前へ | 次へ | 目次 | 索引 |
次の例は,Alpha システム上での UETINIT00.EXE の出力例で,論理名 MODE が DUMP と定義されている様子を示しています。
$ DEFINE MODE DUMP $ RUN UETINIT00 Welcome to OpenVMS Alpha UETP Version 7.3 %UETP-I-ABORTC, UETINIT00 to abort this test, type ^C You are running on a AlphaServer 4100 5/533 4MB CPU. The system was booted from _$4$DKA300:[SYS0.]. Run "ALL" UETP phases or a "SUBSET" [ALL]? How many passes of UETP do you wish to run [1]? The default number of loads is the minimum result of 1) (MEM_FREE + MEM_MODIFY) / ( WS_SIZE ) ( 1807872 + 10496) / ( 16512) = 110 2) Free process slots = 488 3) Free page file pages / Typical use of blocks per process 650240 / 1000 = 650 How many simulated user loads do you want [110]? Do you want Long or Short report format [Long]? UETP starting at 1-MAR-2001 15:53:19.52 with parameters: DEVICE LOAD DECNET CLUSTER phases, 1 pass, 110 loads, long report. |
このプログラムは,いかなるフェーズも起動しません。このプログラムは,ユーザ負荷および UETP が現在の実行中に使用する特定の要素を決定するのに使用される公式を表示します。
質問に Return を押して応答します。最初のプロンプトに応答した後,プログラムは同時プロセスの省略時の数を決定する公式を表示します。次の定義が適用されます。
また,UETINIT00 は公式が示す特定の値も表示します。上記の例では,UETP はシミュレートするユーザ負荷の省略時の値として 110 を選択しています。これは,100 がこれら 3 つの公式の最低の結果だからです。
UETP の実行ごとにユーザ負荷の詳細を見るつもりがないのであれば, UETP の実行前に,論理名 MODE の割り当てを解除します。
19.6.6 UETP イーサネット・テスト用の遠隔ノードの定義
UETUNAS00 テスト中,障害報告がテスト中の装置に関連するのか,または遠隔装置に関連するのかを決定するのが困難な場合があります。適切なエラー報告を行うための最も簡単な方法は, 適切な転送場所を定義することです。適切な転送場所というのは,イーサネット・パケットを正しく転送し,起動していて,レディ状態で待機しているということが判明している遠隔ノードのことです。
UETUNAS00 テストで,適切な転送場所を使用するためには,次のような操作を行います。次のコマンドでは,適切な装置がノード BETA 上にあり,そのノード BETA がすでにネットワーク・データベースで定義されているということを仮定しています。
次のコマンドを入力し,Return を押す。
$ RUN SYS$SYSTEM:NCP NCP> TELL BETA SHOW EXECUTOR STATUS |
ノード BETA がネットワーク・データベースで定義されていない場合, NCP はエラー・メッセージを表示する。この場合,他の適切なノードを指定し,もう一度上記コマンドを実行する。このノードが定義されている場合は,システム管理者またはネットワーク管理者に問い合わせる。
NCP は,次のような情報を表示する。
Node Volatile Status as of 22-JUN-2000 16:13:02 Executor node = 19.007 (BETA) State = on Physical address = AA-00-03-00-76-D3 Active links = 6 Delay = 1 |
$ DEFINE/SYSTEM TESTNIADR AA00030076D3 |
$ DEASSIGN/SYSTEM TESTNIADR |
UETP は,現在の実行中のすべての UETP テストおよびフェーズによって作成されたすべての情報を, 1 つまたは複数の UETP.LOG ファイルに格納します。そして,前回の実行の情報を,1 つまたは複数の OLDUETP.LOG ファイルに格納します。 UETP の実行が複数パスを呼び出す場合,パスごとに,UETP.LOG または OLDUETP.LOG ファイルが 1 つずつ作成されます。
実行を開始すると,UETP はすべての OLDUETP.LOG ファイルを削除し,すべての UETP.LOG ファイルの名前を,そのファイルのバージョンに相当する OLDUETP.LOG ファイルの名前に変更します。次に,UETP は新しい UETP.LOG ファイルを作成し,現在のパスの情報をその中に格納します。UETP のその後のパスでは,より高いバージョンの UETP.LOG が作成されます。したがって,複数パスを呼び出す UETP の実行終了時には,パスごとに,UETP.LOG ファイルが 1 つずつ作成されます。ファイル UETP.LOG および OLDUETP.LOG の作成にあたり, UETP は最新2回の実行からの出力を使用します。
