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V7.3
Fibre Channel ホスト・バス・アダプタが HSG コントローラに(Fibre Channel スイッチを介して)接続されている場合には,HSG は HSG 接続テーブルのエントリを作成します。それぞれのホスト・バス・アダプタと,そのアダプタが接続されるそれぞれの HSG ポートには個別の接続が存在します(HSG CLI コマンド SHOW CONNECTIONS を参照してください)。
接続が確立されれば,『HSG Array Controller ACS Configuration and CLI Reference Guide』で説明するコマンドを使用して,パラメータを変更することができます。接続は変更することができるため,ホスト・バス・アダプタの接続が切断されても,HSG は接続情報をテーブルから削除しません。代わりに,接続して処理が完了した後,ユーザが CLI コマンドを使用して,接続を明示的に削除しなければなりません。
HSG は,一定の数の接続をサポートします。ACS Version 8.7 では最大で 96 接続,ACS Version 8.5 では最大 64 接続,ACS Version 8.4 では最大 32 接続が可能です。この接続の上限は,シングル冗長コントローラでも,デュアル冗長コントローラでも同じです。最大接続数に達すると,新しい接続ができなくなります。このようになると,OpenVMS が HSG 上で,ディスク・デバイスまたはディスク・デバイスへの特定のパスを設定しなくなります。
この問題を解決するには,不要になった以前の接続を削除します。ただし,Fibre Channel ファブリックが大きく,アクティブな接続の数が HSG の上限を上回る場合には,このファブリックを再設定するか,FC スイッチ・ゾーンを使用して一部のアダプタを一部の HSG ポートから
隠し,接続の数を減らさなければなりません。
4.22.10 Console V5.6 と V5.7 での KGPSA NVRAM エラーは V5.8 で修正済み
V7.3-1
このリリース・ノートで説明する問題は,Console ファームウェア Version 5.8 では修正されています。
Version 5.6 または Version 5.7 のコンソールを使用すると,KGPSA ドライバが起動したとき,または,OpenVMS をシャットダウンしたときに, kgpsaa0.0.0.2.4 - Nvram read failedというエラー・メッセージが表示されます。このエラーは,KGPSA の NVRAM がフォーマットされていないか,正常に動作していないことを示します。まず考えられる原因は,NVRAM がフォーマットされていないことです。Version 5.6 より前では,NVRAM は,常にフォーマットされていませんでした。Version 5.6 では,KGPSA アダプタの NVRAM の一部が,ファブリック(スイッチ)トポロジとループ・トポロジのどちらに対応するようアダプタを初期化するべきかを示すために使用されています。デフォルトでは,コンソールは KGPSA をファブリック・トポロジに対応するよう初期化します。
次の例のように,トポロジを設定すると,NVRAM は自動的にフォーマットされます。
P00>>>set mode diag P00>>>wwidmgr -show adapter item adapter WWN Cur. Topo Next Topo kgpsaa0.0.0.8.1 - Nvram read failed. [ 0] kgpsaa0.0.0.8.1 1000-0000-c920-05ab FABRIC UNAVAIL kgpsab0.0.0.10.1 - Nvram read failed. [ 1] kgpsab0.0.0.10.1 1000-0000-c921-0ce0 FABRIC UNAVAIL [9999] All of the above. P00>>>wwidmgr -set adapter -item 9999 -topo fabric kgpsaa0.0.0.8.1 - Nvram read failed. Reformatting nvram kgpsab0.0.0.10.1 - Nvram read failed. Reformatting nvram P00>>>wwidmgr -show adapter item adapter WWN Cur. Topo Next Topo [ 0] kgpsaa0.0.0.8.1 1000-0000-c920-05ab FABRIC FABRIC [ 1] kgpsab0.0.0.10.1 1000-0000-c921-0ce0 FABRIC FABRIC [9999] All of the above. P00>>>init |
KGPSA の NVRAM をフォーマット中に, wwidmgr -set adapterコマンドを実行すると,次のエラーが発生します。
*** MBX not ready ***
次の例のように,このコマンドは再実行すれば成功します。
