBX,およびCMKRNL |
実際にインストールしているキットから実行するコマンドについては,さらに別の特権が必要となる場合がありますので注意してください。 その特権については, 製品キットに付属のインストレーション・ガイドで確認してください。
POLYCENTER Software Installationユーティリティでは,次のファイルを使用します。
このファイルは,ソフトウェア・メーカから提供される。これには, POLYCENTER Software Installationユーティリティが1つまたは複数のソフトウェア製品をインストールするのに必要な情報がすべて含まれている。PDF には,製品が提供する構成の選択肢,省略時の選択,製品の要件( 最小のハードウェア構成やシステム・パラメータ値など)のリストが含まれる。
このファイルは,ソフトウェア・メーカからオプションとして提供される。 このファイルには,製品名,製作者(producer),構成の選択肢の記述, 製品のインストール中に使用されるメッセージ・テキストなどの, 製品に関する情報が含まれる。
オプションのファイル。ソフトウェア・メーカから提供されることもあれば,CONFIGURE 操作で作成することもできる。PCFには,製品に対するインストールの問い合わせの一部または全部に対する応答が含まれる。 省略時の選択や必要な選択を提供することもでき,これは,PDF の省略時の選択肢と異なることがある。
このファイルは,POLYCENTER Software Installationユーティリティで自動的に作成される。製品がインストールされると, ディレクトリやアカウントのような,製品を構成するファイルやその他のオブジェクトが,PDB に記録される。インストール中に行った構成の選択も記録される。
PDBにアクセスして,インストールされている製品や,製品間の依存状態を表示することができる。 各製品を構成するファイルやその他のオブジェクト, あるいはインストールやアップグレードの履歴をリストすることもできる。
POLYCENTER Software Installationユーティリティに準拠したソフトウェア製品は, 次のいずれかの形式で提供されます。
この形式では,PDF,PTF,および製品を構成するすべてのファイルは,1 つのコンテナ・ファイルにパッケージングされる。このコンテナ・ ファイルは,コンパクト・ディスクのようなランダム・アクセス・ デバイスに入れることも,磁気テープのような順次アクセス装置に入れることもできる。 ほとんどのレイヤード製品は,順次コピー形式で提供される。
この形式では,製品記述ファイルと,製品を構成する全ファイルが, ランダム・アクセス・デバイスのディレクトリ・ツリーに格納されている。OpenVMS はCD-ROM上の参照コピー形式で提供される。
順次コピー形式でパッケージングされたソフトウェア製品キットには,次の形式で命名されたコンテナ・ ファイルがあります。
producer-base-product-version-kit_type.PCSI
参照コピー形式でパッケージングされたソフトウェア製品キットには,ルート・ ディレクトリに次の形式で命名された製品記述ファイルがあります。
producer-base-product-version-kit_type.PCSI$DESCRIPTION
各サブフィールドはハイフンで区切られ,次のように定義されます。
値 | タイプ | 説明 |
---|---|---|
1 | フル | レイヤード製品( アプリケーション)ソフトウェア。 |
2 | オペレーティング・システム | オペレーティング・ システム・ソフトウェア。 |
3 | 一部 | 置き換えまたは新しいファイルの提供による, 現在インストールされているソフトウェアへのアップグレード。 このキットのインストールによって製品のバージョンが変わる。 |
4 | パッチ | 置き換えまたは新しいファイルの提供による,現在インストールされているソフトウェアへの修正。 このキットをインストールしても製品のバージョンは変わらない。 |
5 | プラットフォーム | ソフトウェア製品(製品群)の統合された集合。 |
6 | 遷移 | VMSINSTALまたは他のメカニズムによってすでにインストールされている製品を (POLYCENTER Software Installation データベースに) 登録するために使用する製品情報。このキットには,PDF と(オプションの) PTFだけが含まれる。製品のそれ以外の部分は提供しない。 |
7 | 必須アップデート | 置き換えまたは新しいファイルの提供による,現在インストールされているソフトウェアへの必須修正。 このキットをインストールしても製品のバージョンは変わらない。 機能的にはパッチ・キットと同一。 |
ソフトウェア製品キットのバージョンはtmmnn-ue形式です。この形式について, 表 3-6で説明します。
t | バージョンのタイプ(アルファベットの大文字1 文字)。 |
mm | メジャー・ バージョン番号(01から99までの10進整数)。 |
nn | マイナー・バージョン番号(00から99までの10 進整数)。 |
- | ハイフンは必ず必要。 アップデート・レベル(u)と保守編集レベル(e)の両方を省略する場合, バージョンはハイフンで終わり,ファイル名には, キット・タイプの前にハイフンを2つ(- -)付ける。 |
