日本語Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS
ユーザーズ・ガイド


前へ 次へ 目次 索引


フォームにとって必要なストック・タイプがプリント・キューのFORM_MOUNTED によって指定されたフォームと一致しない場合には,プリント・ジョブは待ち状態に設定されます。プリンタに必要なストックがセットされ,キューのフォームがFORM_MOUNTED による指定と一致するものに変更されたときに,待ち状態が解除されます。

たとえば,フォーム・タイプSHORT$REPORTを使用してGROTON.RPTを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/FORM=SHORT$REPORT GROTON.RPT

/HEADER

/NOHEADER (省略時の設定)

各ページの区切り目にヘッダ行,ファイル名,ページ番号,およびファイル作成日を印刷します。

ヘッダ情報は自動的には挿入されません。出力にヘッダ情報を印刷するには,/HEADERを指定しなければなりません。/NOHEADER修飾子を指定すれば,ヘッダ行の挿入を禁止できます。

たとえば,FARM.DATを印刷するときにヘッダ行を印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/HEADER FARM.DAT

/HOLD

/NOHOLD (省略時の設定)

プリント・ジョブをただちに開始するのか,またはSET ENTRY/RELEASEコマンドによってジョブの保留が解除されるまで保留状態に設定するのかを指定します。この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・ジョブはただちに処理されます。

SET ENTRY/RELEASEコマンドによってジョブの保留が解除されるまでプリント・ジョブを保留するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/HOLD FARM.DAT

/IDENTIFY (省略時の設定)

/NOIDENTIFY

プリント・ジョブがキューに登録されるときに,プリント・キューとプリント・ジョブのエントリ番号を表示するかどうかを指定します。省略時の設定は/IDENTIFYです。

たとえば,FARM.DATを印刷するときに,プリント・キューとプリント・ジョブ・エントリ番号を表示しないことを指定するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/NOIDENTIFY FARM.DAT

/JOB_COUNT=n

ジョブを n 回ずつ印刷します。 n の値は 1〜255です。この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・ジョブは1回だけ印刷されます。複数のファイルを含むプリント・ジョブで特定のファイルを2部以上印刷することを指定するには,/COPIES修飾子を使用します。

たとえば,FARM.DATを印刷した後,GROTON.DATを3回印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/JOB_COUNT=3 FARM.DAT,GROTON.DAT

DECprint Supervisor を使用するプリント・ジョブで/JOB_COUNTを指定した場合,変換が必要なときは,ソフトウェアは要求されたファイルの各コピーに対してファイルを変換し,PostScript形式でファイルを送信しなければなりません。この処理を実行すると,コンピュータ・システムの負荷が増大し,プリント・ジョブの印刷速度が遅くなる可能性があります。

/LOWERCASE

/NOLOWERCASE (省略時の設定)

プリント・ジョブで小文字の印刷が必要であることを指定します。この修飾子は PostScriptプリンタには適用されません。プリント要求にこの修飾子を指定した場合には,この修飾子は無視されますが,プリント・ジョブは印刷されます。

/MODIFIED

/NOMODIFIED (省略時の設定)

ファイルの最終変更日時をもとに,印刷するファイルを選択します。この修飾子は /BEFOREまたは/SINCE修飾子と組み合わせて使用し,時刻を指定します。他のファイル選択修飾子としては/BACKUP,/CREATED,および/EXPIREDがあります。/BEFORE または/SINCEだけを指定し,ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には,ファイルの作成日時が使用されます。

たとえば,GROTONという名前のファイルのうち,2001年3月19日以降に変更されたすべてのファイルを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/MODIFIED/AFTER=19-MAR-2001 GROTON.*

/NAME=job-name

プリント・ジョブの名前を指定します。この名前はジョブ・セパレータ・ページに印刷されます。ジョブ名は最大39文字の英数字です。省略時のジョブ名はプリント・ジョブの最初のファイルの名前です。

たとえば,AG_DATAというジョブ名を使用してFARM.DATを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/NAME=AG_DATA FARM.DAT

/NOTE=string

ジョブ・セパレータ・ページに印刷される最大255文字のメッセージ文字列を指定します。

たとえば,セパレータ・ページに配布場所を指定するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/NOTE="SEND TO SECOND FLOOR, BIN 7" FARM.DAT

/NOTIFY

/NONOTIFY (省略時の設定)

ジョブが開始および終了されるときに,そのことを通知し,印刷中に発生したエラーや, PostScriptオペレータから戻されたメッセージ(printpstack=,および == )などをユーザに通知します。

