OpenVMS
Volume Shadowing for OpenVMS 説明書


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第 3 章
ボリューム・シャドウイングを使うための準備

この章では,ボリューム・シャドウイングを使うために必要なシステム管理作業について説明します。これには,ライセンス,システム・パラメータの設定,ブートなども含みます。

シャドウ・セットの構成を決定した後は,以下の手順に従います。

システム・ディスクはシャドウ化することができます。そのシステム・ディスクからブートするすべてのノードでは,シャドウイングのライセンスをインストールし,有効にしていなければなりません。

3.1 Volume Shadowing for OpenVMS のライセンス登録

ボリューム・シャドウイング製品を使うためには, OpenVMS オペレーティング・システムのライセンスとは別にライセンスを購入する必要があります。ボリューム・シャドウイング・ソフトウェアは, OpenVMS オペレーティング・システムに含まれていますが,ライセンスは別です。

ボリューム・シャドウイングのライセンスには,次の 2 つのオプションがあります。

両方のオプションを同じシステムで使うことも,Alpha コンピュータと VAX コンピュータの両方を含む OpenVMS Cluster で使うことも可能です。

OpenVMS の PAK (Product Authorization Key) を登録して, OpenVMS オペレーティング・システムをライセンス登録した後は,別のボリューム・シャドウイング PAK を使って, Volume Shadowing for OpenVMS のライセンスを登録する必要があります。この PAK には,弊社との Volume Shadowing for OpenVMS ライセンス契約を定義する情報が入っています。 PAK は,弊社の各支店/営業所に連絡して入手してください。

PAK の情報をオンライン LICENSE データベースに入力すると, OpenVMS の LMF (License Management Facility) によってボリューム・シャドウイングの使用が承認されます。

ディスクごとのライセンスを購入した場合は,各々のシャドウ・ディスクにライセンスを登録し,有効にしなくてはなりません。 Volume Shadowing for OpenVMS バージョン 7.1 からは,ディスクごとのボリューム・シャドウイング・ライセンスを使ってシャドウ化された各々のディスクについて,ライセンス・チェックが行われます。ディスクごとのボリューム・シャドウイング・ライセンスは,完全なシャドウ・セット・メンバに対してだけ適用されます。シャドウ・セット・メンバの数が,5 分間,ディスクごとのライセンスの数を越えると,シャドウイング処理は OPCOM 警告メッセージを表示します。システム・パラメータの SHADOW_SERVER$MAIL_NOTIFICATION に標準の OpenVMS Mail アドレスか UNIX (インターネット) アドレスを定義しておけば,その電子メール・アカウントにも,この警告メッセージが送られます。電子メール・アドレスが間違っていても,間違いを示すメッセージは表示されません。

シャドウイング処理は,ランセンスが満たされていないシャドウ・セット・メンバがマウントされてから 59 分後にも通知を発行します。そして,1 分後に,シャドウ・セット・メンバの数がライセンスの数に等しくなるまで,シャドウ・セットからメンバが自動的に削除されます。メンバは系統立って複数メンバのシャドウ・セットから削除されます。単一メンバのシャドウ・セットは影響を受けません。

コピー操作のターゲットとなっているディスクは,コピーが完了するまではライセンスの対象になりません。したがって単一メンバのシャドウ・セットのコピーはいつでも作成できます。

容量ライセンスを購入した場合,OpenVMS Cluster システムのサテライトを含む,シャドウ・セットをマウントする各々のノードに Volume Shadowing for OpenVMS のライセンスを登録し,有効にしなくてはなりません。ボリューム・シャドウイングを使うノードやディスクを登録し,有効にしないと,その後のシャドウ・セットのマウント操作は成功せず, 例 3-1 のようなエラー・メッセージが表示されます。

例 3-1 ボリューム・シャドウイングを使うための登録をしていないノード

%LICENSE-E-NOAUTH, DEC VOLSHAD use is not authorized on this node 
-LICENSE-F-NOLICENSE, no license is active for this software product 
-LICENSE-I-SYSMGR, please see your system manager 