P00>>>wwidmgr -set adapter -item 9999 -topo fab pga0.0.0.6.1 - Nvram read failed. Reformatting nvram *** MBX not ready *** pgb0.0.0.1.2 - Nvram read failed. Reformatting nvram P00>>>wwidmgr -show adapter item adapter WWN Cur. Topo Next Topo *** MBX not ready *** pga0.0.0.6.1 - Nvram format incorrect. [ 0] pga0.0.0.6.1 1000-0000-c920-a763 FABRIC UNAVAIL [ 1] pgb0.0.0.1.2 1000-0000-c920-c9fe FABRIC FABRIC [9999] All of the above. P00>>>wwidmgr -set adapter -item 9999 -topo fab P00>>>wwidmgr -show adapter item adapter WWN Cur. Topo Next Topo [ 0] pga0.0.0.6.1 1000-0000-c920-a763 FABRIC FABRIC [ 1] pgb0.0.0.1.2 1000-0000-c920-c9fe FABRIC FABRIC [9999] All of the above. |
wwidmgr -set adapterコマンドの詳細については,Alpha Systems Firmware Update CD-ROM の [.DOC] ディレクトリにある『WWIDMGR User's Manual』を参照してください。
4.22.11 マルチパス SCSI シャドウ・セットと Fibre Channel シャドウ・セット: システム・パラメータの調整
V7.3-1
特定のシステム・パラメータのデフォルト設定を使用したために,そのマルチパス・サポートに対応して設定されているシャドウ・セット・メンバ(Compaq Volume Shadowing for OpenVMS を使用しているシステム)が削除されることがあります。
このため,Volume Shadowing for OpenVMS を使用しているマルチパス・シャドウ・セットを設定する場合には, 表 4-2 の推奨値で,これらのシステム・パラメータを設定してください。
システム・パラメータ | 推奨設定 |
---|---|
MSCP_CMD_TMO | 最小値として 60。 60 は,ほとんどの構成では適切な値である。一部の構成では,より大きい値が必要な場合もある。 |
SHADOW_MBR_TMO | 3 x MSCP_CMD_TMO(最小値) |
SHADOW_SYS_TMO | 3 x MSCP_CMD_TMO(最小値) |
MVTIMEOUT | 4 x SHADOW_MBR_TMO(最小値) |
次の例に,推奨設定の使用例を示します。
MSCP_CMD_TMO 60 SHADOW_MBR_TMO 180 SHADOW_SYS_TMO 180 MVTIMEOUT 1200 |
このリリース・ノートでは,推奨される MVTIMEOUT の設定値が OpenVMS Version 7.3 向けに作成された同じリリース・ノートの値の 2 倍として指定されています。 |
V7.3-1
以前は,Fibre Channel デバイスまたは SCSI デバイスをマウントすると,特別なエラーも発生せずにボリュームがすでにディスマウントされているにもかかわらず,次の例のようにボリュームのリビルドが実行されることがありました。
$ DISMOUNT $1$DGA32762: $ $ MOUNT/CLUSTER $1$DGA32762: MYVOL %MOUNT-I-MOUNTED, DGA1016 mounted on _$1$DGA32762:(FIBRE2) %MOUNT-I-REBUILD, volume was improperly dismounted; rebuild in progress |
この問題は修正されました。
4.22.13 ボリューム・シャドウイングでのマルチパス・デバイスのディスマウント障害---修正済み
シャドウ・セットのマルチパス・メンバがディスマウント前にパスを切り替え,DISMOUNT コマンドの実行直前に入出力を実行しない場合,ディスマウントが失敗し,次のエラー・メッセージが表示されることがありました。
%DISM-W-CANNOTDMT |
この問題は修正されました。
4.22.14 HSZ70/HSZ80 コントローラでまれに発生するマルチパス・フェールオーバ障害--- HSZ70 では修正済み
負荷が大きい場合に,1 つのコントローラから別のコントローラへ,ホストから手動または自動でパスを切り替えると,HSZ70 または HSZ80 コントローラで失敗することがあります。テストにより,このエラーはまれにしか発生しないことがわかっています。
この問題は,HSZ70 については,ファームウェア・リビジョン HSOF V7.7(およびそれまたはそれ以降のバージョン)ですでに修正されています。HSZ80 については,将来のリリースで修正されることになっています。この問題は,HSG80 コントローラでは発生しません。 |
V7.3-1
