日本語 HP DECwindows Motif
for OpenVMS
インストレーション・ガイド


前へ 次へ 目次


A.1.7.3 システム・パラメータ

表 A-5 に示すのは,インストレーションに最低限必要なシステム・パラメータ値の一覧です。 DECwindows Motif のインストレーション・プロセスは,これらの値のチェックを自動的に行います。これらのパラメータ値の調整が必要な場合,インストレーション・プロセスは NEWPARAMS.DAT ファイルを作成します。 AUTOGEN はこのファイルを CLU$PARAMS.DAT ファイルの入力として使用します。ほとんどの場合,この処理により MODPARAMS.DAT ファイルの修正は必要なくなります。

DECwindows Motif と OpenVMS を一緒にインストールしている場合,インストレーション・プロセスは要件値のチェックをインストレーションが完了するまで遅らせます。この場合,AUTOGEN が自動的に実行されます ( 付録 A.2.5 項 を参照)。 DECwindows Motif と OpenVMS を同時にインストールしていない場合はインストレーション中にチェックが行われ,インストレーションを進める前に AUTOGEN を実行するように指示があります ( 付録 A.2.3.2.1 項 を参照)。

ご利用のプログラムとアプリケーションの種類に応じて,一部の設定について表の値より大きな値が必要となる場合もあります。より大きな値が必要な場合は, AUTOGEN を実行する前に MODPARAMS.DAT ファイルを修正する必要があります。

表 A-5 最低限必要なシステム・パラメータ値
システム・パラメータ
GBLSECTIONS     600 1
GBLPAGES  150,000 1
GBLPAGFIL    1,024
SWPOUTPGCNT     512
MAXBUF    8,192
CHANNELCNT     255
PROCSECTCNT      64
PQL_DPGFLQUOTA     ---
PQL_MPGFLQUOTA   32,768
PQL_MASTLM     100
PQL_MBIOLM     100
PQL_MBYTLM  100,000
PQL_MDIOLM     100
PQL_MENQLM     300
PQL_MFILLM     100
PQL_MPRCLM      10
PQL_MWSDEFAULT    1,024
PQL_MWSQUOTA    2,048
PQL_MWSEXTENT    8,192
CLISYMTBL     512
GH_RES_CODE    1,024
GH_RES_DATA     512
IMGREG_PAGES    2,000
WINDOW_SYSTEM       1
NPAGEDYN 1,998,848
PAGEDYN  600,000
WSMAX   12,000


1グローバル・ページおよびグローバル・セクションを使用するアプリケーションをすでにインストールしてある場合は,表より高いパラメータ値が必要となることがあります。システムをブートすると, DECWindows Motif の起動時にシステムの未使用の GBLPAGES および GBLSECTIONS の値がチェックされます。 GBLPAGES および GBLSECTIONS に十分な空きがない場合は, DECwindows Motif の起動プロシージャが,警告と各パラメータの推奨値を出力します。

警告

システムに,インストレーションに必要な量のグローバル・ページおよびグローバル・セクションがあることを確認しない場合, DCL テーブルが壊れる可能性があります。

A.1.7.4 システム保守プロシージャ

この項では,システム・ジェネレーション・ユーティリティ(SYSGEN) およびAUTOGENユーティリティを使用して, DECwindows Motif のインストレーション用にシステムを準備する方法を説明します。 AUTOGENユーティリティはシステム構成データを使用して,システム・パラメータを自動的に設定します。

注意

DECwindows Motif のインストレーション・プロシージャおよびスタートアップ・プロシージャは,必要なシステム・パラメータ値を自動的にチェックし, 付録 A.1.7.3 項 で説明した NEWPARAMS.DAT/CLU$PARAMS.DAT による方法で適切な値を AUTOGEN に渡します。したがって,ほとんどの場合,以下の項で説明するようなマニュアル操作によるパラメータ値のチェックおよび修正の必要はありません。これらの項では, DECwindows Motif により通常指定される値を超えてシステム・リソースを増やす必要があると判断した場合の手順について説明しています。

A.1.7.4.1 SYSGEN によるシステム・パラメータ値のチェック

システム・パラメータ値をチェックするには, DCLプロンプトで次のコマンドを入力して SYSGENユーティリティを起動してください。


$ RUN SYS$SYSTEM:SYSGEN
SYSGEN> USE CURRENT
SYSGEN> 

SYSGENプロンプトで, SHOWコマンドを入力してシステム・パラメータ値を表示してください。次のコマンドで,CLISYMTBL システム・パラメータ値を表示することができます。