u | アップデート・レベル(1から999 までの10進整数)。このレベルはオプション。 |
e | 保守編集レベル(アルファベットで始まる1文字以上の英数字) 。このレベルはオプション。 |
次の表に,この形式の使用例を示します。
例 | 説明 |
---|---|
V6.1 | この例の意味は次のとおり。
バージョンのタイプ: V メジャー・バージョン番号: 06 マイナー・バージョン番号: 01 アップデート・レベル: 0 (暗黙に指定) 保守編集レベルなし |
V6.1-1H2 | この例の意味は次のとおり。
バージョンのタイプ: V メジャー・バージョン番号: 06 マイナー・バージョン番号: 01 アップデート・レベル: 1 保守編集レベル: H2 |
T6.2-FT2 | この例の意味は次のとおり。
バージョンのタイプ: T メジャー・バージョン番号: 06 マイナー・バージョン番号: 02 アップデート・レベル: 0 (暗黙に指定) 保守編集レベル: FT2 |
次の例は,1つの順次コピー形式キットと2つの参照コピー形式キットの命名方法を示しています。
DEC-VAXVMS-SOFTWIN-V0101--1.PCSI
この形式は,producerがDEC (Digital),baseがVAXVMS (OpenVMS VAX),productがSOFTWIN,versionがV1.1であることを示している。 バージョンのタイプはVであり,メジャー・バージョン番号およびマイナー・ バージョン番号はそれぞれ1。アップデート・ レベルおよび保守編集レベルはない。kit_typeは1 (フル) 。
DEC-AXPVMS-VMS-V0601-1H2-2.PCSI$DESCRIPTION
この形式は,producerがDEC (Digital),baseがAXPVMS (OpenVMS Alpha),productがOpenVMS,versionがV6.1- 1H2であることを示している。バージョンのタイプはVであり,メジャー・ バージョン番号は6,マイナー・バージョン番号は1,アップデート・ レベルは1,保守編集レベルはH2。kit_typeは2 (オペレーティング・ システム)。
DEC-AXPVMS-VMS-T0700-FT2-2.PCSI$DESCRIPTION
この形式は,producerがDEC (Digital),baseがAXPVMS (OpenVMS Alpha),productがOpenVMS,versionがV7.0- FT2であることを示している。バージョンのタイプはTであり,メジャー・ バージョン番号は7,マイナー・バージョン番号は0。ハイフンの後の最初の文字が数字ではないので, アップデート・レベルはない。 保守編集レベルはFT2であり,kit_typeは2 (オペレーティング・ システム)である。
PCFは,インストール前,またはインストール中に作成することができます。 製品ごとに複数のPCFを作成すると,ハードウェアの構成が独特であったり, 同一グループ内で使用パターンが異なる場合に,それぞれに応じてソフトウェアのインストールをカスタマイズすることができます。
PCFが存在し,PCFに構成の選択に対する応答が含まれている場合には,その選択に対する省略時の値はPCF で設定されます。PCFは,選択を変更できるかどうかや, その選択が必須かどうかを指定します。
PCFが存在しない,またはPCFに構成の選択に対する応答が含まれていない場合には, 省略時の選択は次のいずれかで設定されます。
PCFをカスタマイズするには,次のオプションを使用できます。
(現在の省略時の値ではなく)問い合わせに対する応答をPCFに保存するよう指定することができる。
インストール中にPCFを作成する場合,問い合わせに応答しても,その応答をPCF に記録しないように指定することができる。これは,単一のシステムまたは1 回のインストールだけに限られた問い合わせに応答する場合に役立つ。
たとえば,インストールするシステムごとに,そのシステムに関して特定の応答が有効かどうか, インストールする人に確認してほしい場合がある。
PCFの作成時に問い合わせを据え置かなければ,PCFに記録された応答は, その後のインストール時にも使用される。インストールする人に情報を入力するよう求めない。 これによって,実際のインストール手順が短くなり, 複雑さが解消される。
PCFを作成するには,次のように,PRODUCT CONFIGUREコマンドを使用します。
$ PRODUCT CONFIGURE CHESSMASTER
POLYCENTER Software Installationユーティリティは,ユーザの現在の省略時のディレクトリにPCF を作成します。省略時のPCFは, DEFAULT.PCSI$CONFIGURATIONという名前になります。省略時のファイル名またはディレクトリを変更する場合には,/CONFIGURATION=OUTPUT 修飾子を使用します。 次の節の例を参照してください。
PCFを定義すると,POLYCENTER Software Installationユーティリティから製品に関する問い合わせがあります。 問い合わせに応答し,2つの定義済みファンクション・ キーを使用することにより,PCFに応答を記録するかどうかと, 記録する場合には,その記録方法を決定します。次の表は, 応答によるPCFの構成方法を示しています。
