OpenVMS
DCL ディクショナリ


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SHOW PROTECTION

現在のファイル保護設定を表示します。これはターミナル・セッション,またはバッチ・ジョブで作成される,すべての新しいファイルに適用されます。

形式

SHOW PROTECTION


説明

ターミナル・セッションまたはバッチ・ジョブ中に作成される,すべての新しいファイルに適用される現在の省略時のファイル保護を表示します。 SET PROTECTION/DEFAULT コマンドを使用すると,任意の時点で省略時の保護を変更できます。

特定のファイルの現在の保護を確認するには, DIRECTOR/PROTECTION コマンドを使用します。


#1

$ SHOW PROTECTION
  SYSTEM=RWED, OWNER=RWED, GROUP=RE, WORLD=NO ACCESS
$ SET PROTECTION=(GROUP:RWED,WORLD:RE)/DEFAULT
$ SHOW PROTECTION
  SYSTEM=RWED, OWNER=RWED, GROUP=RWED, WORLD=RE
 

最初の SHOW PROTECTION コマンドは,現在の省略時におけるファイル保護設定の表示を要求しています。次の SET PROTECTION/DEFAULT コマンドは,同じグループの他のユーザに適用されるファイル・アクセスと,その他のシステム・ユーザに適用されるファイル・アクセスを変更します。次の SHOW PROTECTION コマンドは,変更後の省略時ファイル保護設定を表示しています。


SHOW QUEUE

キューおよびキューに登録されているジョブに関する情報を表示します。

ジョブに対する読み込み(R)アクセス権が必要です。


形式

SHOW QUEUE [キュー名]


パラメータ

キュー名

キューの名前を指定します。キュー名には,ワイルドカード文字(* と %)を使用できます。キュー名パラメータの省略時の設定は,アスタリスク(*) です。キュー名を省略すると,すべてのキューに関する情報が表示されます。

説明

SHOW QUEUE コマンドは,バッチ・キューのおよび出力キューの名前,タイプ,状態,および属性を表示します。またキューに入っているジョブについての情報も表示します。修飾子を指定せずに SHOW QUEUE コマンドを入力すると,OpenVMS システムは,指定したすべてのキューの名前,タイプ,状態,およびそれらのキューに入っているジョブについての情報をリストします。 SHOW QUEUE コマンドは,/BRIEF 修飾子を省略時の設定と仮定します。

OpenVMS Cluster では,SHOW QUEUE コマンドは,クラスタで使用できるすべてのキューについての情報を表示します。

キューについての情報,またはキューに入っているジョブの完全なリストが必要な場合は,SHOW QUEUE コマンドを使用します。特定のジョブに関する情報が必要な場合は,SHOW ENTRY コマンドを使用してください。


修飾子

/ALL_JOBS

指定されたキューに登録されている,すべてのジョブを表示します。ジョブ情報を表示するには,そのジョブに対して読み込み (R) アクセス権が必要です。

/BATCH

バッチ・キューと,そのキューに登録されているジョブについて表示します。

/BRIEF (省略時の設定)

キューおよびキューに登録されているジョブに関する,簡単な情報を表示します。情報には,キュー名,キュー・タイプ,キューの状態が含まれます。表示されるジョブについては,そのエントリ番号,ジョブ名,ユーザ名,ジョブ状態を表示します。 /FULL および /FILES 修飾子は,/BRIEF 修飾子に優先されます。

/BY_JOB_STATUS=(キーワード・リスト)

指定された状態のジョブを含むキューだけを表示します。省略時には,ユーザの所有するジョブだけが表示されます。状態として,次のキーワードを指定できます。

EXECUTING 次の状態のジョブを表示します。

ABORTING
EXECUTING
PRINTING
PROCESSING
STALLED
STARTING
SUSPENDED

ABORTING は強制終了中のジョブ, STALLED や SUSPENDEDは何らかの原因によって停止中であるが,その原因が解決されれば継続されるジョブ, PROCESSING や PRINTING は現在実行中であるジョブ, STARTING は初期化中のジョブを表します。

HOLDING 保留状態のジョブ。ジョブが無期限にキューに保持されていることを示します。
PENDING 待ち状態のジョブ。ジョブが実行の順番待ちをしている状態を示します。
RETAINED 実行後もキューに保持されているジョブ。ジョブは完了しているが,キューに残っている状態を示します。
TIMED_RELEASE 指定時刻まで保留されているジョブ。指定時刻に実行するために,キューに保留されている状態を示します。

この修飾子にキーワードを指定しない場合は,実際にジョブが登録されているキューだけが表示されます。

/DEVICE[=(キーワード・リスト)]

