Compaq OpenVMS
システム管理者マニュアル


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  1. スタンドアロン BACKUP を使用している際に,バックアップが終了すると,次のメッセージが表示される。


    %BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-2000 
    15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation, 
    use the console to halt the system. 
     
    If you do want to perform another standalone BACKUP operation, 
    ensure the standalone application volume is online and ready. 
    Enter "YES" to continue: 
    


    ステップ 11 に進む。

  2. メニュー方式のプロシージャを使用している場合は,バックアップが終了すると, DCL プロンプトが表示される。ログ・アウトしてメニューからシャットダウン・オプションを選択する。

  3. 装置からバックアップ・テープを取り出す。取り出したテープに COMPLETE SYSTEM BACKUP というラベルを付け,同時に日付も記入する。複数のテープを使用した場合は,連続番号も記入すること。

  4. テープ・カートリッジまたは磁気テープを書き込み禁止にする。

  5. システムを停止させる。

  6. システムを再ブートする。

  7. バックアップ・テープを安全な場所に保管する。

11.17.4 テープからのシステム・ディスクの復元

何らかの問題が発生して,システム・ディスクのブートが不可能になった場合は,バックアップ・コピーを使用してシステム・ディスクを復元することができます。

作業方法

テープからシステム・ディスクを復元する手順は次のとおりです。

注意

BACKUP で復元したシステム・ディスクのクラスタ・サイズ (ディスク・アクセス方式) などのボリューム・パラメータには,コンパックが用意した値が使用されます。それらボリューム・パラメータの大半は,後で SET VOLUME コマンドを使用して変更することができます。クラスタにマウントされているボリュームに関しては,SET VOLUME コマンドが発行されたノードに対して変更が起こります。

クラスタ・サイズを変更する場合は,新しいクラスタ・サイズで初期化したディスクにシステム・ディスクを再度バックアップする必要があります。ディスクの初期化については 第 9.3 節 , BACKUP コマンドの修飾子については『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』をそれぞれ参照してください。

  1. システム構成に応じて,スタンドアロン BACKUP をブートするか,またはメニュー・システムを起動する。

  2. 復元先のシステム・ディスクをセットしている装置名を確認する。装置名の確認方法については, 第 8.2 節 を参照すること。

  3. 完全なシステム・ディスク・バックアップが入っている 1 本目を装置にセットする。テープは,必ず書き込み禁止にしておくこと。

  4. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。


    BACKUP/IMAGE/VERIFY  - 
       入力指定:セーブ・セット.BCK/REWIND    出力指定: 
    


    こうした構文規則に従った BACKUP コマンドの例を次に示す。


    $ BACKUP/IMAGE/VERIFY MUA0:DEC_31_BACKUP.BCK/REWIND DUA0:
    

  5. 次のメッセージが表示される。


    %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass 
    

  6. システム・ディスクのバックアップ・コピーが複数のテープ・カートリッジまたは磁気テープにまたがっている場合は,次のメッセージとプロンプトが表示される。


    %BACKUP-I-RESUME, Resuming operation on volume 2 
    %BACKUP-I-READYREAD, Mount volume 2 on MUA0: for reading 
    Enter "YES" when ready. 
    


    これらのメッセージが出されない場合は,ステップ 7 に進む。これらのメッセージを受け取った場合は,次の操作を行う。

    1. 装置から現在のバックアップ・テープを取り出す。

    2. 次のバックアップ・テープを装置にセットする。

    3. 準備ができたら,Y (YES) と入力して,Return を押す。

    4. 次のメッセージが表示される。


      %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass 
      


      この後,マウント要求が出されたら,その都度,a から c のステップを繰り返す。

  7. スタンドアロン BACKUP を使用している際に,復元が終了すると,次のメッセージが表示される。


    %BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-2000 
    15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation, 
    use the console to halt the system. 
     
    If you do want to perform another standalone BACKUP operation, 
    ensure the standalone application volume is online and ready. 
    Enter "YES" to continue: 
    


    ステップ 9 に進む。

  8. メニュー方式のプロシージャを使用している場合は,復元が終了すると, DCL プロンプトが表示される。ログアウトしてメニューからシャットダウン・オプションを選択する。

  9. 装置から最後のバックアップ・テープを取り出す。

  10. システムを停止させる。

  11. システムを再ブートする。

  12. バックアップ・テープを安全な場所に戻す。

11.17.5 ディスクへのシステム・ディスクのバックアップ

/SAVE_SET 修飾子を使わずに,ディスク間のイメージ・バックアップを行うことによって,ディスクのフラグメンテーションを解消することができます。このバックアップでは,ファイルが連続して書き込まれ,機能的にシステム・ディスク全体と等価のコピーが作成されます。

注意

ディスク間のバックアップでは,出力装置が初期化され,既存のファイルが効率良く消去されます。

作業方法

システム・ディスクをディスク間でイメージ・バックアップする手順は,次のとおりです。

  1. バックアップに使用する,十分な記憶容量をもつディスクを用意する。出力ディスクは初期化されるため,必要なファイルが含まれていないことを確認すること。

  2. バックアップするシステム・ディスクの装置名を確認する。装置名の確認については, 第 8.2 節 を参照すること。ブートを行うシステム・ディスクの装置名を知りたい場合は,DCL の SHOW LOGICAL SYS$SYSDEVICE コマンドを使用する。

