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DECnet-Plus ソフトウェアは, OpenVMS Cluster システムをサポートし, OpenVMS Cluster の別名の使用についてもサポートしています。 DECnet-Plus では,それぞれの OpenVMS Cluster に対して別名を 3 つ使用できるようになっています。 DECnet Phase IV の場合,ノードを DECnet-Plus の別名のメンバにすることはできません。それぞれの別名を,DECnet Phase IV のノードで使用するよう構成する必要があります。
CLUSTER_CONFIG.COM コマンド・プロシージャは, OpenVMS Cluster の構成を実行します。このとき任意のクラスタ・メンバから,クラスタのすべてのメンバについて構成することができます。これにより,DECnet-Plus for OpenVMS の NET$CONFIGURE.COM コマンド・プロシージャが起動され, NCL 初期化スクリプトに対して必要な変更が行われます。 OpenVMS Cluster を構成するには CLUSTER_CONFIG.COM を使用します。 CLUSTER_CONFIG.COM がすでに使用されている場合に, DECnet-Plus のサテライト・ノードを構成するには, NET$CONFIGURE.COM を直接使用します。
23.8.3 DECnet-Plus 管理ツールおよびユーティリティ
DECnet-Plus for OpenVMS で提供されるツールにより,次の作業ができるようになります。
23.9 DECnet-Plus ネットワークに参加するための準備
DECnet-Plus ノードを構成する前に,アドレッシング,ネーム・サービスの使用,タイム・サービス,ルータについて決定しておく必要があります。また X.25 ソフトウェアに固有のライセンスの従属関係についても注意する必要があります。
準備の詳細については, 『DECnet-Plus Planning Guide』 を参照してください。
23.10 DECnet-Plus のインストールおよび構成
DECnet-Plus for OpenVMS ソフトウェアは,次のいずれかの方法でシステムにインストールすることができます。
DECnet-Plus ソフトウェアが正常にインストールされたら,次のようにメニュー方式の構成プロシージャを起動し,使用しているシステムおよびネットワーク固有の特性に従って,ソフトウェアを構成します。
$ @SYS$MANAGER:NET$CONFIGURE |
$ @SYS$MANAGER:NET$CONFIGURE BASIC |
$ @SYS$MANAGER:NET$CONFIGURE ADVANCED |
インストールおよび構成の詳細については,
『DECnet-Plus for OpenVMS Installation and Basic Configuration』 を参照してください。
23.11 DECnet over TCP/IP の使用方法
DECnet over TCP/IP 機能により, DECnet Phase V アーキテクチャが, TCP/IP ネットワークと共存し,通信することができるように拡張されます。この機能を使用するには,有効な DECnet ライセンスと, PATHWORKS Internet Protocol (PWIP) インタフェースをサポートする,ライセンスを受けインストールされている TCP/IP 製品が必要です。
次のような目的がある場合には, DECnet over TCP/IP を使用する必要があります。
DECnet over TCP/IP を使用すると,次の作業ができるようになります。
DECnet over TCP/IP 機能は, TCP/IP を使用して複数の DECnet ノード間に論理リンクを形成します。 PATHWORKS IP Driver を使用して,TCP とインタフェースを取ります。 DECnet アプリケーションは, TCP/IP によって接続された DECnet ノード間で透過的に実行されます。 DECnet ノードのユーザは, DECnet ノード同意語または IP フルネームを使用して,相互に接続することができます。次に例を示します。
$ SET HOST SYSABC $ SET HOST SYSABC.boston.acme.com $ SET HOST 16.12.42.19 |
使用しているシステムで DECnet over TCP/IP を使用可能にするには,その前に次の作業を実行しなければなりません。
DECnet over TCP/IP を使用可能にしたり,使用したりする方法の詳細については, 『DECnet-Plus for OpenVMS Applications Installation and Advanced Configuration』 および 『DECnet-Plus for OpenVMS Network Management』 を参照してください。