SYSGEN> SHOW CLISYMTBL

SHOW コマンドですべての必要なパラメータをチェックした後, SYSGEN プロンプトで EXIT コマンドを入力し,DCL レベルに戻ります。

現在の値が 表 A-5 に指定された値よりも小さい場合は,システム・パラメータ値を大きくしてください。 付録 A.1.7.4.4 項 に, AUTOGENユーティリティを使用してパラメータ値を大きくする方法が説明されています。

A.1.7.4.2 未使用のグローバル・ページとグローバル・セクションの量を計算する

DECwindows Motif ソフトウェアをインストールし実行するためには, DECwindows Motif ソフトウェアと SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE ファイルに対して,グローバル・ページとグローバル・セクションに十分な空きが必要になります。 表 A-6 に,システムがすでに DECwindows Motif 実行している場合およびシステムで DECwindows Motif を実行していない場合に, DECwindows Motif が必要とする空きグローバル・ページとグローバル・セクション示します。

表 A-6 連続する未使用グローバル・ページおよびグローバル・セクションの必要量
DECwindows Motif を実行している場合
システム・リソース  
CONTIG_GBLPAGES 12,000  
FREE_GBLSECTS    20  
     
DECwindows Motif を実行していない場合
システム・リソース  
CONTIG_GBLPAGES 92,000  
FREE_GBLSECTS   260  

DECwindows Motif は, NEWPARAMS.DAT ファイルでグローバル・ページおよびグローバル・セクションに対してMIN_ および ADD_ パラメータの両方を用意して十分なリソースが利用できるようにします。また, DECwindows Motif のスタートアップ・コマンド・プロシージャはこれらの値をチェックし,現在のリソースが十分でない場合は AUTOGEN を自動的に起動します。ただし,一定のシステム負荷のもとでは,ユーザ自身が MODPARAMS.DAT に ADD_ エントリを記述してこれらのリソースを増やす必要がある場合もあります。ユーザが MODPARAMS.DAT に用意した ADD_ の値は, DECwindows Motif が NEWPARAMS.DAT ファイルに用意した値に加えられます。

最初に,システムにどの程度グローバル・ページおよびグローバル・セクションの空きが存在するかと,新しいバージョンの SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE を再インストールするのにどの程度グローバル・ページおよびグローバル・セクションが必要になるかを調べます。その後,必要に応じて,AUTOGEN ユーティリティを使用して GBLPAGES および GBLSECTIONS システム・パラメータの値を増やします。

連続する空きグローバル・ページ数および空きグローバル・セクション数を調べるには,F$GETSYI レキシカル関数とともに WRITE コマンドを入力してください。可能であればこのコマンドは,これらの 2 つのリソースに対する負荷のピーク時に使用してください。次の例では,省略時のターミナル SYS$OUTPUT でこの情報を入手する方法を示しています。


$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("CONTIG_GBLPAGES") [Return]
15848
$ WRITE SYS$OUTPUT F$GETSYI("FREE_GBLSECTS") [Return]
24

SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE で必要となるグローバル・ページ数を調べるには,次のような DCL コマンドを入力してください。


$ DIR/SIZE SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE

このコマンドは SYS$LIBRARY:DCLTABLES.EXE ファイルのサイズ (ブロック数) を返します。この値を,このファイルに必要なグローバル・ページ数の概算値として使用してください。

この値を 表 A-6 に示す値と比較して,連続する空きグローバル・ページ数および空きグローバル・セクション数が十分であるかどうかを確認してください。インストレーションを続けるには値が十分でない場合は 付録 A.1.7.4.4 項 を参照し,AUTOGEN ユーティリティを使用してこれらの値を増やしてください。

A.1.7.4.3 ページ・ファイルのサイズの設定

許容範囲のパフォーマンスで DECwindows Motif を実行できるように,ページ・ファイルのサイズには,システムの仮想メモリを扱うことができるだけの十分な大きさが必要です。ページ・ファイルの最適サイズは,システムに搭載している物理メモリ量,アプリケーションの負荷など,各種要因に依存します。

一般的な原則として,ページ・ファイルのサイズは, 75,000ブロック以上としてください。ただし,多数のアプリケーションを実行するシステムでは,このサイズは小さすぎる場合があります。負荷の重いシステムの場合は,ページ・ファイルのサイズを2倍あるいはそれ以上に増やすことで,パフォーマンスが大幅に改善されることもあります。

通常は,FEEDBACK を指定して AUTOGENを実行し,システムの使用パターンに基づいたページ・ファイルのサイズを計算させます。 FEEDBACK を指定して AUTOGEN を実行するには,次のDCLコマンドを入力します。


$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN SAVPARAMS REBOOT FEEDBACK 

また, SYSGENユーティリティを実行して,あるいは
SYS$UPDATE:SWAPFILES.COMコマンド・プロシージャを使用して,ページ・ファイルのサイズを増やすこともできます。

