本書は,ハード・パーティション,ソフト・パーティション (OpenVMS Galaxy),RAD (リソース・アフィニティ・ドメイン) をサポートする AlphaServer システムで,これらの機能を OpenVMS Alpha で使用する方法について説明します。また,OpenVMS Galaxy コンピューティング環境の作成,管理,使用方法についても説明します。
改訂/更新情報: | 本書は OpenVMS Alpha V7.3 『 OpenVMS Alpha パーティショニングおよび Galaxy ガイド』の改訂版です。 |
ソフトウェア・バージョン: | OpenVMS Alpha V7.3--1 |
© 2002 Compaq Computer K.K.
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Printed in Singapore.
本書は CD-ROM でも提供しています。
原典:OpenVMS Alpha Partitioning and Galaxy Guide
© 2002 Compaq Computer Corporation
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『OpenVMS Alpha パーティショニングおよび Galaxy ガイド』は,OpenVMS Alpha バージョン 7.3--1 で提供されるパーティショニングと OpenVMS Galaxy 機能を活用する方法について説明します。
本書に説明されている情報は OpenVMS Alpha システムにのみ適用され,OpenVMS VAX システムには適用されません。
本書は,システム管理者,アプリケーション・プログラマ,技術コンサルタント,データ・センター管理者をはじめ,OpenVMS Alpha の OpenVMS Galaxy およびパーティショニング機能に関する知識を必要とする方を対象にしています。
『OpenVMS Alpha パーティショニングおよび Galaxy ガイド』は,OpenVMS パーティショニングをサポートするハードウェア・プラットフォームでの OpenVMS パーティショニングの概念と機能を紹介します。また,OpenVMS Alpha バージョン 7.3--1 で提供される OpenVMS Galaxy 機能の使用方法についても説明します。
本書は,次の章と付録で構成されています。
本書では,読者が OpenVMS の概念と操作について十分理解しているものと想定しているため,OpenVMS に関する基本情報は記載していません。
次のマニュアルには,パーティション分割されたコンピューティング環境に役立つ OpenVMS の情報が含まれています。
OpenVMS 製品とサービスの詳細については,弊社の Web サイトにアクセスしてください。URL は次のとおりです。
http://www.openvms.compaq.com/ |
または
http://openvms.compaq.co.jp/ |
本書では次の表記法を使用しています。
また,本書では次の表記法も使用しています。
表記法 | 意味 |
---|---|
Ctrl/x | Ctrl/x という表記は,Ctrl キーを押しながら別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。 |
PF1 x | PF1 x という表記は,PF1 に定義されたキーを押してから,別のキーまたはポインティング・デバイス・ボタンを押すことを示します。 |
[Return] | 例の中で,キー名が四角で囲まれている場合には,キーボード上でそのキーを押すことを示します。テキストの中では,キー名は四角で囲まれていません。 HTML 形式のドキュメントでは,キー名は四角ではなく,括弧で囲まれています。 |
... |
例の中の水平方向の反復記号は,次のいずれかを示します。
|
. . . |
垂直方向の反復記号は,コードの例やコマンド形式の中の項目が省略されていることを示します。このように項目が省略されるのは,その項目が説明している内容にとって重要ではないからです。 |
( ) | コマンドの形式の説明において,括弧は,複数のオプションを選択した場合に,選択したオプションを括弧で囲まなければならないことを示しています。 |
[ ] | コマンドの形式の説明において,大括弧で囲まれた要素は任意のオプションです。オプションをすべて選択しても,いずれか1つを選択しても,あるいは1つも選択しなくても構いません。ただし,OpenVMS ファイル指定のディレクトリ名の構文や,割り当て文の部分文字列指定の構文の中では,大括弧に囲まれた要素は省略できません。 |
[|] | コマンド形式の説明では,括弧内の要素を分けている垂直棒線はオプションを 1 つまたは複数選択するか,または何も選択しないことを意味します。 |
{ } | コマンドの形式の説明において,中括弧で囲まれた要素は必須オプションです。いずれか 1 つのオプションを指定しなければなりません。 |
太字 | 太字のテキストは,新しい用語,引数,属性,条件を示しています。 |
italic text | イタリック体のテキストは,重要な情報を示します。また,システム・メッセージ ( たとえば内部エラーnumber ) ,コマンド・ライン ( たとえば /PRODUCER=name ) ,コマンド・パラメータ ( たとえばdevice-name ) などの変数を示す場合にも使用されます。 |
UPPERCASE TEXT | 英大文字のテキストは,コマンド,ルーチン名,ファイル名,ファイル保護コード名,システム特権の短縮形を示します。 |
Monospace type | モノスペース・タイプの文字は,コード例および会話型の画面表示を示します。 C プログラミング言語では,テキスト中のモノスペース・タイプの文字は,キーワード,別々にコンパイルされた外部関数およびファイルの名前,構文の要約,または例に示される変数または識別子への参照などを示します。 |
-- | コマンド形式の記述の最後,コマンド・ライン,コード・ラインにおいて,ハイフンは,要求に対する引数がその後の行に続くことを示します。 |
数字 | 特に明記しない限り,本文中の数字はすべて10 進数です。10 進数以外 (2 進数,8 進数,16 進数) は,その旨を明記してあります。 |
OpenVMS のユーザは,ハードおよびソフト・パーティションをサポートするシステムをさまざまな形で使用しています。これらのシステムを最も効果的に使用するためには,コンピューティングとアプリケーションに対するユーザのニーズに最適な構成オプションを検討する必要があります。
この章では,ハード・パーティションとソフト・パーティションの使用方法,および,新しい AlphaServer システムでできるだけ効率良くアプリケーションを実行させる RAD ( リソース・アフィニティ・ドメイン ) に対する新しい OpenVMS サポートについて説明します。