キー | POLYCENTER Software Installation ユーティリティによる動作 |
---|---|
<Return> | 省略時の値,または現在の操作やPCFのエントリに対して明示的に入力された選択を受け付けた後,
次の選択に進む。
Deferオプションが有効であれば,将来のインストールまたはアップグレードでPCF が使用される時,このエントリを変更することができる。 Deferオプションが無効なら,将来のインストールまたはアップグレードでPCF が使用される時,このエントリを変更することはできない。 Writeオプションが有効であれば,将来のインストールまたはアップグレードでPCF が使用される時,Deferオプションを含めてこのエントリがPCF に書き込まれて使用される。 Writeオプションが無効なら,将来のインストールまたはアップグレードでPCF が使用される時,Deferオプションを含めてこのエントリはPCF に書き込まれず,使用されない。この場合,将来のインストールまたはアップグレードのための省略時の設定は,PDF またはPDBで設定される。 |
<F17> | Deferオプションを切り換える。 省略時には,Deferオプションは無効。 |
<F18> | Writeオプションを切り換える。 省略時には,Writeオプションは有効。 |
応答するごとに,Returnキーを押してください。
例 3-1は,PCFにおけるF17キーとF18 キーの使用方法を示しています。ただし,これは単なる例であり,必ずしも製品の実際のPCF を表しているわけではありません。
$ PRODUCT CONFIGURE VMS/SOURCE=SYS$SYSDEVICE:[VMS$COMMON]/LOG - _$ /CONFIGURATION=(OUTPUT=MYPCF)<Return> The following product has been selected: DEC AXPVMS VMS V7.2 [Available] Do you want to continue [YES] <Return> Configuration phase starting ... You will be asked to choose options, if any, for each selected product and for any products that may be installed to satisfy software dependency requirements. *** DEC AXPVMS VMS V7.2: OpenVMS Operating System Copyright 0 1998 Compaq Computer Corporation) Compaq Computer Corporation Do you want the defaults for all options? [YES] N <Return> 【1】 Accounting Log Report Generator Utility [YES] <F17> 【2】 %PCSIUI-I-DEFER, that item has been deferred; please set the default value Accounting Log Report Generator Utility [YES] <F17> 【3】 %PCSIUI-I-UNDEFER, that item is no longer deferred; please set the value Accounting Log Report Generator Utility [YES] <F17> 【3】 %PCSIUI-I-DEFER, that item has been deferred; please set the default value. Accounting Log Report Generator Utility [YES] <Return> 【4】 Access Control List Utilities [YES] <F18> 【5】 %PCSIUI-I-UNWRITE, that item will not be written to configuration file; please set the value. Access Control List Utilities [YES] <Return> 【6】 Print and Batch Queue Utilities [YES] NO 【7】 DECdtm Distributed Transaction Manager [YES] <Return> 【8】 Do you want the defaults for all suboptions? [YES] NO . . . Programming Support [YES] <Return> Do you want the defaults for all suboptions? [YES] NO . . . Do you want to review the options ?[NO] <Return> 【9】 %PCSI-I-WRICON, writing configuration file SYS$SYSDEVICE:[VMS$COMMON]MYPCF.PCSI$CONFIGURATION;1 【10】 %PCSIUI-I-SUCCONFIG, CONFIGURE operation completed successfully $