指定されたキュー・タイプのキューと,その中のジョブを表示します。

キュー・タイプには,次のキーワードを指定します。

PRINTER プリント・キューのジョブ
SERVER サーバ・キューのジョブ
TERMINAL ターミナル・キューのジョブ

キーワードを指定しないと,プリント・キュー,サーバ・キュー,ターミナル・キュー内のすべてのジョブが表示されます。

/EXACT

/PAGE=SAVE および /SEARCH 修飾子とともに使用し,大文字と小文字を区別した文字列検索を指定します。この場合,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

/SEARCH 修飾子を指定せずに /EXACT 修飾子を指定した場合, "Find キー" (E1)を押すと文字列検索が有効になります。

/FILES

それぞれのジョブに関連したファイルのリストを表示します。 /FILES 修飾子は,/BRIEF 修飾子に優先されます。

/FULL

キュー,およびそのキューに登録されているジョブ,そのジョブに関連したファイルに関する情報が,すべて表示されます。 /FULL 修飾子は,/BRIEF 修飾子に優先されます。

/GENERIC

汎用キュー,およびそのキューに登録されているジョブを表示します。汎用キューは,実行キューではありません。これは,特定タイプ(たとえば,ライン・プリンタ・ジョブ)のジョブを保持し,それを実行キューにダイレクトします。

/HIGHLIGHT[=キーワード]

/PAGE=SAVE および /SEARCH 修飾子とともに使用し,一致した検索文字列の強調表示方法を指定します。一致した検索文字列があった場合は,行全体が強調されます。キーワードには,BOLD, BLINK, REVERSE, および UNDERLINE を指定できます。省略時の設定は BOLD です。

/OUTPUT[=ファイル指定]

/NOOUTPUT

コマンドの出力先を指定します。省略時には,SYS$OUTPUT(通常は使用しているターミナル)へ出力されます。ファイルへ出力するには, /OUTPUT 修飾子を使用してファイルを指定してください。

ファイル指定には,ワイルドカード文字は使用できません。部分的にファイルを指定した場合(たとえば,ディレクトリだけ)には,ファイル名には SHOW,ファイル・タイプには LIS が使用されます。

/NOOUTPUT 修飾子を指定した場合は,何も出力されません。

/PAGE[=キーワード]

/NOPAGE (省略時の設定)

コマンド出力の画面表示をページャを介して行います。

次のキーワードを指定できます。

CLEAR_SCREEN ページモードで表示(毎回画面を消去する)
SCROLL スクロールモードで表示(毎回画面を消去しない)
SAVE[=n] n ページ分の履歴を保持する(前ページに戻ること等が可能)

/PAGE=SAVE 修飾子を指定すると最大 5 画面(最大 255 カラムまで)分の履歴を保存できます。ページャ内では以下のキーを使って画面の移動などができます。

キー・シーケンス 説明
Up arrow key, Ctrl/B 1行スクロールアップ
Down arrow key 1行スクロールダウン
Left arrow key 1カラム左シフト
Right arrow key 1カラム右シフト
Find (E1) 文字列検索を起動
Insert Here (E2) 半画面右シフト
Remove (E3) 半画面左シフト
Select (E4) 80/132 カラム切替え
Prev Screen (E5) 前ページに移動
Next Screen (E6), Return, Enter, Space 次ページに移動
F10, Ctrl/Z 終了(ユーティリティによっては異なる)
Help (F15) ヘルプ・テキストを表示
Do (F16) 最新(現在)画面と(履歴内で)最古画面の切り替え
Ctrl/W 再表示

/PAGE 修飾子は /OUTPUT 修飾子とは同時に使用できません。

/SEARCH="検索文字列"

/PAGE=SAVE 修飾子とともに使用し,表示される情報内で検索したい文字列を指定します。文字列にスペース文字等を入れたい場合は,検索文字列は二重引用符で囲まなければなりません。

情報が表示されている時に Find(E1) キーを押すと,検索文字列を動的に変更することができます。この場合は,引用符は必要ありません。

/SUMMARY

各キューについて,その実行中のジョブ,実行待ち状態のジョブ,保留中のジョブ,タイムド・リリース状態のジョブ,保持状態のジョブの総数を表示します。出力キューでは,待ち状態のジョブの総ブロック数も表示します。

/WRAP

/NOWRAP (省略時の設定)

/PAGE=SAVE 修飾子とともに使用し,画面の幅より長い行を改行表示するかどうかを指定します。 /WRAP 修飾子を指定した場合,はみ出す部分は次行に表示されます。

/NOWRAP 修飾子を指定した場合,はみ出した部分は左右にスクロールしながら見ることができます。


#1

$ SHOW QUEUE/ALL/BY_JOB_STATUS=pending
Printer queue KLEE$LCA0, stopped, mounted form DEFAULT
  /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FEED,FORM=ELITE (stock=DEFAULT)) 
  /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
 
  Entry     Jobname         Username        Blocks  Status
  -----     -------         --------        ------  ------
   2045     APPLICA         MARTIN             102  Pending
 
Batch queue SYS_TEX, available, on NODE22:: 
  /BASE_PRIORITY=3 /JOB_LIMIT=25 /OWNER=[SYSTEM] 
  /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
 
  Entry     Jobname         Username                Status
  -----     -------         --------                ------
   1388     CHAPTER1.JOB    MARTIN                  Pending 
Generic batch queue CLUSTER_BATCH
  /GENERIC=(HMSCMS_BATCH,NODE22_BATCH) /OWNER=[SYSTEM] 
  /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
  Entry     Jobname         Username                Status
  -----     -------         --------                ------
    936     no privilege                            Pending
   .
   .
   .
 