License Management Facility についての詳細は,『OpenVMS Operating System Software Product Description (SPD 25.01.xx)』を参照してください。

また,『OpenVMS License Management Utility Manual』も参照してください。

ボリューム・シャドウイング PAK を登録した後,シャドウイングを有効にする各々のノードでシャドウイング・パラメータを設定する必要があります。

3.2 ボリューム・シャドウイングのパラメータ

表 3-1 に,Volume Shadowing for OpenVMS の使用を指定するために必要なシステム・パラメータと,シャドウイング・ソフトウェアをシステムに適合させるために使用できるシステム・パラメータを示します。これらのシステム・パラメータは OpenVMS バージョン 7.1 から導入されています。ただし,ALLOCLASS はそれよりも前に導入されており, SHADOW_MAX_UNIT は OpenVMS バージョン 7.3 から導入されたものです。 表 3-1 にある 動的 という用語は,実行中のシステムでアクティブな値を変更できることを示しています。システム・パラメータの設定方法の詳細については,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。

OpenVMS バージョン 7.3 では,4 つの書き込みビットマップ・システム・パラメータ ( 表 3-3 で説明 ) とボリューム・シャドウイング・システム・パラメータの SHADOW_MAX_UNIT を導入しました。これらのシステム・パラメータは, 第 7 章 で説明するシャドウイングのミニコピー操作をサポートします。

表 3-1 ボリューム・シャドウイングのパラメータ
パラメータ 機能 範囲 デフォルト 動的
ALLOCLASS システムのデバイス割り当てクラスを指定します。 Volume Shadowing for OpenVMS を使用する場合は, 0 以外の値を指定する必要があります。 0〜255 0 No
SHADOWING 2 の値のボリューム・シャドウイングを有効にします。パラメータの値の説明は, 表 3-2 を参照してください。 0,21 0 No
SHADOW_MAX_COPY 指定したノードでマージ操作やコピー操作を並列に実行する数を制限します。 0〜200 4 Yes
SHADOW_MBR_TMO システムが,シャドウ・セットの物理メンバのフェールオーバを試みる時間を制御します。 1〜65,535 秒 120 Yes
SHADOW_MAX_UNIT ノードに存在できるシャドウ・セットの最大数を指定します。ディスマウントされたシャドウ・セット,使われていないシャドウ・セット,および書き込みビットマップが割り当てられていないシャドウ・セットも,この数に含めます。 10〜10,000 VAX では 100。 Alpha では 500。 No
SHADOW_SYS_DISK システム・ディスクをシャドウ・セットとすることを許可し,オプションとして,ミニマージを有効にします。ミニマージを有効にする場合,指定した,シャドウ化されていない,非システム・ディスクへ書き込みができるように,システム構成を行わなくてはなりません。 0,1,40971 0 Yes
SHADOW_SYS_TMO システム・ディスク・シャドウ・セットのメンバがセットに戻るまでの時間を制御します。 1〜65,535 秒 120 Yes
SHADOW_SYS_UNIT システム・ディスクの仮想ユニット番号が格納されます。 0〜9999 0 No
SHADOW_SYS_WAIT このパラメータは,現在クラスタ環境でマウントされているシャドウ・セットに対してのみ適用されます。マウントされているシステム・ディスク・シャドウ・セットが使えるようになるまで,システムのブートで待つ時間を制御します。 1〜65,535 秒 480 Yes


1これ以外の値は,弊社社内用です。

3.2.1 ボリューム・シャドウイング・パラメータを使う上でのガイドライン

この節では,ボリューム・シャドウイング・パラメータを使う上でのガイドラインを説明します。

◆ALLOCLASS

ALLOCLASS パラメータは,デバイス名の一部を形成する割り当てクラスを指定するために使われます。割り当てクラスの目的は,固有で不変のデバイス名を提供することです。単一システムまたは OpenVMS Cluster システムに Volume Shadowing for OpenVMS を使用する場合は,シャドウ・セット内の各々の物理デバイスに対して 0 以外の割り当てクラス値が必要になります。割り当てクラスの使用方法の詳細については,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。