上記の例中の数字の箇所では,それぞれ次の操作が行われます。
1つのDCLコマンドを使用して複数の製品をインストールまたは構成し,応答をPCF に書き込んだ場合には,インストールまたは構成された全製品の情報が1 つのPCFに格納されます。各製品の構成値を別々のPCFに格納するには, それぞれの製品グループのインストールまたは構成を別々の操作として行ってください。
DCLを使用して既存のファイルを変更できます。変更するPCFの名前と, 作成するPCFの名前を指定します。PRODUCT CONFIGUREコマンド行の/CONFIGURATION 修飾子に,INPUTキーワードとOUTPUTキーワードの両方を指定します。 たとえば,PRODUCTA_REV1.DATファイルの省略時の値を読み込み, このファイルに変更を加え,変更したファイルをPRODUCTA_ REV2.DATに保存すると,出力ファイルは次のようになります。
$ PRODUCT CONFIGURE - _$ /CONFIGURATION=(INPUT=PRODUCTA_REV1.DAT,OUTPUT=PRODUCTA_REV2.DAT) - _$ PRODUCTA
POLYCENTER Software Installationユーティリティは, 製品のインストール,構成の選択,製品データベース内で製品を構成するファイルやディレクトリなどのオブジェクトに関する情報を自動的に格納します。 製品データベースは,システムにインストールした製品の情報を確認する時や, 製品の依存状態を検出して追跡したい時に役立ちます。
POLYCENTER Software Installationユーティリティは自動的に製品情報を格納しますが, システム管理者が独自の情報を追加することもできます。 作業を実行した時,その作業に関する情報と一緒に,注釈,つまり製品データベースに記録するコメントを含めることができます。
製品データベースに注釈を追加するには,次のいずれかのDCLコマンドに/REMARK 修飾子を指定します。
これらのコマンドと/REMARK修飾子については,『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照してください。
POLYCENTER Software Installationユーティリティ以外のツールでインストールされた製品を登録するには,PRODUCT REGISTER PRODUCT コマンドを入力します。 このコマンドは,PDFで提供された情報を記録します。次のように入力してください。
$ PRODUCT REGISTER PRODUCT TOOLCHEST
登録したい製品のPDFがない場合は,次のコマンドを入力します。
$ @SYS$UPDATE:PCSI$REGISTER_PRODUCT.COM
このコマンドを入力すると,製品名,バージョン,製作者(producer)の入力を要求されます。 たとえば,弊社の製品の"製作者"は"DEC"です。プロシージャは, この情報を使用して一時的な最小限のPDFを作成します。次に,PRODUCT REGISTER PRODUCT コマンドを実行して製品を登録し,一時PDF を削除します。
PCSI$REGISTER_PRODUCT.COMは最小限のPDFだけを作成するため, POLYCENTER Software Installationユーティリティのデータベースに製品の全情報を登録することはできません。 このため,製品のPDFが使用できる場合は, それを使用してください。
"遷移"PDFは,PRODUCT REGISTER PRODUCTコマンド専用に作成されていますが," 完全"PDFや"オペレーティング・システム"PDFも登録できます。
他のソフトウェア製品に依存しなければ,正常に動作しないソフトウェア製品もあります。 たとえば,ある製品は,別の製品の特定のバージョンがシステムにインストールされている場合にかぎり動作します。POLYCENTER Software Installation ユーティリティは, インストールした製品のこのような依存状態を検出して追跡します。POLYCENTER Software Installation ユーティリティは, 複数の製品の要件を満たそうとすることもあります。場合によって,POLYCENTER Software Installation ユーティリティが製品の依存問題を解決できないことがあります。そのような場合には,POLYCENTER Software Installation ユーティリティが矛盾点をフィードバックをして, 処理の進め方の決定をシステム管理者に依頼します。
ソフトウェア製品の基本的なインストール手順は,次の通りです。
ソフトウェアをインストールする前に,次の作業を行います。
なお,キットが使用可能な場合は,POLYCENTER Software Installationユーティリティがこの作業を自動的に行う。
多くの操作で,ソフトウェア・キットの存在する位置とソフトウェアをインストールする位置を指定する必要があります。 この位置を指定するには, 次の2つの方法があります。
