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UETP は,ロード・フェーズ中に,インストールされて使用可能なベクタ・プロセッサを自動的にロードし,装置テスト・フェーズ中に,インストールされた使用可能なベクタ・プロセッサを自動的にテストします。
ベクタ・プロセッサがシステムで使用可能な場合,次のようなコマンドを入力して,VP 番号をチェックしてください。
$ x = F$GETSYI ("VP_NUMBER") $ SHOW SYMBOL x |
x の値に 3 をかけます。その結果がアカウントの PRCLM 値より大きい場合,戻された結果に一致するように, SYSTEST アカウントの PRCLM クォータを増やさなければなりません。詳細は 第 28 章 を参照してください。
しかし,UETP は,ロード・フェーズ中に, VAX ベクタ命令エミュレーション機能 (VVIEF)をロードすることができないので, VVIEF を自動的にテストできません。VVIEF をテストするには,UETP を実行する前に,次の手順を行わなければなりません。
Y Y UETVECTOR.EXE "DEVICE_TEST" |
$ X = F$GETSYI("VECTOR_EMULATOR") $ SHOW SYMBOL X |
システムが 1 という値を表示した場合,VVIEF はロードされている。システムが 0 という値を表示した場合,VVIEF はロードされていない。
RUN コマンドを使って,VVIEF テストを個々のテストとして実行することができます( 第 19.8.2 項 を参照)。
19.4 UETP の起動
ログイン後,システムと装置の準備が終わったら,テストを開始することができます。
UETP を起動するには,次のコマンドを入力し,Return を押します。
$ @UETP |
UETP は次のプロンプトを表示します。
Run "ALL" UETP phases or a "SUBSET" [ALL]? |
スタートアップ・ダイアログにおいて,大括弧の中の値は省略時の値,つまり, Return を押したときに選択できる値を示します。
初めて UETP を実行する場合は,省略時の値 (ALL) を選択して,すべてのフェーズを実行することをおすすめします。 ALL を選択すると,UETP はさらに 3 つの質問を表示します。この質問については, 第 19.4.2 項 から
第 19.4.4 項 までを参照してください。すべてのテスト・フェーズを実行する場合は,次の項は関係ありません。
19.4.1 フェーズのサブセットの実行方法
フェーズを 1 つだけ実行するには,次のプロンプトに SUBSET または S を入力します。
Run "ALL" UETP phases or a "SUBSET" [ALL]? |
SUBMIT または S を入力した場合, UETP は,次のように,実行したいフェーズの入力を求めてきます。
You can choose one or more of the following phases: DEVICE, LOAD, DECNET, CLUSTER Phases(s): |
省略時の値はないので,上記リストの中から 1 つまたは複数の名前を入力してください。 複数のフェーズを入力する場合には,それぞれをスペースまたはコンマで区切ります。
LOAD フェーズが選択の中にある場合,UETP は 3 つのプロンプトを表示します。
How many passes of UETP do you wish to run [1]? How many simulated user loads do you want [n]? Do you want Long or Short report format [Long]? |
LOAD フェーズを選択しなかった場合, 1 番目と 3 番目のプロンプトの 2 つしか表示されません。
次の 3 つの項は,これらの質問にどう答えるかを説明しています。質問に答えた後,選択したフェーズの実行が始まります。
19.4.2 1 つのフェーズの実行と複数のフェーズの実行
最後のプロンプトに省略時の ALL またはフェーズのサブセットを指定した場合,UETP は次のようなメッセージを表示します。
How many passes of UETP do you wish to run [1]? |
テストは,何度でも繰り返して実行することができます。プロンプトに 1 を入力すれば (または省略時の設定で Return を押せば),UETP はテストを 1 回実行して終了します。1 より大きな数を指定すれば, UETP は指定した回数だけテストを繰り返します。