23.12 DECnet Phase IV から DECnet-Plus への移行
ネットワークを DECnet Phase IV から DECnet-Plus に移行するときには,ネットワークを DECnet-Plus に部分的に移行することも,ネットワーク全体を移行することも可能です。 Because DECnet-Plus には下位互換性があるため,使用しているシステムとネットワークを,DECnet Phase IV アプリケーションやルーティングなどを使用してこれまでどおり実行するように選択することができます。使用可能な追加機能は,準備ができればいつでも, DECnet-Plus からインプリメントすることができます。変更点のほとんどは,ネットワーク環境に関係しています。これらは,ほとんど全体が,ユーザおよびアプリケーションに対して透過的です。
豊富な自動化ツール (DECnet 移行ユーティリティおよび NCP Emulator) の他,単純化された構成プロシージャも使用でき,全機能をインプリメントした DECnet-Plus への移行しやすくするために役立ちます。
ネットワークの移行の詳細については,
『DECnet-Plus Planning Guide』 を参照してください。
23.13 DECnet-Plus の開始と停止
DECnet-Plus を OpenVMS インストール・メニューからインストールすると, DECnet-Plus ソフトウェアは自動的に開始します。何らかの理由 (たとえば SYS$STARTUP:NET$SHUTDOWN.COM を実行してネットワークをシャット・ダウンした後であるなど) で DECnet-Plus を再始動する必要がある場合には,次のコマンドを実行します。
$ @SYS$STARTUP:NET$STARTUP |
DECnet-Plus ソフトウェアをシャットダウンすると,システム上のさまざまなネットワーク構成要素が使用不可能になり削除される場合には,次のコマンドを入力します。
$ @SYS$MANAGER:NET$SHUTDOWN |
23.14 DECnet-Plus Documentation
表 23-4 は, DECnet-Plus for OpenVMS ソフトウェアをサポートするドキュメントのリストです。DECnet-Plus の計画,インストール,構成,および管理の詳細についてはこれらのドキュメントを参照してください。
マニュアル | 説明 |
---|---|
『DECnet-Plus for OpenVMS Release Notes』 | ソフトウェアの変更,インストール,アップグレード,互換性などの情報,新旧のソフトウェアの問題,制限事項などについて解説しています。またソフトウェアとドキュメントの訂正事項についても説明しています。このテキスト・ファイルは,構成プロシージャでプリントすることができます。 |
『DECnet-Plus for OpenVMS Introduction and User's Guide』 | システムのネットワークについて紹介し,ユーザ情報について解説しています。 |
『DECnet-Plus for OpenVMS Installation and Basic Configuration』 | DECnet-Plus のインストール方法, BASIC 構成オプションの実行方法について説明しています。 |
『DECnet-Plus for OpenVMS Applications Installation and Advanced Configuration』 | ネットワーク・アプリケーションのインストール方法と構成方法について説明し, ADVANCED 構成オプションの実行方法について説明しています。 |
『DECnet-Plus for OpenVMS Installation Quick Reference Card』 | インストール時にシステムを DECnet-Plus にアップグレードする場合に使用できる簡単なリファレンスが提供されます。 |
『DECnet-Plus Planning Guide』 | DECnet Phase IV の機能を DECnet Phase V に移行する手順を紹介しています。 |
『DECnet-Plus for OpenVMS Network Management Quick Reference Guide』 | DECnet-Plus のネットワーク管理を実行する場合に使用できる簡単なリファレンスが提供されます。 |
『 DECnet-Plus for OpenVMS Network Management』 | DECnet-Plus システムのネットワーク管理の概念とタスクについて解説しています。 |
『DECnet-Plus Network Control Language Reference』 | すべての NCL コマンドの解説と例を紹介しています。 |