クラスタ・テストは,実行に含まれる各システム上のパスごとに, NETSERVER.LOG ファイルを SYS$TEST に作成します。テストがエラーを報告できない場合 (たとえば,他のノードへの接続が失われた場合),そのノード上の NETSERVER.LOG ファイルに,そのノード上で実行されたテスト結果が格納されます。 UETP は NETSERVER.LOG ファイルを削除またはパージしません。したがって,ときどき NETSERVER.LOG を削除して,ディスク領域を回復するようにしてください。
UETP の実行が正常終了しなかった場合, SYS$TEST には他のログ・ファイルが格納されています。通常,これらのファイルは連結され,UETP.LOG の中に格納されます。システム・ディスク上のログ・ファイルはすべてエラー・チェック用に使用できますが,新しいテストを実行する前には,これらのファイルをすべて削除しておかなければなりません。これらログ・ファイルはユーザが削除することもできますが,完全な UETP をもう一度実行すれば,古い UETP.LOG ファイルは自動的にチェックされ,削除されます。
19.7 トラブルシューティング : 考えられる UETP エラー
この節では,UETP 実行時に発生する可能性のある問題の識別および解決に役に立つ情報を示します。システム障害を理解し,その原因を特定するときに,この節を参照してください。この節は,システムを回復したりユーザのシステムの欠陥を診断するためのマニュアルではありませんが,エラー・メッセージ中の情報を解釈し,それに対処する際に参考となります。
この節で述べる手順に従ってもエラーを回復できなかった場合は,弊社のサポート担当者に相談してください。この時,問題を特定しようとして行った処置はすべてお知らせください。問題を診断する手掛かりになります。
19.7.1 一般的な障害の概要
次に,UETP の実行中に発生する最も一般的な障害を示します。
以降の項では,これらのエラーおよびその最善の対処方法を説明します。
19.7.2 クォータ,特権,アカウントの間違い
割り当てたクォータまたは特権が SYSTEST アカウントの標準のクォータおよび特権と一致しない場合,UETP は次のエラー・メッセージを表示します。
********************** * UETINIT00 * * Error count = 1 * ********************** -UETP-W-TEXT, The following: OPER privilege, BIOLM quota, ENQLM quota, FILLM quota, are nonstandard for the SYSTEST account and may result in UETP errors. |
このメッセージは,OPER 特権,および BIOLM,ENQLM,FILLM の各クォータが正しく割り当てられていないか,または,まったく割り当てられていないことを示しています。
クラスタ統合テスト・フェーズを実行していて, SYSTEST_CLIG アカウントの特権およびクォータが間違っている場合, UETP はこのようなメッセージを表示します。 SYSTEST および SYSTEST_CLIG アカウントには,同じ特権およびクォータが必要です。どちらの場合も,ここで述べる対処方法を適用してください。 |
解決策
問題を修正するには,次の手順に従ってください。
$ SET DEFAULT SYS$SYSTEM $ RUN SYS$SYSTEM:AUTHORIZE UAF> SHOW SYSTEST Username: SYSTEST Owner: SYSTEST-UETP Account: SYSTEST UIC: [1,7] ([SYSTEST]) CLI: DCL Tables: DCLTABLES Default: SYS$SYSROOT:[SYSTEST] LGICMD: LOGIN Login Flags: Primary days: Mon Tue Wed Thu Fri Sat Sun Secondary days: No access restrictions Expiration: (none) Pwdminimum: 8 Login Fails: 0 Pwdlifetime: 14 00:00 Pwdchange: 22-JUN-2000 10:12 Last Login: (none) (interactive), (none) (non-interactive) Maxjobs: 0 Fillm: 100 Bytlm: 65536 Maxacctjobs: 0 Shrfillm: 0 Pbytlm: 0 Maxdetach: 0 BIOlm: 12 JTquota: 1024 Prclm: 12 DIOlm: 55 WSdef: 256 Prio: 4 ASTlm: 100 WSquo: 512 Queprio: 0 TQElm: 20 WSextent: 2048 CPU: (none) Enqlm: 300 Pgflquo: 20480 Authorized Privileges: CMKRNL CMEXEC SYSNAM GRPNAM DETACH DIAGNOSE LOG_IO GROUP PRMCEB PRMMBX SETPRV TMPMBX NETMBX VOLPRO PHY_IO SYSPRV Default Privileges: CMKRNL CMEXEC SYSNAM GRPNAM DETACH DIAGNOSE LOG_IO GROUP PRMCEB PRMMBX SETPRV TMPMBX NETMBX VOLPRO PHY_IO SYSPRV UAF> SHOW SYSTEST_CLIG . . . UAF> EXIT |
CMKRNL | CMEXEC | NETMBX | DIAGNOSE |
DETACH | PRMCEB | PRMMBX | PHY_IO |
GRPNAM | TMPMBX | VOLPRO | LOG_IO |
SYSNAM | SYSPRV | SETPRV | GROUP |
