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SHUTDOWN.COM の実行時にシャットダウン・オプションを選択するという方法の他にも,次のいずれかの方法で,SHUTDOWN.COM をカスタマイズして,サイト別の処理を行うことができます。
方法 | 参照箇所 |
---|---|
論理名の定義 | 第 4.8.3.1 項 |
サイト別シャットダウン・プロシージャの変更 | 第 4.8.3.2 項 |
SHUTDOWN.COM を実行する前に,次の論理名を定義しておけば,コマンド・プロシージャの動作を制御することができます。
論理名 | 説明 |
---|---|
SHUTDOWN$DECNET_MINUTES | DECnet がシャットダウンするまでの時間を分単位で指定する。この論理名は /SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。省略時の値は 6 分。 |
SHUTDOWN$DISABLE_AUTOSTART | キュー用のオートスタートが無効になり,システムがシャットダウンするまでの時間を分単位で指定する。この論理名は /SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。詳細は 第 14.7.1.9 項 を参照。 |
SHUTDOWN$INFORM_NODES | システムのシャットダウン時,シャットダウンについて通知される OpenVMS Cluster ノードを指定する。この論理名の詳細は以降で説明する。 |
SHUTDOWN$MINIMUM_MINUTES | 通知からシャットダウンまでの最少時間を指定する。たとえば,通知から 30 分経過してからシャットダウンするためには,この論理名を 30 と定義する。この論理名は/SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。 |
SHUTDOWN$QUEUE_MINUTES | キューがシャットダウンされるまでの時間を分単位で指定する。 /SYSTEM 修飾子を使用して定義する必要がある。省略時の値は 1 分。 |
SHUTDOWN$TIME | シャットダウンの絶対時刻を定義する。この論理名は /SYSTEM 修飾子とともに定義する必要がある。 |
SHUTDOWN$VERBOSE | 何らかの文字列を定義すると,シャットダウン・コマンド・プロシージャはディスクがディスマウントされるたびにそのディスクを表示する。 |
SHUTDOWN.COM を実行するときに必ず指定するオプションがあれば,その論理名をサイト別スタートアップ・コマンド・プロシージャ SYLOGICALS.COM に定義します。詳細は 第 5.2.5 項 を参照してください。
論理名 SHUTDOWN$INFORM_NODES に,シャットダウン時に通知される OpenVMS Cluster ノードを定義することができます。この論理名は, SYS$SYSTEM:SHUTDOWN.COM を実行する前に定義する必要があります。
SHUTDOWN$INFORM_NODES を定義するためには,次の形式で DEFINE コマンドを入力します。
DEFINE SHUTDOWN$INFORM_NODES " ノード・リスト " |
ノード・リストには,次に示すように,通知するノードを指定します。
$ DEFINE SHUTDOWN$INFORM_NODES "NODE1,NODE2,NODE3" |
システムをシャットダウンするとき必ず同じノードに通知する場合は,このコマンドをサイト別のスタートアップ・コマンド・プロシージャ SYLOGICALS.COM に追加します ( 第 5.2.5 項 参照)。
SHUTDOWN$INFORM_NODES を定義した場合,ノード・リストに定義されたすべてのメンバが SHUTDOWN.COM 実行時に通知されます。シャットダウンが実行されるノード上のユーザには必ず通知されます。これは,SHUTDOWN$INFORM_NODES の有無に関係ありません。シャットダウンされるノードの名前を DEFINE コマンドのノード・リストに指定しない場合でも,SHUTDOWN.COM は自動的にその名前を追加します。
表 4-3 に, SHUTDOWN$INFORM_NODES が定義されているかどうかに分けて,シャットダウンのフェーズごとにどのノードに通知されるかを示します。
シャットダウン・フェーズ | SHUTDOWN$INFORM_NODES が定義されていない場合 |
SHUTDOWN$INFORM_NODES が定義されている場合 |
---|---|---|
最初のシャットダウン通知 | すべてのノード上のすべてのターミナルに通知 | ノード・リストに指定されたノード上のすべてのターミナルに通知 |
最初のシャットダウン通知からファイナル・シャットダウンの 2 分前まで | シャットダウンするノードにログインしているすべてのターミナルに通知 | ノード・リストに指定されたノードにログインしているすべてのユーザに通知 |
ファイナル・シャットダウン通知からファイナル・シャットダウンまでの 2 分間 | すべてのノードにログインしているすべてのユーザに通知 | ノード・リストに指定されたノードにログインしているすべてのユーザに通知 |
シャットダウンがキャンセルされたとき | すべてのノード上のすべてのターミナルに通知 | ノード・リストに指定されたすべてのノード上のすべてのターミナルに通知 |
4.8.3.2 サイト別シャットダウン・コマンド・プロシージャの変更
サイト別シャットダウン・プロシージャ SYS$MANAGER:SYSHUTDWN.COM にサイト別コマンドを追加することができます。空の SYSHUTDWN.COM ファイルは,ディストリビューション・キットに含まれています。
サイト別プロシージャ SYSHUTDWN.COM を実行したいか尋ねられます。
Do you want to invoke the site-specific shutdown procedure [Yes]? |
ここで,Return キーを押すと省略時の応答である YES が選択され,サイト別プロシージャ SYSHUTDWN.COM が起動されます。
4.8.4 SYSMAN ユーティリティによる通常シャットダウンの実行
SYSMAN でシャットダウンする利点は,複数のノードを迅速にシャットダウンできる点です。 SYSMAN を使用すれば, SHUTDOWN.COM の会話型ダイアログにいちいち応えなくても,シャットダウン・パラメータをすべて 1 行に入力すれば,複数のノードをシャットダウンできます。 SYSMAN では,ノードがシャットダウンするのを待っている必要はありません。シャットダウン・プロシージャ実行後,ただちに別の SYSMAN コマンドを実行できます。