1.1 OpenVMS システムでのハード・パーティションとソフト・パーティションの使用
ハード・パーティショニングとは,ハードウェアで強制されたアクセス・バリアでコンピューティング・リソースを物理的に分離したものです。ハード・パーティション境界を越えて読み込みや書き込みを行うことはできません。ハード・パーティション同士ではリソースは共用されません。
ソフト・パーティショニングとは,ソフトウェアで制御されたアクセス・バリアでコンピューティング・リソースを分離したものです。ソフト・パーティション境界を越えた読み込みと書き込みのアクセスは,オペレーティング・システムによって制御されます。OpenVMS Galaxy は,ソフト・パーティショニングの実装です。
新しい AlphaServer GS シリーズ・システムでどのようなパーティション分割を選択するかは,コンピューティング環境とアプリケーションの要件によって決まります。パーティショニングをサポートする OpenVMS システムの構成方法を決定するときには,次の項目を考慮する必要があります。
新しい AlphaServer GS シリーズ・システムでハード・パーティションまたはソフト・パーティションを使用するかどうかを決定するときには,次の点に注意してください。
ハード・パーティションは,次の要素を必要とします。
メモリ・オプションは,メモリ帯域幅とメモリ容量に対するアプリケーションの感度,およびハードウェア・パーティションの数に従って選択してください。これによって必要なメモリ・ベース・モジュールとアップグレードの数が決まります。必要な合計容量は,選択される配列のサイズを決定します。
メモリ・モジュールは,2 の倍数で構成してください。つまり,QBB のベース・モジュールの個数は,0,1,2,4 のいずれかにします。同様に,アップグレードでも QBB のベース・モジュールの個数は 2 の倍数である 0,1,2,4 をインストールしてください。
これ以降の項では,次の 3 つのハード・パーティション構成の例を説明します。
ここで説明したパーティショニング手順の詳細については,『AlphaServer GS80/160/320 Firmware ReferenceManual』を参照してください。
1.3.1 ハード・パーティションの構成例 1
図 1-1 は,4 つの QBB を使って 4 つのハード・パーティションを構成するものです。それぞれのハード・パーティションには 1 つの QBB があります。
図 1-1 構成例 1
4 つのハード・パーティションで AlphaServer GS160 システムを構成するには,次の一連の SCM コマンドを入力します。
SCM コンソールから,hp NVRAM 変数の次の設定を入力します。値はビット・マスクです。
SCM_E0> power off -all SCM_E0> set hp_count 4 SCM_E0> set hp_qbb_mask0 1 SCM_E0> set hp_qbb_mask1 2 SCM_E0> set hp_qbb_mask2 4 SCM_E0> set hp_qbb_mask3 8 SCM_E0> set hp_qbb_mask4 0 SCM_E0> set hp_qbb_mask5 0 SCM_E0> set hp_qbb_mask6 0 SCM_E0> set hp_qbb_mask7 0 SCM_E0> power on -all |
また,ハード・パーティションは電源を個別にオンまたはオフにできます。たとえば,この構成を使って,次のように入力することもできます。
SCM_E0> power off -all SCM_E0> set hp_count 4 SCM_E0> set hp_qbb_mask0 1 SCM_E0> set hp_qbb_mask1 2 SCM_E0> set hp_qbb_mask2 4 SCM_E0> set hp_qbb_mask3 8 SCM_E0> set hp_qbb_mask4 0 SCM_E0> set hp_qbb_mask5 0 SCM_E0> set hp_qbb_mask6 0 SCM_E0> set hp_qbb_mask7 0 SCM_E0> power on -partition 0 SCM_E0> power on -partition 1 SCM_E0> power on -partition 2 SCM_E0> power on -partition 3 |
各ハード・パーティションの電源投入フェーズ中に,パーティションがどのようにオンラインになるかを示す状態情報が表示されます。この情報をよく観察し,処理中に障害が何も発生しないことを確認してください。
ハード・パーティションがオンラインになると,そのハード・パーティションのコンソール・デバイスでの作業を開始できます。また,NVRAM 変数 AUTO_QUIT_SCM の設定に応じて,それぞれのハード・パーティションのコンソールが,SCM または SRM のどちらのコンソール・モードでもオンラインになることに注意してください。
ハード・パーティションのそれぞれのコンソールから SRM コンソールに入ると,そのハード・パーティションに固有のコンソール変数を設定できます。その後,標準の OpenVMS の手順に従って,それぞれのハード・パーティションで OpenVMS をブートします。次の例を参照してください。
OpenVMS における典型的なハード・パーティション 0 SRM コンソールの設定:
P00>>>show bootdef_dev bootdef_dev dkb0.0.0.3.0 P00>>>show boot_osflags boot_osflags 0,0 P00>>>show os_type os_type OpenVMS |
OpenVMS における典型的なハード・パーティション 1 SRM コンソールの設定:
P00>>>show bootdef_dev bootdef_dev dkb0.0.0.3.0 P00>>>show boot_osflags boot_osflags 1,0 P00>>>show os_type os_type OpenVMS |
OpenVMS における典型的なハード・パーティション 2 SRM コンソールの設定:
P00>>>show bootdef_dev bootdef_dev dkb0.0.0.3.0 P00>>>show boot_osflags boot_osflags 2,1 P00>>>show os_type os_type OpenVMS |
Compaq Tru64 UNIX における典型的なハード・パーティション 3 SRM コンソールの設定:
P00>>>show bootdef_dev bootdef_dev dka0.0.0.1.16 P00>>>show boot_osflags boot_osflags A P00>>>show os_type os_type UNIX |
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