OpenVMS
システム管理者マニュアル


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19.7.6 ディスク領域の不足

UETP のパスを連続して実行すると, UETP を実行したディスク上にログ・ファイルが蓄積されます。 これらのファイルによって,後続のパスで使用できる空きディスク領域が減少します。現在のロードに対して使用できるディスク領域が少なくなった場合は,次のエラー・メッセージが表示されます。


%UETP-S-BEGIN, UETDISK00 beginning at  22-JUN-2000 08:12:24.34 
%UETP-I-ABORTC, DISK_DJA to abort this test, type ^C 
 
********************** 
*  DISK_DJA          * 
*  Error count = 1   * 
********************** 
-UETP-F-TEXT, RMS file error in file DJA0:DJA00.TST 
-RMS-F-FUL, device full (insufficient space for allocation) 
 
********************** 
*  DISK_DJA          * 
*  Error count = 2   * 
********************** 
-UETP-F-TEXT, RMS file error in file DJA0:DJA01.TST 
-RMS-F-FUL, device full (insufficient space for allocation) 
%UETP-E-DESTP, DISK_DJA stopped testing DJA unit 0 at 08:12:36.91 
%UETP-S-ENDED, UETDISK00 ended at  22-JUN-2000 08:12:37.98 

解決策

ディスク上の使用できる領域を増やしてください。領域を増やすには,次に挙げる 1 つまたは複数の方法を使用します。

ディスク領域についての詳細は, 第 19.2.2 項 および 第 19.3.3 項 を参照してください。

19.7.7 OpenVMS Cluster システムの設定の間違い

クラスタ統合テスト中に発生する問題のほとんどの原因は, OpenVMS Cluster か OpenVMS Cluster 上の UETP の設定の誤りです。これらの問題のほとんどは,クラスタ・テストの次の段階で発生するようです。

クラスタ・テスト・フェーズでは,ユーザのクラスタ中のさまざまな OpenVMS ノードが,クラスタ内の選択したノード上のファイルに同時にアクセスしている様子を見ることができます。 UETP は,最初に,クラスタ内の選択した他のノードからアクセス可能なディスク・ドライブ上にファイルを作成しようとします。クラスタ・テスト・フェーズ中にファイルを作成するための要件を次に示します。

UETP がどこかのノード上に適切な装置を見つけることができなかった場合は,警告メッセージが表示され,次のクラスタ・ノードに進みます。

オペレータのターミナル (OPA0) に NO BROADCAST ターミナル特性が設定されているノードでは,クラスタ・テスト中に次のエラー・メッセージが表示されます。


********************** 
*  UETCLIG00master   * 
*  Error count =  1  * 
********************** 
-UETP-E-TEXT, 0 operator consoles timed out on the cluster test warning 
       and 1 operator console rejected it. 
-UETP-E-TEXT, Status returned was, 
      "%SYSTEM-F-DEVOFFLINE, device is not in configuration or not 
      available" 

OPA0 に NO BROADCAST が設定されていない場合は,このメッセージを無視してください。

解決策

問題の疑いがある場合は, SYSTEST_CLIG プロセスが作成されたときに作成された SYS$TEST:NETSERVER.LOG ファイルを調べてください。このファイルには,テストを実行しているノードに転送できなかった追加のエラー情報が入っていることもあります。いくつかのノード上で SYSTEST_CLIG プロセスを作成できなかった場合,そのノードに対するシステム会計情報ファイルのプロセス終了レコードには,最後のプロセス状態が入っていることがあります。

次の問題は,クラスタ・テスト中に発生する可能性があるものです。

19.7.8 ロード・テスト中の問題

ロード・テスト中にはさまざまなエラーが発生します。これは,テスト中に起動されるコマンド・プロシージャは,複数のユーティリティを実行し,さまざまな機能を行うからです。 UETP はロード・テスト中に作成したログ・ファイルを削除するので,問題の追跡が困難なことがあります ( 第 19.8.3 項 を参照してください)。

解決策

ロード・テスト中に問題が発生し,その原因が分からない場合は,次のように UETP.COM を変更して,ログ・ファイルを保持するようにします。

  1. 次の行に /NODELETE 修飾子を追加する。


    $ TCNTRL UETLOAD00.DAT/PARALLEL_COUNT='LOADS/REPORT_TYPE='REPORT 
    

  2. 次の行を削除するか,コメントにする。


    $ DELETE UETLO*.LOG;* 
    

変更後,もう一度ロード・テストを行い,問題が再現するかどうか確かめます。

問題が再現する場合は,適切なログ・ファイルの内容を調べます。どのログ・ファイルを読むべきかを判断するには,ロード・テストがそのプロセスとログ・ファイルに名前を付けた流れを理解します(ログ・ファイル名はプロセス名を継承します)。