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN |
SYSMAN> SHUTDOWN NODE/[ 修飾子 ] |
次の修飾子を指定できます。
修飾子 | 機能 |
---|---|
MINUTES_TO_SHUTDOWN | シャットダウン開始までの時間 (分) を示す。 |
REASON | シャットダウンの理由を示す。 |
REBOOT_TIME | システムを再ブートする時間を示す。 LATER, 2 P.M. あるいは 14:00 のように指定する。この時間はシャットダウン・メッセージとともにユーザに表示される。 |
[NO]SPIN_DOWN_DISKS | ディスクをスピン・ダウンする。省略時の値は NO。システム・ディスクはスピン・ダウンできない。 |
[NO]INVOKE_SYSHUTDOWN | サイト別シャットダウン・プロシージャを呼び出す。省略時の値は INVOKE_SYSHUTDOWN。 |
[NO]AUTOMATIC_REBOOT | シャットダウン完了時に,システムを自動的に再ブートする。省略時の値は NO。 |
[NO]REBOOT_CHECK | 基本オペレーティング・システム・ファイルをチェックし,存在しなければユーザに通知する。省略時の値は NO。 |
[NO]CLUSTER_SHUTDOWN | OpenVMS Cluster 全体をシャットダウンする。省略時の値は NO。 |
[NO]REMOVE_NODE | アクティブなクラスタ・クォーラムからノードを削除する。長期間,シャットダウン・ノードをクラスタのメンバにする予定がないときに使用する。省略時の値は NO。
このオプションを使用する場合,すべてのローカルに接続されたディスクはクラスタ全体でディスマウントされます。このため,ローカルに接続されたディスク上でファイルをオープンした他のノード上のアプリケーションは必ずシャットダウンする必要があります。 |
[NO]SAVE_FEEDBACK | システムが最後にブートされてからのそのシステムのフィードバック・データを記録し, AUTOGEN フィードバック・データ・ファイルの新しいバージョンを作成する。このファイルは,次回ユーザが AUTOGEN を実行したときに使用される。省略時の設定は NO。 |
$ RUN SYS$SYSTEM:SYSMAN SYSMAN> SHUTDOWN NODE/MINUTES_TO_SHUTDOWN=10/REBOOT_TIME="later" - _SYSMAN> /REASON="DISK CORRUPTION PROBLEMS"/REBOOT_CHECK/SAVE_FEEDBACK |
このコマンド例を NODE21 で入力した場合,次の条件で NODE 21 のシャットダウンを要求します。
SHUTDOWN message on node NODE21, from user SYSTEM at _NODE21$0PA0: 12:00:00:20. NODE21 will shut down in 10 minutes; back up later. Please log off node NODE21. DISK CORRUPTION PROBLEMS |
詳細は,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。
4.8.5 OPCCRASH.EXE プログラムによる緊急時のシャットダウン
通常は,通常のシャットダウン・プロシージャ SHUTDOWN.COM でシステムをシャットダウンします。 SHUTDOWN.COM は,通常のハウスキーピング作業を実行した後, SYS$SYSTEM:OPCCRASH.EXE プログラムを呼び出してシステムをシャットダウンします。OPCCRASH.EXE は,次に挙げる最低限のハウスキーピング機能しか実行しません。
SHUTDOWN.COM を使用できない緊急の場合は,OPCCRASH.EXE を実行して,通常のシャットダウンで行われるハウスキーピング機能を実行せずにただちにシステムをシャットダウンします。
OPCCRASH.EXE プログラムを直接使用するのは,SHUTDOWN.COM が失敗したときだけです。 |
OPCCRASH.EXE プログラムを実行するためには,CMKRNL 特権が必要です。 OPCCRASH コマンドは,特権アカウントであれば,どのターミナルからでも実行できます。次の手順に従ってください。
$ RUN SYS$SYSTEM:OPCCRASH |
SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE |
VAX システムの場合,次のメッセージも表示される。
USE CONSOLE TO HALT SYSTEM |
このメッセージが表示されたらシステムを停止すること。
次の例は,OPCCRASH プログラムを実行して強制的にシステムをクラッシュさせて,システムを停止している例です。
$ RUN SYS$SYSTEM:OPCCRASH SYSTEM SHUTDOWN COMPLETE [Ctrl/P] >>>HALT HALTED AT 8000708A |
VAX システムの場合,次のメッセージも表示されます。
USE CONSOLE TO HALT SYSTEM |
このメッセージが表示されたらシステムを停止してください。
4.8.6 コンソール・コマンドによる緊急時のシャットダウン
さらに,CRASH コマンドという緊急コマンドを用意しているシステムもあります。 CRASH コマンドがシステムに存在する場合は,コンソール・メディア上にあります。 CRASH プロシージャは,コンソール・ターミナルのコンソール・プロンプトからしか実行できません。次に例を示します。
P00>>> CRASH |
CRASH コマンドがコンソールに存在しなければ,手動でシステムをシャットダウンできます。
クラッシュ・コマンドをコンソールから使用するのは, OPCCRASH.EXE プログラムが失敗したときだけです。 |
VAX システムでは,次のコマンドを入力します。
P00>>> D PSL 041F0000 P00>>> D PC FFFFFFFF P00>>> CON |
Alpha システムでは,次のコマンドを入力します。
P00>>> D PS 1F00 P00>>> D PC FFFFFFFFFFFFFF00 P00>>> CON |
CRASH プロシージャ,またはそれに類する強制緊急シャットダウン・コマンドについての説明は,次のマニュアルを参照してください。
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