◆SHADOWING

SHADOWING パラメータは,ボリューム・シャドウイングの特定のフェーズを有効にしたり,無効にしたりします。

表 3-2 に,これらの設定の詳細を説明します。

表 3-2 SHADOWING パラメータの設定
設定 効果
0 シャドウイングを有効にしません。

これがデフォルト値です。

2 ホスト・ベースのシャドウイングを有効にします。

この設定を行うと,スタンドアロン・システムや OpenVMS Cluster システムに存在するすべてのディスクでシャドウイングが行われます。サテライト・ノードも含め,シャドウ・セットをマウントするすべてのノードで SHADOWING を 2 に設定します。

◆SHADOW_MAX_COPY

SHADOW_MAX_COPY パラメータは,指定したノードでマージ操作やコピー操作 ( 詳細は, 第 6 章 を参照) を並列に実行する数を制御します。このパラメータで,マージ操作やコピー操作を同時に実行する数を制限します。

SHADOW_MAX_COPY の値は,0〜200 です。デフォルト値は,OpenVMS のバージョンに依存します。パラメータの設定値を見れば,デフォルト値を確認できます。SHADOW_MAX_COPY パラメータの値が 4 で,すべてコピーが必要な 5 個のマルチボリューム・シャドウ・セットをマウントすると,最初は 4 つのコピーしか実行されません。5 番目のコピーは,最初の 4 つのコピーのどれかが終わるまで待たされます。

SHADOW_MAX_COPY パラメータの値を選択するときは,次の条件を考慮してください。

たとえば,デフォルト値の 4 は,小規模ノードには大きすぎる値です。特に,サテライト・ノードでは,SHADOW_MAX_COPY の値は 0 に設定してください。SHADOW_MAX_COPY の値を小さくしすぎても,システムの効率的な処理を阻害し,すべてのシャドウ・セットをマージするのに要する時間が増加します。

SHADOW_MAX_COPY は動的なパラメータです。ただし,これを変更しても,以降のマージ操作とコピー操作に効果があるだけで,現在の操作 (保留中のものや実行中のもの) には効果がありません。

◆SHADOW_MAX_UNIT

SHADOW_MAX_UNIT では,1 つのノードに存在できるシャドウ・セットの最大数を指定します。この値で重要なことは,作成されたシャドウ・セットは,使われているかいないかにかかわらず,この数に含めるということです。これは動的なシステム・パラメータではないので,使う値を決定するときには十分考慮する必要があります。この値を変更する場合は,システムのリブートが必要です。また,この値を超える数のシャドウ・セットをマウントしようとすると失敗します。

このパラメータはシャドウ・セットの命名には影響しないことに注意してください。たとえば,デフォルト値の 100 にしても,DSA999 というデバイス名は有効です。

◆SHADOW_MBR_TMO

SHADOW_MBR_TMO パラメータは,シャドウ・セットの物理メンバをシャドウ・セットから削除する前に,システムがフェールオーバを試みる時間を制御します。SHADOW_MBR_TMO は,稼働中のシステムで変更できる動的なパラメータです。

SHADOW_MBR_TMO パラメータには,シャドウ・セット・メンバの復旧を試みる時間として,1〜65,535 秒が指定できます。

注意

SHADOW_MBR_TMO の値は,MVTIMEOUT パラメータの値を超えてはなりません。

0 を指定した場合は,デフォルトの待ち時間が使われます。デフォルトの待ち時間は,OpenVMS のバージョンに依存します。OpenVMS Cluster 構成のシャドウ・セットの場合,SHADOW_MBR_TMO の値はすべてのノードで同じ値にする必要があります。