論理名を定義してから,/SOURCE修飾子と/DESTINATION修飾子を使って, これを上書きすることもできます。
論理名PCSI$SOURCEは,インストールするソフトウェア・キットの位置を定義します。 論理名PCSI$DESTINATIONは,ソフトウェアをインストールする位置を定義します。 たとえば,DISK1:[KITS]に置かれているソフトウェアを DISK2:[APPLICATIONS] にインストールする場合は,次のコマンドを使用します。
$ DEFINE PCSI$SOURCE DISK1:[KITS] $ DEFINE PCSI$DESTINATION DISK2:[APPLICATIONS]
別のソースやインストール先を指定するには,/SOURCE修飾子および/DESTINATION 修飾子を使用すれば論理名定義を上書きできます。
PCSI$DESTINATIONが定義されていない場合,ソフトウェア製品はSYS$COMMON:[VMS$COMMON] とその下のディレクトリにインストールされます。
必要なソフトウェアがあればインストールし,必要な作業があれば実行します。 この情報は,ソフトウェア製品のインストレーション・ガイドやリリース・ ノートに記載されています。
なお,キットが使用可能な場合は,POLYCENTER Software Installationユーティリティがこの作業を自動的に行います。
インストール後の手順があるかどうか確認してください。この情報もソフトウェア製品のインストレーション・ ガイドやリリース・ノートに記載されています。
製品のリリース・ノートを読むには,リリース・ノートをファイルとして抜き出します。 たとえば,CMS製品のリリース・ノートをテキスト・ファイルにコピーするには, 次のコマンドのいずれかを使用します。
$ PRODUCT EXTRACT RELEASE_NOTES CMS/FILE=CMS_RELNOTES.TXT $ PRODUCT EXTRACT RELEASE_NOTES CMS/SOURCE=WORK_DISK:[KITS]/FILE=CMS_RELNOTES.TXT
ファイル名を指定しなければ,リリース・ノートは,現在のディレクトリにDEFAULT.PCSI$RELEASE_NOTES というファイル名で書き込まれます。POLYCENTER Software Installationユーティリティを使用してソフトウェア製品のリリース・ ノートを抜き出す前に, そのソフトウェア製品をインストールする必要はありません。
インストールを開始するには,次のように,PRODUCT INSTALLコマンドを入力します。
$ PRODUCT INSTALL CMS
一度に複数の製品をインストールする場合には,製品名をコンマで区切って入力します。 製品名には,次のように,アスタリスク(*)のワイルドカード文字を使用することができます。
$ PRODUCT INSTALL CMS/VERSION=3.4,LSE,COB*/VERSION=5.0
表 3-7に,コマンド修飾子で制御できる機能をいくつか示します。 完全なリストについては『OpenVMSシステム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』とオンライン・ヘルプを参照してください。
機能 | 修飾子 |
---|---|
PCF で応答を提供する | /CONFIGURATION=INPUT=pcf 名 |
新しいPCFを作成する | /CONFIGURATION=OUTPUT=pcf名[1] |
ファイルのインストール位置を指定する | /DESTINATION=位置 |
製品の全インストール・ オプションに関する完全な説明と情報を表示する | /HELP |
ターミナルにログ・メッセージを表示する | /LOG |
製品データベースに注釈を含める | /REMARK |
ディストリビューション・キットの位置を指定する | /SOURCE |
構成変数を指定する | /CONFIGURATION=キーワード[2] |
一時ファイルの作業領域を指定する | /WORK=装置 |
[1] PRODUCT INSTALLコマンドを使用する場合,F17 (defer)キーとF18 (write) キーはまったく効果がない。 [2] currentとproducerのいずれかである。詳細は『OpenVMS システム管理ユーティリティ・ リファレンス・マニュアル』を参照。 |
第3.7.4項で,製品のインストール前にPCFを作成する方法について説明しています。 インストール中にこの既存のPCF を使用するには,PRODUCT INSTALLコマンド行に/CONFIGURATION=INPUT 修飾子を指定します。たとえば,CMSをインストールして,DEC-VAXVMS- CMS.PCSI$CONFIGURATIONという名前のPCFに記録されている構成の選択を使用するには, 次のように入力します。
$ PRODUCT INSTALL/CONFIGURATION=INPUT=DEC-VAXVMS-CMS.PCSI$CONFIGURATION - _$ CMS/VERSION=3.4
インストール前にPCFを作成していない場合には,インストール中に作成します。 次のように,PRODUCT INSTALLコマンド行に/CONFIGURATION=OUTPUT= pcf名 修飾子を指定します。