ロード・テストは,作成したプロセスに,次の形式の名前を付けます。

UETLOADnn_nnnn

次に例を示します。


%UETP-I-BEGIN, UETLOAD00 beginning at 22-JUN-2000 15:45:08.97 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD02_0000 beginning at 22-JUN-2000 15:45:09.42 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD03_0001 beginning at 22-JUN-2000 15:45:09.63 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD04_0002 beginning at 22-JUN-2000 15:45:10.76 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD05_0003 beginning at 22-JUN-2000 15:45:11.28 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD06_0004 beginning at 22-JUN-2000 15:45:12.56 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD07_0005 beginning at 22-JUN-2000 15:45:13.81 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD08_0006 beginning at 22-JUN-2000 15:45:14.95 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD09_0007 beginning at 22-JUN-2000 15:45:16.99 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD10_0008 beginning at 22-JUN-2000 15:45:19.32 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD11_0009 beginning at 22-JUN-2000 15:45:19.95 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD02_0010 beginning at 22-JUN-2000 15:45:20.20 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD03_0011 beginning at 22-JUN-2000 15:45:21.95 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD04_0012 beginning at 22-JUN-2000 15:45:22.99 

10 以上のプロセスが作成されている場合,プロセス名の UETLOADnn 部分の連番は, UETLOAD02 から始まります。しかし,_nnnn 部分の 4 けたの数字は,そのまま増え続けます。

ロード・テストのプロセスごとに,2 つのログ・ファイルが作成されます。最初のログ・ファイルは,テスト・コントローラによって作成されます。2 番目のログ・ファイルは,そのプロセス自身によって作成されます。ロード・テストのプロセスについてのエラー情報を調べるときには,テスト・コントローラが作成したログ・ファイル (最初のログ・ファイル) を調べます。

ロード・テストのログ・ファイルの名前はプロセス名を継承し, UETLO にプロセス名の最後の 4 けたの数字 (_nnnn 部分) を追加します。各プロセスのテスト・コントローラのログ・ファイルおよびプロセスのログ・ファイルは同じファイル名です。ただし,プロセスのログ・ファイルの方が,より高いバージョン番号を持っています。たとえば,プロセス UETLOAD05_0003 が作成したログ・ファイルの名前は次のようになります。

UETLO0003.LOG;1 (テスト・コントローラのログ・ファイル)

UETLO0003.LOG;2 (プロセスのログ・ファイル)

ログ・ファイルを見るときには,ロード・テストのコマンドおよびエラー情報の入った,バージョン番号の低いほうを見るようにしてください。

問題を解決したら,UETP.COM を元の状態に戻し,ロード・テストのログ・ファイルを削除します (UETL0*.LOG;*)。このファイルを削除しなければ,ディスク領域の問題が発生する可能性があります。

19.7.9 DECnet for OpenVMS エラー

DECnet エラー・メッセージは,ネットワークが使用不可であることを示すことがあります。

解決策

他の DECnet に関するエラーが発生した場合は,次の作業を行ってください。

19.7.10 記録されるが表示されないエラー

コンソール・ターミナルにエラーが表示されない場合,または,UETP.LOG ファイルにエラーが報告されない場合, ERROR LOG を実行して,ERRLOG.SYS ファイルになんらかのエラーが記録されているかどうかを確認します。 ERROR LOG の実行については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

19.7.11 PCB またはスワップ・スロットの欠如

次のエラー・メッセージは,PCB またはスワップ・スロットが使用できないことを示しています。


%UETP-I-BEGIN, UETLOAD00 beginning at  22-JUN-2000 07:47:16.50 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD02_0000 beginning at  22-JUN-2000 07:47:16.76 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD03_0001 beginning at  22-JUN-2000 07:47:16.92 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD04_0002 beginning at  22-JUN-2000 07:47:17.13 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD05_0003 beginning at  22-JUN-2000 07:47:17.35 
%UETP-I-BEGIN, UETLOAD06_0004 beginning at  22-JUN-2000 07:47:17.61 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD07_0005- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD08_0006- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD09_0007- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD10_0008- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-TEXT, The process -UETLOAD11_0009- was unable to be created, 
  the error message is 
-SYSTEM-F-NOSLOT, no pcb or swap slot available 
%UETP-W-ABORT, UETLOAD00 aborted at  22-JUN-2000 07:47:54.10 
-UETP-W-TEXT, Aborted via a user Ctrl/C. 
 *************************************************** 
 *                                                 * 
    END OF UETP PASS 1 AT  22-JUN-2000 07:48:03.17 
 *                                                 * 
 *************************************************** 