この SHOW QUEUE コマンドは,待ち状態のジョブを持つキューだけを表示しています。 /ALL 修飾子で,待ち状態のジョブをすべての表示するようにしています。エントリ 936 のジョブ情報は表示されていないことに注意してください。自分と同じグループのすべてのジョブを表示するには,GROUP 特権が必要です。また,すべてのグループのすべてのジョブを表示するには,OPER 特権が必要です。

#2

$ SHOW QUEUE/FULL ARMADA*
Batch queue ARMADA_BATCH, idle, on ARMADA::
  /AUTO_START_ON=(ARMADA::) /BASE_PRIORITY=3 /JOB_LIMIT=3 
  /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S)
Printer queue ARMADA$PRINT, stopped, on ARMADA::LPA0,
 mounted form DEFAULT
  /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FEED,FORM=ELITE (stock=DEFAULT)) 
  /OWNER=[SYSTEM] /PROTECTION=(S:E,O:D,G:R,W:W)
  Entry  Jobname         Username     Blocks  Status
  -----  -------         --------     ------  ------
    605  SET             DUDSON          140  Pending (queue stopped)
         Submitted 21-DEC-2001 16:14 /FORM=ELITE (stock=DEFAULT) 
         /PRIORITY=200
         File: _$5$DUA1:[DUDSON]SET.CLD;5
    606  CLOSE           DUDSON          140  Pending (queue stopped)
         Submitted 21-DEC-2001 16:16 /FORM=DEFAULT /PRIORITY=200
         File: _$5$DUA1:[DUDSON]CLOSE.TXT;2
Printer queue ARMADA$PRINTER_1, idle, on ARMADA::TTA3,
 mounted form DEFAULT
  <Printer queue on node ARMADA for a LN03R printer>
  /BASE_PRIORITY=4 /DEFAULT=(FEED,FORM=DEFAULT) /LIBRARY=SMU$DEVCTL 
  Lowercase /OWNER=[SYSTEM] /PROCESSOR=CPS$SMB 
  /PROTECTION=(S:M,O:D,G:R,W:S) /SEPARATE=(FLAG)
 

この SHOW QUEUE コマンドは,コマンドを発行したユーザの現在のすべてのジョブ・エントリに関する情報を表示します。キューに関する完全な情報,それらのキュー内のジョブ,ジョブに関係するファイルについて表示されます。

#3

$ SHOW QUEUE/SUMMARY
 
Batch queue HMSCMS_BATCH, available, on HMSCMS::
    Job summary:  1 executing,  5 holding
Server queue NM$QUE01, available, on NODE22::, mounted form DEFAULT
    Job summary:  2 executing
Generic server queue NM$QUEUE
    Job summary:  1 timed release
Batch queue PIZZA_BATCH, idle, on PIZZA::
    Job summary:  queue is empty
Batch queue NODE22_BATCH, available, on NODE22::
    Job summary:  1 executing,  1 timed release
Printer queue ARMADA$PRINT, stopped, on ARMADA::LPA0, mounted 
  form DEFAULT
    Job summary:  8 pending (565 blocks)
Terminal queue ALLBQ, stopped, on KATYA::TTA2, mounted form DEFAULT
    Job summary:  2 pending (445 blocks)
   .
   .
   .
 

この SHOW QUEUE コマンドは,すべてのキューと,そのキューに登録されているジョブの総数を表示します。

#4

$ SHOW QUEUE DOC$LN03
 
Server queue DOC$LN03, stopped, on NEWTON::, mounted form DEFAULT
 Entry  Jobname   Username  Blocks  Status
 -----  -------   --------  ------  ------
   436  DOCPLAN   HERSHEY        8  Retained until 11-JAN-2001 16:56
      %JBC-F-JOBABORT, job aborted during execution
        Completed  11-JAN-2001 15:56 on queue DOC$LN03
 

この表示には,保持ジョブが終了した日時と,それを実行したキューが含まれています。ジョブをキューに保持する条件を指定するためには,PRINT,SUBMIT,または SET ENTRY コマンドに /RETAIN 修飾子を指定します。この例では,ジョブの終了後 1 時間の間,ジョブを保持するように設定しています。キューのジョブ保持ポリシーによって,16 時 56 分にジョブがキューから削除されます (/RETAIN 修飾子についての詳細は,PRINTSUBMIT,または SET ENTRY コマンドの説明を参照してください )。


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