SHADOW_MBR_TMO の適切な値は,迅速な回復と高可用性のトレードオフとして,決定する必要があります。迅速に回復する必要がある場合は, SHADOW_MBR_TMO には小さな値を設定します。そうすれば障害のあるシャドウ・セット・メンバはシャドウ・セットから迅速に削除され,ユーザのシャドウ・セットへのアクセスが継続します。ただし,シャドウ・セット・メンバが削除されるとデータ可用性が低下し,障害のあったメンバが復旧したときに,シャドウ・セットにマウントし直すために,全体をコピーする操作が必要になります。

高可用性が重要な場合は,SHADOW_MBR_TMO に大きな値を設定します。これにより,シャドウイング・ソフトウェアは,障害が発生したメンバへのアクセスを復旧するための時間を長くとることができます。ただし,シャドウ・セットへのユーザ・アクセスは復旧処理の間,中断します。復旧が成功すれば,全体をコピーすることなくシャドウ・セットへのアクセスが継続でき,データ可用性が低下することはありません。シャドウ・セット・メンバが LAN にまたがって構成されている場合には, SHADOW_MBR_TMO に大きな値を設定する必要があります。これは,ブリッジを介した復旧には時間がかかるからです。

シャドウイングでは SHADOW_MBR_TMO パラメータで指定された秒数に従ったタイマを使いますが,電源が落ちたり,ポーリングに応答しない直接接続の SCSI デバイスの場合には,デバイスをシャドウ・セットから削除するのに数分を要することもあります。

◆SHADOW_SYS_DISK

SHADOW_SYS_DISK パラメータの値を 1 にすると,システム・ディスクのシャドウイングが有効になります。値を 0 にすると,システム・ディスクのシャドウイングが無効になります。値を 4097 にすると,ミニマージが有効になります。デフォルト値は 0 です。

システム・ディスクのミニマージを有効にする場合,指定した,シャドウ化されていない非システム・ディスクにダンプができるようにシステムを構成する必要があります。これを DOSD (dump off system disk) と言います。DOSD の詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル(下巻)』を参照してください。

また,システム・ディスクのシャドウ・セット仮想ユニット番号は,そのシステム・ディスク仮想ユニット番号が DSA0 でない場合は, SHADOW_SYS_UNIT システム・パラメータに指定する必要があります。

◆SHADOW_SYS_TMO

SHADOW_SYS_TMO パラメータは,ブート処理と,通常動作の 2 つの段階で使うことができます。SHADOW_SYS_TMO は動的なパラメータなので,システムの稼働中に変更することができます。

ブート処理の段階では,このパラメータは,クラスタの中で 最初にブートして,特定のシャドウ・セットを作成するノードで使います。要求したシャドウ・セットがクラスタにまだマウントされていなかった場合に,システム・ディスク・シャドウ・セットの以前のメンバがすべて使用可能になるまで,ブート中のシステムが待つ時間を,このパラメータによって延長します。

このパラメータの 2 番目の使い方は,システムがシャドウ・セットのマウントに成功し,通常動作を開始した後に有効になります。 SHADOW_MBR_TMO パラメータが,アプリケーション・ディスクのシャドウ・セットの障害のあったメンバがシャドウ・セットに再び戻ってくるまでオペレーティング・システムを待たせる時間を制御するのと同じように, SHADOW_SYS_TMO パラメータでは,システム・ディスクのシャドウ・セットの障害をおこしたメンバについてオペレーティング・システムを待たせる時間を制御します。特定のシステム・ディスクのシャドウ・セットを使っているすべてのノードでは,通常動作が開始されたら, SHADOW_SYS_TMO パラメータに同じ値が設定されている必要があります。したがって,ブートが終われば,このパラメータはシステム・ディスクのシャドウ・セットのメンバにだけ適用されることになります。