解決策

この問題を解決するには,次の手順に従います。

  1. エラー・メッセージの原因となったフェーズを個々に実行し (上記例では LOAD フェーズ),エラーが再現するか確認する。

  2. コマンド・プロシージャ SYS$UPDATE:SWAPFILES.COM ( 第 16 章 を参照) または SYSGEN ( 『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照) を使って,ページ・ファイルのサイズを増やす。

  3. 必要であれば,システム・パラメータ MAXPROCESSCNT を増やす。

  4. システムを再ブートする。

19.7.12 キーボードの応答がない,またはシステム・ディスクが動作しない

キーボードの応答がなかったり,システム・ディスクが動作していない場合,システムがハングアップしている恐れがあります。

解決策

システム・ハングアップの場合,障害追跡が困難です。参照のために,ダンプ・ファイルをセーブしておいてください。システムがハングアップした原因を特定するためには,『OpenVMS VAX System Dump Analyzer Utility Manual』と『OpenVMS Alpha System Analysis Tools Manual』のシステム・ダンプ・アナライザを参照してください。

システム・ハングアップの理由には,次のようなものがあります。

19.7.13 FAL オブジェクトに対する省略時のアクセス権の欠如

UETP の DECnet テストにより選択された遠隔ノード (アクティブな各サーキット上の隣接ノード,またはグループ論理名 UETP$NODE_ADDRESS で定義されたノード)で,省略時の FAL アクセスが無効になっている場合は,次のようなメッセージが表示されます。


%UETP-W-TEXT, The process -SVA019841_0001- returned a final status of: 
%COPY-E-OPENOUT, error opening !AS as output 

上記メッセージは次のように続きます。


%COPY-E-OPENOUT, error opening 9999""::SVA019841.D1; as output 
-RMS-E-CRE, ACP file create failed 
-SYSTEM-F-INVLOGIN, login information invalid at remote node 
%COPY-W-NOTCOPIED, SYS$COMMON:[SYSTEST]UETP.COM;2 not copied 
%UETP-E-TEXT, Remote file test data error 

このメッセージは無視してかまいません。

19.7.14 バグ・チェックおよびマシン・チェック

システムがその実行を強制終了するとき,バグ・チェック・メッセージがコンソールに表示されます。

解決策

弊社のサポート担当者に連絡してください。バグ・チェックやマシン・チェックの原因は,たいていはハードウェア障害ですが,バグ・チェックやマシン・チェックは,簡単には解決できません。ただし,検査に使えるよう, SYS$SYSTEM:SYSDUMP.DMP ファイルと ERRLOG.SYS ファイルを保存しておくことが重要です。この障害が再現できるかどうかも確認しておいてください。もう一度 UETP を実行して,障害をチェックすることができます。

19.8 UETP テストおよびフェーズ

この節では,UETP の編成およびテスト・パッケージの個々の構成要素を詳しく説明します。 UETP を実行するには,各テスト・フェーズを起動するコマンドの入ったマスタ・コマンド・プロシージャを起動します。このプロシージャは,開始時に,さまざまなテスト・フェーズに必要な情報を入力するよう求めてきます (UETP の起動についての詳細は, 第 19.4 節 を参照してください)。

マスタ・コマンド・プロシージャ UETP.COM には,各テスト・フェーズを起動するコマンドが入っています。また,UETP.COM には,論理名の定義やテストによって作成されるファイルの操作などを行うコマンドも入っています。

UETP.COM プロシージャは,順番に各テスト・フェーズを制御する,テスト制御プログラム UETPHAS00.EXE を起動するコマンドを発行します。このテスト・コントローラは,複数の独立プロセスを起動します。さらに,これら独立プロセスの完了状態を報告し,独立プロセスが報告した情報も報告します。

以降の項では,さまざまな UETP テスト・フェーズについて説明します。

19.8.1 初期化フェーズ

初期化フェーズでは,次のことが行われます。

UETINIDEV.DAT の要約は常に UETP.LOG 中に存在します。そして,長いレポート形式が要求されたときに, UETINIT01.EXE はこの要約をコンソールに送ります。


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