前へ | 次へ | 目次 |
漢字フィルタを使用する時,FTPクライアントなどのアプリケーションが異常終了する可能性が潜在的にありました。この現象による問題は以前のバージョンでは確認されていませんが,本リリースで修正されました。
4.2 本リリースで修正された報告のあった問題
Compaq では,カスタマから報告された問題の追跡に IPMT (Integrated Problem Management Tool) を使用しています。問題報告が作成されると,その問題には「CFS」で始まる一意の識別番号が与えられます。問題がエンジニアの対象問題としてログに記録されると, PTR (Problem Tracking Report) 番号が与えられます。
この節では,カスタマから報告があり,本リリースの TCP/IP Services で修正された問題について,CFS および PTR 番号を含めて説明します。
表 4-1 に,BIND リゾルバで修正されたカスタマから報告のあった問題について説明します。
CFS 番号 | PTR 番号 | 説明 |
---|---|---|
CFS.82606 | 70-5-1641 | 以前は,FTP クライアントや TELNET クライアントのようなアプリケーションでは,ホスト名にアンダスコア文字 (_) を含めることはできないという BIND リゾルバの制約事項に遭遇することがありました。アプリケーションは "unexpected nameserver" エラーまたは "nameserver experienced temporary error, retry operation" エラーのいずれかを返していました。この問題は修正されています。 BIND リゾルバはホスト名のアンダスコアを認識します。 BIND サーバは現在でもホスト名で使用できる文字を制限することがあります。 |
CFS 番号 | PTR 番号 | 説明 |
---|---|---|
CFS.80807 | 70-5-1572 | Windows 2000 のDNS サーバに対しロード・ブローカによって送信されている動的更新は, unknown response: ans=0, auth=1, add=1, rcode=3 のようなエラーを表示して失敗します。この問題は修正されています。 |
CFS.84739 | 70-5-1729 | スタートアップ中にロード・ブローカが失敗していました。この問題は修正されています。ゾーンあたりの NS レコードの最大数が 16 から 32 に増やされました。 |
CFS 番号 | PTR 番号 | 説明 |
---|---|---|
CFS.73400
CFS.75491 CFS.75696 |
70-5-1260
70-5-1357 70-5-1368 |
アップグレードの後,パスワードを何度も間違って入力したターミナル・サーバからの TELNET ユーザは,OpenVMS Intrusion Detection メカニズムの引き金を引いて,すべての TELNET ユーザがターミナル・サーバからロック・アウトされることがありました。
次のいずれかの方法により,TELNET で不注意に侵入ロックアウトが引き起こされるという問題を解決することができます。
どちらの解決策も好ましくない場合は,論理名 TCPIP$TELNET_NO_REM_ID を設定することができます。この論理名を定義すると,TELNET が,SYS$REM* 論理名を設定しないという元の動作に戻されます。 この論理名を使用すると,TELNET ログインに対する侵入検出メカニズムを事実上バイパスすることに注意してください。 |
CFS 番号 | PTR 番号 | 説明 |
---|---|---|
CFS.87060 | 70-5-1855 | SMTP シンビオントが失敗して,ログ・ファイルに次のエラーが記録されていました。
SYSTEM-F-NOPRIV, error trying to access CF control file このエラー・メッセージの後に ACCVIO エラーが続いていました。これは,SMTP 負荷が重い状況で起こっていました。 BIND リゾルバで問題の原因が修正されました。 SMTPは BIND リゾルバを頻繁に使用します。 |
CFS 番号 | PTR 番号 | 説明 |
---|---|---|
CFS.88243 | 70-5-1904 | 新しいプロキシを作成しようとすると, TCP/IP Services で次のようなエラー・メッセージが生成されていました。
%SYSTEM-E-INSFMEM, insufficient dynamic memory 問題は TCP/IP Services のスタートアップ・プロシージャが原因で起こっており,このプロシージャでプロキシ・キャッシュ・サイズが設定されていませんでした。この問題は修正されています。 |
CFS.81412
CFS.80586 |
70-5-1588
70-5-1560 |
ある状況では,TCP/IP 管理コマンドの SHOW HOST が,BIND データベースを検索する際に,ACCVIO エラーで失敗していました。
次の 2 つの方法でゾーンが転送されることがあります。つまり,複数の DNS メッセージ (それぞれのメッセージに 1 つのリソース・レコードを含む),または多数のリソース・レコードを含む 1 つの大きな DNS メッセージのいずれかです。大きな DNS メッセージもいくつかのメッセージに渡ることがありますが,各メッセージが複数のリソース・レコードを含んでいるため区別されます。 BIND リゾルバは,SHOW HOST コマンドを実装しており,そのように大量データが 1 度に到着するのに対処できませんでした。この問題は修正されています。 |
CFS.85063 | 70-5-1746 | SHOW HOST コマンドを 2 度入力すると,管理コマンドのインタフェースがハングしていました。この問題は修正されています。 |
この章では,TCP/IP Services for OpenVMS 製品のマニュアルで提供されている情報に関するアップデートについて説明します。
5.1 『Management Guide』のアップデート
本リリースでは,次の章がアップデートされます。
さらに,『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management 』の情報が次のようにアップデートされています。
$ SET DISPLAY/CREATE/NODE="''nodename'"/TRANSPORT=tcpip - _$ /SERVER='server/SCREEN='screen |
The default operation is to then create a Common Desktop Environment (CDE) using:
$ DEFINE DECW$DISPLAY "''p1'" $ DEFINE display "''p1'" $ @CDE$PATH:XSESSION.COM |
置き換える内容:
$ @CDE$PATH:XSESSION.COM |
$ SET DISPLAY/CREATE/NODE=nodename/TRANSPORT=TCPIP $ @SYS$MANAGER:DECW$STARTSM.COM |
Before executing either of these command procedures, XDM looks for an XDM_XSESSION.COM file in the user's SYS$LOGIN directory. If found, XDM executes the file. Users can create a DECterm by adding the following DCL commands to their XDM_XSESSION.COM file:
$ SET PROC/PRIV=SYSNAM $ SET DISPLAY/CREATE/NODE=workstation_display/TRANSPORT=TCPIP - _$ /EXECUTIVE_MODE $ CREATE/TERMINAL/WAIT/WINDOW_ATTRIBUTES=(ICON=nodename, - _$ TITLE=window_title) |
For a complete description of the CREATE and SET DISPLAY commands and their qualifiers, use the DCL command HELP at the OpenVMS system prompt.