システムが動作しているかどうかをチェックする場合は, UETP を 1 回だけ実行します。連続使用におけるシステムのレスポンスを評価する場合は, UETP を複数回実行します。たとえば,サービス技術者などが新しくインストールしたシステムが動作するかを確認するのであれば, 1 回か 2 回だけ UETP を実行すれば十分です。また,製造技術者などはシステム統合およびテストの一部としてシステムを何時間も実行することがあります。
UETP を複数回実行するように指定した場合は,コンソール・ログを短く表示させることもできます ( 第 19.4.4 項 を参照)。
1 回の実行ごとに 2 ページずつ出力されるので,ライン・プリンタおよびハードコピー・ターミナルには十分な用紙を用意しておいてください。
19.4.3 ロード・テスト用のユーザ負荷の定義
フェーズの回数を指定した後,UETP は次のプロンプトを表示します。
How many simulated user loads do you want [n]? |
UETP がこのプロンプトを表示するのは, LOAD フェーズを選択したときだけです。たとえば,(すべてのフェーズを実行して)暗黙に選択した場合も, (フェーズのサブセットを実行するときに LOAD フェーズを) 明示的に指定した場合も含まれます。 |
ロード・テストは,複数のユーザ (独立プロセス) がシステム資源をめぐって競合する状況をシミュレートします。このプロンプトに対して,このテストでシミュレートするユーザ数を入力します。大括弧の中の数は,UETP がユーザのシステムから算出した省略時の値です。したがって,省略時の値は,ユーザのシステムが割り当てたメモリの量,ページング領域,およびスワップ領域によって異なります。
省略時の値が最も適切な選択ですが,このプロンプトにユーザが値を指定することにより,省略時の値を増やしたり減らしたりすることができます。しかし,あまり数を増やし過ぎると,資源が不十分になり,テストが失敗することがあるので注意してください。
UETP 実行時にユーザ負荷を求める公式を表示する方法については, 第 19.6.2 項 を参照してください。
19.4.4 レポート形式
次のプロンプトでは,長いレポート形式を使用するか短いレポート形式を使用するかを選択できます。
Do you want Long or Short report format [Long]? |
長いレポート形式 (省略時の設定) を選択した場合, UETP はコンソール・ターミナルに次の情報を送信します。
上記質問への応答にかかわらず, UETP はすべての出力を UETP.LOG ファイルに記録します。
ほとんどの場合,大量の出力をターミナルに書き込むというのは有効であるとは言えません。たとえば,UETP をハードコピー・ターミナルから実行する場合,出力のプリントに時間がかかってしまい,テスト自身の進行が遅くなる可能性があります。実行が 1 回だけなら,この遅延も気にならないかもしれませんが,ハードコピー・ターミナルから UETP を複数パス実行する場合は,短いレポート形式の方がいいでしょう。
19.4.4.2 短いレポート形式
短いレポート形式を要求すると, UETP は,エラー・メッセージやフェーズの開始と終了時の通知などの状態情報だけをコンソールに表示します。この情報は,UETP が正常に処理しているかどうかを判断する材料となります。短い形式のコンソール・ログがなんらかの問題を示した場合は,ファイル UETP.LOG を見れば,より詳細な情報を入手できます。UETP.LOG には,コンソールに表示された状態情報に加えて,さまさまなフェーズで作成されたすべての出力も入っています。
レポート形式の選択後,UETP は一連のテストを開始し,実行を始めます。 UETP が異常終了した場合は,トラブルシューティングの情報について, 第 19.6 節 を参照してください。
19.5 UETP の動作の停止
UETP パスの最後に,マスタ・コマンド・プロシージャ UETP.COM はパスの終了時刻を表示します。さらに,UETP.COM は再起動すべき UETP を決定します。テスト・パッケージを起動するとき,複数のパスを要求することも可能です ( 第 19.4.2 項 を参照)。
UETP の実行が完全に終了すると,UETP.COM は一時的ファイルの削除などのクリーンアップ作業を行います。
Ctrl/Y または Ctrl/C を押すと,UETP が正常終了する前に, UETP の実行を中断することができます。 ただし,UETP の実行が正常終了した場合は, UETP がテストのために作成したさまざまなファイルの削除も行われます。 Ctrl/Y または Ctrl/C を押して UETP の実行を中断した場合,これらのクリーンアップ手続きが中断されたり,まったく行われなかったりする可能性もあります。