デフォルト値は,OpenVMS のバージョンによって異なります。すべてのメンバがシャドウ・セットに参加できるように,デフォルトより長くシステムを待たせたい場合は,最大 65,535 秒まで指定できます。

◆SHADOW_SYS_UNIT

SHADOW_SYS_UNIT パラメータには,システム・ディスクの仮想ユニット番号が格納され,SHADOW_SYS_DISK パラメータが 1 に設定されている場合に設定する必要があります。

SHADOW_SYS_UNIT パラメータは,システム・ディスクの仮想ユニット番号を示す整数値です。デフォルト値は,0 です。許される最大値は,9999 です。このパラメータは,SHADOW_SYS_DISK パラメータの値が 1 のときだけ有効です。このパラメータは,特定のシステム・ディスクのシャドウ・セットからブートするすべてのノードで同じ値を設定する必要があります。SHADOW_SYS_UNIT は動的パラメータではありません。

◆SHADOW_SYS_WAIT

SHADOW_SYS_WAIT パラメータは,システム・ディスク・シャドウ・セットの,現在マウントされているすべてのメンバが,この ノードで使用可能になるまでブート・システムを待たせる時間を延長するために使います。SHADOW_SYS_WAIT は,稼働中のシステムで変更できる動的パラメータです (デバッグ目的のためだけ)。このパラメータが効果を持つのは,少なくとも 1 つの別のクラスタ・ノードにこのシャドウ・セットがマウントされているときです。デフォルト値は, 255 秒です。すべてのメンバがシャドウ・セットに参加できるように,256 秒のデフォルト値より長くシステムを待たせたい場合は,大きな値を設定します。この値の範囲は,1〜65,535 秒です。

3.3 書き込みビットマップのシステム・パラメータ

OpenVMS バージョン 7.3 から,マスタ書き込みビットマップと,それに対応する OpenVMS Cluster システムのローカル書き込みビットマップとの間のアップデート・トラフィックを管理するためのシステム・パラメータが用意されました。別のパラメータには,書き込みビットマップのシステム・メッセージをオペレータ・コンソールに表示するかどうか,そして表示する場合はメッセージの量を制御するものがあります。これらのシステム・パラメータは動的です。つまり,稼働中のシステムで変更できます。これらのパラメータを 表 3-3 に示し,詳細を 第 7.9 節 で説明しています。これらのシステム・パラメータはミニコピー操作をサポートしています ( 第 7 章 参照)。

表 3-3 書き込みビットマップのシステム・パラメータ
パラメータ 意味 単位 最小値 最大値1 デフォルト
WBM_MSG_INT シングル・メッセージ・モードの場合,最も適した書き込みビットマップ・メッセージ・モードを判断する周期を指定します。バッファード・メッセージ・モードの場合,メッセージが送信されるまでに待つ最大時間です。 ミリ秒 10 -1 10
WBM_MSG_UPPER バッファード・メッセージ・モードを開始するためのテスト期間での,メッセージ送信数の上限しきい値です。 メッセージ数/期間 0 -1 100
WBM_MSG_LOWER シングル・メッセージ・モードを開始するためのテスト期間での,メッセージ送信数の下限しきい値です。 メッセージ数/期間 0 -1 10
WBM_OPCOM_LVL 書き込みビットマップ・メッセージのオペレータ・コンソールへの表示を制御します。0 の場合,メッセージは表示されません。1 の場合,書き込みビットマップの,開始,削除,リネームの場合と,SCS メッセージ・モード (シングル /バッファード) が変化した場合に,メッセージが表示されます。 2 の場合,1 の設定で表示されるすべてのメッセージに,デバッグ目的の詳細なメッセージが付加されます。 (無し) 0 2 1