  3. システム構成に応じて,スタンドアロン BACKUP をブートするか,メニュー方式のプロシージャを起動する。

  4. 次の形式で BACKUP コマンドを入力する。


    BACKUP/IMAGE/VERIFY   入力指定:   出力指定: 
    


    こうした構文規則に従った BACKUP コマンドの例を次に示す。


    $ BACKUP/IMAGE/VERIFY DUA0: DUA1:
    

  5. BACKUP から,ファイルの転送を終え,バックアップ・コピーの検証中であることを示す次のメッセージが表示される。


    %BACKUP-I-STARTVERIFY, starting verification pass 
    


  6. スタンドアロン BACKUP を使用している際に,バックアップが終了すると,次のメッセージが表示される。


    %BACKUP-I-PROCDONE, Operation completed. Processing finished at 19-MAY-2000 
    15:30. If you do not want to perform another standalone BACKUP operation, 
    use the console to halt the system. 
     
    If you do want to perform another standalone BACKUP operation, 
    ensure the standalone application volume is online and ready. 
    Enter "YES" to continue: 
    


    ステップ 8 に進む。

  7. メニュー方式のプロシージャを使用している場合は,バックアップが終了すると, DCL プロンプトが表示される。ログアウトしてメニューからシャットダウン・オプションを選択する。

  8. これでバックアップ・コピーの出力先ディスクを,システム・ディスクとして使用することができる。ファイルが連続して書き込まれるので,ディスクのフラグメンテーションも解消される。

  9. 元のシステム・ディスクを保管する。

  10. システムを停止させる。

  11. 新しく作成したシステム・ディスクでシステムを再ブートする。

11.17.6 InfoServer テープによるシステム・ディスクのバックアップと復元

VAX システムの場合,システム・ディスクを InfoServer テープにバックアップして, InfoServer テープからシステム・ディスクを復元することができます。

作業方法

  1. OpenVMS CD-ROM の現在のバージョンを使用して,SYS1 ディレクトリからシステムをブートする。CD-ROM は,InfoServer またはローカル・ドライブの読取り装置に入れる。

    注意

    ブート・コマンドは,使用しているシステムのタイプによって異なります。システムのブートについての詳細は,使用しているシステムのインストールおよび操作の説明を参照してください。

  2. メニューシステムから,オプション 1 を選択する。

  3. プロンプトから,システム・ディスクのバックアップを実行できる。

例 11-1 は,システム・ディスクを InfoServer テープにバックアップする手順を示しています。

例 11-1 InfoServerテープへのシステム・ディスクのバックアップ

>>>  B/R5:10000100 ESA0
Bootfile: ISL_SVAX_061
-ESA0 
 Network Initial System Load Function 
 Version 1.1 
 
 
  FUNCTION        FUNCTION 
    ID 
    1     -       Display Menu 
    2     -       Help 
    3     -       Choose Service 
    4     -       Select Options 
    5     -       Stop 
 
 Enter a function ID value: 3
  OPTION          OPTION 
    ID 
    1     -       Find Services 
    2     -       Enter known Service Name 
 
 Enter an Option ID value: 2
Enter a Known Service Name: VMS072
   OpenVMS VAX Version 7.3 Major version id = 3 Minor version id = 0 
                                                   
%SYSINIT-E, error opening page file, status = 0000025C 
%SYSINIT-E, error opening swap file, status = 0000025C 
%SYSINIT, primary PAGEFILE.SYS not found; system initialization continuing 
%SYSINIT, no dump file - error log buffers not saved 
%SYSINIT-E, error mounting system device, status = 00000F64 
$!  Copyright (c) 2000 Compaq Computer Corporation.  All rights reserved. 
$set noverify 
 
 
 
    Copyright 0 (c) 2000 Compaq Computer Corporation.  All rights reserved. 
 
 
    Installing required known files... 
 
    Configuring devices... 
 
    **************************************************************** 
 
    The menu can be used to execute DCL commands and procedures for 
    various "standalone" tasks, such as backing up the system disk. 
 
    Please choose one of the following: 
 
        1)  Execute DCL commands and procedures 
        2)  Shut down this system 
 
Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?)) 1
    WARNING -- 
 
    The normal VMS startup procedure has not executed. 
    Some commands and utilities will not work as documented. 
 
 
    Enter DCL commands -- Enter "LOGOUT" when done. 
    When you enter "LOGOUT" a logout message will be displayed, 
    and you will be returned to the menu.
 
$$$ MCR ESS$LADCP SHOW SERVICE/TAPE
$$$ MCR ESS$LADCP BIND/WRITE/TAPE TZL04_TAPE
$$$ MOUNT/FOREIGN MADn
$$$ BACKUP/IMAGE DKA100:  MADn:SYS_DISK.BCK/SAVE_SET
.
    .
    .
$$$ LOGOUT
  Process SYSTEM_1 logged out at  2-FEB-2000 23:35:17.52 
 
    **************************************************************** 
 
 
    The menu can be used to execute DCL commands and procedures for 
    various "standalone" tasks, such as backing up the system disk. 
 