『DECnet-Plus Problem Solving』 | ネットワークが動作しているときに発生する DECnet-Plus の問題を特定し解決する方法について説明しています。またループバック・テストを実行する方法についても説明しています。 |
本章では,LAN ソフトウェアの動作について説明するとともに, LAN ソフトウェアを管理するためにシステム上で実行する作業について説明します。
本章では次の作業について説明します。
作業 | 参照箇所 |
---|---|
LANACP LAN サーバ・プロセスの実行 | 第 24.3.1 項 |
LANCP の起動と実行 | 第 24.4.1 項 |
LAN 装置の管理 | 第 24.5 節 |
LAN デバイス・データベースの管理 | 第 24.6 節 |
LAN ノード・データベースの管理 | 第 24.7 節 |
DECnet MOP から LAN MOP への移行 | 第 24.8.2 項 |
CLUSTER_CONFIG_LAN.COM および LAN MOP | 第 24.8.3 項 |
MOP ダウンライン・ロード・サービスの管理 | 第 24.9 節 |
MOP コンソール・キャリアの始動 | 第 24.9.8 項 |
MOP トリガ・ブートの要求 | 第 24.9.9 項 |
さらに,次の項目について説明します。
項目 | 参照箇所 |
---|---|
ローカル・エリア・ネットワーク | 第 24.1 節 |
LANACP LAN サーバ・プロセス | 第 24.3 節 |
LANCP ユーティリティ | 第 24.4 節 |
MOP ダウンライン・ロード・サービス | 第 24.8 節 |
ローカル・エリア・ネットワーク (LAN) は,部屋,建物,あるいは建物群 (たとえば大学) のような限られた範囲内において,情報処理装置を接続するための,通信チャネルを提供します。 LAN 内のノードは,次のタイプのデータ転送媒体によってリンクすることができます。
この 3 種類のイーサネットは,どれも,CSMA/CD プロトコル,同一のフレーム形式,同一のフレーム・サイズを用いている。
LAN コントローラは,追加の外部ハードウェアとともに,イーサネット,FDDI,トークン・リング,ATM または Classical IP (RFC 1577) を介した LAN エミュレーションの仕様をインプリメントする装置です。 LAN コントローラとローカル・システムでノードを構成します。 LAN コントローラはシステム・バスを介してローカル・システムと通信します。また通信媒体を介して,イーサネット,FDDI,トークン・リング,または ATM を介した LAN エミュレーションの仕様をインプリメントする遠隔システムと通信します。 (イーサネットの仕様については『The Ethernet--Data Link Layer and Physical Layer Specification』に記述されています。 FDDI の仕様は ANSI から入手可能です。トークン・リングの仕様は IEEE から入手可能です。 ATM を介した LAN エミュレーションの仕様は ATM Forum から入手可能です。)
アプリケーション・プログラムは,LAN ドライバの QIO インタフェースを使って, LAN 上の他のノードとの間で入出力処理を実行します。 QI0 インタフェースについての詳細は,『OpenVMS I/O User's Reference Manual』を参照してください。
表 24-1 に,LAN 媒体のタイプの相違を要約します。
媒体 | 速度 | 最大 フレーム・サイズ |
最大 ケーブル長+ |
---|---|---|---|
イーサネット
802.3 |
10Mbps | 1518 バイト | 100 meters |
高速イーサネット
802.3u |
100Mbps | 1518 バイト | 100Base-TX---100 m
100Base-FX---412 m (半二重) -- 2000 m (全二重) |
ギガビット・イーサネット
802.3z |
1000Mbps | 1518 または 9018 バイト | 1000Base-SX 光ファイバ -- 550 m
1000Base-LX 光ファイバ---5 km 1000Base-CX 銅線シールド---25 m 1000BaseT 銅線 UTP---100 m |
FDDI | 100Mbps | 4495 バイト | 40 km |
トークン・リング
802.5 |
4 または 16 Mbps | 4462 バイト | 300 m |
ATM を介した LAN エミュレーション | 155Mbps または
622Mbps |
1516,4544,または 9234 | 2 km,300 m |
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