ページ・ファイルのサイズの設定手順および AUTOGENの実行手順についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』の AUTOGEN ユーティリティの節および『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』の AUTOGEN ユーティリティの節を参照してください。パフォーマンスのチューニング全般については,『OpenVMS Performance Management』を参照してください。

A.1.7.4.4 AUTOGENユーティリティを使用したシステム・パラメータの変更

AUTOGENユーティリティを使用して,システム・パラメータを変更します。 AUTOGENは,ユーザがマニュアル操作でリセットした値に対応するパラメータの値を自動的に調整します。 AUTOGEN を使用してシステム・パラメータを変更するには, SYS$SYSTEM:MODPARAMS.DATファイルを編集してください。

このファイルに入っているパラメータ値を変更するには,そのパラメータに対応する現在値を削除し,新しい値を入力してください。

グローバル・ページおよびグローバル・セクションなどのパラメータの現在の値を増やす場合は,パラメータ名にプリフィックス ADD_ を付けて値を指定した 1 行をファイルに追加します。次の例では,グローバル・ページの値に 30,000 を追加しています。


ADD_GBLPAGES = 30000

次に示すのは,値の追加が必要となる可能性のあるシステム・パラメータの一覧です。

SYSMWCNT
GBLSECTIONS
GBLPAGES
GBLPAGFIL
NPAGEDYN
PAGEDYN

変更をすべて入力したらファイルの編集を終了し, AUTOGENユーティリティを実行してシステム・パラメータを再度計算します。次のコマンドを入力して,システム・パラメータを再度計算し,システムを再ブートします。


$ @SYS$UPDATE:AUTOGEN GETDATA REBOOT

REBOOTを指定すると, AUTOGENユーティリティが自動的にシステムをシャットダウンした後,システムを再ブートします。シャットダウン中にシステムにログインしたユーザは,シャットダウン時に自動的にシステムから切断されます。自動再ブートにより,新しいパラメータ値が有効となります。

AUTOGENの使用法についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』の AUTOGENユーティリティの項および『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』のAUTOGENの項を参照してください。

A.1.7.5 システム・ディスクのバックアップ

ソフトウェアをインストールする場合は,その前にシステム・ディスクのバックアップを行うことをお勧めします。インストレーション開始時に,インストレーション・プロシージャから,システム・ディスクのバックアップを行ってあるかどうか問い合わせがあります。通常の手順でバックアップを行ってください。システム・ディスクのバックアップの実行手順についての詳細は,『OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』のバックアップ・ユーティリティの項を参照してください。

A.1.7.6 他のユーザへの通知

インストレーションの前に,特定の製品をインストールしようとしていること,およびインストレーション中はログアウトしなければならないことをシステムにログインしているユーザに通知します。次の手順に従って,他にログインしているユーザがいないことを確認してください。

  1. DCL プロンプトに次のコマンドを入力して,現在ログインしている他のユーザにログアウトするよう通知します。


    $ REPLY/ALL/BELL/SHUTDOWN "Log out for the installation of -
    _$ Compaq DECwindows Motif for OpenVMS, Version 1.2--6 please..."
    

  2. DCLプロンプトに次のコマンドを入力して,非特権ユーザがシステムにログインできないようにします。


    $ SET LOGINS/INTERACTIVE=0
    

可能な場合は,システムに再度ログインできるまでの予想時間をユーザに通知するようにしてください。

A.2 POLYCENTERソフトウェア・インストレーション・ユーティリティの使用法

ここでは, POLYCENTERソフトウェア・インストレーション(PCSI)ユーティリティを使用して, DECwindows Motif をインストールする方法について説明します。 DECwindows Motif 製品では, DIGITAL コマンド言語 (DCL) インタフェースを使用した PCSI をサポートしています。

この節の構成および内容は次のとおりです。

システムにソフトウェア製品をインストールし,管理する方法および手順についての詳細は,『OpenVMS システム管理者マニュアル』を参照してください。『OpenVMS システム管理者マニュアル』には,インストレーションを開始する前の準備に関する情報のほか,次のような各種トピックについての有用な情報が提供されています。

必要とされるソフトウェアおよびライセンスについての情報は, 付録 A.1.4 項 を参照してください。

警告

システム・ディスクのバックアップ・コピーがない場合は, DECwindows Motif をインストールしないようにしてください。 DECwindows Motif をインストールする前に, (『OpenVMS Upgrade and Installation Supplement』に記載されている手順で) システム・ディスクのバックアップを行ってください。

インストレーション・プロシージャを開始する前に, 付録 A.1 節 に目を通し,インストレーションの前提条件と必要条件を確認してください。


前へ 次へ 目次