/NOTIFY修飾子を指定しなかった場合には,これらのプリント・ジョブ・メッセージは表示されません。

たとえば,プリント・ジョブの状態を通知することを要求するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/NOTIFY FARM.DAT,GROTON.DAT

プリント・ジョブをリモート・プリンタのキューに登録するために Distributed Queuing Service (DQS)ソフトウェアを使用する場合には,/NOTIFY修飾子によって戻されるジョブの開始メッセージと終了メッセージは,実際の印刷開始時刻および終了時刻を表現しない可能性があります。DQSでは,プリンタ・エラー・メッセージやプリンタからの他のメッセージはユーザ・ターミナルに表示されません。

/OPERATOR=string

プリント・ジョブが開始されるときにオペレータに送信されるメッセージ文字列を指定します。メッセージは最大255文字の長さです。メッセージ文字列は引用符で囲んでください。

たとえば,オペレータのターミナルに配布場所を送信するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/OPERATOR="FARM.DAT TO JONES" FARM.DAT

/PAGES=lowlim,uplim

DECprint Supervisor ソフトウェアはこの修飾子を無視します。 第 1.7 節 で説明したPAGE_LIMITパラメータを使用してください。 PostScriptプリンタに対するPRINTコマンドに/PAGES修飾子を指定した場合には,この修飾子は無視されますが,プリント・ジョブは印刷されます。

/PARAMETERS=parameter

DECprint Supervisor の印刷機能の値を指定します。パラメータは 付録 C に示すとおりです。

たとえば,用紙の両面に印刷するためにSIDESパラメータを指定するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/PARAMETERS=SIDES=2 GROTON.DAT

/PASSALL

/NOPASSALL (省略時の設定)

プリンタの処理全体でプリント・ジョブの元の属性をそのまま維持し,/HEADER,マージン処理,およびタブのエミュレーションを禁止します( 第 6 章 を参照)。ただし,/PASSALL修飾子は,システム管理者がDEFINE/FORM/SETUPを使用して指定した操作を禁止しません。プリント・ジョブでフォーム定義を使用する場合には,そのフォーム・タイプに対応するフォーム属性が有効になります(詳しくは 第 13 章 を参照してください)。

たとえば,特殊処理を実行せずにFARM.DATファイルを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/PASSALL FARM.DAT

/PRIORITY=n

プリント・ジョブに割り当てる優先順位を指定します。この修飾子を使用すれば,プリント・ジョブを特定の順序で印刷できます。 nの値は0〜255 です。この優先順位をMAXQUEPRIのシステム値より高く設定するには,オペレータ(OPER) 特権が必要です。

たとえば,FARM.DATをGROTON.DATより低い優先順位で印刷し,GROTONが最初に印刷されるようにするには,次に示すように2つのPRINTコマンドを入力します。


$ PRINT/PRIORITY=1 FARM.DAT
$ PRINT/PRIORITY=2 GROTON.DAT

/QUEUE=queue-name

ジョブを印刷するために使用するプリント・キューを指定します。 queue-name に対して実行キューの名前またはジェネリック・キューの名前を指定します。この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・ジョブはシステム管理者が定義した省略時のSYS$PRINTキューに登録されます。

システムに定義されているプリント・キューを表示するには,SHOW QUEUEコマンドを使用します。 第 2.2 節 を参照してください。

たとえば,PS$DUPLEXというキューに対応するプリンタでFARM.DATを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/QUEUE=PS$DUPLEX FARM.DAT

/REMOTE

リモート・プリント要求を別のシステムで開始します。

この修飾子を指定する場合には,印刷するファイルはリモート・ノードに存在しなければなりません。また,プリント要求のファイル指定にホスト・ノード名を指定しなければなりません。ファイルは他のシステムの省略時のプリント・キュー(SYS$PRINT)に登録され,そのシステムに対して定義されているプリンタ属性を使用します。 /REMOTE修飾子を使用する場合には,/QUEUE修飾子と/PARAMETERS修飾子は無視されます。

たとえば,AGRO::ノードのプリンタでGROTON.DATを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/REMOTE AGRO::[MACDONALD]GROTON.DAT

/RESTART

/NORESTART (省略時の設定)

プリンタで紙づまりが発生したり,プリンタが停止したときに,プリント・ジョブを自動的に再起動することを要求します。

複数のファイルまたは複数のコピーを印刷するプリント・ジョブで,1つのファイルから次のファイルにPostScriptパラメータを渡さなければならない場合には,このようなプリント・ジョブは正しく再起動できません(詳しくは 第 1.5 節 を参照)。