1最大値の -1 は,ロングワードで表現できる正の最大値に相当します。

3.3.1 システム・パラメータの設定

ボリューム・シャドウイング・パラメータの設定や変更を行う場合は, [SYSn.SYSEXE]MODPARAMS.DAT ファイルか,適切な AUTOGEN インクルード・ファイルを編集します。これらのファイルを編集した後で,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』で説明しているように,SYS$UPDATE:AUTOGEN を実行します。 OpenVMS Cluster システムの場合は,各々のノードでシステム・パラメータをアップデートする必要があります。 例 3-2 は,シャドウイング・パラメータを設定する割り当て文を含む,MODPARAMS.DAT ファイルの例です。

例 3-2 MODPARAMS.DAT ファイル

   .
   .
   .
! Volume Shadowing Parameters: 
SHADOWING=2             ! Enables phase II shadowing 
 
SHADOW_SYS_DISK=1       ! Enables system disk shadowing 
 
SHADOW_SYS_UNIT=7       ! Specifies 7 as the virtual unit number 
                          of the system disk 
 
SHADOW_MAX_COPY=4       ! Specifies that 4 parallel copies can occur at one time 
 
SHADOW_MBR_TMO=120      ! Allows 120 seconds for physical members to fail over 
                        ! before removal from the shadow set 
 
   .
   .
   .

AUTOGEN の起動と,必要な AUTOGEN 操作を実行するための適切なコマンド修飾子についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル (下巻)』を参照してください。

3.3.2 システム・パラメータの表示

システム・パラメータの値を表示するために,SYSGEN コマンドの SHOW を使うと,役に立つ場合があります。

SYSGEN ユーティリティの実行には,特別な特権は不要です。 SHOW コマンドには,修飾子とシステム・パラメータ名のどちらかを指定することができます。あるいは,すべてのシステム・パラメータの情報を表示するために,SHOW/ALL コマンドを使うことができます。 SHOW コマンドの詳細を表示するには,SYSGEN> プロンプトで HELP SHOW と入力してください。次の例は,SHADOWING パラメータの現在のデフォルト値,最小値,および最大値を調べる方法を示しています。


$ MCR SYSGEN
SYSGEN> SHOW SHADOWING
Parameter Name   Current  Default  Minimum  Maximum  Unit        Dynamic
--------------   -------  -------  -------  -------  ----        -------
SHADOWING              2        0        0        3  Coded-value
SYSGEN>  

3.4 システム・ディスク・シャドウ・セットからのブート

複数のノードが共通のシステム・ディスク・シャドウ・セットからブートする場合,すべてのノードがシステム・ディスク・シャドウ・セットのソース・メンバの物理ディスクを指定していることを確認してください。

ブート時に,ボリューム・シャドウイング・ソフトウェアは,ブート・デバイスの SCB (storage control block) に含まれるシャドウイング・メンバシップ情報に基づいて,完全なシステム・ディスク・シャドウ・セットを構築しようと試みます。 SCB は,各々のストレージ・デバイスに含まれる ODS-2 または ODS-5 のファイル・システム・データ構造を持ち,シャドウ・セット・メンバシップに関する情報を持ちます ( 第 6.1 節 で説明)。ブート時に SCB に入っている情報に応じて,以下のシナリオが考えられます。

ブート処理では,システム・ディスク・シャドウ・セットのすべてのメンバを,自動的に検索します。スタートアップ・プロシージャの中では,以前フェーズ I シャドウイングがサポートされていたときに推奨されていたような,システム・ディスク・シャドウ・セット・メンバの追加は行わないでください。

警告

スタートアップ・プロシージャ中では,システム・ディスク・シャドウ・セットにメンバを追加しないでください。追加すると,以下の状況でデータが失われる可能性があります。

  1. システムが複数メンバのシステム・ディスク・シャドウ・セットで正常に動作する。

  2. オリジナルのブート・デバイスがシャドウ・セットから削除されるが,ディスクとしては機能する。

  3. システムが残りのメンバで動作を継続する。

  4. システムがシャットダウンするか,障害が発生する。

  5. システムが ( 現在は最新ではなくなった ) オリジナルのブート・デバイスからリブートする。

  6. ブート処理がブート・デバイスが他のシャドウ・セット・メンバと矛盾すると判断するため,それらのメンバをシャドウ・セットに追加しない。この場合,他のメンバ上の最新データには影響はない。