$ PRODUCT INSTALL/CONFIGURATION=OUTPUT=CMSV3.DAT CMS/VERSION=3.0
CMSバージョン3.0のオプションに関する問い合わせに応答すると,その応答は, 現在の省略時ディレクトリで,CMSV3.DATという名前のPCFに記録されます。
製品構成ファイルについての詳細は,第3.7.1 項および第3.7.4項を参照してください。
インストール中に,製品のオプションに関する完全な説明や,任意の個々の質問に対する説明を要求することができます。1 つの質問または質問のサブセット全体に対して, 省略時の値を使用することもできます。
製品の全オプションに関する完全な説明と情報を要求するには,PRODUCT INSTALLコマンドに/HELP修飾子を指定します。個々の質問についてのヘルプを要求するには, 質問に対する応答としてHelpキーまたはPF2を押します。POLYCENTER Software Installation ユーティリティは,(ある場合には) 説明を表示し,そのオプションに必要なディスクとメモリ要件の要約を表示します。
次はHelpキーを使用した例です。
$ PRODUCT INSTALL UCX . . . Optional example files may be installed... [YES] <Help> The example files include client server programming examples. Block Size - Total: 507 Optional: 0 Required: 507 Global Pages - Total: 0 Optional: 0 Required: 0 Global Sections - Total: 0 Optional: 0 Required: 0 Optional example files may be installed... [YES] <Return> . . .
情報量は製品によって異なり,情報が提供されない製品もあります。
省略時の応答は,次の3つのいずれかから設定されます。
入力PCFを指定し,それにオプションに対する応答が含まれている場合は, そのPCFからの省略時の応答が使用されます。PCFのエントリによっては, 省略時の応答を変更できるものとできないものがあります。
入力PCFがないか,あるいは入力PCFにオプションに対する応答が含まれて いない場合には,PDBまたはPDFから省略時の応答が設定されます。PDB が存在し,オプションを含んでいる場合は,そのPDBから省略時の応答が設定されます。PDB が存在しない(新しいインストール)か,オプションを含んでいない( 新しいオプション)場合には,PDFから省略時の応答が設定されます。 省略時の応答は,PDBからのものでもPDFからのものでも変更できます。
オプションに応答するには,Returnキーを押して省略時の応答を使用するか, あるいは自分の応答を入力してからReturnキーを押します。
質問またはオプションのサブセットを含む製品もあります。インストレーション・ プロシージャで,サブセット全体に対する省略時の値を使用する か,あるいはサブセットの各オプションに応答するかを選択することができます。
サブオプションのあるオプションを選択すると,POLYCENTER Software Installationユーティリティは次のように聞いてきます。
Do you want the defaults for all options? [YES]
YESと応答すると,それより下位の項目については聞いてきません。代わりにユーティリティが, その下位項目に対して省略時の値を使用します。 NOと答えると,ユーティリティは下位の各項目について聞いてきます。
製品のオプションに関する質問に応答した後,POLYCENTER Software Installationユーティリティは応答の要約を表示することができます。次に例を示します。
Do you want to review the options? [YES] <Return> DEC TCP/IP Services for OpenVMS Optional example files may be installed...: NO Optional NFS files may be installed...: NO Optional applications may be installed...: YES
その後,POLYCENTER Software Installationユーティリティは,次プロンプトを表示します。
Are you satisfied with these options? [YES] <Return>
応答が意図したものと異なる場合はNoと答えてください。その場合には, 応答を入力し直すか,インストール・プロシージャを終了させます。
Do you want to change any options? [YES] NO <Return> %PCSIUI-I-USERABORT, operation terminated by user
この質問にNoと答えると,インストール・プロシージャは終了します。製品はインストールされず, システムは変更されません。