次の場合には,プリント・ジョブに対して/RESTARTを指定することはできません。

たとえば,ANSI$PSPRINTというプリント・キューでFARM.DATを印刷するためのプリント・ジョブを確実に再起動するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/RESTART/QUEUE=ANSI$PSPRINT FARM.DAT

/RETAIN=オプション

ジョブをキューに保持する条件を指定します。ジョブがキューに保持された場合,ジョブ終了後に SHOW QUEUE コマンドを用いてジョブの状態を確認することができます。ジョブ保持を指定しなかった場合,ジョブ終了後にジョブの記録はキューに残りません。

ジョブ保持の指定には次のオプションを使用します。

ALWAYS ジョブの終了状態に関わらずジョブをキューに保持します。
DEFAULT キューの保持ポリシに従ってキューにジョブを保持します。
ERROR ジョブが正常に終了しなかった場合のみ,キューにジョブを保持します。
UNTIL= 時間 ジョブの終了状態に関わらず,指定された時間の間ジョブをキューに保持します。

/SETUP=module

指定されたセットアップ・モジュールを(キューの装置制御ライブラリから) プリント・ジョブに挿入します。システム管理者はセットアップ・モジュールを装置制御ライブラリに追加したり,既存のセットアップ・モジュールを変更できます。

キューの装置制御ライブラリから1つ以上のセットアップ・モジュール名を指定します。複数のモジュール名を指定する場合には,各モジュール名をカンマで区切り,全体を括弧で囲んでください。

たとえば,FARM.RPTを印刷するためのプリント・ジョブに4UP_GRIDと4UP_WIDEという PostScriptモジュールを追加するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/SETUP=(4UP_GRID,4UP_WIDE) FARM.RPT

/SINCE=time

/NOSINCE (省略時の設定)

指定された日時以降の日付のファイルを選択し,そのファイルを印刷します。時刻のかわりにキーワードとしてTODAY,TOMORROW,およびYESTERDAYを使用できます。

この修飾子は次のいずれかの修飾子と組み合わせて使用し,ファイル選択モードを変更します。

/BACKUP 最終バックアップ日時をもとにファイルを選択する
/CREATED 作成日時をもとにファイルを選択する(ファイル選択修飾子を指定しなかった場合には,これが省略時の設定である)
/EXPIRED ファイルの満了日時をもとにファイルを選択する
/MODIFIED ファイルの最終変更日時をもとにファイルを選択する

たとえば,GROTONという名前のファイルのうち,2001年3月1日以降に変更されたファイルだけを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/MODIFIED/SINCE=01-MAR-2001 GROTON.*

/SINCE修飾子を指定しなかった場合には,ファイルの作成日時,バックアップ日時,変更日時,または満了日時とは無関係に,指定されたファイルが印刷されます。

/SPACE

/NOSPACE (省略時の設定)

シングル・スペースまたはダブル・スペース(各テキスト行の間に1行のブランク行を出力する形式)で印刷を要求します。ダブル・スペース出力が必要な場合は/SPACEを使用します。シングル・スペース出力が必要な場合は/NOSPACEを使用します。

たとえば,ダブル・スペースでFARM.DATを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/SPACE FARM.DAT

/TRAILER=keyword

/NOTRAILER (省略時の設定)

各ファイルの最後にファイル・トレーラ・ページを印刷するかどうかを指定します。この修飾子はPRINTコマンドとファイル指定の間に指定してください。各ファイルの各コピーの後にトレーラ・ページを印刷する場合は,キーワードとしてALLを指定し,プリント・ジョブ内の各ファイルの最後のコピーの後にだけトレーラ・ページを印刷する場合は,ONEを指定します。この修飾子を指定しなかった場合には,プリント・キューの省略時の動作が実行されます。

この修飾子はジョブ・トレーラ・ページの出力に影響しません。ジョブ・セパレータ・ページについての詳しい説明は,『日本語 Compaq DECprint Supervisor for OpenVMS システム・マネージャーズ・ガイド』を参照してください。

たとえば,GROTONというプリント・ジョブ内のすべてのファイルに対してトレーラ・ページを印刷するには,次のコマンドを使用します。


$ PRINT/TRAILER=ALL GROTON.*

/USER=user-name

他のユーザのジョブを印刷することを許可します。他のユーザのジョブを印刷するには, CMKRNL特権とファイルに対するR (読み込み)アクセス権が必要です。この修飾子を指定しなかった場合には,印刷を要求したユーザのユーザ名を持つファイルだけが印刷されます。

たとえば,JONESというユーザのFARM.DATという名前のファイルを印刷するには,次のコマンドを入力します。


$ PRINT/USER=JONES FARM.DAT


前へ 次へ 目次 索引