OpenVMS
OpenVMS Cluster 構成ガイド


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4.6 Fibre Channel インターコネクト

Fibre Channel は,PCI ベースの Alpha システム用の高性能 ANSI 標準ネットワーク・ストレージ・インターコネクトです。全二重シリアル・インターコネクトとして,毎秒 100 MB で送受信できます。 Fibre Channel は,Fibre Channel スイッチへの複数ノード接続により SCSI ストレージの同時アクセスをサポートします。ノード間通信には, 2 番めのタイプのインターコネクトが必要です。

Fibre Channel ストレージに対するマルチホスト・アクセスには,以下のコンポーネントが必要です。

4.6.1 利点

Fibre Channel インターコネクトには,以下の利点があります。

4.6.2 スループット

Fibre Channel インターコネクトは,最大 2 Gb/s で伝送できます。 100 MB/s で同時送受信が可能な全二重シリアル・インターコネクトです。

4.6.3 サポートされているアダプタ

Fibre Channel アダプタ (KGPSA) は,PCI バスに接続します。

関連項目: 各 AlphaServer システムでサポートされる Fibre Channel アダプタの詳細については,次の OpenVMS の Web サイトにアクセスしてください。


http://hp.com/go/openvms 

左ナビゲーション・パネルから「AlphaSystems」を選択してください。その後,知りたい AlphaServer システムを選択し QuickSpecs を選択します。各 AlphaServer の QuickSpecs には,そのシステムでサポートされるアダプタなど,すべてのオプションが簡単に紹介されています。

4.7 MEMORY CHANNEL インターコネクト

MEMORY CHANNEL は,PCI ベースの Alpha システム用の高性能クラスタ・インターコネクト・テクノロジです。少ない待ち時間,高い帯域幅,直接メモリ・アクセスにより,MEMORY CHANNEL は OpenVMS Cluster 固有の能力を 1 つの仮想システムへと拡張します。

MEMORY CHANNEL 接続のサポートには,3 つのハードウェア・コンポーネントが必要です。

MEMORY CHANNEL ハブは,システム間の接続を提供する PC サイズのユニットです。 MEMORY CHANNEL はハブごとに 4 つの Alpha ノードをサポートできます。システムは,2 つの MEMORY CHANNEL アダプタで構成してアダプタ障害時のフェールオーバにすることができます。各アダプタは別々のハブに接続する必要があります。

ノードが 2 つだけのクラスタに MEMORY CHANNEL ハブは必要ありません。 2 ノード構成では,モジュール・ジャンパを使用して 1 つの PCI アダプタを仮想ハブに構成します。

4.7.1 利点

MEMORY CHANNEL テクノロジには以下の特徴があります。

4.7.2 スループット

MEMORY CHANNEL インターコネクトの最大スループットは 100 MB/s という高い値を備えています。1 つの MEMORY CHANNEL で不十分な場合は,最大 2 つのインターコネクト (および 2 つの MEMORY CHANNEL ハブ) にスループットを振り分けることができます。

4.7.3 サポートされているアダプタ

MEMORY CHANNEL アダプタは PCI バスに接続します。MEMORY CHANNEL アダプタの CCMAA--BA は,以前のアダプタに比べ,パフォーマンスが改善されました。

関連項目: 各 AlphaServer システムでサポートされる CCMAA-BA アダプタの詳細については,次の OpenVMS の Web サイトにアクセスしてください。


http://hp.com/go/openvms 

左ナビゲーション・パネルから「AlphaSystems」を選択してください。その後,知りたい AlphaServer システムを選択し QuickSpecs を選択します。各 AlphaServer の QuickSpecs には,そのシステムでサポートされるアダプタなど,すべてのオプションが簡単に紹介されています。

4.8 SCSI インターコネクト

SCSI インターコネクトは,業界標準のインターコネクトであり,1 つ以上のコンピュータ,周辺機器,インターコネクト・コンポーネントをサポートしています。SCSI は,シングル・パス,デイジー・チェーンのマルチドロップ・バスです。また,SCSI は,シングル 8 ビットまたは 16 ビットのデータ・パスであり,エラー検出用のバイト・パリティを備えています。長距離通信用には,安価なシングル・エンド・シグナル通知と作動シグナル通知の両方を利用できます。

OpenVMS Cluster では,1 つの SCSI インターコネクト上の複数の Alpha コンピュータが同時に SCSI ディスクにアクセスできます。この種の構成をマルチホスト SCSI 接続といいます。ノード間通信には,別のタイプのインターコネクトが必要です。SCSI ストレージに対するマルチホスト・アクセスでは,以下のコンポーネントが必要です。