このような制御文字の影響は,実行している UETP の部分によって異なります。 UETP の編成およびその構成要素については,
第 19.8 節 を参照してください。
19.5.1 Ctrl/Y の使用方法
Ctrl/Y を押すと,UETP の実行を強制終了します。ただし,[SYSTEST] 中のファイルおよびネットワーク・プロセスのクリーンアップは完了しないので注意してください。
個々のテスト・イメージを実行している場合に Ctrl/Y を押すと,現在の UETP テストを中断し,一時的に制御をコマンド・インタプリタに戻します。テストが中断されている間は,コマンド・インタプリタ内で実行され,現在のイメージを終了させない DCL コマンドのサブセットを入力することができます。
19.5.2 DCL コマンドの使用方法
『Compaq OpenVMS ユーザーズ・マニュアル』に,コマンド・インタプリタ内で使用できるコマンドの表が掲載されています。さらに,次のコマンドも入力できます。
STOP コマンドを使用すると,正常終了では行われるはずのクリーンアップ処理が行われないことがあります。終了前にイメージのクリーンアップ処理を行いたい場合は, EXIT コマンドを使用してください。 |
コマンド・インタプリタ内で実行されない DCL コマンドを入力すると,クリーンアップ処理が行われ,テストが完全に終了してから,その DCL コマンドが実行されます。
19.5.3 Ctrl/C の使用方法
Ctrl/C を押すと,UETP の実行を中断されます。 Ctrl/C を押した後は,同じテスト・フェーズを継続することはできません。 UETP は自動的に,マスタ・コマンド・プロシージャの次のフェーズに移ります。
UETP フェーズの中には,Ctrl/C を押すと,すべてのアクティビティをクリーンアップし,即座に終了するものもあります。これらのフェーズは,開始時に,次のようなメッセージが表示されます。
%UETP-I-ABORTC, 'testname' to abort this test, type ^C |
上記メッセージを表示しないフェーズは,そのフェーズ内で起動されたすべてのプロセスを終了します。これらのプロセスでは,通常のクリーンアップ処理が行われないことがあります。
しかし,個々のテスト・イメージを実行している場合, Ctrl/C を使ってそのイメージの実行を終了し,クリーンアップ処理を完了させることができます。
クラスタ・テストの場合, Ctrl/C はクリーンアップ処理を行わないので注意してください。
19.6 トラブルシューティング : 概要
この節では,OpenVMS オペレーティング・システムでの動作エラーの解釈における UETP の役割を説明します。 UETP の実行時における通常のエラーおよびその修正方法については, 第 19.7 節 を参照してください。
19.6.1 エラーの記録と診断
エラーが発生すると,UETP はユーザ・プログラムと同じように反応します。 UETP はエラー・メッセージを返して継続するか,回復不可能なエラーを報告してイメージまたはフェーズを終了します。どちらの場合でも,UETP はハードウェアが適切に動作しているということを想定しているので,エラーの診断は行いません。
エラーの原因が直ちに解明できない場合は,次の方法を使ってエラーを診断してください。
UETP テストの進行状況を,テストを起動したターミナルから監視することができます。 このターミナルは,各フェーズの開始および終了時の通知およびエラーを知らせるメッセージなどの状態情報を常に表示します。
テストは,状態情報以外の出力をさまざまなログ・ファイルに送信します。ログ・ファイルの種類は,どのようにテストを起動したかによって異なります ( 第 19.6.7 項 を参照)。ログ・ファイルには,テスト・プロシージャが作成した出力が入っています。 UETP が正常終了し,ターミナルにエラーが表示されなかった場合でも,このようなログ・ファイルにエラーがないかチェックすることが大切です。さらに,ターミナルにエラーが表示された場合には,ログ・ファイルをチェックし,そのエラーの原因と性質の詳細を調べるようにしてください。
各テストは終了メールボックスを使って,最終完了状態をテスト・コントローラ・イメージ UETPHAS00 へ返します。この完了状態は,符号なしロングワード整数で,状態値を表します。トラブルシューティングの助けとなるように, UETPHAS00 は $FAO および $GETMSG システム・サービスを使って,テストの最終完了状態を表示します。