  7. スタートアップ・プロシージャ内の MOUNT コマンドが,別のシャドウ・セット・メンバをシステム・ディスク・シャドウ・セットに追加する。

  8. ブート・デバイスから他のシャドウ・セット・メンバへのコピー操作が開始され,それらのメンバが書き換えられる。

ブート・デバイスで障害が発生すると,次のコンソール警告メッセージが表示されます。


virtual-unit: does not contain the member named to VMB. 
System may not reboot. 

ブート・デバイスが修復されたら,手作業でそれをシステム・ディスク・シャドウ・セットに戻します。

3.5 MSCP がサービスするシステム・ディスク・シャドウ・セットからサテライト・ノードをブートする

OpenVMS オペレーティング・システムは,サテライト・ノードをブートするのに, MOP (Maintenance Operations Procedure) プロトコルを使います。 MOP プロトコルは,LANCP ユーティリティまたは DECnet に付属しています。 LANCP コマンドや DECnet コマンドを使う前に, (LANCP や DECnet の) ネットワーク・ソフトウェアをシステムに設定しておく必要があります。また,サテライトのシステム・ディスクを,サテライトのブートで使うネットワーク・ソフトウェアの LANCP コマンドや DECnet コマンドを使って,定義する必要もあります。システム・ディスクがシャドウ化されている場合,コマンドでは,物理ユニットではなく仮想ユニットか仮想ユニット論理名を指定する必要があります。

MOP サーバは,サテライトへのダウンライン・ロード操作を行うために, (定義された仮想ユニットを使って) システム・ディスク・シャドウ・セットにアクセスします。この操作には,サテライトへの物理ブート・デバイス名のダウンライン・ローディングも含まれます。ダウンライン・ローディングが完了すると,サテライトは MSCP サーバへの接続が可能になり,物理ブート・デバイスへ直接アクセスします。その後,サテライトのシャドウイング・パラメータは,非サテライト・ノードと同様に使われます。

MOP サーバ,MSCP サーバ,およびサテライト・パラメータを自動的に設定するために, SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG_LAN.COM プロシージャ,または SYS$MANAGER:CLUSTER_CONFIG.COM プロシージャを使うことができます。サテライト・ノードをクラスタ構成コマンド・プロシージャで構成する場合は,シャドウ・システム・ディスクの仮想ユニットをサテライトのシステム・ディスクとして指定できます。そうすると,クラスタ構成コマンド・プロシージャはサテライトのシステム・パラメータである SHADOW_SYS_DISK と SHADOW_SYS_UNIT を,自動的に設定します。これらのパラメータの値は,VAX サテライトの場合は, VAXVMSSYS.PAR システム・パラメータ・ファイルへ,Alpha サテライトの場合は, ALPHAVMSSYS.PAR システム・パラメータ・ファイルへ,自動的に転送されます。このコマンド・プロシージャの使用法の詳細は,『OpenVMS Cluster システム』を参照してください。

例 3-3 は,LANCP サテライト・データベースのエントリを表示するために入力するコマンドを示します。

例 3-3 サテライト・ノードの LANCP データベースの例

$ MCR LANCP
LANCP> LIST DEVICE/MOPDLL
 
 
Device Listing, permanent database:
  --- MOP Downline Load Service Characteristics ---
Device    State   Access Mode      Client            Data Size
------    -----   -----------      ------            ---------
ESA0    Disabled NoExlusive  NoKnownClientsOnly     246 bytes
FCA0    Disabled NoExlusive  NoKnownClientsOnly     246 bytes
LANCP> EXIT