Fibre と SCSI 間のテープ・ブリッジによって Fibre Channel に接続されている SCSI 媒体チェンジャ(テープ・ロボット)向けの OpenVMS Alpha Version 7.3-1 には,パスの自動切り替えが実装されていません。そのようなデバイスに対しては複数のパスを構成できますが,別のパスに切り替える場合は,SET DEVICE/SWITCH コマンドを使用してパスの手動切り替えを使用する方法しかありません。
この制限は,今後のリリースで無くなる予定です。
4.22.16 Fibre Channel マルチパス・テープとサード・パーティの製品
V7.3-1
OpenVMS Alpha Version 7.3 では,マルチパスを使用して Fibre Channel アダプタ経由で SCSI テープ・デバイスにアクセスできるようになりました。
OpenVMS Alpha SCSI テープ・クラス・ドライバ(SYS$MKDRIVER.EXE)の Driver Dispatch Table(DDT)の変更に依存しているサード・パーティの製品は,Fibre Channel マルチパス・テープ・デバイスを使用した場合に正しく動作するように変更する必要があります。
該当する製品の製造元の詳細については,Compaq の担当部門
vms_drivers@zko.dec.comまたは,サポート担当者までお問い合わせください。
4.22.17 SCSI マルチパスは一部のサード・パーティ製品と互換性がない
V7.2
システムと SCSI デバイス間に存在する複数のパス間でのフェールオーバをサポートする SCSI マルチパス機能は,OpenVMS Alpha Version 7.2 で導入されました。
このSCSI マルチパス機能は,サード・パーティのディスク・キャッシング,ディスク・シャドウイング,または類似の機能を持つ製品との互換性がないことがあります。この機能がソフトウェアの製造元でサポートされるようになるまでは,そのようなソフトウェアを,マルチパス・フェールオーバを実行するために設定した SCSI デバイス(マルチバス・モードの HSZ70 コントローラや HSZ80 コントローラに接続される SCSI デバイスなど)では使用しないようにしてください。
OpenVMS Alpha SCSI ディスク・クラス・ドライバ(SYS$DKDRIVER.EXE)の Driver Dispatch Table(DDT)の変更に依存しているサード・パーティ製品で SCSI マルチパス機能が正常に動作するようにするには,製品を変更する必要があります。該当する製品の製造元の詳細については,Compaq の担当部門 vms_drivers@zko.dec.comまたは,サポート担当者までお問い合わせください。
OpenVMS Alpha SCSI マルチパス機能の詳細については,『OpenVMS Cluster 構成ガイド』を参照してください。
4.22.18 OpenVMS Cluster システムでの Gigabit Ethernet スイッチの制限事項
V7.3
Gigabit Ethernet スイッチを介して Gigabit Ethernet ノードを OpenVMS Cluster システムに追加しようとすると,スイッチが自動ネゴシエーションをサポートしていない場合には,失敗することがあります。DEGPA はデフォルトで自動ネゴシエーションを有効化しますが,すべての Gigabit Ethernet スイッチが自動ネゴシエーションをサポートしているとは限りません。たとえば,Cabletron が製造している現在の Gigabit Ethernet スイッチは,自動ネゴシエーションをサポートしていません。
さらに,表示されるメッセージが誤解を招く場合もあります。たとえば,CLUSTER_CONFIG.COM を使用してノードを追加し,ローカル・ページをインストールするオプションとスワップ・ディスクを選択していると,ディスク・サービスの問題であるかのように見えます。CLUSTER_CONFIG.COM を実行しているノードは "waiting for node-name to boot" というメッセージを表示する一方で,ブート・ノードは "waiting to tune system" というメッセージを表示するためです。使用可能なディスクのリストはまったく表示されません。ネットワーク・パスが失われているのは,DEGPA とスイッチの間の自動ネゴシエーションのミスマッチが原因であることが伝わりません。
この問題を回避するには,新しいノードの DEGPA での自動ネゴシエーションを,次のように無効にします。
4.23 OpenVMS Management Station
V7.3-1
DECthreads の問題のため,OpenVMS Version 7.3-1 または 7.3 のユーザは,OpenVMS Management Station を Version 3.2 にアップグレードする必要があります。OpenVMS Version 7.3-1 または 7.3 では,OpenVMS Management Station のすべてを Version 3.2 にアップグレードすることを推奨します。
OpenVMS Alpha Version 7.3-1 のインストールに OpenVMS Management Station Version 3.2 が含まれます。OpenVMS Management Station Version 3.2 は Web サイトからでも入手できます。
4.24 PPPD ユーティリティ---ライン切断の問題
V7.3-1