DCLヘルプ・テキストをアップデートするレイヤード製品をインストールする場合,PRODUCT INSTALL コマンドは,DCLヘルプ・ライブラリ・ファイル SYS$HELP:HELPLIB.HLB に排他的にアクセスする必要があります。たとえば, インストール作業によってヘルプ・ライブラリのアップデードが行われている最中にユーザが HELP にアクセスした場合,メッセージがいくつか表示されて, いくつかの質問に回答するよう要求されます。そのメッセージと質問は, 次の順序で表示されます。
%PCSI-I-PRCOUTPUT, output from subprocess follows ... %LIBRAR-F-OPENIN, error opening disk:[SYS0.SYSCOMMON.] [SYSHLP]HELPLIB.HLB;1 as input -RMS-E-FLK, file currently locked by another user %PCSI-E-MODREPLFLK1, error replacing module module-name in library disk:[SYS0.SYSCOMMON.][SYSHLP]HELPLIB.HLB -PCSI-E-MODREPLFLK2, library update failed because it is currently accessed by one or more users -PCSI-E-MODREPLFLK3, after the file is closed, answer YES at the prompt to retry the update
Do you want to take this action? [YES] YES
ユーザが2分以内にHELPを終了しない場合は,同じ質問が繰り返される。
Do you want to take this action? [YES] NO Do you want to continue? [YES] NO %PCSI-E-CANCEL_WIP, termination resulted in an incomplete modification to the system
最後に表示されるメッセージは,いくつかのファイルがインストール対象のディレクトリに移動された可能性はあるが, 製品のインストールは完了していないということを示している。 後で同じ製品を再度インストールする際には, この強制終了されたインストールによるファイルは削除され, 改めて製品全体のインストールが実行される。
POLYCENTER Software Installationユーティリティをバッチ・ジョブとして実行するには, コマンド・プロシージャ・ファイルにPRODUCTコマンドを入力してから, そのファイルをバッチ・キューに登録します。 コマンド・プロシージャでは,製品のオプションや構成の選択についての質問にPOLYCENTER Software Installation ユーティリティが応答できるよう,/CONFIGURATION 修飾子を使用して既存のPCFを指定します。 /CONFIGURATIONを指定しない場合には,省略時の値が使用されます。
例 3-2は,コマンド・プロシージャを使用して製品をインストールする方法を示しています。 この例ではVERIFY を設定して元に戻し,インストールの時間を記録します。
$ SAVE_PROC_VERIFY = F$ENVIRONMENT("VERIFY_PROCEDURE") $ SAVE_IMAGE_VERIFY = F$ENVIRONMENT("VERIFY_IMAGE") $ SET VERIFY $ ON ERROR THEN GOTO ERROR_EXIT $ START_TIME = F$TIME() $ WRITE SYS$OUTPUT "START TIME -- ''START_TIME'" $ PRODUCT INSTALL CHESSMASTER - /CONFIGURATION=PRODUCER - /HELP - /LOG $ERROR_EXIT: $ END_TIME = F$TIME() $ TEMP = F$VERIFY(SAVE_PROC_VERIFY,SAVE_IMAGE_VERIFY) $ WRITE SYS$OUTPUT " --------------------------------" $ WRITE SYS$OUTPUT " END TIME -- ''END_TIME'" $ WRITE SYS$OUTPUT " START TIME -- ''START_TIME'" $ WRITE SYS$OUTPUT " --------------------------------" $ EXIT
インストールしたソフトウェア製品に対して他の操作を実行できます(たとえば, インストール中に設定した選択の再構成,ボリューム・ラベルの変更の記録, ソフトウェアを新しい場所または異なる媒体にコピーする操作などを実行できます) 。また,キットを新しい形式に変換したり,製品情報を表示したり, 順次パッケージされている製品キットの内容を表示したり, 順次パッケージされているキットからファイルを取り出さなければならないこともあります。
インストール時に設定した構成の選択を,製品のインストール後に変更することができます。 これを,再構成と呼びます。新しいオプションを選択すると,POLYCENTER Software Installation ユーティリティが, 必要な変更をすべて行います。