DECnet-Plus のコマンドについては,『DECnet-Plus』のドキュメントを参照してください。

例 3-4 は,サテライトの DECnet データベース・エントリを表示するために,MOP サーバに入力する NCP コマンドを示します。 Load Assist Parameter は,サテライト・ノード HIWAY1 をダウンライン・ロードするシャドウ・セット仮想ユニット名を表示していることに注意してください。 例 3-4 では明示的な仮想ユニット名を使っていますが,仮想ユニットに変換される論理名を使うほうが良いかもしれません。

例 3-4 サテライト・ノードの DECnet データベースの例

$ MCR NCP
NCP> SHOW NODE HIWAY1 CHAR
Node Volatile Characteristics as of 12-MAR-2000 14:53:59
Remote node =   19.891 (HIWAY1)
Hardware address         = 03-03-03-03-03-BC
Tertiary loader          = SYS$SYSTEM:TERTIARY_VMB.EXE
Load Assist Agent        = SYS$SHARE:NISCS_LAA.EXE
Load Assist Parameter    = DSA1:<SYS4C.>
NCP> EXIT

サテライト・ノードの SHADOW_MBR_TMO パラメータと SHADOW_MAX_COPY パラメータの設定は,調整する必要があります。これらのパラメータは,クラスタ構成コマンド・プロシージャでは,自動的には設定されません。詳細は, 第 3.2 節 を参照してください。

サテライト・ノードでシステム・ディスクをシャドウ化したいときは,クラスタ構成コマンド・プロシージャで,シャドウイングを自動的に有効にできます。システム・ディスクのシャドウ化は不要だが,シャドウイングは有効にしたい場合は,クラスタ構成コマンド・プロシージャの完了後,手作業で行う必要があります。サテライト・ノードの MODPARAMS.DAT ファイル内のシャドウイング・パラメータを設定し, 第 3.2 節第 3.3.1 項 で説明している AUTOGEN を実行してください。

図 3-1 は,OpenVMS Cluster システム構成に配置されたシャドウ化されたシステム・ディスクを持つ,2 台のサテライト・ノードを示します。この構成で,デバイスの $254$DUA1 と $254$DUA2 は,2 メンバのシャドウ・セットを構成しています。サテライトの HIWAY1 と BYWAY2 は, 2 台のブート・ノードで稼働している MSCP サーバを経由して, Ethernet を通じてシャドウ・セット・メンバにアクセスします。

図 3-1 サテライト・ノードのブート


図 3-1 のサテライト・ノードがブートする際に,ブート・ノード (MOP サーバ) は,初期ブートストラップ・コードを仮想ユニット DSA1 からダウンライン・ロードします。ブート・ノードは,サテライトに対し,ブート処理の残りの部分では,ブート・デバイスとして $254$DUA1 か $254$DUA2 のいずれかを使うように指示します。 ブート・ノードには仮想ユニットがマウントされている必要があることに注意してください。その後,サテライトは,ブート・デバイスの SCB に格納されているシャドウ・セット・メンバシップ情報に従って,システム・ディスク・シャドウ・セットをローカルに構成します。

次に示す SHOW DEVICES コマンドでは,サテライト・ノード HIWAY1 のブート後のシャドウ・セットの見え方を示しています。この例では,物理ディスク・デバイスは MSCP サーバ・ノードの BTNODE を通じてアクセスされます。


$ SHOW DEVICES DSA1
Device                Device           Error   Volume    Free   Trans Mnt
Name                  Status           Count   Label     Blocks Count Cnt
DSA1:                 Mounted           0      MYVOLUME  181779   194  37
$254$DUA1:  (BTNODE)  ShadowSetMember   0      (member of DSA1:)
$254$DUA2:  (BTNODE)  ShadowSetMember   0      (member of DSA1:)
$ 

3.6 シャドウ・セットの作成と管理

シャドウ・セットの作成,マウント,管理は, DCL コマンド・レベルで対話型で行うか,ユーザが作成するプログラムで行います。


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