PPPD ユーティリティを使用して PPP 接続を切断し,Version 7.3 から Version 7.3-1 にアップグレードすると,次のメッセージが表示されます。
PPPD> DISCONNECT TTA0: %PPPD-E-PPPCONNECTERR, error connecting to PPP device %SYSTEM-W-NOSUCHDEV, no such device available PPPD-F-ABORT, fatal error encountered; operation terminated |
この問題は,今後の修正キットで修正される予定です。
4.25 OpenVMS レジストリ
ここでは,OpenVMS レジストリのリリース・ノートについてまとめます。
4.25.1 複合バージョンのクラスタでのレジストリ・サービス
V7.3
OpenVMS NT レジストリでのデータ転送サイズの制限事項を解除するために,レジストリで使用する通信プロトコルが変更されました。この変更では,OpenVMS Version 7.2-2 またはそれ以降のレジストリ($REGISTRY システム・サービスとレジストリ・サーバ)のコンポーネントが OpenVMS Version 7.2-1 および Version 7.2-1H1 以前のバージョンの対応するコンポーネントと互換性を持ちません。
複合バージョンの OpenVMS のクラスタを実行する場合,$REGISTRY サービスまたは$REGISTRY サービスを使用する製品(Advanced Server,COM for OpenVMS など)を実行するときに,これらのサービスを OpenVMS Version 7.2-2 またはそれ以降のノードのみ,または Version 7.2-1 ノードのみに限定する必要があります。両方のノードでは同時に使用できません。Version 7.2-1 ノードを Version 7.2-2 またはそれ以降のノードにアップグレードする場合は,第 1.9 節 の手順を実行してください。
Version 7.2-2 またはそれ以降と Version 7.2-1 およびそれ以前のバージョンの両方を含むクラスタ内でレジストリ・サービスを実行する場合は,弊社のサービス担当者にご連絡ください。
4.25.2 レジストリ・データ転送サイズの制限の緩和
V7.3
以前のバージョンの OpenVMS では,$REGISTRY システム・サービスと OpenVMS レジストリ・サーバの間のデータ転送サイズに制限がありました。同様に,データ転送の制限は,レジストリ・データベースに保存する,またはデータベースから取得する 1 データ・ブロックの最大サイズを制限していました。また,以前のバージョンでは,REG$CP 検索コマンドの深さ,およびユーザがメンバになれる Advanced Server ドメイン・グループの数が制限されていました。これらの制限は,OpenVMS Version 7.3 で緩和されていますが,完全に解消されたわけではありません。
以前の送信では約 8KB(サービスからサーバへ)で,受信では 4KB の制限がありました。現在の制限は,システム・パラメータ MAXBUF の設定によって異なります。MAXBUF の範囲は,4K 〜 64K です(デフォルト値は 8K)。
MAXBUF は,単一のバッファード I/O パケットの最大サイズです。MAXBUF を変更すると,バッファード I/O を実行するシステムの他の領域に影響します。
4.25.3 複合バージョン・クラスタでのレジストリ・マスタ・フェールオーバ
V7.3-1
クラスタ内の複数のノードでレジストリ・サーバを実行すると,それらのサーバの 1 つのサーバだけがレジストリ・サーバ・マスタになります。現在のマスタを実行しているノードがシャットダウンされた場合に備えて,他のサーバはスタンバイ・サーバになります。
通常,次の方法のいずれかで,マスタの役割を別のノードへフェールオーバできます。
OpenVMS V7.3-1 から,レジストリ・サーバでは,クラスタ内で相対優先順位が変更されているかどうかを,より迅速で効率的な方法で確認できるようになりました。
相対優先順位を確認する方法については,クラスタ内で実行されているすべてのレジストリ・サーバが同じ方法を使用する必要があります。
したがって,複合バージョン・クラスタでレジストリ・サーバを実行している場合は,レジストリ・サーバ・マスタを別のノードにフェールオーバするような優先順位のつけ方はできません。
現在のレジストリ・サーバ・マスタの終了を要求したり,またはマスタが実行されているノードをシャットダウンした場合でも,レジストリ・サーバ・マスタは別のノードへフェールオーバします。
複合クラスタでは,新しいノードのすべてのサーバに,古いノードのサーバよりも高い優先順位を与えることをお勧めします。これによって,新しいノードでサーバが実行されている場合,古いノードのサーバがマスタになることはありません。
クラスタでのレジストリ・サーバのフェールオーバの詳細については,『COM, Registry, and Events for OpenVMS Developer's Guide』の「OpenVMS Registry System Management」の項を参照してください。
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