    Please choose one of the following: 
 
        1)  Execute DCL commands and procedures 
        2)  Shut down this system 
 
Enter CHOICE or "?" to repeat menu: (1/2/?)

11.18 データの整合性チェック

BACKUP には,作成したバックアップ・コピーの整合性をチェックするための修飾子がいくつか用意されています。元のディスクとバックアップの整合を確実に行いたい場合は,それらの修飾子を使用してください。この節では,データの整合性を高める方法について説明します。紹介する修飾子のさらに詳しい内容については,『Compaq OpenVMS システム管理ユーティリティ・リファレンス・マニュアル』を参照してください。

11.18.1 /CRC 修飾子

/CRC 修飾子は,ソフトウェアによる巡回冗長性検査 (CRC) を有効にします。省略時の設定では,検査は有効(オン)です。検査を無効にするためには,/NOCRC を指定する必要があります。検査を無効にすると,処理時間が短くなりますが,データ・エラーが起きる危険性が増します。

出力セーブ・セットに /CRC 修飾子が指定された場合は,出力セーブ・セットのブロックに CRC 検査コードが書き込まれます。

入力セーブ・セットに /CRC 修飾子が指定された場合は,入力セーブ・セットに CRC 情報が書き込まれます。

できるだけCRC 検査を行うようにしてください。処理時間が長くなりますが,データの整合性は向上します。

11.18.2 /GROUP_SIZE 修飾子

/GROUP_SIZE 修飾子は出力セーブ・セット修飾子であり,この修飾子があると, BACKUP は出力セーブ・セットに冗長データを書き込みます。そして,この冗長データがあると,BACKUP は復元中の読み取りエラーの訂正を試みます。次の例に示すように,/GROUP_SIZE 修飾子には,冗長情報を書き込むブロック間隔を指定してください。


$ BACKUP/IMAGE/RECORD
_From: DKA100:
_To: MKB100:BACKUP.SAV/LABEL=WKY101/GROUP_SIZE=20

このコマンドは,保存データの 20 ブロックおきに回復ブロックを追加します。これにより BACKUP は,保存データの 20 ブロック単位で壊れたデータ・ブロックを復元することができます。 /GROUP_SIZE 修飾子の省略時の値は 10 ブロックです。

この修飾子を使用すると,セーブ・セットが大きくなり,処理時間が長くなりますが, /GROUP_SIZE 修飾子を使用してデータの整合性を向上させてください。

11.18.3 /IGNORE 修飾子

システムのバックアップは,会話型ユーザのログインがない状態で行ってください。これは,保存中にオープンしているファイルがある場合, BACKUP はエラー・メッセージを出すだけで,オープンしているファイルのコピーを行わないためです。

オープンしているファイルを保存したい場合は, BACKUP コマンド行に/IGNORE=INTERLOCK 修飾子を指定します。この修飾子を使用すると,オープンしているファイルのバックアップ時点の内容が保存されます。

/IGNORE=INTERLOCK 修飾子は,常時オープンしていて,通常の方法ではバックアップを取られることがないファイルが存在する場合に有効です。ただし,アプリケーション・トランザクション・ファイルやメモリにキャッシュされているデータ・ファイルなど,アプリケーションが常にオープンしているファイルに書き込みを行う場合には,矛盾したデータを保存する可能性があることを忘れないでください。また,BACKUP はディレクトリを検索するため,ファイルの作成や削除などのディレクトリ操作が行われていると,ファイルがバックアップ対象から除外されることがあります。一般的には,システムのバックアップは,オープンしているファイルが最も少ないときに行うのが最適です。

さらに,/IGNORE=INTERLOCK 修飾子を使用して,オープンしているファイルのバックアップを取ると,それ以降の追加型バックアップに影響が出ることがあります。たとえば BACKUP/IMAGE/RECORD/IGNORE=INTERLOCK コマンドを使用して,オープンしているファイルのバックアップを取った仮定とします。このファイルのバックアップ日付フィールドは,ファイルがクローズされないかぎり更新されません。以降の追加型バックアップでファイルがオープンしたままになっていると,バックアップ日付が最後のイメージ・バックアップの日付と異なり,最新ではないため,バックアップにファイルが取り込まれないことになります。

11.18.4 /LOG 修飾子

/LOG 修飾子は,バックアップで処理されたファイルのファイル指定情報を表示したい場合に使用します。たとえば,あるディレクトリのファイルをコピーするとき,/LOG 修飾子を使用すると,コピーしたファイルのファイル指定情報が表示されます。次に例を示します。


$ BACKUP/LOG
_From: WORK3:[OCONNELL]*.*
_To: WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]*.*
%BACKUP-S-CREDIR, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH.COM] 
%BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$MAIL.DAT;2 
%BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$SM.LOG;42 
%BACKUP-S-CREATED, created WORK1:[OCONNELL.SCRATCH]DECW$SM.LOG;41 
   .
   .
   .


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