さらに大きな構成規模では,以下のコンポーネントを利用できます。

関連項目: SCSI 構成の接続方法の詳細については, 付録 A を参照してください。

4.8.1 利点

SCSI インターコネクトには,以下の利点があります。

4.8.2 スループット

表 4-4 は,SCSI インターコネクトのスループットをまとめたものです。

表 4-4 最大転送速度,単位 MB/秒
モード Narrow (8-Bit) Wide (16-Bit)
Standard 5 10
Fast 10 20
Ultra 20 40

4.8.3 SCSI インターコネクト距離

SCSI インターコネクトの最大長は,構成で使用するシグナル通知方法によって決まり,シングル・エンド・シグナル通知の場合はデータ転送速度で決まります。

SCSI インターコネクト用の電気シグナル通知は,シングル・エンドとディファレンシャルの 2 種類があります。どちらの種類も Standard モード,Fast モード,または Ultra モードで動作します。ディファレンシャル・シグナル通知の場合,最大 SCSI ケーブル長は, Standard モードと Fast モードで同じになります。

表 4-5 は,シグナル通知方法のタイプによる SCSI インターコネクト距離の違いをまとめたものです。

表 4-5 最大 SCSI インターコネクト距離
シグナル通知方式 データ転送速度 最大ケーブル長
シングル・エンド Standard 6 m 1
シングル・エンド Fast 3 m
シングル・エンド Ultra 20.5 m 2
ディファレンシャル Standard または Fast 25 m
ディファレンシャル Ultra 25.5 m 3


1SCSI 標準では,このインターコネクトに最大長 6 m を指定しています。ただし,データの一貫性を高いレベルで維持するためには,最大長はできれば 4 m までにしてください。
2この長さは,デバイスが両端に接続される場合にだけ適用します。デバイスをインターコネクト上に分布する場合は,最低 1 m ずつ離してください。またインターコネクトが 4 m を超えないようにします。
3デバイスは 3 つ以上接続できます。

4.8.4 サポートされているアダプタ,バス・タイプ,コンピュータ

表 4-6 は,SCSI アダプタと,それがサポートする内部バスとコンピュータをまとめたものです。

表 4-6 SCSI アダプタ
アダプタ 内部バス サポート
コンピュータ
埋め込み (NCR-810 based)/KZPAA 1 PCI システムのオプション仕様を参照してください。
KZPSA 2 シングル・ホスト構成で PCI KZPSA をサポートするすべての Alpha コンピュータがサポート 3
KZTSA 2 TURBOchannel DEC 3000
KZPBA-CB 4 PCI シングル・ホスト構成で KZPBA をサポートするすべての Alpha コンピュータがサポート 3


1シングル・エンド。
2Fast Wide Differential (FWD)。
3各システム別のハードウェア・マニュアルを参照してください。
4Ultra Differential。 Ultra シングル・エンド・アダプタ (KZPBA-CA) は,マルチホスト・システムをサポートしません。

関連項目: 各 AlphaServer システムでサポートされる SCSI アダプタの詳細については,次の OpenVMS の Web サイトにアクセスしてください。


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左ナビゲーション・パネルから「AlphaSystems」を選択してください。その後,知りたい AlphaServer システムを選択し QuickSpecs を選択します。各 AlphaServer の QuickSpecs には,そのシステムでサポートされるアダプタなど,すべてのオプションが簡単に紹介されています。

4.9 CI インターコネクト

CI インターコネクトは,OpenVMS Cluster システムの通信用のラジアル・バスです。以下のコンポーネントで構成されます。

4.9.1 利点

CI インターコネクトには以下の利点があります。

4.9.2 スループット

CI インターコネクトは,高い最大スループットを備えています。CI アダプタは,通常は CPU が実行する処理動作の多くを実行するハイ・パフォーマンス・マイクロプロセッサを使用します。その結果,最小限の CPU 処理パワーで済むことになります。

CI バスのスループットの有効スループットが高いため,大規模な OpenVMS Cluster 構成で CI インターコネクトが 1 つしかなくてもそれがボトルネックになることはありません。 CI が 1 つでは不足する場合,複数の CI インターコネクトを利用すればスループットを上げることができます。

4.9.3 サポートされているアダプタとバス・タイプ

以下に示すのは,CI アダプタとそれぞれがサポートする内部バスです。

関連項目: 各 AlphaServer システムでサポートされる CI アダプタの詳細については,次の OpenVMS の Web サイトにアクセスしてください。


http://hp.com/go/openvms 

左ナビゲーション・パネルから「AlphaSystems」を選択してください。その後,知りたい AlphaServer システムを選択し QuickSpecs を選択します。各 AlphaServer の QuickSpecs には,そのシステムでサポートされるアダプタなど,すべてのオプションが簡単に紹介されています。


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