置き換える内容:
$ @SYS$MANAGER:DECW$STARTSM.COM |
Before executing either of these command procedures (but after performing the $SET DISPLAY), XDM looks for an XDM_XSESSION.COM file in the user's SYS$LOGIN directory. If the file is found, XDM executes that file instead, passing it both the full display specification
nodename[:server[.screen]]" as P1, and just the node name as P2.
Users then have full control over exactly what type of session they prefer to start. For example, to start a DECterm, the following DCL commands are placed into their XDM_XSESSION.COM file:
$ CREATE/TERMINAL/WAIT/WINDOW_ATTRIBUTES=(ICON="''p2'",TITLE=window_title) |
For a complete description of the CREATE command and its qualifiers, use the DCL command HELP at the OpenVMS system prompt.
$ DEFINE/SYSTEM TCPIP$LPD_KEEPALIVE 1 |
$ DEFINE/SYSTEM TCPIP$FTPD_KEEPALIVE 1 |
SET SERVICE コマンドを使用して,このコンフィギュレーション・パラメータを設定することはできません。
(The client does not provide ADFs for files with the .TXT and .C extensions, because these are STREAM_LF.) The client maintains these ADFs on the server. |
これらの文章はマニュアルから削除される予定です。
TCPIP> MOUNT DNFS1:[A] /HOST=BART /PATH="/DKA0/ENG" |
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS User's Guide 』の情報は次のようにアップデートされます。
5.3 『Management Command Reference』のアップデート
『 Compaq TCP/IP Services for OpenVMS Management Command Reference 』の情報は,次のようにアップデートされます。
/VERSION=V2 | Version 2 だけを指定します。 |
/VERSION=V3 | Version 3 だけを指定します。 |
/VERSION=(V2,V3) | Version 2 と Version 3 の両方を指定します。 /VERSION 修飾子を省略した場合,これが省略時の設定になります。 |
SET CONFIGURATION ENABLE SERVICE は,コンフィギュレーション・データベース内の有効にされているサービスのリストに,サービスのエントリを追加します。
SET CONFIGURATION ENABLE NOSERVICE は,コンフィギュレーション・データベース内の有効にされているサービスのリストから,サービスのエントリを削除します。
FORMAT のセクションは,次のようになります。
SET CONFIGURATION ENABLE [NO]SERVICE service [/COMMON ] [ /[NO]CONFIRM ] |
service パラメータは必須で,必ず指定する必要があります。 service パラメータの省略時の設定はありません。
PARAMETERS セクションには,次の記述が追加されます。
service
必須。
コンフィギュレーション・データベースに対して追加または削除を行うサービスを指定します。
QUALIFIERS の項には,次の記述が追加されます。
/COMMON
オプション。省略時の設定: /COMMON のないノード固有のサービス。
クラスタ単位でサービスを有効または無効にするため,コンフィギュレーション・データベース内のサービスに関連する情報を変更します。
/CONFIRM
/NOCONFIRM
オプション。省略時の設定: ワイルドカードを指定した場合は /CONFIRM,それ以外の場合は /NOCONFIRM。
SET CONFIGURATION ENABLE NOSERVICE とのみ一緒に使用して,各削除操作の前に,操作を実行するかどうかを確認するために要求を発行するかどうかを制御します。
/CONFIRM 修飾子は,サービス・レコードを削除する際にユーザの確認を要求します。
確認を要求するプロンプトに対して,次のいずれかを入力します。
- レコードを削除する場合は Y
- レコードを保持しておく場合は N
/NOCONFIRM 修飾子は,サービス・レコードを削除する際に,ユーザによる確認をすべて省きます。
Enable service TELNET Remove? [N]:Y |
コンフィギュレーション・データベースで,ユーザによって確認された場合には,このノードでのスタートアップのために有効にされているサービスをすべて無効にします。
TCP/IP 管理インタフェースのオンライン・ヘルプ・ファイルが,この節で説明した変更を反映するようにアップデートされています。オンライン・ヘルプを参照するには,次のコマンドを入力してください。
$ TCPIP TCPIP> HELP |
前へ | 次へ | 目次 |