ただし,$FAO サービスは,終了メールボックスを使っても提供できない追加の情報を必要とすることがあります。このような事態が発生すると,UETP は次のようなエラー・メッセージを表示します。
UETP-E-ABORT, !AS aborted at !%D |
UETP がこのようなエラー・メッセージを表示するときは,ログ・ファイルをチェックし,詳細な情報を入手してください。個々のテストを実行し,問題を診断することも可能です。
ターミナルに表示されるエラー・メッセージ,およびログ・ファイルに格納されるエラー・メッセージは,基本的に次の 2 つから発行されたものです。
このメッセージが理解できないときには, OpenVMS ヘルプ・メッセージ・ユーティリティ (Help Message) を使用するか,『OpenVMS System Messages and Recovery Procedures Reference Manual』 1 または個々のシステム・コンポーネントについて記述されたマニュアルを参照してください。
19.6.3 画面に情報を表示する方法
装置テスト UETINIT00.EXE,UETCLIG00.EXE,および UETDNET00.COM などのいくつかの UETP の部分では,テスト実行の進行に関する追加情報,またはテスト中に発生した問題に関する追加情報を入手できるものもあります。通常,この情報は重要ではないので,画面には表示されません。
この情報を見るためには,次のコマンドを入力して論理名 MODE を定義し,プログラムを実行します。
$ DEFINE MODE DUMP |
次の例は,VAX 6000 コンピュータ上での UETINIT00.EXE の出力例で,論理名 MODE が DUMP と定義されている様子を示しています。です。
$DEFINE MODE DUMP $RUN UETINIT00 Welcome to VAX/VMS UETP Version X7.3 %UETP-I-ABORTC, UETINIT00 to abort this test, type ^C You are running on a VAX 6000-430 CPU with 327680 pages of memory. The system was booted from _$11$DUA6:[SYS0.]. Run "ALL" UETP phases or a "SUBSET" [ALL]? How many passes of UETP do you wish to run [1]? The default number of loads is the minimum result of 1) CPU_SCALE * ((MEM_FREE + MEM_MODIFY) / (WS_SIZE * PER_WS_INUSE)) 7.32 * (( 232390 + 5048) / ( 1024 * 0.20)) = 8486 2) Free process slots = 296 3) Free page file pages / Typical use of page file pages per process 1099992 / 1000 = 1099 How many simulated user loads do you want [296]? Do you want Long or Short report format [Long]? UETP starting at 1-MAR-2001 16:00:43.86 with parameters: DEVICE LOAD DECNET CLUSTER phases, 1 pass, 296 loads, long report. $ |
このプログラムは,いかなるフェーズも起動しません。このプログラムは,ユーザ負荷および UETP が現在の実行中に使用する特定の要素を決定するのに使用される公式を表示します。
質問に Return を押して応答します。最初のプロンプトに応答した後,プログラムは同時プロセスの省略時の数を決定する公式を表示します。次の定義が適用されます。
また,UETINIT00 は公式が示す特定の値も表示します。上記の例では,UETP はシミュレートするユーザ負荷の省略時の値として 296 を選択しています。これは,296 は 3 つの公式の最低の結果だからです。
UETP の実行ごとにユーザ負荷の詳細を見るつもりがないのであれば, UETP の実行前に,論理名 MODE の割り当てを解除します。
1 このマニュアルはアーカイブされ, OpenVMS Documentation CD-ROM に含まれています。 |
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