インストールされている製品について構成の選択を変更するには, PRODUCT RECONFIGUREコマンドを使用します。製品キットは,ユーザの省略時のディレクトリ上に置かれているか,/SOURCE 修飾子またはPCSI$SOURCE 論理名で指定されている必要があります。
変更したボリューム・ラベルを製品データベースに記録するには, PRODUCT REGISTER VOLUMEコマンドを入力します。古いボリューム・ ラベルと,ボリュームをマウントする装置名を入力するよう求められます。
このコマンドは,古いボリューム・ラベルをすべて,新しいボリューム・ ラベルに置き換えます(POLYCENTER Software Installationユーティリティは,ディスクから新しいラベルを読み込みます) 。
PRODUCT REGISTER VOLUMEコマンドは,製品データベースの情報だけを変更し, ボリュームのラベルは変更しません。ボリューム名を変更するには,DCL コマンドのSET VOLUMEを使用します。その後,PRODUCT REGISTER VOLUMEコマンドで新しい名前を記録します。
PRODUCT REGISTER VOLUMEコマンドで,物理装置名または論理装置名の変更を記録することもできます。
POLYCENTER Software Installationユーティリティで,ある位置から別の位置に製品のディストリビューション・ キットをコピーすることができます。 キットをテープからディスクに転送すると,順次コピー形式から 参照コピー形式に変更することができます。
ある位置から別の位置にソフトウェア・キットをコピーするには, PRODUCT COPYコマンドを使用します。次の例のように,/SOURCE修飾子で現在の位置を指定し,/DESTINATION 修飾子で新しい位置を指定します。
$ PRODUCT COPY/SOURCE=WORK_DISK:[KITS]/DESTINATION=LOCAL_DISK:[KIT_INSTALL] CMS
PRODUCT COPYコマンドに/FORMAT修飾子を指定すると,ソフトウェア・キットを( ディスクまたはCD-ROM上の)参照形式から順編成形式へ,あるいは順編成形式から参照形式に変換することができます。
たとえば,CMSを順編成形式から参照形式に変換するには,次のコマンドを入力します。
$ PRODUCT COPY/FORMAT=REFERENCE/SOURCE=MUA1:/DESTINATION=LOCAL_DISK:[KIT_INSTALL] CMS
製品データベース(PDB)に格納されている情報はすべて,SHOW OBJECT, SHOW PRODUCT, SHOW HISTORYの各コマンドを使用してアクセスできます。 この項では,これらのコマンドを使用してPDBから情報を検索する方法について説明します。
システムにインストールした製品に関連する管理オブジェクト(ファイル, アカウント,ディレクトリなど)についての情報を表示するには,SHOW OBJECT コマンドを使用します。表 3-8に,SHOW OBJECT コマンドで解決できる質問を示します。
質問 | コマンド |
---|---|
この製品が作成したファイルまたはその他のオブジェクトは何か? | PRODUCT SHOW OBJECT * /PRODUCT=製品名 |
このファイルまたはその他のオブジェクトを作成したのはどの製品か? | PRODUCT SHOW OBJECT オブジェクト名/FULL |
SHOW PRODUCTコマンドとSHOW HISTORYコマンドを使用すると,システムにインストールした製品についての情報が得られます。 表 3-9に,このようなコマンド解決できる質問をいくつか示します。
質問 | コマンド |
---|---|
インストールされている製品は何か? | PRODUCT SHOW
HISTORY */OPERATION=INSTALL PRODUCT SHOW PRODUCT * |
製品の相互依存: 製品Aは製品Bによって参照されているか? | PRODUCT SHOW PRODUCT A/FULL PRODUCT SHOW PRODUCT */REFERENCED_BY=B |
製品をインストールしたのはどのユーザか? | PRODUCT SHOW HISTORY 製品名/FULL |
1998年3月31日より前にインストールされたのは,どの製品か? | PRODUCT SHOW HISTORY */BEFORE=31-MAR- 1998 |
製品に適用されるソフトウェア・ パッチはあるか? | PRODUCT SHOW PRODUCT 製品名 /FULL |
POLYCENTER Software Installationユーティリティを使用して,インストールした製品を削除すると, 製品をインストールしたときに作成されたファイルやアカウント, その他のオブジェクトがすべて,システムと製品データベースから削除されます。
インストールした製品を削除するには,次のように,PRODUCT REMOVEコマンドを入力します。
$ PRODUCT REMOVE CMS
[ 前のページ ]
[ 次のページ ]
[ 目次 ]
[ 索引 ]
[ DOC Home ]