BIOLM: 18 | PRCLM: 12 |
DIOLM: 55 | ASTLM: 100 |
FILLM: 100 | BYTLM: 65536 |
TQELM: 20 | CPU: 制限なし |
ENQLM: 300 | PGFLQUOTA: 20480 |
WSDEFAULT: 256 | WSQUOTA: 512 |
WSEXTENT: 2048 |
間違ったアカウントにログインした場合は,次のエラー・メッセージが表示され, SYSTEST アカウントにログインするかどうか尋ねられます。
$ @UETP ********************** * UETINIT00 * * Error count = 1 * ********************** -UETP-E-ABORT, UETINIT00 aborted at 22-JUN-2000 14:24:10.13 -UETP-E-TEXT, You are logged in to the wrong account. Please log in to the SYSTEST account. $ |
UETP は SYSTEST アカウントから実行しなければなりません。
19.7.3 UETINIT01 障害
UETINIT01 障害は,周辺機器装置に関連します。このタイプのエラー・メッセージは,次のいずれかを示します。
エラー・メッセージの中には,その修正方法が示されているものもあります。たとえば,問題および推奨する修正方法を明示的に知らせるメッセージを,オペレータ通信マネージャ (OPCOM) から受け取ることがあります。
%OPCOM, 22-JUN-2000 14:10:52.96, request 1, from user SYSTEST Please mount volume UETP in device _MTA0: %MOUNT-I-OPRQST, Please mount volume UETP in device _MTA0: |
解決方法が暗黙に示されているメッセージもあります。
%UETP-S-BEGIN, UETDISK00 beginning at 22-JUN-2000 13:34:46.03 ********************** * DISK_DRA * * Error count = 1 * ********************** -UETP-E-TEXT, RMS file error in file DRA0:DRA00.TST -RMS-E-DNR, device not ready or not mounted %UETP-S-ENDED, UETDISK00 ended at 22-JUN-2000 13:34:46.80 |
このメッセージは,ディスク・ドライブがレディ状態でないか,マウントされていないことを示しています。この情報から,(ディスク・ドライブの) どの場所に障害の原因があるかを知ることができます。即座に問題の原因を知ることができない場合は, 第 19.3 節 の設定指示を参照してください。
また,障害の原因の手掛かりがまったくないメッセージもあります。問題は,ソフトウェアでなく,ハードウェアに原因があることもあります。たとえば,イーサネット・アダプタ・テストでは, UETP がイーサネット・アダプタに対して排他的アクセスを行えない場合,次のメッセージのいずれかが表示されることがあります。
自己テスト診断をイーサネット・アダプタ上で正常に実行するには,UETP は,そのアダプタに対して排他的にアクセスする必要があります。 第 19.3.10 項 で述べているように,イーサネット・アダプタをテストする場合は,UETP 装置テスト・フェーズを実行する前に, DECnet および LAT ターミナル・サーバをシャットダウンしなければなりません。
解決策
UETP の実行中,いつまたはどこで障害が発生したかを判断するには,次の手順に従ってください。
UETP は,次のようなメッセージを表示して,ベクタ・プロセッサ障害を通知します。
********************** * UETVECTOR * * Error count = 1 * ********************** %PPL-S-CREATED_SOME, created some of those requested - partial success -UETP-E-SUBSPNERR, Error spawning subordinate process. -UETP-E-SCHCTXERR, Error scheduling vector context test subprocess. -UETP-E-VECCTXERR, Error encountered during vector context testing. %UETP-I-ENDED, UETVECTOR_0000 ended at 22-JUN-2000 07:37:00.59 |
解決策
ベクタ・プロセッサのテストのための正しい設定については, 第 19.3.19 項 を参照してください。
19.7.5 他のアプリケーションによる装置の割り当てまたは使用
DEVICE フェーズ中に DECnet for OpenVMS ソフトウェアまたは LAT ソフトウェアが動作している場合, UETUNAS00 テストは次のメッセージを表示します。
-UETP-W-TEXT, Device is in use by DECnet or another application |
他の UETP 通信装置テストは,次のメッセージを表示します。
SYSTEM-W-DEVALLOC, device already allocated to another user |
解決策
イーサネット・アダプタ上で装置テストを実行する場合,テストを開始する前に,DECnet および LAT ソフトウェアをシャットダウンしてください。
前へ | 次へ | 目次 | 索引 |